仮面ライダービルド×Fate/NEW WORLD   作:おみく

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第13話「勝利へのタクティクス」

 新たな工房の敷設は、当初戦兎が考えていたよりもスムーズに実行された。

 深山町の外れに位置する工場地帯に目をつけたキャスターは、まずはじめに、その最高責任者を調べ上げた。土地を丸ごと奪い取る必要はない。ただ、書類上、工場が今まで通り正規の働きをしていると示すことができればそれでよかった。

 無事に工場の責任者に暗示をかけ、疑われることなく工場地帯へと潜り込むことに成功したキャスターは、次に無数に存在する倉庫のうちひとつを見繕うと、その周辺に人払いの結界をかけて新たな工房とした。ロード・エルメロイの新工房は、同じくエルメロイの末裔たるキャスターの陣地作成スキルとの相性もよく、冬木ハイアットに敷設された当初の工房と同等の性能を再現するのにさほど時間はかからなかった。

 工場地帯で勤務に従事する作業員は、誰ひとりとして自分たちの職場の倉庫が一棟、丸ごと別の施設へ作り変えられていることになど気付くはずもなく、なんでもないように日常を続けている。工房の移転は成功といえた。

 戦兎は空っぽになった倉庫に新たに運び込まれた資材の数々を眺め、手を打ち合わせて破顔した。軽い足取りで工房の中を走り回り、感に堪えない喜悦を誰はばかることなく発散する。

 

「すっげえ、新しい研究所だ! これだけの設備があれば、持ち込んだボトルもじゅーーーッぶん、再調整できる!」

 

 ケイネスとキャスターが取り寄せた数々の魔導具の並びの中に、巨大なコンピューターだけでなく、凡人には用途の判然としないカプセルや薬品、一見すると家電製品にしか見えない物品が所狭しと並んでいる。すべて、ケイネスの資金力に頼って戦兎が取り寄せさせた研究機材だった。搬入されたばかりの機材の数々を、戦兎は子供のように瞳を輝かせて物色する。無意識のうちに髪の毛が一房隆起していた。

 

「キャスター。君のマスターはいつもこうなのかね」

「ああ、いえ……まあ。お恥ずかしい限りです」

 

 キャスターは歯切れ悪くケイネスに返答すると、額に軽く手を当て嘆息した。

 機材はすべて、ケイネス本人の名義ではなく、偽名を用いて購入している。機材の搬入に従事した作業員を雇うための金を出したのもケイネスだが、その仕事の依頼はあくまで工場経営者の名義でなされている。書類の上にケイネスの名前が出ることのないように徹底しろ、というのはキャスターの指示だ。当然ながら作業員も全員漏れなく暗示済みなので、今頃ここに荷物を運び込んだ作業員らはみな、自分がここ場所でなんの仕事をしていたのかも思い出せなくなっているはずだ。

 衛宮切嗣(アインツベルン)に対し警戒の念を強く抱くキャスターは、隠蔽工作には殊更力を注いでいた。二度と冬木ハイアットの最上階スイートを本人名義で堂々と貸し切るような真似はしないようにと、口を酸っぱくしてケイネスに言い聞かせる姿を戦兎も目撃している。実際、フロアを丸ごと貸し切るのは確かにやりすぎだと戦兎も思っていた。目を付けられても無理はない。

 

「キャ、キャスター! キャスターはいますか、キャスターッ!」

 

 不意に倉庫の奥から、血相を変えてランサーが飛んできた。それでも笑顔は崩れていない。

 

「はて、私ならここにいるが」

「な、なんですかキャスター、あの(かわや)は!?」

「は?」

「便器から、こう、水が飛び掛かって……、もしや妖怪!? 妖怪お尻水かけとかでもいるんですか、ここ!?」

 

 ランサーは、身振り手振りでジェスチャーを交えながら自らが体験した異常を全員に伝える。キャスターとケイネスが顔を見合わせ、眉をしかめる。

 要領を得ない質問に回答を示したのは、戦兎だった。

 

「ああ、ウォシュレットなら俺が注文しといた。時計塔の魔術師ったって、ウォシュレットくらいはないと困るだろ?」

「……ここまで来れば、最早ウォシュレット如きで出費に大した差異もあるまい。好きにするがいい」

 

 諦念混じりに目線を伏せながら、ケイネスは否定も肯定もせずに戦兎らに背を向けた。キャスターが戦兎に代わって、申し訳ない、と一言告げて頭を下げる。ケイネスは片手を軽く掲げるだけで、キャスターを責めようとはしなかった。

 ケイネスは、後ろ手に手を組んだまま、かつ、かつ、と足音を響かせて新工房内を歩き、ケイネスにとって見慣れた魔道具と、そうでない数々の機材とを、それぞれ見遣った。

 

「私がここまでの出資を許したのも、すべては聖杯戦争に勝利するためだ。私は甘かった。魔術師同士による尋常なる技の競い合いなどを夢想した私が甘かったのだ。それを自覚したからには、勝利に繋がる布石はなんであろうと打つ。今の私にあるのは、ただのそれだけだ」

「ケイネス卿の援助には、我らも大きく助けられています。その判断を後悔させぬよう、必ずや御身を聖杯戦争の勝利者へ押し上げると約束いたしましょう」

「たわけ、そんなことは言われずとも当然であろう! 今更聖杯戦争の勝利を約束するだなどと……その程度の大前提、わざわざ改めて約束されるまでもないわ!」

 

 振り返り、唾を飛ばして癇癪を起こすケイネスに、キャスターはただ粛然と頭を下げた。直後、ケイネスは深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。落ち着きを取り戻そうと努めているのであろうことは戦兎にもわかった。

 

「……いや、まあいい。で、キャスターよ。そうまで言うからには、当然、次の策は用意しているのであろうな」

 

 キャスターは不敵に口元を歪ませた。

 

「もちろん既に。マスター」

「はいはい、待ってましたよっと」

 

 呼ばれた戦兎は軽い足取りでキャスターの隣に並ぶと、すっとなにもない空間に手をかざした。戦兎が触れた箇所に半透明に光る長方形の板が形成される。黎斗がプレイヤー専用の能力として与えたホログラムウインドウだ。

 

「こ、これは」

「驚くことなかれ。これこそが我がマスターにして天才物理学者、桐生戦兎の妙技……!」

「ほ、ほう、そうか。よくわからぬ技術だが、大したものだ」

 

 また上手いこと言ったものだな、と戦兎は思ったが、ことケイネスとのやり取りにおいて余計なことは口にしない方がいいことは既に学んでいる。黙々とウインドウを操作し、頭上の空間に巨大な冬木市内の地図(マップ)を映し出した。地図上には、要所要所に赤いマーカーが打たれていた。

 

「で、これがなんだというのだ。見たところ冬木の地図のようだが」

「ええ。しかし今回重要視すべきは赤いマーカーを打たれた箇所です」

「そう勿体ぶるな、早く話さぬか、キャスター!」

 

 キャスターは再度、不敵に頬を緩めた。

 

「ここに記された場所は、すべて冬木の土地を管理するため、遠坂によって配置された要石の所在です」

「なに……? 要石、だと。土地を管理する魔術師にとっての生命線ではないか」

「左様。まずは手始めにこの要石を片っ端から破壊し、遠坂から土地の管理権、ひいては霊脈の支配権そのものを奪い取ってやろうかと」

「な……ッ!?」

 

 瞬間、ケイネスは絶句した。

 

「はじめ、私は土地の霊脈を把握し、そこに綻びを見い出し、付け入ろうとしました。しかし、まっとうな魔術師の管理している土地にそのような妥協は見出だせなかった。であれば、綻びだなどと甘いことは言わず、霊脈を守護する要石そのものをすべて破壊し、土地の管理権そのものを掌握してやろうではないか、と」

「ま、待てキャスター! それをさせぬように、魔術師は慎重に要石を秘匿しているのであろうが! それを……それを、よもやキャスター、君は遠坂が秘匿する要石の所在をすべてを解き明かしたというのか!? そんなことが……」

「ええ、なんら問題なく。霊脈にこそ綻びはなかったものの、長年に渡ってこの土地を支配し続けてきたという、その()()こそが遠坂にとっての綻びとなったのでしょう。慢心した者が管理する土地を解き明かすことなど、三国時代の戦の数々を思えば造作もないこと」

 

 羽扇を開き、口元を隠しキャスターは笑う。かつての三国時代において、地の利を活かし、戦力差で圧倒的に劣る劉備玄徳の軍を幾度となく勝利させた逸話は伊達ではない。伊達ではないことは間違いないのだが、事実がそうでないことを戦兎は知っていた。

 

“まーた上手く言いくるめたな、キャスター”

 

 念話で自らのサーヴァントへと思念を飛ばす。

 

“嘘はついていない。どのような手段を用いたか、その方法まで詳細に話す気はないがな”

 

 キャスターは軽く戦兎に一瞥を送り、薄く口元を緩め微笑んだ。

 この冬木に存在した本来の聖杯は、既に未来のロード・エルメロイによって解体されている。その際、エルメロイの未来の教え子である遠坂凛の協力を得て、土地の構造を詳細に至るまで把握したのだ。

 

“ってかお前、けっこうえげつないこと考えるよな。未来の教え子の土地をめちゃくちゃに荒らし回ろうってんだから”

“彼女が私の教え子というのは、あくまで未来の話だ。今この時点の遠坂に私はなんの義理も負い目もない”

 呆れた戦兎は、あからさまに眉をしかめ、吐き捨てるように笑った。

“そーいうところがえげつないって言ってんだよ。いつかとんでもないしっぺ返しを食らわなきゃいいけどな”

“ふん、遠坂家は冬木の聖杯戦争の発端について責任の一端を担う家門だ。霊脈を失って素寒貧(すかんぴん)になろうとも、まぁ自業自得というものさ。きっと未来の遠坂も理解してくれるだろう”

 

 とんでもない事後承諾であることは明らかだが、戦兎はそれ以上はなにも言わなかった。キャスターは時折、こうして古い歴史と力を持つ魔術師に対し必要以上に辛辣に当たるふしがある。いったいなにがキャスターを駆り立てるのか、それも問わない方がいいように思われた。

 キャスターは表情を動かすことなく、今度はその場の全員へ淡々と続ける。

 

「遠坂家は土地の霊脈を掌握することであらゆる悪霊、災難、霊障の類を跳ね除け、事業のほとんどを成功させ今の栄光を実現させているのだとか。それらすべて奪い取られたとあっては、さしもの遠坂といえども大打撃は必定。やらぬ手はありますまい」

「さも涼し気な顔でとんでもないことを言う男だな、君は」

 

 やや引き気味にぼやくケイネスに続いて、ランサーが問うた。

 

「あのー……私には魔術のことはよくわからないのですが、その要石を壊して霊脈を奪い取る、という行為にはいったいどんな意味があるんです?」

「よくぞ聞いてくれた、ランサー。答えは簡単だ。まずは霊脈の流れを奪い取り、我々が冬木の霊脈を味方につける。まずそれだけでセイバーと我々の戦力差は縮まるだろう。遠坂の圧倒的有利の影に、霊脈の流れが関係しているということは間違いようもない事実だからな」

 

 ランサーはふむ、と唸った。

 

「なるほど、地の利を活かそうというのですね。確かに、古来より戦において地の利を得るというのは常套手段ではありますからね」

「ああ。そしてしかるのち、我々は遠坂から奪い取った霊地に、新たな召喚陣を敷設する」

 

 ランサーとケイネスが、同時に顔を上げた。瞠目するふたりに畳み掛けるように、キャスターは続ける。

 

「現状、冬木の霊脈は遠坂の独占下にあるが、それを奪い取ってさえしまえば、我らの取れる選択肢も飛躍的に増える。そこで我々は、あのセイバーを撃破しうる英霊を、あのセイバーを撃破するため、()()()()()()のために喚び出すのです」

「な……っ」

 

 驚いたケイネスは、一瞬言葉を失い押し黙った。

 基本戦術がスキルによるサポートであるキャスターを運用する以上、戦兎には魔力の余裕がある。ランサーのように戦えば戦うほど魔力を消費する陣営に対し、その点で大きなアドバンテージがあった。それを利用し、ただ闇のキバを撃破する、そのためだけに新たな召喚術式を組み上げ、ピンポイントで闇のキバに対する特攻を備えた攻略用サーヴァントを召喚しよう、というのがキャスターの提案だった。キャスターらしい、ゲーマー戦法だ。

 

「ま、待て……聖杯戦争とは、元来七騎の英霊によって行われる魔術儀式。そのような方策はルール違反もよいところであろうに。教会が黙って見過ごすとは思えん!」

 

 キャスターはいいえ、とゆるくかぶりを振った。

 

「どのみち聖堂教会もまた遠坂陣営一方に肩入れし、明らかなルール違反に加担しているのです。そんな連中にルール違反だのなんだとの言われる筋合いはありませんな」

 

 負けじと、ケイネスは声を張った。

 

「裏を返せば、そうまでして聖杯戦争に勝とうとしているのだ、奴らは! こちらにルール上付け入る隙があるとなれば、嬉々として突いてくるぞ!」

「ふむ。では、我らもアサシンのルール違反を突き付けてやりましょう。奴ら、色々と小細工を弄して自らの違反を秘匿してはいるようですが、この諸葛孔明を前にその程度の細工は戯れのようなもの。逃れようのない証拠を突き付けて、此度の監督役としての立場そのものを揺るがしてやればよいのです」

 

 はっとした様子で、ケイネスは瞠目した。

 

「そうなることを恐れて、教会は我らのルール違反は追求してこない……いいや、追求できないと、君はそう言いたいのかね」

「奴らも馬鹿ではない。一度私の奇門遁甲に掛かるという失敗を犯した以上、よもや未だアサシンの絡繰りを見抜かれていないだなどと脳天気なことを考えているわけもありますまい。奴らは間違いなく、この私を警戒している」

 

 即断できかねるらしく、ううむ、と低く唸るケイネスに代わって、今度はランサーが声を上げて笑った。

 

「あっはははははは、なるほど面白い! 方針はわかりました。しかし、それがまかり通るとして、要石とは遠坂の生命線なのでしょう。であれば、奴らも必死になって阻止しようとするはず。その辺りもちゃんと策は考えてるんです?」

「どのみち遠坂はセイバーを召喚した()だ。それが土地の管理者というのなら話は早い。ハナから敵対が確定しているのなら、いかな妨害を受けようとも関係はあるまい。こちらも後腐れなく徹底的にやってしまえばいい」

「それはつまり、力技で押し通す、と?」

「そうだ。シンプルでわかりやすいだろう」

 

 瞬間、口元をにこりと微笑ませたまま、ランサーは目を見開いた。

 

「あ――ッははははははははははははははッ!」

 

 最前までの様子からは一転、ランサーは磊落に声を上げて笑い始めた。

 腹を押さえ、しばし笑ったランサーは、目元に滲んだ涙を指先で拭い微笑んだ。

 

「いえキャスター。中華に名だたる軍師にしては、随分と面白いことをおっしゃるので、つい」

「……私は笑い話をしたつもりはないのだが」

「そういう意味ではありませんよ。そなたの語るような、あまり前後を顧みないやり方、実は私も案外と嫌いではないのです。だって、面白いではありませんか! 真正面から敵陣の要所を制圧して回り、敵大将を追い詰め攻め落とす! 戦とはやはりこうでなければなりません。私にはそういうやり方のほうがよほど性に合っている!」

 

 キャスターは一瞬眉をしかめ身を引いたが、すぐに向き直った。嬉々として槍と刀を振り回すランサーに追い詰められた経験のある戦兎には、キャスターの気持ちがなんとなく理解できる気がした。ランサーの笑顔と正面から向き合うことは、戦力として心強い反面、空おそろしいものがある。

 

「……そ、そうか。では、ランサー。君は賛成と見ていいんだな」

「ええ、とういか、このまま籠城するのも面白く……あっ、いえ、あまりよい策とはいえませんし?」

「今、面白くないと言いかけなかったか」

「あははははははっ、まあまあ。死中に活を求めると言いまして、戦とあらば果断即決! とにかく打って出ることが肝要です。ですので、ケイネス殿さえ了承されるなら、その企てに是非とも一枚噛ませてもらいたいところですが」

 

 あいも変わらず物騒な笑みを浮かべるランサーに反して、ケイネスは指先に顎を添えた姿勢のまま低く唸り、暫し黙考した。

 

「どうする、ケイネス。あとはあんた次第だ」

 

 戦兎は空間に開いたマップを閉じ、ケイネスの肩を叩いた。当然のようにケイネスは戦兎の手を払いのける。

 

「ええい、緒戦のうちは慎重に……とは思っていたが、そうも言ってはおれんことはよく分かったとも。取れる選択肢の中で、これがもっとも勝率の高い戦法なのだろう? であれば、断る理由もなかろうに」

「おお、流石はケイネス卿、ご英断です。それでは、日が沈み次第早速仕掛けようと思うのですが」

「う、うむ。どちらにせよセイバーと戦う必要があるのなら、仕掛けるのは早いほうがよかろう。ただし、やるからには必勝の覚悟で挑むぞ。よいな、キャスター!」

「言われるまでもなく。中華の軍師たるサーヴァントの本領をお見せいたしましょう」

 

 キャスターは不敵に笑みを浮かべると、恭しく頭を垂れた。

 

「よっし、話は決まったな。そンじゃ、俺も早速動くとしますか!」

 

 戦兎はにんまりと頬を緩めると、運び込んだ機材に駆け寄りコンピューターの電源をつけた。自らのデスクに向き合い、懐から取り出したボトルを戦兎が組み上げた装置に設置する。装置には既に、ハザードトリガーが接続されていた。現代よりも二十年以上も前の設備では、ボトルの調整にも時間がかかることは容易に予想できるが、実際の戦闘開始までに少しでもビルドのスペックを底上げする必要がある。戦兎はひとりの科学者として、自分の世界に没入していった。

 

   ***

 

 戦兎らが選んだ工場は、部分的に二階建て構造になっており、二階部分は事務所としても運用できるよう造られていた。給湯室や仮眠室だけでなく、簡素なシャワースペースも最初から用意されていたので、生活をする分には困らない。戦兎らは二階の事務所スペースを仕切りで隔てて、それぞれの居室をつくった。

 二階の廊下を、ひとりの少女が歩いていた。ランサーだ。真紅の布で裏打ちされた白の和服を身に纏い、肩や胴など、部分的に武者鎧を身に纏っている。霊衣は脇腹や太ももを覆ってはいないらしく、歩くたびに白い和服の隙間から健康的な肌色がちらりと見える。

 ランサーは、子供のように無邪気な笑みを浮かべ、興味津々といった様子で各部屋を覗いて回っていた。

 

「随分と機嫌がよさそうだな、ランサー」

 

 好奇心に駆られたキャスターは、廊下の一本道でランサーとすれ違うその刹那、不意に彼女を呼び止めた。ランサーは口元に薄い笑みを浮かべたまま、きょとんと小首を傾げて見せた。

 

「おや、キャスターではありませんか。私は別段いつも通りですが、機嫌がよさそうに見えましたか?」

「ああ。新たな環境を楽しんでいるように見えた……が、いや。よくよく考えれば君は常に笑顔だったな」

 

 ランサーはくすくすと微かな笑みを浮かべる。

 

「さしもの中華の軍師殿にも、私の本心はわかりませんか」

「残念ながら。君の真名についてなら、私の中であともう一歩というところまで絞ってはいるのだがね」

「あははははっ、流石は音に聞こえた天才軍師ですねえ。もしも想像の通りだとしたら、大した観察眼です!」

 

 なんでもないようにランサーは笑ってみせる。おそらく彼女は、自分の真名を言い当てられることにさほど警戒心を抱いてはいない。自分の力量に絶対的な自信がある証拠だった。

 廊下に等間隔で並んだ窓からは、工房(ラボ)と化した階下の工場全体が見渡せる。ランサーは不意に窓へ向き直ると、階下で機械の山に埋もれながらよく分からない作業に熱中している戦兎に視線を向けた。

 

「私には、人の心がわかりません。戦兎がなにを考えているのかも、そなたがなにを考えているのかも、本当のところはわからないのです。聖杯戦争という(いくさ)において、そなたらが本当に本心からケイネス殿のために戦おうとしているのかも」

「それは事実だ。確かに私の話には秘せざるを得ない情報も幾つかはある。しかし、ケイネス殿に不幸な未来を辿って欲しくないと心から思っているのは、嘘偽りのない本心だ。まだ疑わしいかね」

「疑ってはいませんとも。ただ、わからないのです。なぜ、そなたはケイネス殿のためにそうまでしようと思うのですか?」

 

 ランサーは笑顔のまま、キャスターへと向き直った。

 

「言ったはずだ。ケイネス卿の勝利は、そのまま私の未来に影響する。ここでケイネス卿に勝って貰わねば、困るのは未来の私なのだと」

「なるほど。ならば自分で聖杯を獲って、自分で自分の未来のためにその力を行使すればいいではありませんか。聖杯を獲ればどんな願いでも叶えられるというのに、わざわざケイネス殿を勝たせるなどという遠回りをする理由が?」

「それは……」

 

 返答に窮し、言葉を詰まらせる。目の前で微笑む少女の感情が、キャスターには読み取れない。本心が見透かされてる気がして、キャスターは得体の知れない居心地の悪さに見舞われた。

 

「ああ、いえ。責めているわけではありませんよ。ただ……私は人というものを知りたいのです。なぜたかが他人のためにそうまで尽くせるのか。いやまあ、それが人である、ということは分かってはいるつもりなのですが……なにか特別な理由がおありなら、そなたの言葉で教えてくれませんか、キャスター」

 

 数瞬の沈黙ののち、キャスターは口を開いた。

 

「――……私はもう、後悔をしたくない。確かに君の言う通り、私が自分で聖杯を得ればそれで済む話なのかもしれない。しかし、そのために恩師をこの手に掛けられるのかと問われれば……私には、そんなことはできない。ましてや、此度の聖杯戦争において、私のせいでケイネス卿の才能が失われたという誹りを受けることは……私には堪えられない」

「なるほど……そういうものですか。そなたの言い分はなんとなくわかりました。ですが、ええ……なればこそ、安心なさい」

「なに……?」

「この私がいる限りケイネス殿は絶対に死なせませんよ。聖杯を獲るのは、ケイネス殿とこの八華のランサーです。そなたの望みは正しく叶えられましょう」

 

 ランサーは淀みなくそう言ってのけると、一切の衒いのない花のような笑みを浮かべてみせた。瞬間、キャスターはその美しく玲瓏な微笑みに、ぞっとするものを感じた。まるで凶器を眼前に突き付けられているような感覚。凶器そのものと会話しているような剣呑な危機感。

 キャスターは自ずと視線を反らし、階下のケイネスを見遣った。

 

「逆に問おう。君こそ、聖杯にいったいなにを託して戦おうというのかね」

「おや、そなたもケイネス殿と同じことを問うのですね。聖杯にさしたる意味などないというのに」

 

 困ったようにランサーは笑った。そんなことを言われても、困るのはキャスターの方だった。

 

「聖杯に、意味がない? それは、どういう意味で言っている」

「だって、報奨がなんであろうが私は勝ちますし? 今回はそれがたまたま聖杯だったってだけでしょうに」

「……あいかわらず、かなりの自信家らしいな、君は。呆れるよ」

「あっははは! そうでもなければ軍神だなどと呼ばれはしませんよ」

 

 微笑みをたたえたまま数歩進んだランサーは、キャスターの肩を追い越し、遠ざかってゆく。

 

「先程の問いに答えてくれた礼です。私も少しだけ、自分のことを語りましょう」

 

 振り返ると、ランサーは数歩ほど歩いたところで、はたと立ち止まっていた。

 

「私とケイネス殿は、似ているのです」

「似ている……? 君と、ケイネス卿が?」

「ええ。私もケイネス殿も、なにも特別なことをしてきたわけではありません。自分に為せることをただ当然のように為してきただけ。ただのそれだけで、私は気付けば軍神とまで呼ばれていました……あっ、いえ、実際呼ばれたのは死んだあとですけど」

 

 キャスターは顎に指を添え、小さく唸った。

 

「ああ、なるほど……そういう意味では、確かにケイネス卿もその境遇に当てはまるのかもしれないな」

「私は、当たり前をただ当たり前にこなしてきただけ。万人にとってそれは当たり前のことではなかったようですが、ともかく、およそ私の人生に不可能と呼べるものは存在しなかった。事実、生涯大きな戦では一度も敗走していませんし? 私には敗走せざるを得ない側の人間の気持ちなどとんとわかりません」

「うむ……うむ。なるほど。ああ、だんだん似ている気がしてきたぞ……」

 

 幼き頃から神童と謳われ、手を出した分野のことごとくで成功をおさめ、若くして君主(ロード)の栄光すらもその手に掴んだ、時計塔の風雲児――ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。人生のすべてにおいて勝利と栄光を約束された勝ち組の人間(ケイネス)と、そうでない自分(ウェイバー)。こちらの気持ちを知りもせず、聴衆の面前でこっぴどくこき下ろされた過去を思い返すと、自分に非があったとはいえ、胸のうちがぞわぞわとしてくる。

 

「……でも、ホントのところは、違うんですよ」

 

 不意に、ランサーの声のトーンが軽く一段ほど下がった。

 

「違う?」

「ええ。私とケイネス殿は、似ているけれども、決定的に違うんです」

 

 ランサーがくるりと首を回し、キャスターへと振り向いた。目と目が合う。口元は相変わらず緩んでいるものの、その目はなにかを訴えかけているような表情をしている、とキャスターは感じた。その微笑みは、キャスターに不思議と()()を連想させた。

 

「それは、いったいどういう」

 

 ランサーはもう一度、くすりと柔らかな笑みを浮かべた。

 

「ケイネス殿は、許嫁のソラウ殿を心から愛しておられる。ケイネス殿は、私と違って細かな物事に心から憤慨することができる。それがなにを意味するか……わかりますか?」

「……心、か」

「ええ、その通りです。ああ見えて、私の主は誰よりも人らしい心を持ってるんですよ」

 

 どんな言葉をかけてよいのか、返答に窮したキャスターに背を向けると、ランサーは再び歩き出した。

 

「似てはいても、私とは決定的に違う。ケイネス殿は、私と同じく、当然のように栄光の道を駆け抜けながらも、その実きちんと人らしい心を持ちあわせている。私は、そんなケイネス殿から、人のなんたるかを学びたいのです」

「それが、君の願い」

「ええ。私に願いがあるとすれば、ただのそれだけですよ」

 

 もう、ランサーはキャスターの返答を求めてはいなかった。最後ににこりと柔らかく微笑むと、そのまま振り返らずに歩き去ってゆく。やがて突き当りの階段に到達した時点で、ランサーはその体を粒子へと変えて姿を消した。霊体化だ。

 

「ランサー……」

 

 彼女が最後に見せた笑みが、キャスターの脳裏にこびりついている。嬉しくも悲しくもない、本心のうかがい知れぬ微笑み。普通の人間ならば、あんなふうには笑わない。あの微笑みにむりやり意味合いを持たせるなら――どこか思い悩んでいるような、複雑な笑みであったようにキャスターには思われた。

 

「……そうやって思い悩むその姿こそが、君もまた人の心を持っているという証じゃないのか」

 

 結局ランサーに返す言葉を持たず、今更になってぼやいたキャスターだったが、その言葉を受け止めてくれるものはどこにもいなかった。

 

   ***

 

 冬木中の霊脈が集うと言われる円蔵山に入り、登山道をはずれてしばし山中を進むと、いよいよ月明かりさえも届かぬ程に草木は鬱蒼と生い茂り、ビルドらの歩みを阻んだ。それでも木々をかき分けて進むと、やがて戦兎らはぽつんと開けた場所に出た。苔むした石造りの祠が見える。目的地の印だった。

 

「あれを壊したら、遠坂に気取られる前にすぐに離脱するぞ。それでこちらの役目は終いだ」

 

 突然の敵襲に備えて、既に赤と青の姿へ変身を済ませて進むビルドの後方からキャスターが声をかけた。ビルドらと同時進行で、ランサーとケイネスも指定された要石を破壊して回っている。予定通りであれば、向こうも今頃はこの円蔵山に配置された要石を破壊している頃だろう。

 

「あいつらがしくじってなきゃいいけどな」

 

 ビルドは軽口を叩きながら空き地へと進む。既に戦兎は、ここに至るまでに幾つかの要石を破壊して回っていた。霊脈にとって影響の小さいものから順に破壊してきた。奇門遁甲の陣にアサシンがかかったならば、遠坂に気取られるのを少しでも遅らせるため、石兵八陣で幽閉し徹底的に排除した。あとは眼前の要石さえ破壊できれば、それで今日の破壊目標数は達成される。

 

「いや、待て……様子がおかしい」

「なに……?」

 

 異変に気付いたビルドがその足を止めた。一瞬遅れて、キャスターも立ち止まる。

 祠の前に積み上げられた土塊(つちくれ)の中で、宝石(ルビー)が煌めいた。ルビーから生じた赤の魔力が、稲妻のように土塊全体を駆け巡り、その姿を変えてゆく。土塊は急速に二メートルほど盛り上がると、人の形を成した。ごつごつとした岩の体を包み込むように、赤い宝石の装甲が形成される。土塊は宝石の体を持つ怪物(ゴーレム)へと姿を変えていた。

 全身を赤い宝石で補強したゴーレムが土の体で軋轢を響かせ、生物感のない咆哮をあげる。ルビーの体は、淡い月明かりを受けて真紅の煌めきを乱反射させていた。

 ビルドも、キャスターも、さして驚きはしなかった。むしろ、ここまでアサシンを除いて大した邪魔が入らなかったことの方が拍子抜けだったのだ。

 

「ルビーゴーレムの番兵か。流石に円蔵山まで入り込めば、少しは警備も厳重になるらしいな」

「はいはい、なんでもいいよ。再調整(アップグレード)したビルドの性能を試す絶好の機会ってことに変わりはない。だろ?」

「ふ、それもそうだな。ここまで来たんだ、徹底的にやってしまえ!」

「了解。それじゃあ気兼ねなく、実験に付き合って貰うとしますか!」

 

 ルビーゴーレムからは、敵意は感じるが人間らしい意思は感じない。おそらく、要石の祠に悪意を持って近づいた敵を排除せよ、という単純な命令ひとつで動いているのだろう。旧世界に存在した自律行動メカ(ガーディアン)とそう大差はない。ビルドの敵ではない。

 調整したばかりの大剣型の武装(フルボトルバスター)を構え、ビルドは地を蹴り駆け出した。ゴーレムがその巨大な拳を打ち合わせて前進する。互いの間合いへと踏み込むと同時、ゴーレムは巨腕を叩き付けようと振るうが、ビルドはわざと体勢を崩して後方へと倒れ込み、拳をかわした。カウンターの要領で、ビルドは己の間合いへと勢いよく踏み込んだゴーレムの胴体をフルボトルバスターの刃で横薙ぎに斬り裂いた。

 

「――ッ!」

「ほら、まだまだいくぞ!」

 

 背中が完全に地面に設置する頃には、既に大剣のグリップが折れ曲がっていた。バスターブレードモードから、バスターキャノンモードへと瞬時に組み替えたのだ。二箇所に取り付けられたグリップをそれぞれ握り込み、ビルドはトリガーを引く。大口径の光弾が一発、二発、三発と続けてゴーレムの腹部で炸裂し、ルビーの体に亀裂を走らせながら後退る。

 

「よっと」

 

 起き上がったビルドは、真紅のフェニックスボトルをシリンダーに装填する。電子音を鳴り響かせて、フルボトルバスターはボトルから抽出した炎のエネルギーで巨大な光弾を発生させる。トリガーを引くと、放たれたエネルギー弾は炎を振り撒きながらゴーレムへと直撃し、その巨体を後方へと吹き飛ばした。

 一瞬遅れてフルボトルのエネルギーが炸裂し、舞い上がった炎がゴーレムの全身を蝕んだ。全身がひび割れる。崩れかけた体で、それでも炎に巻かれながも果敢に突撃してくるゴーレムを前に、ビルドは二本のボトルを取り出した。

 

「はいはいどんどんいきますよっと。お次はジャストマッチでーす!」

 

 シリンダーに消防車ボトルと扇風機ボトルを装填する。ジャストマッチブレイクの発動だ。戦兎の言葉と一語一句違わぬ電子音が鳴り響くと、赤と青のエネルギーが渦を巻く。ゴーレムが戦兎の間合いに踏み込む間もなく、二色のエネルギー弾はゴーレムに着弾し、炸裂した。

 水飛沫と突風が弾けて、ゴーレムを中心に暴風雨を発生させる。最前のフェニックスボトルの攻撃で燃え広がった炎は瞬く間に消し飛び、砕け散ったゴーレムの体が祠を巻き込み、ビルドが発生させたサイクロンにもみくちゃにされる。ゴーレムは既にその機能を停止していた。

 風がやみ、落下した祠の中身めがけて、ビルドはフルボトルバスターの引き金を引いた。放たれた光弾が要石を粉々に撃ち砕いた。

 

「うーん、さっすが俺! 時間も設備も絶妙に足りてない環境でここまで再調整するなんて、やーっぱ凄いでしょ、最高でしょ、天才でしょーッ!」

「ああ、そうだな。そんなことよりすぐに離脱するぞ。予定通りなら、そろそろランサーも作戦を完了しているはずだ」

 

 戦兎の歓喜の声をあからさまに適当に聞き流しながら、キャスターが要石のあった場所まで歩み出た。要石のかけらを蹴り飛ばして、地面に手を触れる。霊脈の流れを確かめているのだろうが、戦兎にはわからぬ世界の話だった。

 

「はいはい。それじゃ、とっとと撤収してランサーと合流するとしますか」

 

   ***

 

 真紅のゴーレムは、(コア)となるルビーを穿たれ、その全身から宝石の輝きを失い、崩れ去った。最前まで人の体を形成していたゴーレムも、ただの土塊となってしまえば、腕や頭、胴体の見分けもつかない。ただの土となって、うず高く積み重なるばかりだった。

 ゴーレムが戦闘をするのは、ほんの僅かな時間だった。ランサーという名の刃持つ暴風雨を前に、サーヴァントでもない自律兵器がまともな戦闘を演じられるわけもない。

 傷一つない体で、ランサーは槍をぶんと振り回す。黄金の閃光が、幾重か閃いた。それだけで遠坂の要石が置かれた祠は細切れと化して地に落ちた。

 

「まったく手応えのない。ここが本当に大切な要所であるならば、もっとまともな兵を置けというのに」

「ふ、そう言うなランサー。よもや要石の所在を看破されるなどとは思いもよらなかったのだろうよ」

 

 木陰から、後ろ手を組んだケイネスがたっぷりと余裕を滲ませた笑みをたたえて姿を表した。おそらく、この程度のゴーレムが相手ならば、ケイネスの月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)でも十分に相手取れただろう。この分なら、今頃戦兎らも特段苦戦を強いられることなく目的を果たせている頃合いだろう。

 ランサーは戦いの後の爽快感など得られるわけもなく、心に満ちた空虚な物足りなさに乾いた笑みを漏らした。

 だが、その空虚もすぐに燃えるような昂揚によって上塗りされる。

 

「ッ!」

 

 急速に接近する敵意と、隠そうともしない憎悪の気配を察知したランサーは、その強靭な脚力でもって即座に地を蹴ると、月へ向かって勢いよく跳び上がった。

 

「――ォォォォオオオオオオオッ!」

 

 憎悪に任せた絶叫を響かせて、短槍と長槍を構えた漆黒の騎士が飛来した。

 刹那、月明かりの夜空にふたつの影が交差する。漆黒の二槍と、黄金の魔力を振りまくランサーの槍が激突した。そこから、僅か数秒の間に人智を越えた速度で槍と槍が激しく相克し、突風を巻き起こす。起こった風が木々を揺らし、ざわつかせる。一斉に小鳥が空へと舞い上がった。

 両者互いに決定打を与えることなく、幾度目かの相克で槍と槍を打ち合わせると、互いに弾き合うように距離を取って着地する。

 

「どうやら敵の襲撃のようだな、ランサー」

 

 ケイネスの周囲には、既に水銀が蠢いている。不用意に間合いに踏み込めば、そのすべてを切断せんとばかりに月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)は銀色の鎌首をもたげていた。

 

「ええ、どうやら少しは骨のある奴が出てきたようです!」

 

 白の和服を翻し、八華のランサーは嬉々として笑う。

 相対する黒の槍騎士は、その双眸から夥しい量の血涙を流しながら、憎悪の雄叫びをあげた。まるで理性のない獣のようだとランサーは感じた。

 

「ふん、よろしい。ならば奴に刻み付けてやるとしよう。我らに鉾を向けることが、いったいなにを意味するのかを」

 

 ケイネスは新手の敵を睥睨すると、どこまでも冷徹に、鉄のように冷たい笑みを零した。

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