転生して電子生命体になったのでヴァーチャル配信者になります   作:田舎犬派

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#16 雑談とこれから予定

「はい皆さんこんばんは~わんこーろの配信に来てくれてありがと~今日は平日配信という事で~お部屋から配信しております~もうすぐ夕日が沈む頃ですね~せっかくだから障子戸を開けて夕日を拝みながら雑談しましょ~」

 

『いいねぇ』『やっぱ懐かしい感じするわ』『ただいま』『ただいまー』『今日は雑談枠か』『ありがたい』

 

「ただいまですか~?そうですね~……皆さんがそう言ってくださるのなら~皆さんの故郷と感じていただけるようにこれからも頑張っていきたいです~」

 

『配信始まるときのあいさつ決まったな』『ただいまいいね』『ただいま~』『現実に帰ってきた』

 

「んふふ~なら私はおかえりなさい~って返してあげますね~」

 

『おらさずっとこの村にいてえだよ』『今日からこの村に移住します』『住所教えてくれ、移住届け出しに行く』

 

「まだ私の家兼神社しかありませんから村というには厳しいかと~でも、名付けるなら~犬守山の麓にありますから~犬守村、でしょうか~?」

 

うん、いいんじゃないでしょうか犬守村。まだまだ村と言うには小さすぎますが、これからちょっとずつ開拓していきたいですねぇ。

 

「そうそう、前回の長時間配信で後回しにしていた水の実装なのですが~ちょっとこれを見てください~」

 

そういって私は急遽制作したガラス製のコップを配信画面に近づけます。中にはなみなみと透明な液体が注がれており、私が持っている手を軽く振ると当然中の液体も小さな波を立てて揺れ動きます。

 

「まだまだですが~みなさんにお披露目できるレベルになったかと思います~何の変哲もない、モデリングした水になります~」

 

そう、コップの中には私が制作した水のモデルが入っています。

リアルの水を表現するにはまだ私の制作レベルが追いついていないような気がするのですが、とりあえず今主流のグラフィックエンジンなどの表現と遜色ないレベルではないかと判断し、今回公開する事としました。

 

『おおーー!』『まじもんじゃん!』『これすげーわ』『クォリティ高杉問題』『全方位どっから見ても違和感ないのほんとすごいな』『光の反射具合とか、水の形状変化具合とか全然違和感無いな、こりゃ既存の技術じゃ無理だぞ』

 

「んふふ~電子生命体のわんこーろにかかれば~これぐらい簡単なものですよ~」

 

『ひさびさのイキりわんこーろじゃん』『これはイキっていい』『これにマウント取り返せるやついんの?』『むりです……』

 

「実はもう川の方に水を流し終えているのですが~すでに日が沈んでいるのでお披露目は休日配信までお預けになりそ~です~んくんく」

 

そういって私はコップの水を実際に配信画面前で飲んでみます。うん、のどごしも舌触りも私の知っている水そのものです。

一応味の情報も組み込んであるのですが、水の味はほぼ無いので特に感想はありません。

 

『飲めるの!?』『赤い舌見えた』『お水助かる!!』『水助』『お水民勝利』『両手でしっかりコップを支えているのが幼女みあってグッドです』

 

「んふぅ……そうそう~水を実装したので次の配信までに雲と雨を実装しておきます~雲は次の休日配信の時にでもお披露目できると思います~雨は……運が良ければ見られるかもしれません~」

 

『いいね』『今の季節だと入道雲とかか?』『そうか、雲にも種類があるんだよな』『全部実装するの?』『とりあえずは夏の雲だけでいいんじゃね?季節ごとに追加でおk』

 

「ですね~今優先して夏の雲のデータを集めているところです~このデータ自体はそれほど回収するのに時間はかからなさそうです~雲自体は無くならずに今も空の上にある訳ですからね~」

 

『雲ってあの灰色のやつか』『灰色?白じゃねえの?』『灰色だろ、見たこと無いのか?』『無い。映像データでは白く見えるんだが……』『あっ(察し)』『地下住み民だったか、すまん』『灰色なのは雲が薄すぎてそう見えるだけだ、昔は白く立体的に見えてた。らしい』

 

「白いのは雲が水滴や氷の粒の集合体だからなんですよね~今回水を実装できたことで、モデリングした雲よりも水を使って制作した雲の方がよりリアルに表現できるはずですので~ご期待ください~」

 

『立体的な雲とかなかなかお目にかかれないぞ』『いつも空に浮かんでるのは薄くて灰色のぼやけたものだしな』『雲、ご期待ください』『地下民な俺のためにもどうか頼むぜ』

 

「あとですね~メイクの投票で決定した滝の制作も始めていこうかと思います~こちらは少し悩んでいる事がありまして~みなさんの意見を聞いておこうかと~」

 

『なになに?』『何でもきいてくれよな!』『今なんでもって…』『滝の裏は当然隠し洞窟にしてね』『滝壺の中から泳いでたどり着ける洞窟は当然ありますよね?』

 

「え~と、需要があるなら~つくります~……はい」

 

滝に決まったとたんみなさんのロマンがどばどば溢れてきますね。コメントのほとんどが滝にどのようなギミックを仕込むかの話し合いの場になっております。まあ遠慮なくアイデアを出していただけるのはこちらとしてもありがたいです。

 

「それでですね~悩んでいるのは滝の規模なんですよね~数メートル程度の小さな滝にするのか~数十メートルの大瀑布にするのか~……と思ったのですが、コメントのいろんな要素を追加するなら大きいものにしたほうがいいですね~」

 

別に巨大にしても私ががんばる量が増えるだけで問題はありませんしね。

 

「では大瀑布制作にけって~い、さすがに出来上がったものだけお披露目するのはもったいないと思うので制作途中も配信で流したいと思いますので期待しててくださいね~」

 

 




10/25 #0、#16の"ふすま"を"障子戸"に修正しました。

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