遊戯王 ~クロスオーバーディメンションズ~   作:鬼柳高原

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また間が空いてしまいましたね……でも悪い事ばかりでもないのです。


童心全開! エンタメだオレェー!!! ~遊馬と遊矢~

「うわぁぁぁ~~~~!!? どわぁ!?」

 

 知らない少年に抱えられ、穴の中へと落ちる遊馬。何処までも続いていそうな深く暗い穴だと思いきや、案外深くはなかった。細い出口を通った瞬間、すぐに砂山の上に落ちたのである。

 

「うわ~おえっ! 砂まみれだっ……!」

「助かった……」

 

 腰を掴まれて抱えられた状態だったため、真正面から砂山に落ちた遊馬。口に入った砂を吐き出しながら立ち上がり、足から落ちた遊矢は砂に埋まった下半身を這い出しながら安堵の息を付く。

 遊馬達が落ちた砂山は相当広い空間に高く盛られていた。周りには上の地面の破片が幾つか刺さっており、遊馬達が倒した決闘者達の姿は見えない。遊馬がキョロキョロと辺りを見渡すと、上からアストラルが下りてくるのが見えた。

 

『遊馬! 無事か!?』

「アストラル! 俺は大丈夫だ! こいつが……えっと?」

「遊矢だよ、無事でよかった」

「そうだ遊矢! 遊矢が助けてくれた! お蔭で何ともないぜ!」

『そうか……』

 

 アストラルは安堵して表情を緩めると、遊矢へと向き直る。

 

『榊 遊矢と言っていたな。遊馬をよく助けてくれた。ありがとう、礼を言う』

「いやあ……」

 

 遊矢が照れたように頭を掻くと、上から声が響く。

 

「遊馬ーーーー!!! っと、遊矢ーーーー!!! 無事かぁーーーー!!?」

「十代だ! わりぃアストラル、十代に無事を伝えてきてくれ!」

 

 アストラルは遊馬達の後方を一瞥すると、頷いて上へと上がる。

 

「……いや、本当に助かったぜ。遊矢はここの決闘者なのか?」

「違うよ、多分君達と一緒さ。気づいたらこの世界にいたんだ」

「お前もなのか。一体どうなってんだろうなぁ?」

「……遊馬、俺の顔に見覚えはないか?」

「へ? ……どっかであったか? 同じ学校か?」

「うん、まあ……そうだね、一個上なんだけど」

「ええ~~……一個上なんてシャークかイモウトシャークぐらいしか知らねぇけどな~?」

 

 遊馬の反応を見て、ユートが姿を現す。ユート達は意識だけの存在なため、遊馬でも視ることはできない。

 

『俺と遊馬ははっきりと面識がある。この反応から察するに、彼は俺が知っている”遊馬”ではないのだろう』

「(そっか……)」

 

 ユートが姿を消すと、アストラルが再び下りてきた。

 

『遊馬、遊矢、十代は遊星という決闘者の元へ向かった。どうやら仲間であるらしい』

 

 それを聞いて、遊矢は一つの答えを得る。融合次元の決闘者である十代がシンクロ次元の都市伝説である遊星と顔見知りであるのは考え辛い。遊馬の件を考えると、十代もユーリが知っている決闘者とは別人の可能性がある。

 

「(だったらいいんだけどな……じゃあ遊星さんも、ユーゴが言っていた人とは違うのかも)」

「ええ!? じゃあ俺達はどうやってここから出るんだよ!?」

『遊馬、君の後ろに横穴がある。その先へ進む。十代にはそう伝えてきた』

「うおっ本当だ!?」

 

 遊馬と遊矢は砂山から滑り降り、トンネルの様になった横穴に近づく。穴は広く、二人が並んで歩いても余裕で通れるほど大きい。そんな穴がずっと続いていた。

 

「真っ暗だ……危なくないかな?」

 

 遊矢がアストラルへ振り向くと、アストラルは真剣な表情で穴の先を見据える。

 

『危なくても、行かなければならない。この先からNo.の気配がする』

「本当かアストラル!」

 

 遊馬は驚きながら穴の先を覗く。

 

「No.? No.って……アンナが使ってた」

「アンナ? アンナって、あのアンナか?」

「あのアンナって……アンナを知ってるのか?」

「知ってるぜ、アンナだろ? アンナ強烈な奴忘れねぇって。アンナはNo.を使ったことは無かったと思うけどなぁ? どうだったっけアンナ――――じゃなかったアストラル?」

『遊馬、今問題にすべきはそこではない』

 

 アストラルは遊矢の正面に移動する。

 

『遊矢、君は遊馬を助けてくれた。君を信じよう。君がこの世界で見て聞いてきたことを教えてくれ。我々も話そう』

 

 

 * * *

 

 

 遊矢の決闘盤に備わっているライト機能の光を頼りに横穴を進む一行。その道中でこれまでの事を話し合う。

 

「え!? 沢渡にあったって!?」

「ああ、決闘したぜ。梶木ってやつともな。知り合いなのか?」

「梶木って人は知らないけど……多分、人違いだ。俺が知ってる沢渡と、君が会った沢渡は似てるけど別人なんじゃないかな?」

「え? 何でそんなこと分かるんだ?」

「(君がそうだから、何て言えないよな……) やっぱり、この世界は元いた世界とは違うからね。きっと”同じ人”ではないんだと思う」

「そういうもんなのか? 難しくて解んねぇや」

「そう言えば、エマさんが言っていた鍵っていうのは君の事だったんだな。この世界から脱出するにはNo.が必要なのか」

「そうなんだ! No.があれば”かっとビング遊馬号”っていう船を動かせるようになる! 俺と遊矢、十代とさっき話に出てた遊星って奴、そして残り二人だったな? 合流して皆で元いた世界に戻るんだ!」

『遊馬、遊矢、灯りだ』

 

 長い横穴を歩いていると、先に光が見える。どうやら灯りの付いた空間があるようだった。

 遊馬と遊矢は駆け出し、明るい空間へと飛び出す。そこは篝火が備えられた広めの部屋ではあったが、決闘をするには少し狭く感じる。部屋の奥には高い壁に挟まれた通路があり、部屋の中心には黒い帽子とコートを纏い、顔を仮面で隠した大柄の男が立っていた。

 

「ようこそ”地下決闘迷宮”へ。歓迎しよう決闘者諸君」

「何だお前? 怪しすぎだろ!」

「(確かに怪しい……)」

 

 いきなり失礼をかます遊馬だが、遊矢が頷いたように、そう言いたくなる気持ちは解る。黒ずくめの恰好に顔には仮面、更にはウジャト眼が彫られた金色の三角錐を逆向きにぶら下げて手に持っているのである。この上無く怪しい。

 

「我が名は闇の決闘者”タイタン”。この迷宮の支配者である。君達には”闇のゲーム”に付き合ってもらう」

「闇のゲーム?」

 

 遊矢が警戒しながら訊ねると、タイタンは説明を始める。

 

「君達にはゴールを目指し、迷宮を進んでもらう。道中にはこちらが用意した決闘者が待ち構えているだろう。それらを倒し、生き残ってゴールすることが君達の勝利条件である」

「決闘者が? 一体何人いるんだ?」

 

 遊馬の質問にタイタンは指を振りながら答える。

 

「それは君達次第だ。何回も決闘を行うことになるかもしれないし、誰とも会わずにゴールするかもしれない……何せここは”迷宮”なのだからなぁ? それと、ここでは新しいルールに従ってもらう」

 

 タイタンは十代と遊星も聞いた新しいルールについて二人に説明する。

 

「お! 前みたいにモンスターXを出せるんだな! これでやりやすくなったぜ!」

「な、何でP召喚は今まで通りなの!?」

 

 遊矢が抗議すると、タイタンは顎に手を当てて遊矢に向き合う。

 

「あれは強すぎる……そう判断したのだろう」

『誰がだ? 遊馬』

「え? あ……誰がそんなルール決めたんだよ!」

 

 アストラルが遊馬を通して質問をタイタンに仕掛ける。タイタンはアストラルを一瞥するが、質問には答えない。どうやらアストラルが見えているようだ。

 

「私からは以上だ。それでは健闘を祈る」

 

 タイタンが手に持った逆三角錐を掲げると、ウジャト眼のマークから眩い光が放たれる。遊馬達があまりの眩しさに目を閉じ、光が止んで目を開けるとそこにはもうタイタンの姿はなかった。

 

『二人とも、進もう。あの男か、迷宮内にいる決闘者がNo.を持っているはずだ』

「それしかねぇよな! 遊矢行こうぜ!」

「あ、待ってよ!」

 

 遊馬が駆け出し、先にある迷宮の通路へと入る。遊矢とアストラルはそれを追いかける。

 

「遊馬って何時もあんな感じなの?」

『ああ。それが彼の”かっとビング”だ』

「かっとビング?」

 

 遊矢が首を傾げると、遊馬が走りながら振り向く。

 

「かっとビング! それは勇気を持って一歩踏み出すこと! どんなピンチでも決して諦めないこと! あらゆる困難にチャレンジすること! 俺は何時もそうやって乗り越えてきたんだ!」

「かっとビング……」

『かっとビング……その言葉を胸に、遊馬はあらゆる”絶望”を跳ね除け、最後には勝利の”希望”を、決闘への”喜び”を掴んできた。遊矢、君にも覚えは無いか?』

 

 

 

 

 怖がって縮こまっていては、何も出来ない。勝ちたいのなら、勇気を持って前に出ろ。その勇気の分だけ、喜びも戻ってくる。

 

 

 

 

「……ふふ、そうだね! 俺にも、解るよ!」

 

 幼い日に父から聞いた言葉を思い出しながら、遊矢は笑った。

 

 

 * * *

 

 

「シャッキーン! まだかなまだかなー!」

「んもーそんなにはしゃいだら危ないっすよー」

 

 遊馬達3人は迷宮の通路を暫く彷徨った後、広い空間に出る。そこは決闘をしろと言わんばかりの大広間であり、それを裏付けるように決闘者二人が待ち構えていた。

 

「何だ? 子供がいる」

「本当だ。小学生くらいかな? 決闘者なのか?」

 

 一人は緑の髪を後頭部にまとめた小さい少年。遊矢の見立て通り小学生くらいの子供で、オーダーメイド・カスタムモデルの子供用決闘盤を付けた腕をブンブン振り回していている。もう一人は小さい眼鏡を掛けた気弱そうな少年。こちらは落ち着いていて、先の少年よりかは年上だろう。困ったように水色の髪を弄り、左腕に付けた旧式の第二世代型決闘盤を揺らす。着ている赤い派手なジャケットとは正反対に大人しいオーラを纏った少年であった。

 

「あ、来たよ来たよ! 待ってたよ決闘者!」

「ああ、来たっすね……うう、やるしかないかぁ」

 

 少年二人は遊馬達に気づくと、決闘に丁度良い距離まで近づいて並ぶ。

 

「俺は”龍亞(るあ)”! 決闘する為に待ってたんだ! 決闘しようよ!」

「僕は”丸藤 翔(まるふじ しょう)”っす。ここを通るなら、僕達を倒すしかないっすよ」

「何だ? ガキンチョばっかじゃねぇか?」

『遊馬、君と大差ないように見えるが?』

「いや、俺は中学生だぞ! あっちは小学生のコンビじゃねぇか!」

「失敬な! 僕は高校生だぞ! 君達より年上だ!」

 

 遊馬の言葉に、大人しかった翔が声を荒げていきり立つ。案外気性が激しいのかもしれない。

 

「んもー怒ったぞ! 龍亞君、絶対に勝つぞ!」

「おおやる気だね翔! よーし、俺も気合出すぞー!」

「……さっきも言ったけど、僕は君より倍近く年上なんだから呼び捨ては……」

 

 二人が決闘盤を展開して構えると、遊馬と遊矢も決闘盤を展開して構える。

 

「よっしゃー! やってやるぜ!」

「いや待った遊馬! ……4人だけど、ルールはどうするんだ?」

 

 遊矢が問いかけると、翔がハッとして落ち着きを取り戻す。

 

「いけない、忘れてたっす。ルールはタッグフォースルール! そっちのゴーグル君がいるから、アクション決闘になるっす」

「アクション決闘?」

 

 首を傾げる遊馬に遊矢が説明する。

 

「うおお! 面白そうじゃねぇか! やろうぜアクション決闘!」

「理解できたっすね? それじゃあ行くっすよ――――」

「待って待って!」

 

 翔が始めようとすると、龍亞が飛び出して制止する。

 

「アクション決闘って言ったら”アレ”でしょ? やろーよ!」

「あー、うんじゃあ龍亞君に任せるよ……ちょっと恥ずかしいし」

「アレってなんだ遊矢?」

「アクション決闘のお約束さ。まあ見ててよ」

 

 

フィールド魔法《クロスオーバー》

 

 

 龍亞と遊矢が前に出る。その瞬間、遊矢の決闘盤からRSVで創られたAカードが決闘場に散らばり、RSVの浮き足場が複数創造される。

 

「いっくよー! 戦いの殿堂に集いし決闘者達が!」

「モンスター達と共に地を蹴り宙を舞い!」

 

「「 フィールド内を駆け巡る!!! 」」

 

「見よ! これぞ決闘の最強進化系!」

「アクション――――」

 

 

「「「 デュエル!!! 」」」

「うおっ、あ、デュエル!!!」

 

 




最近はアニメカテゴリの新規が多いので、時間がたてば経つほど使えるカードが増える!
……なんて言っても、使うカードを迷ったりリミットの更新もあるからやっぱり早く投稿したほうがいいですね
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