再び実力至上主義の教室へ 作:大和
あれから一週間が経とうとしていた。
今や授業中は誰も話すことなく授業をノートに文字を写していく
これが当たり前の光景なんだけど。
まぁ佐倉の隣で未だに寝ている奴はほっといて俺たちは授業を真剣に取り組んで
「たうわ!?」
左から声が聞こえ俺、いやクラス全員がそっちを向く
すると手元でコンパスを持っていた堀北という少女が隣の綾小路をコンパスで刺したのであろう
「……こえぇ。」
小さく呟くと俺は少しノートをまたとっていく
そしてチャイムが鳴り終わると俺は立ち上がろうとした矢先
「みんな!先生の言っていた中間テストが近づいてる。赤点を取れば、即退学だということは全員理解していると思う。そこでなんだけど、参加者を募って勉強会を開こうと思うんだ」
すると平田がそんなことを言い出す。普通なら参加していたと思うが俺は今回は違いパスだ。
というのも俺は小テストで奇跡的に点数がクラストップという成績を起こした為教える立場になることと元から勉強会を毎日行っていたからだった。
「それにしてもみんな必死だね。」
「サボっていた分のツケが回ってきたことが原因だろうな。」
俺が少しため息を吐く。
まぁ自業自得なわけなんだが
「そういや佐倉さんは?」
「あいつは多分すぐに帰って撮影するんじゃないのか?連絡先は交換しているし今でも普通に買い物したりしているんだけど。未だに人付き合いは苦手らしい。」
「そっか。」
「俺と遊ぶ時でも無意識的にだと思うんだけど他の人が通りすぎるとき少し俺を盾にするようにするからな。」
「私よりも人付き合い苦手なのかな?」
「苦手だろうな。」
俺はキッパリと言い切る。
「事実あいつ俺以外は完全に関係を遮断しているからなぁ。まぁでも面白いし趣味は合うしな。」
撮影の話は結構もりあがるし撮影技術については俺よりも詳しいしな。
「……ってそうだった。今日佐倉と勉強会するからパス。」
「えっ?佐倉さんと?」
「あぁ。一応俺の部屋でな。」
「……二人で?」
「……先に忠告しておくけど、勉強会するだけでなんにもないからな。」
俺はジト目で見る
「それは分かっているさ。ただ懐いているんだなって思ってな。」
「懐くってポ○モンや犬じゃないんだし。というよりも俺から佐倉に話しかけることの方が多いしな。」
「それでもだよ。」
井の頭は少しため息を吐く
「佐倉さんってどこのグループにも入ってないし、櫛田さんもあまり仲良くないみたい。」
「櫛田?そんな奴このクラスにいたか?」
「「……」」
俺は首を傾げる
「……そういえば、櫛田さんと康太が話しているとこ見たことないな。」
「というよりもこのクラスでも最低限の人としか話したことがないんだけどな。小さく深くがモットーだし。」
「そう考えると友達付き合いが多い櫛田ちゃんとは真逆なんだね。」
「ってよりもみんなと仲良くっていうのが嫌なんだよ。人間絶対に嫌な人間だっている。ぶっちゃけ俺のことが嫌いでもいいし俺だって嫌いな人物くらいいる。」
「あ〜。それは分かるな。誰とでも仲良くって結構ストレス溜まるもんなぁ。」
政治も頷く。
「そうなのかな?」
「……そうだな。俺も野球部の先輩でも苦手な人がいるしな。」
「俺も一時期、とあるバカのせいで一個上の先輩とバトって学年でおよそ4分の1以上退学扱いになったしなぁ。」
元々俺らの代はそこからおかしくなったとも過言ではない
俺たちの代。それはもう……地獄の代と呼ばれている
「「えっ?」」
「2学年と1学年のクラスの対抗戦があったんだよ。俺たちのクラスは一人もかけなかったけどそれでも他のクラスは大惨敗で数十人単位で退学になった。」
「うわっ。えげつねぇ。」
「その代わり勝てたらかなり報酬は良かったぞ?確か夏休みアメリカに研修旅行だっけ?」
「……それはすげぇな。」
「まぁ俺は行けなかったんだけどな。俺は夏休み中に料亭に入らないといけなかったし。」
「そっか。ここほど秘密主義ではないんだったよね。」
事実育中の制度は実力主義を公言しており、さらに俺らの代はここよりも規則は恐らく厳しい
でも、それだからこそ人気があった学校なのだ
と二人と話している。そしてこの日から
俺たちの暮らしが一気に変わることになる
カリカリというペンの音が自分の部屋に響く
「……」
無言だけど真剣にノートに回答を書いていくと
「あの、ここは。」
「そこは」
俺は簡単に説明しながら答えを
佐倉との勉強会は順調に進んでいる
いつものメンバーとやるのもいいんだけど、それでもこういった静かに勉強するのも悪くはないだろう
「……ふぅ。一旦休憩しようぜ。もうそろそろ晩飯どきだろ。何か適当に作るけど。嫌いなものあるか?」
「えっ?ううん。ないけど。」
「飯食いながら聞かせてくれないか?相談したいことがあるんだろ?」
俺がいうとすると佐倉は頷く。
元々勉強会は建前でちゃんと佐倉の成績について知っておきたかったからだ。本題はこっちである
帰り道にニラと卵。もやしと冷凍してある豚肉そして人参があるので卵スープと中華風に炒めたものでいいだろう。
そういいながら料理をてきぱきと進めると
「あ、あの。何か手伝うことはありますか?」
「ん?」
「何もしないのも悪いので。」
まぁそうか
「それじゃあ火見てくれないか?俺炒めもの作るから。」
「は、はい。」
俺はそういうとすぐに料理を作っていく。
「…そういや、ブログ見ました。レシピもわかりやすかったです。」
「ん〜まぁ簡単なものばっかりだしなぁ。元々安価なものをつくるのはこの学校の仕組みせいでもあるけど。」
実際メモ料理のレシピ書いたものを写真にとってあげることは違反ではないことは生徒会で確認済みだしな
「そういやそっちは?ブログは続けているんだろ?」
「……うん。続けているんだけど。」
「身バレしたのか?」
すると俺は軽く靄がかかったのを見過ごさなかった
ブロガーにとって身バレほど怖いものはない。特に自分と名前を隠している場合は特にだ
そして佐倉はそれに当たる
しばらく黙りこんでその後夕飯を食べる
多分的はほぼあっているはずだ。
そして食べ終わり一息入れると
「……これを見てほしいの。」
スマホを渡されると一枚のブログの写真を見る
……やっぱりメガネはプラグだったか
そこにはメガネを外した佐倉が写っている
それも俺といる時とは違い明るく雰囲気が出ている
その全ての原因は見せ方だろう
でもこの写真が問題ではないことが分かっている
……おそらく問題は
SNSの恐怖やブログの恐怖では結構あるのだが
それはコメントの一つを見ると軽く舌打ちする
『運命って信じる? 僕は信じるよ。これからはずっと一緒だね』
他のコメント欄を見ると
『いつもきみを近くに感じるよ』
『今日は一段と可愛かったね』
『目が合ったことに気付いた? 僕は気付いたよ』
『今日なんで隣に男が居たんだい? ねえ、どうして? もしかして彼氏だったりするのかな? 教えてよ』
「……ストーカー。または嫌がらせ行為か。」
すると頷く佐倉。
さすがにこれは酷いとしか言いようがない
歴とした犯罪行為をずっと学生以外の人間から受けていたのだ
「最初はただの行き過ぎた妄想だと思ったんだけど。これまでにも何件かこういった機会には遭遇したから。」
「けれど同じような内容の文面はそれから毎日送られてきて、エスカレートしていったんだな。てか俺と一緒にいたのも結構見られてるぽいな。」
俺についての書き込みも多くしてあり、その始めは水着を買いに行った時だろう
多分俺に話しかけざるを得なかったのは俺ももう危険だと思ったからだろう
実際俺はそのことに気づいていた
ストーカー行為についても身バレがあったと考えれば予想はつく
ただその理由が分からなかったから動けなかった
でも雫というネットの名前を聞いたところ俺は気づかざるを得なかった
今目の前にいる少女はグラビアアイドルなんだと
……まぁそれはどうでもいいんだけど
「……警察には?」
「ううん。まだだけど。」
「……」
つまりこの限りでは2通りの解決法があるってことか
「それでどうするんだ?このまま泣き寝入りってわけにはいかないだろ?」
「……うん。あのね。」
「あっ。悪いけど関わらないっていうのはなしだぞ。そうしたらまずいい気になるのはその犯人の方だ。佐倉に危険が及ぶ可能性が高い。」
「……でも。」
「…あんな、正直こんなことを知って見過ごせるはずないだろうが。ぶっちゃけ結構深くまで関わったし。生憎トラブルになるのはいつものことだからな。」
ぶっちゃけもう慣れたものである
「それにダチが困っていて助けないって訳にはいかないだろ?」
「……えっ?」
すると驚いたように俺の方を見る佐倉に少し慌ててしまう
「あれ?違った?結構気を許していたんだけど。」
「い、いえ。えっと。友達ってできたことがなくて。」
「……さらっと虚しいこというなよ。」
さすがに苦笑してしまう。自己評価が低いっていうよりも卑屈なんだよなぁ
「……あの、本当にいいの?」
「…逆に俺の方が問題児なんだけど。」
「ううん。大丈夫だよ。私のことを変に見ないし。」
……まぁそういうやつもいるよな
「とりあえずなるべく放課後は一緒にいるようにするしかないだろ。できればもう数人一緒に集まった方がいいな。……協力煽ることになるけど井の頭呼んでいいか?」
「えっ?」
「最悪警察の厄介を受ける可能性があるし、そうした場合周辺の説明とか含めた女子の方がやりやすいと思うし多分俺との二人っきりなのが問題のところもあると思う。実際彼氏かって聞かれている訳だし、それなら本当は政治も巻込みたいんだけど。さすがに無茶だと思うしな」
というよりも、今までにここまで一人で解決しようと思っていることが結構まずい事態を起こした一因でもある
「まだ向こう側からSNS以外に書き込みは?」
「ううん。今の所は。」
「あっ。そうそう。出来るだけ証拠を集めたいから嫌だと思うけどブロックにはしない方がいい。というよりも俺たちのことを見られていることはほぼ確定だから凍結した瞬間接触を測って来る可能性もあるしな。」
とりあえず注意事項を一通り話す。基本は明確な証拠がない以上警察は動く可能性は少ないだろうし、簡単なことだけど
「……んとまぁ、こんなところか。」
「……」
「どうした?」
「ううん。新井くんって頼りになるって思って。」
少し安心したように笑う佐倉に俺は軽く頰を掻いてしまう
なんというか素直に褒められるって結構照れくさいものがあるな
そうしながらも今後の展開をどうするかという話し合いをした後10時を少し過ぎたあたりで解散する
……これから少し忙しくなりそうだと思いながら