転生して電子生命体になったのでヴァーチャル配信者になります   作:田舎犬派

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短いので二話投稿します(二話目)


#2 ふれあいを考えてみよう!

気が付いたらネットの中で電子生命体になっていた名無しですが、最近気が付いたことがあります。

 

なんと、私お腹が空かないんですよ!

さすが電子生命体。電気さえあればどこにでも存在できるだけのことはあります。それだけじゃなく眠くもなりませんし、生理現象の類一切が存在してないようです!

 

……確かに便利な体ですが、何だかそれはそれで複雑な気分ですね。美味しいものを食べても意味ありませんし、お昼寝も好きだったんですが、それも無駄だと思うと時間がもったいなく思えてしまいます。

 

と、いうわけで私はここ最近食事や睡眠を摂ることなく、ネットサーフィンをしております。

いやはや、ネットは広大ですねホント。

いろんな人間が主義主張を言い合い、それらが巨大な流れになって世の中を動かしている。それが文字通りネットに触れている私にはとてもよくわかります。

 

この世界のインターネットは私が生きてきた世界よりもかなり複雑でその網の目は非常に綿密なものになっています。ただの一言が一気に全世界へと配信され、脚色され捏造され拡大解釈されます。

そのスピードは前世とは比べ物にならないもので、情報の真偽を見極めることが出来れば何とも便利な世の中になったといえるでしょう。

 

まあ、基本匿名なのでカオスってるのですが。

 

さらに前世より科学技術がかなり発展しているようなので、じぇねれーしょんぎゃっぷを感じずにはいられません。

 

そんな感じでネットの海を浮き輪にのってゆらゆら眺めていたのですが、ふと私は彼らが羨ましいと感じました。ある程度匿名が維持されたネットの中ではすべての人が平等に発言する権利があります。

性別も年齢も社会的地位も関係なく同じ場所で意見を交わしあうその姿はネットの中ではすべての人たちがまるで友達のように私には見えました。

 

私もあんな風になりたい。同じように話をして、友達になりたい。

 

思えばこの世界に生まれて一年経ちますが、それまで私はたった一人でした。匿名の掲示板に数回書き込んだ事もありますが、彼らは現実に生きている人間で、私は肉体を持たないネットの中だけの存在。

友達として深く語り合おうとするとどうしても人とそうでないものの間に不和が生じます。

 

美味しいものを食べた、明日も仕事だから寝るね、風邪をひいた、あの人に好きと伝えた。

 

どれも私には心から共感することが難しいのです。悲しいことに。

 

そんな時、私はある存在がネットで話題になっていることを知りました。

この世界でも最大級の規模を持つ動画配信サイト、そこで行われているサービスの一つ、生配信というやつです。

 

今までも生配信というものを視聴したことはありますし、私もコメントしたことがあります、ですが驚いたのはその生放送を行っている生主の存在でした。

 

「ヴァーチャル配信者……!」

 

実際の人物でなく自身のアバターとしてヴァーチャル配信者となり、様々な物事に挑戦するその姿に私は衝撃を受けました。それと同時にひらめきました。

 

そうか!その手がありました!ヴァーチャルな存在として配信者になればそのテイで話を進めることができます!

たとえ私の非人間的な部分が露呈しても自分ヴァーチャルなんで~でヤバげな話題をサラッとスルーできます!

 

決めました、私ヴァーチャル配信者になります!

 

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