転生して電子生命体になったのでヴァーチャル配信者になります   作:田舎犬派

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#264 平穏で、いつも通りなお祭りの風景

 

 V/L=Fが開催される当日、塔の街は早朝から慌しさに包まれていた。

 

 数年前まで塔の街に行くためにはいくつもの手続きと莫大なお金と、しっかりした身元が必要だった。それほどに塔の街と呼ばれる場所は特別であり、おいそれと訪れる事の出来るような場所ではなかった。

 

 しかし、FSが塔の街を拠点とし、配信者たちの祭典であるV/L=Fを塔の街で開催することで敷居を低くさせ、政府に過度の制約を撤廃させるように迫った結果、昨今では地上の除染が進んでいる影響などで以前よりも緩い条件で塔の街へと訪れる事ができるようになっていた。

 

 その影響もあってか今年の第四回V/L=Fへの来場者数は前年の二倍近くに昇ると予想されている。主塔の開放とその立役者たちの影響は計り知れず、そんな彼ら彼女らに会える滅多にないお祭り。さらには前年のV/L=FでNDSを体験できたどころか、話題のわんこーろが住まう犬守村へと行けたという情報を聞きつけた人々が今年ももしかしたら、と押し寄せた結果だ。

 

 イベントを存分に楽しむため前日から塔の街へ入場する者もおり、街は昨日の夜から多くの観光客を迎えていた。

 

 既にフェスの会場である副塔へと入場を待つ長蛇の列が出来上がり、それは副塔から街を抜けモノレールの駅近くまで続いている。果たしてこの列に並ぶ全員がイベント会場に収まるのかという疑問もあるが、その様子を見ていたFSの面々にとっては関係の無い事なので特に考えてはいない。その辺りの面倒事は室長たちは協力組織である復興省に丸投げしておけばいい。

 

『ほほ~、今年もなかなかの賑わい具合ですね~。まだ開場してないというのに~。凄い列です~』

 

 FSのメンバーは前年と同じようにカフェテラスで開場を待つ人の列を見つめていた。テーブルの上に置かれた情報端末のカメラからわんこーろもその様子を興味深そうに見ている。わんこーろのチャンネル登録者数は既に驚異的な数字を叩き出しているわけだが実際にわんこーろが見れるのは数字でしかなく、それだけの人数に周知されている実感が無いようで端末のカメラで見ることのできる範囲のみの人の多さにさえ驚き声を上げていた。今回やってくる人々全員がわんこーろを周知していて、さらには全員が移住者の可能性があると伝えればかわいらしい悲鳴を上げる事だろう。

 

「一時はどうなるかと思いましたけど、例年以上で安心しました。初夏とはいえ夏に開催するという事で参加を見送ったという人もおられるらしいですから」

 

「ナートのおかげで今年の夏は外出制限がかからないって視聴者も喜んでたよねー」

 

「わ、私よりもほうりちゃんや狐稲利ちゃんのおかげと言いますかぁ……」

 

「なに照れてるんですかナートお姉ちゃん」

 

 恥ずかしそうに頭を掻くナートだが、実際に彼女が制作したマイクロマシンによって世界中の気温が安定化し、それは世界各国の復興を大いに手助けした。本人としては実の妹であるほうりや狐稲利による助力によるところが大きいと考えていたが、実際にマイクロマシンの根幹部分を設計したのはナートであり、その偉業はマイクロマシン関連の専門家からの称賛を得るほどであった。

 

 とはいえナートは幼少期の記憶からあまり人から褒められ慣れておらず、自身の配信ですらリスナーであるナー党と煽り煽られの関係の方が気楽だと思っているほどだ。

 

「そ、そんな事よりぃ……もうそろそろ行った方が良くないぃ……?」

 

「そうですね。今年は復興省の方々もかなり協力してくださっているみたいですし、去年のように遅れるような事はないでしょうから」

 

 過去のV/L=Fで復興省の役回りは必要最低限のイベントの補助だった。だが、今年からは復興省はもちろん、政府そのものの万全なバックアップ体制が敷かれていた。例えV/L=Fへの入場希望者が今の倍になろうとも対応出来る程度には万全な状態であり、遅延なども見られない。あと十数分で開場時間となれば去年よりもゆっくりはしていられないだろう。

 

「人おおすぎぃ……」

 

「移動しながらだと列の長さがよくわかるね」

 

「ワタシらは楽でいいけど他の参加者らは大変そーだな……」

 

 大勢のスタッフに混じって関係者通路を歩いているとV/L=Fの賑わいが垣間見れる。開場待機列以外にも副塔周辺には大勢の人が集まり賑わいを見せ、去年と同じように出店のようなものを見かけたり有名配信者のコスプレをしている者たちも多い。特に今年は和服姿のイヌミミとしっぽを付けた小柄なコスプレイヤーが目立って多いように思える。

 

「人気だねぇ~わんころちゃん」

 

「さすがわんこーろさんです!」

 

『ひぇ~な、なんで~!?』

 

「そりゃ有名だからだろ? すげーよな、あれとかマジもんの和服じゃねーの?」

 

メイク(SNS)でも注目されていた方ですね。曾祖父が卸売りをしていた関係で痛みの少ない反物が残っていたと呟いていたのを覚えています」

 

 文化の復興に伴いサブカルチャーにおいてもあらゆる点でクオリティが高まっている。先ほど寝子たちが話をしていたわんこーろのコスプレをした少女の和服も、本物の着物に用いられる反物を用いて専門家指導のもと制作されているのでコスプレ衣装というよりはガチの和服と言った方がいいかもしれない。

 

 それ以外にも夏の浴衣のわんこーろやFSのコスプレの者たちも多く、それらの衣装や小物もかなりレベルが高い。コスプレイヤーの立ち振る舞いや動きも洗練されており周囲を見て回るだけでかなりの見ごたえだ。これがV/L=Fとは直接関係がない、非公式な集まりであるというのも驚きだろう。とはいえ公式も黙認しているので半公式とも言えるかもしれないが。

 

「あ……」

 

「ん? どした寝子?」

 

「あちらに百々さんが……」

 

「百々って……津々百合の姉か」

 

「おーおー、アイスほおばって嬉しそうにまぁ」

 

「確か津々百合のお二人は地下住みでしかたら……フェスに来たらアイスが食べたいとメイクで呟いておられました」

 

「それ呟いてアイス食ってたら特定されねえか?」

 

「変装なしで此処に居るわたしたちが言えた義理じゃないよぅ……」

 

「あ、こっちに手を振ってますよ」

 

「のんきだねぇ~」

 

「んなこと言ってなこそも振り返してんじゃねーか。バレても知らねーぞ」

 

 フェスの為にやってくるのはもちろん観光客だけではない、参加者として数多くの配信者が身分を隠してやってくる。といってもFSのような見た目がヴァーチャルな姿と酷似している者たちでも声さえ出さなければ問題ないと変装しない者も多く、ヴァーチャルな姿が人外な配信者は普通に観光客に紛れてやってくる。

 

「あれ? あれってイナクさん……でしょうか?」

 

「変装してんのかあれは? まるで役に立ってねぇ……てか変装してるせいでむしろ目立ってんじゃねーか」

 

 〇一の視線の先には大きなキャリーケースに段ボール箱を括り付けた荷物を引きずる、なんとも言えない変装をしたイナクらしき人物がいた。サングラスとツバの大きな帽子を被った姿はなかなかに怪しい。

 

「あー……あれは、まあ……うん。気にしないでおこっか」

 

「はあ……?」

 

 

「のじゃ……のじゃあ……」

 

 なぜか周囲を警戒しながら荷物を運んでいるイナクの姿。ある程度事情を察したなこそが助け舟を出したおかげでイナクは他のFSメンバーに悟られず無事三日目の為に既刊を搬入することに成功するのだった。現場にはリア友が待機しており、戦利品の回収も問題ないという万全ぶり。サークル参加していれば当日でも新刊が出せるのはイナクにとって救いだった。

 

 当の新刊がまだ出来ていないのは、なんとも救えない話だが。

 

「さて、それじゃあ私たちも行きますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 塔の街で開催されるV/L=Fは世界的に見てもかなり規模の大きな娯楽イベントととして有名だ。それ以外のイベントが軒並み効率化社会の影響で潰えたというのもあるだろうが、それ以上にこの国で娯楽関係の文化の復興が早かったというのが大きいだろう。

 

 例年と同じくFSはフェスの顔役として司会進行を担当し、ステージの主役として歌とダンスを披露して煌びやかな活躍を見せている。今年は例の事件の後始末や葦原町の開拓などでFSメンバー全員が多忙であったが、何とか歌とダンスの練習時間を捻出して本番に備えた。彼女たちの部屋が完全防音なのをいい事に皆で集まっては深夜まで歌の練習、という名のカラオケ大会を開催したり、人目が無い犬守神社の中でダンス練習をさせて貰ったりと色々苦労したものの、その成果は確実に発揮された。

 

 この日の為に懸命に練習してきた彼女たちの歌とダンスのステージは新人配信者やこれまで配信者に興味のなかった者たちを魅了するほどの熱量を伴い、多くの歓声と拍手によって幕を閉じた。

 

 その後に続く新人ヴァーチャル配信者の自己紹介配信も滞りなく進行し、去年の三倍にまで膨れ上がっていた新人たちの半数以上がわんこーろに憧れて配信者になったと宣言されて、それを聞いていたわんこーろが慌てふためく姿などもしっかりと配信されたりした。

 

 そうして去年のような騒動が起こる事も無くV/L=Fの一日目前半が終了し、午後からメインイベントである"修学旅行"が始まるまでの小休止が挟まり、FSのメンバーは少しばかりのお祭り散策へと出かけていた。

 

 

「はー、とりあえずひと段落したか」

 

「私たちの出番はこれでほとんど終了かな……?」

 

「いくつか解説と司会での出番はありますけど……この後は修学旅行まで自由時間ですね」

 

「私犬守村に行ってきますね!」

 

 最も忙しい時間を脱したFSの面々はそれぞれが自由行動に移っていく。リーダーであるなこそや司会役をよく任される寝子などはこの後、修学旅行に関する軽い打ち合わせなどがあるものの、それまでにはまだ時間がありメンバー全員で会場に設置されたブースを見て回るくらいは出来そうだった……のだが、早々にわちるが犬守村へとダッシュで向かったので全員という事にはならなかったが。

 

「おおぅ……一瞬で居なくなったよぅ」

 

「修学旅行の準備はもう終わっているはずでは……?」

 

「わちるんなら何もなくても犬守村にいくだろねー。最近わんころちゃんとの触れ合いがないーって嘆いてたし」

 

「緊張してるわんころをからかいに行ったんじゃねーのか?」

 

 FSメンバーの周囲はV/L=Fを楽しんでいる観光客と同業者である配信者が入り乱れている。一般人からすれば周囲の人々は自身と同じ観光客や配信のリスナーと感じるだろうが、実際はかなりの数の配信者が紛れている。

 声さえ出さなければ気付かれないという事なのか、それとも気付かれているが見て見ぬふりしてくれているのか、どちらにしろV/L=Fというお祭りの雰囲気を壊す事無く参加者は全員が思い思いに楽しんでいるようだ。

 

 わちるが居なくなった後もFSのメンバーはV/L=Fの会場を歩きながら様々なブースを見て回る。設置されているブースは企業ブースなども多く存在し、中には有名配信者グループを擁する企業のブースも存在している。ここでしか手に入らない限定グッズを手に入れようと列をなす人々が居る一方、今年も犬守村で開催されている写真展に行けるNDSの試遊ブースも多くの人の賑わいが見て取れる。

 葦原の生徒会やそれに近しい配信者には知らされている事実であるが、この試遊ブースでNDSを体験した人々の中からV+R=Wの第四期生を数十名程度選出する予定をしていたりする。

 

 基本的には去年と同じようなブースが並んでは居るが、その規模は去年以上に膨れ上がっており、ホールの外にまで簡易的なブースが設置されていたりするので、塔の街全体を巻き込んだお祭りのような状態になっているのだ。

 

そんな会場を順番に見て回るなこそたち。彼女たちが歌とダンスを披露していた西ホールから始まりNDSの体験ブースをチラ見して、軽い食事が出来るフードコーナーで軽食を買ってから東ホールを抜け、ナートが目を輝かせる新技術の展示会場になっている新館一階へと到着。V/L=Fイベントは過去最大級の人だかりによって大盛り上がりだ。

 

「どこも賑わっていますね……」

 

「もうちょい見て回るか? それから葦原で修学旅行(イベント)の打ち合わせに行ってもいーだろ」

 

「そうだねー……新館のほう様子見てみる? たしか知り合いも何名か参加してたと思うし」

 

「新館の様子って、此処がその新館だろ……って、お前まさか二階行くつもりかよ……」

 

「いいねいいねぇ! 私のファンアート描いてくれた人が本出してるらしいから気になってたんだよぅ!」

 

 FSメンバーがフェスでの仕事を終えた後に会場をぶらぶらと散策するのは毎年恒例であり、そのため新館の二階で何が開催されているのかも全員が知っている。去年はそれどころではなかったので新人であるわちるは知らないだろうが、それ以外のメンバーは既知の事柄である。

 

 コミケ会場に足を運んだことはもちろん、正体を隠して気になった作品を手に取ったこともある。さすがに非公式なイベントなので配信では言及していないものの、コミケに関してはかねがね好意的に受け止めていた。

 

 そういった理由もあり彼女らがコミケ会場へ赴く事はそこまで意外な事ではなく、むしろ例の事件によって広く周知されたヴァーチャル配信者関連の二次創作が急増しているので気にならない方が難しいまである。

 

「確かに……少し興味は、あります」

 

「あー……まあ大丈夫かな、ヤバイのは三日目だし……」

 

 なお、三日目は決して寝子を近寄らせないようにFSの他メンバーと室長、灯によって防衛と誘導が行われている。

 

「どうしましたなこそお姉ちゃん? 行かないんですか?」

 

「行く行く、ちょっとまってよ」

 

 

 

 

 

 

 

 新館二階は異様な熱気に包まれていた。行き交う人々は粛々と進行し、何か騒動が起こっているわけでもないのに圧迫感を感じるほどの熱量が渦巻いているような気がしてくる。天井より吊り下げられているゲーム企業の巨大広告が横断幕のように存在感を露わにし、各サークルのポスターが戦旗のように自己を主張している。

 

 さながら戦場のようだと、寝子はここに来るたびに思う。

 

 かつて第一回のV/L=Fがここで開催されたとき、同じように新館二階でコミケが開催された。当時は参加サークルなんてほとんど存在せず、ごくごくわずかに創作活動を行う者たちが寄り集まって会話するだけの小規模なイベントだった。

 

 だが、その活動はネットを介して多くの者たちの知るところとなり、感化された者たちが新たな創作者となって広がっていった。追い風のようにFSを含めた配信者の活動が活発化し、わんこーろの存在も相まって今年爆発した(バズった)

 

 効率化社会初期に打ち捨てられた娯楽の中心的イベントたるコミケは、数多の創作者の手によって元の規模へと蘇ったのだ。

 

「はえー……これはすごいねぇ。二年前以上の規模じゃん」

 

「熱量はV/L=Fとおんなじくれーあんな。……此処に居るの全員漫画家なのか」

 

「プロだけではなく趣味で描いておられる方も大勢おられるのがすごいですよね」

 

「はえー……」

 

 椅子と机だけというシンプルなスペースが新館二階の空間に所狭しと並べられ、それぞれのスペースが特徴的な頒布物を並べている。多くは自作の漫画や小説といった冊子の形をしたものだが、スペースによってはアクセサリーや人形、ぬいぐるみといった立体物までも存在している。

 

 なこそが言っていたように何名か葦原町に参加している配信者の姿も見られる。特に騒がれる事も無くサークル参加者が笑顔で頒布物を渡している姿を見るに、FSと同じくお忍びでコミケに参加しているのだろう。

 

 さらに周りを見ればお祭り特有の喧騒の中に様々な人間模様を見つける事が出来る。マイナーな原作の二次創作者で集まって話に花を咲かせている様子や初めて本を創ったであろうコミケ初参加の初々しい姿、熱気にあてられた人を迅速に救護室へと運び込む歴戦のコミケ救護チーム。

 

「あ、見てください、私たちの本ですよ」

 

「わんころちゃんのも出してるんだねぇ」

 

 コミケがここまでの規模に戻った理由はFSやわんこーろの尽力があったのはもちろんだが、それとは別の意味でFSやわんこーろがコミケを盛り上げる要因であったことは想像に難くない。FSはヴァーチャル配信者としてこれまで数多くの配信を行い、様々な一面を視聴者に届けた事で創作者の脳内で様々な世界線が誕生した。サイエンスフィクションな世界に彼女たちが居たらどうか? ファンタジーな世界なら? 幼少期は? 大人になったら?

 

 わんこーろという少女は犬守村という場所に住んでいるが、これはかつて本当に存在した村では? 人里離れた場所に住まう神様という設定のはどうだろう? むしろ電子生命体なのだからそちら設定の物語の主役にするべきでは? 犬守村と葦原町のつながりは? もしも学校に通っていたらわんこーろは生徒? それとも先生?

 

 何でもない妄想を手に取れる形にするのが創作者というヤバイやつらであり、それらの妄想が渦巻くのがコミケという場所だった。 FSの目の前に並べられている薄い本も、そういった創作者たちの妄想を具現化した力作たちでありその気の入り様は内容にも反映されている。

 

「おおう……気まずいよぅ……」

 

「なんつー本を……てかコレワタシと真夜の……!? ……へえ」

 

「まーるちゃんがちょっと嬉しそうなんだけどぉ……」

 

「話しかけちゃダメだよ。恥ずかしさと嬉しさで顔真っ赤だし」

 

「うるせー! ……ええと、一部千円か……」

 

「まじ……?」

 

 寝子が見つけ〇一が手に取ったのは表紙に大きくFSの面々が描かれており、他の頒布物よりも三倍ほど厚かった。最後のページには数十名ほどのペンネームが記載されており、それぞれが特色ある絵柄のアイコンと共にコメントを寄せていた。所謂合同誌と呼ばれるものだろう。

 内容はそれぞれの作者ごとに様々な物語が展開しており、この一冊だけで幾つものストーリーを楽しむ事が出来る。ほんわかとした日常ものを展開するものもあれば例の事件を基にしたシリアスな話もある。

 

 こういった二次創作物ではコラボなどで仲の良さが際立つ配信者たちはよく題材として用いられやすい。〇一と真夜もそう言った定番なカプの一つだ。

 

「私も自分の探してこよーかなー。あ、これかかおちゃんと私の本……? 全世界ボードゲーム探訪……ほうほう」

 

「おっ! わちるちゃんとわんころちゃんの本あんじゃん! お土産に一部だけ……」

 

「というか安すぎませんか……」

 

「即売会は儲け考えてない人らしかいないからねー。印刷代が回収出来たらあとは推しカプの布教に専念するだけなんだよー」

 

「なぜかなこちゃんが詳しくて怖いよぅ……」

 

 一通り非日常なお祭り風景を楽しんだFS面々は少なくない戦利品を抱えながら午後から始まる修学旅行の打ち合わせのため、犬守村へと向かうのだった。

 

 

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