転生して電子生命体になったのでヴァーチャル配信者になります   作:田舎犬派

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#15 お家の周り予定

はいみなさまこんにちはわんこーろです。先日ガワだけ完成した神社の屋根の上で足をぶらぶらさせながら半透明のウィンドウを開いてメイクのつぶやきを見ております。あの長時間配信はまとめ動画や切り抜き動画になってまたもや広く拡散されているようです。

最初の詳細不明なモデリング動画が拡散された件から反省して、今回は長時間配信を行う前にあらかじめ「#わんこーろ」のハッシュタグを作っておいたので、前ほどの混乱は無かったように感じますね。あと、配信終了後に気付いたのですが、どうやらわちるさんが宣伝してくれていたようで、フロントサルベージ箱推しの方もたくさん視聴してくださっていたようです。

本当にわちるさんには感謝してもしたりないほどですね。

 

「ほうほう~視聴者のみなさんはロマンを取ったのですね~」

 

長時間配信中にメイクにて行った投票を締め切り、その結果を確認します。川の先に造るのは湖か滝かという選択だったのですが、わずかに滝の票が上回り、山の中に滝を造ることが決定いたしました。

 

「そう言えば配信の終わりは夕日だったのでお昼の様子をメイクに上げておきましょ~」

 

できるだけ無編集の土地が見えないように、神社と、山と、太陽の映る位置でスクリーンショット。

保存した映像データを添付し、メイクに投稿します。

 

【ご報告その1:昨日はわんこーろの長時間配信に来ていただいて本当にありがとうございました!昨日制作したもののお昼の姿です!→リンク】

 

その後あらかじめ撮っておいたSSを添付してもう一度投稿します。

 

【ご報告その2:そして昨日の最後に言っていましたやりたいことなのですが~→リンク 神社の横にわんこーろのお家を作りました!ここも最低限の機能しか実装していないので後々追加していきたいですね~】

 

【ご報告その3:長時間配信で投票を行った湖と滝どっちを造るかですが、結果滝を実装することに決定いたしました!皆さま投票ありがとうございました!】

 

添付した映像データはあの配信の後作った部屋で、世界観にあわせて私好みの和風な感じにしてあります。

畳を敷いて、ちゃぶ台を置き、これから増えていくであろう衣装をしまう為の桐箪笥を設置します。あとは見た目だけはゼンマイ式壁掛け時計のような時計を壁に掛けて一応の完成です。

その後も別アングルで撮った写真をいくつか上げた後、私は配信の準備の為メイクを閉じ自室へと向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

「は~いそれでは今日も元気に配信していきますよ~最初に、先日の長時間配信にお越しくださったみなさま~本当にありがとうございました~」

 

『すごいよかった』『一夜にして登録者数が4倍以上になったのはさすがに草』『登録人数を知ってからめっちゃびくびくしてたなw』『てかここ自室じゃん!』『わんころちゃんのお部屋に招かれた』『なんか見たこと無いものばっかり』

 

「び、びくびくなんて~してないですよ~? ……してないんですよ?」

 

『アッハイ』『詮索するな消されるゾ』『狂気しまって』『狂気助かる』『狂気出したり出さなかったりしろ』

 

「はいっ、この話はここまで~、え~と、メイクでお披露目したのですが~今わんこーろのいる場所はあの後制作したわんこーろの家のお部屋になります~まだいろいろと足りないので今後追加していきますよ~」

 

『なんだか懐かしい感じがする』『俺も、初めてみたのに不思議な気持ち』『この雰囲気好き』

 

「んふふ~、この部屋もいい感じだと思いますけど~さらにこの障子戸を開けると~」

 

私の自室は神社の裏の通路からそのまま行き来できる構造になっております。つまり神社と同じ森の中に存在しているのですが、この場所自体がほかの土地よりも高めに造ってあるので障子戸を開けた先は遠くまで見渡せるほど開けており、抜群の開放感を誇ります。

 

『おお!』『すっごい広い!』『風を感じるぜ』『でもこの風少し泣いて……』『おいやめろ』

 

「手前の開けた場所は畑を作ろうかと思います~なにを育てるかよかったらコメントやメイクで要望お願いします~奥の開けた場所には田んぼを造る予定です~なんせこの神社にはお狐さまが祀られていますからね~豊作が期待できるのではないでしょうか~?」

 

『いいね!』『わくわくするな~』『やっぱ最初は簡単な野菜からいくべき』『トマトとか?』『オレ トマト キライ』『好き嫌いすんな』『合成じゃないトマトはうまいぞ!食ってみろ!』『天然ものとかいくらすんだよ!』

 

「お米を育てるので~ご飯のお供になりそうなのがわんこーろはいいです~具体的にはお漬け物にできるものを希望します~」

 

私は電子生命体なので食べなくても問題ないのですが、皆さんに喜んで頂けるよう料理や食事の様子を配信するのもいいかもしれませんね。

 

『配信者からの圧がかかった気がします』『希望(空気よんでね)』『漬け物か~いろいろあるな~』『白いほかほかご飯に塩味の効いたおつけものか……たまにはいいかも』

 

あれ?みなさんのコメントを見ていたら何か重要なものを忘れているような……。

 

「ん~?しおあじ~~……あっ、塩!というか調味料が……無い」

 

『あっ』『あっ』『察し』『そういえば』

 

「んあ~~!塩がないと漬け物なんてできませんよ~、というか日本人なら醤油!味噌~!……大豆です!大豆は育てます!これは確定です!」

 

『珍しく焦ってんねぇ』『本気で忘れてたなw』『…というか、この世界植物育てられるの?』『あっ確かに』

『そういえばそうだな、あまりにリアルで忘れてた』『てか育てなくてもモデリングで制作すればいいだけじゃね?』

 

「確かにほしいものは3Dモデルとして制作すればすぐ手に入れられるんですけど~やっぱり素材から制作してその素材を加工したものの方がリアルな表現になるんですよ~」

 

私の制作しているモデルは軽量版以外はその中身まで再現するように情報がみっちりと組み込まれているのだ。たとえば、そこらに植えていた檜の木は裁ち取り鋏で切れば元のポリゴンに初期化されるけれど、たとえば斧を制作してその斧で木を切れば切り株はしっかり残り、木一本分の木材を手に入れる事ができる。

そうやって手に入れた木材の手触り、質感などあらゆる面で木材として制作したモデルよりも秀でています。

これは私も当初知らなかったことで、モデルの制作を行ううちに気づいたことです。

もう少し早く知れていれば神社の建築でも利用したかったんですが、時間が無く木材の調達が間に合わなかったんですよねぇ。

 

「成長についてですけど~……これは今ちょっと考え中なんですよね~いろんな意味でどうしようかな、と悩んでいる最中です~」

 

とにかく調味料、特に塩の生成及び精製方法を今後実装する予定であることを宣言して今日の配信を終了しました。

 

 

 


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