再び実力至上主義の教室へ 作:大和
俺はバスの椅子に座ると春の陽気に当てられあくびがでてしまう
俺は今日から東京高度育成学校に通うことになる
……眠いなぁ。
そんなことを思いながら俺はバスに揺られている
うとうととそして心地よく瞼が重くなっている
そして暗闇が全てを支配するのには時間が掛からない
俺はいつのまにか眠ってしまっていたらしいが
するとなんだか騒がしくて起きてしまう
「ふぁ〜〜〜。」
大きくあくびをするとすると全員の目線が俺に集まる
気にせずに俺は周辺を見るとすると女子高校生と困っているお婆さん。そして制服の人が見える
あぁなるほどそういうこと
「……あっ。婆さん座りますか?」
「へ?」
「いや、なんかきつそうでしたし。すいません。気づかなくて。」
俺は荷物を持ち立ち上がる。
春の心地に委ねながら昼寝をしていたので全く気づかなかった
自分主義
否定することはないが俺は賛成することもできない
「あ、ありがとうございます。」
すると困っていた少女が俺の方を向かって頭を下げる
「別にいいですって。当たり前のことですし。」
と俺は席をゆずるとすると視線が俺に集中する。
……あれ?普通のことをしただけだよな
俺はそうするとつり革を掴む
ガタンガタンと揺れる中で俺は揺れる
「あっ。さっきはありがとうね。」
すると笑顔が明らかに作られた女性がこっちに向かってくる
明るそうに見えるが心に気持ちもこもってない冷たい声に俺は笑顔が曇ってしまう
「……お前つまんない嘘つくな。」
俺が放った言葉は多分誰よりも冷たい声でそして恐ろしい声が出ていたのだろう
周辺の人が俺の方に視線を集める
さっきまで言い争いをしていた婆さんも、多分同級生になるであろう制服を着た人たちも
女子は何か言いたそうにしていたが少し目線を逸らしたことから事実だったんだろう
俺はため息を吐き外を見る
またやってしまったと後悔し胸が少し傷んだ
俺はクラスわけを見るとDクラスに新井康太と書かれている
入学式が終わった後に俺たちは教室へと向かう
入学式での長ったるい挨拶を終えると俺たちは教室に戻ってくる
教室に向かうとすでに騒がしくクラスが騒音に紛れている
俺は教室に入ると雑音が聞こえてくるのだが
騒がしいな。
さっきから暖かなぼかぼかした陽気で眠くなっていたのにさすがにこれだけ騒がしいと眠気がなくなる
「……ふぁ〜〜。」
わけではなかった。普通に眠い。暖かい日が続いているのが悪い。
自分の席に座ると一番後ろの席であるからか40人の学校だけどほとんどの席が埋まっているのが分かった
「……?」
俺は国立の中学校出身なのだがこんなに進学校なのに騒がしいのだろうか?
まぁ入学式の後だろうし少しくらいははしゃいでもいいとは思うけど
入学式の態度から見るに明らかにDクラスはレベルが低い
「……なんか一筋縄ではいかなそうだな。」
俺はポツリと呟く。俺自身中学時代に少し色々あったこともあるので尚更このクラスは何かあると思わざるを得なかった
それに教室にはものすごい数の監視カメラが配置されているしな。
……やっぱりなんか臭うな
隣を見ると綺麗だがどこか気の強そうな女子とそして対照的にメガネであまり目立ちたくないのであろう伊達メガネをつけた女の子がいた。
……話しかけるんならこっちか
俺は少しだけ息を吐く。少し女子に話しかけるのはさすがに緊張するし
そして一息呑み
「ちょっといいかな?」
俺は眼鏡をかけた女子の方に話しかける
「えっ?」
「隣の席だから挨拶しておこうって。新井康太。一年間よろしくな。」
「えっと、その。」
「いいよ。ゆっくりで。隣の席だから挨拶しておこうって思っただけだし、仲良くなれればいいって思っただけだから。」
俺は笑顔で返す。多分この子は優しい。彼女は人と接するのが苦手なんだろう。男子が苦手と考えたこともあったが、それなら女子のグループに入れてもおかしくはない。でもなんとか自己紹介をしようとして無理に断るのは失礼に値するだろう。
「あ、あの……。さ、佐倉愛里です。」
「うん。よろしくな。」
俺は少しだけこの人に興味を持つ。
もう少し話して見たいと思った中で、先生が入ってくる
「新入生諸君。私はこのDクラスを受け持つことになった茶柱佐枝だ。担当科目は日本史だ。この学園では卒業までの三年間クラス替えはしない。お前達は私と三年間共に過ごすことになるがよろしく。今から一時間後に入学式が行われるが、その前に当校の特殊なルールについて説明をしたいと思う。まずはこの資料を配布したいので、前の生徒は後ろの生徒に回してくれ」
すると説明が始まると基本は入学前の資料と同じことが分かる
内容は確かこの高等学校は、全国各地にある高等学校とは異なったルールが敷かれていて、生徒は在学中は学校が用意した寮で寝泊まりしなくてはならず、在学中、特例を除き外部との接触を禁じられている事。また犯罪や施設に関する人も国家が雇っているらしく警察くらいしか外部の人間はいないのであろう。
そして一番の変わったシステムと言われるSシステムについての説明に入る
「今から配る学生証カード。このカードにはポイントが振り分けられており、ポイントを消費することによって敷地内にある施設の利用や売られている商品の購入が可能だ。まあ、クレジットカードだと思えばいい。学校の敷地内にあるもので買えないはなく、また学校内でもそれは同様だ。ポイントの使い方は簡単だから迷うことはないだろう。それからポイントは毎月一日に振り込まれる。尚、1ポイント1円の価値があり、新入生のお前たちには10万ポイントが振り込まれているはずだ。無いとは思うが、もし足りなかった場合は申し出るように」
すると額の大きさに警戒してしまう。みんなは驚いたようにしているが俺は何か裏がないかと探ってしまう
そして一言だけ聞き逃さなかったことに賞賛を覚えたい
「意外か? 最初に言っておくが、当校では実力で生徒を測る。倍率が高い入試をクリアしてみせたお前たちにはそれだけの価値があるということだ。その評価のようなものだと思えばいい。ただし、卒業後には、学校側が全て回収する。どれだけポイントが残っていても現金化は出来ないので注意しろ。ポイントをどう使おうがそれは自由だ。好きに使ってくれ。仮にもし使う必要がないのならば友人に譲る方法もある。だがカツアゲはやめろよ? 学校は苛めに敏感だから、もし発覚したらそいつは退学処分だ。以上解散。」
つまり一度そういうことがあったと思って間違いはないだろう
すると茶柱先生は去っていくとクラスがまた雑談でうまる。
今日はガイダンスで終わりなので解散してもいいのだろう
俺はカバンを持ち教室から出ようとすると
「皆、ちょっと良いかな?」
俺は足を止めると声を出す男子生徒の方に注目が集まる
「僕らは今日から三年間共に過ごすことになる。だから自発的に自己紹介を行って、一日も早く友達になれたらと思うんだ。茶柱先生の言葉を信じるなら、入学式までに一時間はある。どうかな?」
すると佐倉はビクッと反応しそして震え始める。多分自己紹介とか慣れていない人が数名いるんだろう。
「悪いけど、それは全員やらないといけないか?口下手な人だっているだろうし、話すのが苦手だったり注目されるのが嫌な奴だっていると思うんだが。それに名前なんか3年間一緒のクラスなら自然と覚えていくだろうし。生憎俺も口下手なところあるから反対なんだけど。」
俺がそう告げると数人から安堵の声が漏れる。別に俺は口下手ではないっていう嘘を分かったのちに話すのが苦手な生徒が安心したのであろう
「うん。ごめん。それじゃあ自発的に。」
「自発的って言ってもそれは強制とあまり変わらないと思うが?教室にいるのに自己紹介をしなかったっていう罪悪感とか感じるだろ?」
「……」
「というよりもみんなが仲良くする必要性はないだろ?1人が好きな奴だっているし、他のクラスの友達がいればそれでいいんじゃないのか?」
実際話し始めた男子はリーダータイプであるけど多分全員をまとめられるとは思わない
「そうね。私も失礼させてもらうわ。」
すると隣の女子も俺の意見に賛同したらしく教室からでようとする
そしてそれに続くように1人、又1人と数人が立ち教室から出ていく。その中に佐倉の姿もあり俺もその後に続く。
するとしばらくたっただろうか
「あ、あの。」
女子の1人が俺に話しかけてくる
「あの、ありがとう。私そんなに話すの得意じゃなくて。」
「別にいいさ。苦手なことなんて人それぞれだからな。」
こう言った女子は思ったことを素直に話す。元々家が料亭なこともあり聞き手に回ることは慣れている
「私。井の頭心っていいます。」
「俺は新井康太。3年間よろしくな。」
俺はそうやって笑う。
そうやって俺の学園生活が始まった。