転生して電子生命体になったのでヴァーチャル配信者になります   作:田舎犬派

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二話投稿します(二話目)


#57 騒動の終わり

わんこーろの言葉によって犬守村の存在する空間全体の管理者権限の一部がわちるへと受け渡される。

これによってわちるはこの空間でわんこーろ、狐稲利と同等の権限を持つ存在となり、権限者として登録されることになる。

 

わちるはその時点で侵入者ではなくなり、同時にわんこーろや狐稲利と同等の存在と見なされ、わちるに手をかけようとしていたヨイヤミさんはその情報が更新されると同時に動きを止め、霧のように消え去った。

 

遠目に見ていたヨイヤミさん達もその人型の形を崩し、煙のように闇夜に消えていく。恐らく"侵入者"が存在しなくなったことで緊急対処を行う状態から通常状態へと戻り、幽世へと帰っていったのだろう。

 

「……あの、わんこーろさん……?」

 

現在わちるはわんこーろを畳の敷かれた家の床に押し倒した状態で固まっていた。走りながらその手を握ったため、勢いのままわちるはわんこーろの胸元へと飛び込んでしまったのだ。

飛び込んだ時わんこーろにその体をぎゅっと抱きしめられたのだが、それでも勢いは殺せず、押し倒すような形になってしまった。

 

わちるはわんこーろに小さく声をかけるが、わんこーろの胸元に顔を押し付けている状態のわちるはわんこーろの表情を読み取ることが出来ない。

 

「わんこーろさん、あの、ごめんなさ――」

 

それでもわちるは口を開き、謝罪しようとする。それはいきなり押し倒した事以上に、今までの自身の事も含めての謝罪のつもりだった。だがその言葉を口にする前に、わんこーろが話し始める。

 

「うわーーーん!!わちるさん!よかった!よかったよぉーーー!ごめんなさい!本当にごめんなさいーー!」

 

いや、話すというか、泣き叫び始めた。

 

それはもうひどい泣きじゃくり様だった。狐稲利紹介配信以外、普段おっとりゆるふわなイメージで配信をしているわんこーろがこのように激しく感情を見せることに、わちるの頭から謝罪の言葉が思いっきりこぼれ落とした。

 

「い、いえそんな!謝らないでわんこーろさん!私、私の方が謝らないといけないんです!だからわんこーろさんは謝らないでください!」

 

「ちがう!ちがうよぅ!悪いのは私なの!わちるさんを危険な目にあわせて!私が謝らないといけないの!」

 

「わんこーろさんは狐稲利さんと一緒に私を助けてくれました!勝手にここに入ってきたのは私なんです!だから私が謝らないといけないんです!」

 

「そんなことない!わたしのせいなの!」

 

「いいえ!私のせいです!」

 

ついにわちるまでももらい泣きし始める。どちらも自身が悪いという罪悪感を抱き、それ故に相手が何も悪くないと主張する。そんな二人とも一歩も譲らない謝罪合戦は遅れて帰ってきた狐稲利が呆れ顔で声をかけるまで続くのだった。

 

「わたし、しってるよー。いじゅうしゃが言ってたー、これって"夫婦喧嘩は犬も食わない"っていうんだよねー?」

 

さもありなん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、なぜ二人が泣いているのかまだよく理解していない狐稲利が間に入り、わんこーろとわちるは落ち着きを取り戻した。

その後、わんこーろはわちるがこの空間に入り込む前に起きた狐稲利と例のタヌキとの騒動を話し、その後に起きたリンク切断とヨイヤミさんの半ば暴走状態に陥った経緯を説明した。

 

「という訳なんです。すべては私が気づいた時に修正していれば防げた事で、わちるさんにあんな怖い思いをさせることもなかったはずだったんです……本当にごめんなさい」

 

畳の上でお互い見合うように座るわんこーろとわちる。わんこーろはそう言ってその頭を深く下げる。

 

「や、やめてくださいわんこーろさん!そもそも私が無理やりここにやってきたのが原因なんです!室長だって止めてたのに、私が無理を言ったから……!」

 

畳の上で頭を下げるその光景はまるで土下座をしているようで、わちるは見ていられなかった。そんなことをさせるためにここまで来たわけでは無いのだ。そんなことをしない対等な、友達としてもう一度認めてほしくてここまで来たのだ。

 

そう、もう一度友達に。

 

わちるはわんこーろの頭を上げさせ、その涙の滲む顔に優しく手を添える。わんこーろの体はネットの中とは思えないほど柔く、美しく、暖かかった。

 

「わんこーろさん。今度は私の話を聞いてくれますか?」

 

わちるは今までわんこーろを避けていた理由を語り始める。こちらの空間に入る前に室長に許可をもらっていたので一番最初から、つまりわんこーろを探るように指示され、それを実行しようとしたこと。

そんなことをしようとした自分に自己嫌悪して、後ろめたさから一方的に避けていた事、それらをすべて話した。

 

どうやって話せばいいのか考えながらわちるは言葉を口にしていく。もうわんこーろには嘘をつきたくはない、そんな思いからわちるは思っている事、考えていた事、それらを少しづつ、ゆっくりとわんこーろに打ち明けていく。

 

わんこーろはそんなわちるを、怒るわけでも、非難するわけでも無くただじっと見つめていた。

時折わちるが言葉に詰まると、わんこーろはわちるの傍に寄りその強く握られた手のひらに自分の手を重ねた。

 

「……わんこーろさん」

 

わんこーろはただ優しく微笑み、わちるの言葉を静かに聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――という訳なんです、だから、わんこーろさんに謝りたくって、それでもしよければ、また私とお友達になってほしいって思って……」

 

「うんうん~」

 

「……あの、わんこーろさん?」

 

「ん~?」

 

「どうして私の手を、その、ぷにぷにしてるんですか……?」

 

わんこーろは重ねたままの自身の手でわちるの手を撫でたり、つんつんと突いたりと興味深そうに観察していた。

 

「いや~私と狐稲利さん以外に3Dモデルで活動している方に触れた事がなかったので~なかなか良き3Dモデルだな~、と思いまして~。きっと製作者さんが丹精込めた自信作なのでしょうね~」

 

「わちる!わたしも!」

 

「え、ええ!?」

 

「"ええ"……?良いってこと?ありがとわちる!」

 

「い、いやそうじゃなくて――わ、わあ!」

 

許可を得たと思った狐稲利は遠慮なくわちるの頬に両手で触れる。おおー、と感嘆の声を上げながらわちるのほっぺたを上下にふにふにと動かしてはその感覚に感動している様子だった。

 

「ふんふん、とても細やかなつくりですね~」

 

「やわっこいー!」

 

「あ、あうあうあうあう……」

 

わんこーろは落ち着いてわちるの3Dモデルを観察しているが、狐稲利の方は興味の赴くままわちるの体をまさぐっている。

 

「んふふ~ねえわちるさん、わちるさんも触ってみませんか~?」

 

「へ?」

 

「ほらほら、わたしの尻尾~すごいもふもふしてそうでしょ~?なんと通常の倍のモフモフ率を誇ってるのですよ~」

 

そう言ってわんこーろは自らのしっぽを動かし、わちるの目の前でふよふよと動かしている。

なぜこんなことになっているのか。わんこーろは許してくれたのだろうか。というかモフモフ率ってなんだ?など様々なことが頭の中に疑問として浮かぶが、無意識にその手はわんこーろの尻尾へと伸びていく。

 

「……はう」

 

わんこーろの黒い毛におおわれた尻尾は手で触れるとその毛の中に手が埋もれてしまうほどに毛量があった。だが、その毛は柔らかく、手にちくちくと刺さるような感覚は無い。さらさらとしてその毛を撫でているだけで手のひらがとても気持ちがいい。

 

「んんっ、わちるさん~ちょっとくすぐったいです~」

 

「あっ!ご、ごめんなさい!いきなり触ってしまって……」

 

わんこーろの気の抜けた抗議にわちるは敏感に反応した。すぐさま尻尾に触れていた手を引っ込め、頭を下げる。先ほどまでわんこーろに謝罪するつもりだったのに、さらに失礼な事をしでかしてしまったとわちるは落ち込んでしまう。

 

だが、

 

「んふふ~そんなに慌てなくても大丈夫ですよ~?ちょっとびっくりしただけなので~。それにわちるさんにならいくらでも触らせてあげます~」

 

わんこーろは大げさなほど大きく手を引っ込めたわちるの様子を可笑しそうに微笑み、そして口を開く。

 

「だって、わちるさんはわたしの、友達ですから~」

 

「!……わんこーろ、さん」

 

「"お友達になってほしい"?どうしてそんな事言うんです~?わちるさんはもうとっくにわたしの友達なのに~」

 

「わんこーろさん……!」

 

感極まったわちるは目の前に居るわんこーろに勢いよく抱き着く。それまでわちるが抱いていた様々な悪感情のことごとくを、わんこーろは些細な事だと一蹴した。そしてわちるを受け入れた。いや、初めからわんこーろにとってわちるは友達であり、一度としてその関係が崩れたことなどなかった。そうわんこーろはわちるに主張したのだ。

 

わんこーろのそんな言葉と心遣いにわちるは救われた。自分の全てを受け入れてくれた気さえした。

だから、自然と涙が出てきてしまう。

 

「おやおや狐稲利さんといい、わちるさんといい、最近はみんな泣き虫ですね~」

 

そんなことを言うわんこーろの目にもうっすら涙が浮かんでいることに、わちるは気づいていた。

 

わんこーろと触れ合って、笑いあって、泣きあう。そんな、出来ないと思っていたことが現実になってそれだけでわちるは幸せでいっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『わちる、もういいだろうか?』

 

「室長!すみません!もう大丈夫です!」

 

二人が落ち着いた頃合いを見計らい室長が声をかける。NDS経由の映像と音声はわちるが狐稲利と遭遇した後も途切れることなく現実に居る室長達へと届いており、そのNDSのコントロールもわちるが管理者権限を取得した直後から復帰し、推進室への不正アクセスも停止した。

 

当初、わちるが狐稲利に出会う直前のヨイヤミさんに襲われていた時、室長は何としてでもわちるを浮上させようとしていた。それこそ、わちるの精神がネットへ"漂流"する危険性を分かったうえでNDSとわちるとのつながりを物理的に切断するつもりでもあった。

 

だが、そんな室長の動きを制止したのは、なこそだった。

 

わんこーろの配信に参加し、ある程度交流していたなこそだからこそ、この一連のヨイヤミさんの動きがわんこーろの仕業では無いと考えていた。あれほどまでにわちるを大切に想っていたわんこーろが、このようなわちるを排斥するような行動をするとはどうしても思えなかったのだ。

当のわんこーろの真意が分からない事や、そもそもわちるにすべてを託したのではないか。それらを必死に訴え、何とか説得しようとした。その結果、狐稲利がやってくるまで室長がNDSを叩き壊そうとするのを抑えることが出来た。

 

その後、現実の室長達はわちると狐稲利の行動に口出しせず、必死に見守っていた。こちらからではどうすることも出来ないし、狐稲利がわちるを守ったということは、わんこーろはわちるを害するつもりは無く、現在の状況はわんこーろも想定外なのではないか?と室長達は予測した。

もちろん確定ではない為、狐稲利の行動によって完全に安心できるわけでは無かったが、それでも室長は信じてみることにした。

なによりなこそが、わちるが、灯さえもわんこーろを信じようとしている。現状打つ手がないのならば、彼女たちを、わんこーろを信じるしかない。

 

その後ネットの中でわちるとわんこーろが初めて会い、わちるに管理者権限が渡されたことでNDSのコントロールを取り戻したため、室長はすぐさまわちるを浮上させるつもりだったが、ウィンドウの向こうで、涙ながらにわんこーろに抱き着くわちるをみて、今までの後悔、焦燥やら室長として、親としての責務やら、罪悪感のようなものが一気に消失した室長は、わちるが落ち着くまでその様子を見守り続けたのだった。

 

『わちる、よかったな。わんこーろと話をすることが出来て』

 

「はいっ!全部室長のおかげです!室長が許してくれたから、私はわんこーろさんに会うことが出来たんです!」

 

『……私は何もできなかった。……すべてお前が諦めずに前に進んだ結果だ。……さて、わちる。私も彼女と話をさせてもらっていいか?』

 

室長とわんこーろの通信は推進室と犬守村の両方と繋がっているわちるが入ることでスムーズに行われた。

わちるは室長が推進室の責任者であり、一番偉い人なのだと軽く説明し、互いに挨拶を交わした。

 

『まずは謝らせてほしい。あなたの親友であるわちるをそちらの空間へ送ったのは私だ。私が危険を顧みず、わちるを利用した張本人だ。……本当に、申し訳なかった』

 

「ちょ、ちょっと室長!さっきは全部私が行動した結果だって!」

 

『それとこれとは話が別だ。私の代わりにお前を送ったのは事実だからな』

 

室長はわんこーろへ己の過失を謝罪した。一連の騒動を引き起こした原因がこちらにあるのは明らかであり、それをはじめに謝罪しなければどうにも話をすることなど出来ないと考えていた。

 

『あなたなら既に把握しているだろうが、全ては私の独断で行ったものだ。あなたの管理空間への侵入も、あなた自身への全ての調査も、私が指示し、実行させたものだ。責任は全て私にある。私はどうなろうと構わない、罰するならば、どうか私一人にしてはくれないだろうか……』

 

「……え、えぇ~」

 

冗談には到底思えない声音で語られる贖罪の言葉に、当のわんこーろは驚きを通り越して若干引き気味だ。

今回の件についてわんこーろの方はそれほど深刻に考えてはいなかった。自身を探っていたといっても、探られて困ることなどない。自分から電子生命体だと一番の秘密を暴露しており、それ以上のものなどわんこーろにはなかったからだ。自身の命を脅かすようなこともされておらず、犬守村に勝手に入られた事に関してはどちらかというとこっちの過剰防衛が目立つような気がするので追及するつもりなど毛頭ない。

わちるを利用したというのも、そもそもわちるがそれを望んだ結果であり、室長の過失ではないと思えた。

だからこそ、わんこーろには推進室を責めるつもりなどなく、むしろそちらに謝りたいという感情さえあった。

 

「いえいえ!こちらこそわちるさんを危険な目にあわせてしまい申し訳ありません!私は全然気にしてませんので~どうかお気になさらず」

 

『だが、私のしたことは復興省の命令があったとしても違法に近いものだった』

 

「私はなんの被害も、不快な思いもしていないのですよ~?」

 

『だが――』

 

「私はこれからもわちるさんと仲良くしていきたいです~わちるさんが慕っている室長さんにそんなふうに頭を下げさせてたらわちるさんに怒られちゃいます~~」

 

わざとおどけたようにそう言って室長の次の言葉を遮った。

これ以上の謝罪の言葉は不要で、わんこーろは謝罪以外の言葉を欲しがった。

 

室長はたっぷりと沈黙した後、少し微笑んだ。

 

『……、ありがとう、わんこーろ。今後もわちると仲良くしてやってほしい』

 

「もちろんです!わちるさんは私の友達ですので~」

 

その後、わんこーろと室長は言葉少なくともいくらか会話を続けていく。淡々とした会話ではあったが、わんこーろはわちる以外の、わちるの大切な人との会話に興味深々で、室長としてもわんこーろという存在との会話に少なくない興味を抱いていた。

この時点で室長は既にわんこーろを本物の電子生命体と認識していた。

 

最初、室長はNDSの乗っ取りや推進室への不正アクセスもすべてわんこーろの仕業だと考えていた。だが、わんこーろとわちるの会話の中で、それは間違いでありそれらを行っていたのはわんこーろの生み出したただのAIであることが明かされると室長は驚きに目を見開き、固まってしまった。

あれほどの事をやってのけるのだから、確かに電子生命体なのかもしれない、という考えが、あれをやってのけたのがわんこーろの半分程度の能力しか有していないただのAIと判明した時点で、わんこーろが電子生命体であると認めざるを得なくなってしまったのだ。

 

『室長!室長!私も!私も喋らせてください!』

 

『お、おいなこそ――』

 

そうしてわちるの"保護者"として話を続けていた室長の通信になこそが割り込んできた。

なこそはやや興奮した様子で無理やり室長と場所を変わり、通信している画面にはなこその顔が大きく映し出された。

 

『わちるちゃん!大丈夫!?痛いとこ無い?』

 

「なこそさん、私は大丈夫ですよ!狐稲利さんとわんこーろさんが助けてくれました」

 

「いえ、あの、助けたと言いますかこちらのミスのせいと言いますか――」

 

こちらにも非があるのにそこまで明確に助けてくれた!と言われてはさすがに心が痛む。だが、わちるもなこそもそんなこと意に介さず、本人を放置してわんこーろ談議に花を咲かせる。

 

『よかったー!やっぱり私の言った通りわんこーろさんは味方だったじゃないですか室長!』

 

『それを判断するための材料が不足していたという話だ。今は……信頼しているさ』

 

『もう!室長も少しは素直にならないとダメですよー? あ、初めまして!FS所属の虹乃なこそですー、ねえねえわんこーろさん!私とも友達になってください!』

 

『ああーー!ずるいですよなこそちゃん!それなら私だって!わんこーろさん!私FSの運営をやっております白愛灯と言います!私とも友達にーー!』

 

何の脈絡もなく、唐突にそう言われた事に少しわんこーろは呆気にとられる。これまでの長い長い時間とすれ違いを経てわちると友達になった経緯に対し、その軽すぎる友達になりましょう宣言がわちる、灯となこその性格の違いを表しているようで少し可笑しかった。

とはいえその裏表のない嬉しそうな声音にわんこーろも笑顔で返答する。

 

「はい~お友達になりましょ~なこそさん~灯さん~」

 

『おお!やったやった!噂の電子生命体のわんこーろさんと友達になれた!わんこーろさんはボードゲームとかやったことあります?私、AIと戦うのが夢だったんですよ!わんこーろさんはAIよりもお強いですよね!今からワクワクします!』

 

『例のわんころ式3Dモデル制作術!あれをぜひとも教えていただきたく!』

 

「あ、あははは……」

 

わちるは先ほどよりも数段テンションの上がったなこそと灯に呆れながら、わんこーろが不快に思っていないかちらちらと様子をうかがう。

 

『……すまない』

 

思わず室長も謝罪する。本当にすまなさそうな声音なもので、わんこーろも思わず、苦労してるんだな……と思ってしまったくらいだ。

 

「んふふ~全然大丈夫ですよ~私としてはFSさんや推進室の皆さんともっと仲良くしていきたいと思っておりますので~」

 

『そうか、そう言ってくれると助かる。……だが、しまったな。そう言われてしまうと柄にもなく私も欲が出てしまいそうだ』

 

「欲ですか~?」

 

嬉しそうな、それでいて困ったような声音の室長は唐突にわんこーろに提案する。

 

『どうだろうわんこーろ、もしよければ推進室に……いや、フロント・サルベージ所属配信者に、なる気はないか?』

 

 

 

 

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