第二次スパロボZ ルルーシュに生まれ変わった転生者(更新停止中)   作:幻龍

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この作品、アンチ・ヘイトタグは必要になったときつけることを検討しておいた方がいいでしょうか?

それとアサキム憑依バージョンも暇潰しに書いています。


第九話 河口湖事件 前篇

 河口湖のサクラダイトの分配会議はゼロと黒の騎士団、そしてZEXIEの活躍で人質はほとんど無事解放されて終結した。それが原作でのこの話の内容だが、この世界では違う結末になる可能性になると予感したのは、クロヴィスから連絡を受けたときだ。

 

 「人質をどう救助するべきかですか?」

 『ルルーシュ、お前でも思いつかないのか?』

 「私とて万能ではありません。それにまさかユーフェミアがいるなんて聞いていませんでしたので。事前にそのことを伝えてくれていれば、いくばか対応できたのですが……」

 

 ルルーシュはクロヴィスから今回のテロにどう対応すべきか、相談を持ちかけられていた。

 一般市民だけなら、いつも通り、テロには屈しないと宣言して、すぐに軍を突撃させて解決するのだが、今回はいつも通りにできないでいた。

 それは異母妹であるユーフェミア・リ・ブリタニアが会談が行われるホテルに滞在しており、人質の中にいる可能性があるからだ。もし、彼女の身に何かあれば姉であるコーネリアに恨まれ、何を言われるかわかったものではないからだ。その為、クロヴィスは頭が切れるルルーシュに秘匿回線でどう解決すればいいか、アイデアをもらうべく相談を持ちかけたのだ。幸い、ルルーシュとユーフェミアは異母兄妹の割には、仲がとてもよかったので、見捨てる策は提言しないと思っていた。

 

 (策を授けて失敗したら、俺のせいになるだろうが! お前の失策をそこまでして助けてやる義理は俺にはないんだよ!)

 

 だが、クロヴィスは勘違いしていた。今のルルーシュには原作以上に兄弟姉妹を大切にする気持ちなどほとんどなかった。無論できれば助けたいという気持ちも僅かにあるが、それでテロ鎮圧に失敗したら元も子もない。そうなれば、策を授けた場合、それをクロヴィスの後援貴族共に利用されて、人質を助け出せなかったのは、「ルルーシュ殿下の策のせいだ」と口を揃えて非難し、本当に元凶にされかねないからだ。

 

 (最も強硬策で解決しても、国策的には問題ないけどな)

 

 ルルーシュは国是に従って事件を強硬策で解決すれば、ユーフェミアに何かあっても実姉であるコーネリア以外は左程気にしないだろうとも考えていたが。

 父であるシャルルに至っては「進化の為に必要な犠牲である!!」とか素面で言いそうだ。原作のクロヴィスの時もそんな感じだったし。

 

 「取り敢えず、時間を稼いでください。国連から派遣される特殊部隊が何か策を持っているかもしれません」

 『それは困る! もし、そうなれば私の統治能力に問題があると責められてしまう!』

 「兄上の権力ならもみ消すのは容易いでしょう……。兎も角、人質を解放するように交渉して、時間を稼ぐしかありません。だから、ユーフェミアがいることを悟られないようにしてください」

 

 ルルーシュはそう言って、通信を切った。

 

 「総督がクロヴィスのままだから、ユーフェミアが人質に取られることもないと安堵していたが、まさか、お忍びでパーティーに参加していたとはな……」

 

 この世界ではコーネリアが総督として赴任していないから、ユーフェミアが参加する要素が皆無なので、てっきり人質は一般人だけと思っていたのだ。それがまさか原作通りになってしまったことに、ルルーシュは頭を抱えた。当初は要求を断ってそのまま突撃して一気に制圧する予定だったのだが、作戦を練り直すはめになってしまった。

 

 「モニカ。様子はどうだ?」

 『現場は未だに睨み合いが続いています。それと数人の人質が窓際の近くにいます。その内の一人は女性ですね』

 

 原作通り落とすつもりなのだろうと悟ったが、どうすることもできない。要求を呑むことはは論外だ。しかし、ユーフェミアがいることがばれたら面倒事になるのは目に見えている。投降を呼びかけて稼げる時間もそうは長くない。

 

 「……モニカ。万が一に備えて、いつでも突入できるようにしておけ。兄上が突撃指示を出し次第、ビルを制圧する」

 『ルルーシュ様!? 本当によろしいのですか!?』

 

 ルルーシュの指示にモニカは驚愕する。少なくともルルーシュとユーフェミアは周りから見れば仲のいい兄妹だ。ルルーシュもユーフェミアを大切に扱っていたし、ユーフェミアも兄であるルルーシュをかなり好いていた。

 そのルルーシュが、ユーフェミアを見捨てるような発言自体が出たことに、さすがのモニカも耳を疑ってしまったのだ。

 

 「万が一の時だ。私は滞在はしているが、命令権は兄上にあるから、そのような状況になったら、文句を言っても覆らないからな」

 『……わかりました。マユとカレンにも準備するように言っておきます』

 「それと荒事になったら、お前のランスロットの出番だから、ロイド達に念入りに調整するように言っておけ。私も先日届いたKMFに搭乗してそちらへ向かう」

 『ガウェインでですか? あれはまだ、改造中だったのでは?』

 

 ルルーシュが言っているKMFガウェインは無論モニカも知っている。この機体は元々特派が実験機として開発したもので、ルルーシュが稼動データを提供するという条件で、元特派から譲り受けたものだ。しかし、この機体は実験機としての側面が強い上、搭載しているドルイドシステムは常人には扱えない代物なのだ。戦闘をこなしながらこの機能を使うのは熟練パイロットでも難しく、複座式を採用することでその機能を発揮できるように設計されていた。

 

 「5日前に改造が終了して、今日届いた。届いてすぐに調整と整備を命じたおかげで、出撃準備はすでに完了している。俺が現場に着くまでは待機していろ」

 『イ、イエス・ユア・ハイネス』

 

 ルルーシュはモニカへの通信を切った。

 

 (俺もできれば助けたいさ……)

 

 ユーフェミアは自分を進んで排除するような類ではない。だから、できれば助けたい。それに皇族に復帰してからは必要以上に気にかけて結果、情が移ったことも否定できない自分もいる。何より、自分を素直に心配してくれる人物だ。いずれ自分の助けになる可能性もある。

 

 ルルーシュは感情と理性が内心で揺れ動きながら、格納庫に行き、ガウェインに搭乗した。

 

 「先に行く。発進シークエンスを開始しろ」

 「わかりました。IFX-V301ガウェイン発進シークエンスを開始します」

 

 ガウェインがクレーンで移動し、カタパルトに乗せられる。

 

 「カタパルト固定を確認しました。ハッチ解放完了。いつでも行けます」

 「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア出るぞ」

 

 ガウェインがカタパルトによって加速し、ハッチから飛び出た。

 KMFで初めてフロートユニットを搭載した機体が大空を飛行し、空を舞う。

 

 「フロートユニット正常に起動。機体制御問題なし。武装異常なし。ドルイドシステムも問題ない。このまま河口湖ホテルまで向かう」

 

 ルルーシュは機体を河口湖の方へ向け、最高速度で現地に向かうことにした。無論その分エナジーを食うので一瞬迷ったが、現地についたら交換すればいいとすぐに結論づけて、ガウェインのスピードを最大まで上げるのであった。

 

 「ギアスによる人質解放は無理。だからといって、それ以外の手が思い浮かばない……ハドロン砲でテロリストを全員を吹き飛ばしてしまえば楽なのだがな……」

 

 ルルーシュは一瞬非情な手段が頭に浮かんだが、ユーフェミアの笑顔を思い出して、その考えを頭から追い出した。

 確かに原作のルルーシュより甘くはないし、邪魔をするのなら仲が良かったユーフェミアでも容赦なく排除する覚悟はある。しかし、ユーフェミアは今の所自分に迷惑をかけていないし、宮廷では一応数少ない味方だ。今、消えると自分の不利益になる可能性のが高い。それに見捨てたとなれば姉であるコーネリアが何を言ってくるかわからない。

 

 「侵攻ルートはここだけか。第一次突入部隊は失敗に終わったようだな。急がねばならんな」

 

 ルルーシュはガウェインの広めなコクピットの中で策を練りながら、現地へと飛んで行った。

 

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