さてと…どうしようかな。
プラムとヒロによって、落とし穴に落とされてしまった…。
非常にまずい…。
ちなみにここは人里から離れており、しかも人通りなんて全くない。
つまり、救援が来る確率が非常に低い!
「主様、いったいどうするつもりですか?」
相棒の水覇から、冷めた目で見つめられながら俺は対策を考えている。
「今、考えているから待ってくれよ!」
取り敢えず、これで水覇から冷めた目で見られることは無いだろう。
よし、取り敢えず俺と水覇の能力でどうにかなるか考えてみよう。
俺はなんでもズラす程度の能力を持っている。
撃ち出された弾幕の弾道をズラして避けたり、敵の感覚をズラして暴走させる。まぁ、敵の位置をズラすことも出来るから便利な能力である。
今回は使い物にならないけどね。
そして、相棒の水覇。彼女は刀の付喪神だ。
能力は水を操る程度の能力と氷を操る程度の能力。これは刀の時にも適応される。使用例としては、冷気を発して相手を凍てつかせたり、氷の壁を出したり、空気中の水分を集めて水を出したり…
そうだ!水でこの穴を一杯にすれば…
あ…俺、泳げんわ。
万事休すか…。
諦めて誰か来るのを待とうと思ったその時、すぐ近くで魔力を感知した。数は2。今まで感じたことの無い魔力だ。水覇もこの魔力に気付いた様だ。
頼もしい相棒だ。
二人で警戒していると自体は急展開した。
なんと上から一人落ちてきたのだ。
「うぉぉ!?」
そんな声をあげながら上から一人、青年が落ちてきた。
上から残りのもう一人の声がする。
「……なにやってんだよ。霊夜」
落ちてきた青年は霊夜と言うらしい。
また厄介事に巻き込まれそうだなぁ…
「痛てて…」
霊夜と呼ばれた青年が蹲る。
そりゃあ、4mの縦穴に頭からダイブしたんだ。本当なら痛いで済む話ではない。落下した時に水覇を刀に戻しておいて良かった。しかし…こいつ、何者なんだ…?頭から落ちてきて無傷とか只者じゃねぇぞ…。
と、言うことで取り敢えず話し掛けてみる。
「お前、何者だ?」
俺が声を掛けると青年は反応した。
「痛て…あ、第一村人発見だな。俺は博麗霊夜。よろしくな」
なんだよ。第一村人って。
…待てよ。博麗…?俺の知る限り、霊夢にこんな親戚は居なかったはずだが…。やはり、もう少し情報がいるな。
「俺は月城零。まぁ、そこらの剣士とでも思っといてくれればいい。それよりも博麗ってどういうことだ?」
霊夜は頷き
「それについては…まぁ、後でな。それより…。おーい!蝕!!引き上げてくれー!!」
上から声が聞こえる。声の質的に、俺と同じくらいの男だろう。
「…分かってる。そっちの奴も引き上げればいいのか?」
お、これは助かるパターンですね。
霊夜に頼むと了承してくれた。
「こいつも頼むよ」
「…分かった」
・
・
(青年引き上げ中)
・
・
いやぁ、一時はどうなるかと思ったね。
「ありがとな。えーっと…」
「…死波 蝕だ。」
「ありがとな。蝕、それに霊夜。」
お礼を言うと、霊夜は笑って
「いいよ。ついでだよ。ついで」
「…引き上げたのは俺だがな」
話してみた感じは悪い奴らでは無いようだな。さてと…
「本題だ。…お前達はなんだ?」
場の雰囲気が張り詰める。
そのまま、少し経ってから口を開いたのは霊夜だった。
「俺は、俺たちは、こことは違う世界からここに来た。警戒するなと言うのは無理だろうが…信じてくれ。」
俺は、少し思案を巡らせた。
…別世界からの訪問者。その者がもたらす可能性。少なくとも、幻想郷に…。俺の居場所に危険は持ち込めない…。
そんなことを考えながら、口を開いた。
「…取り敢えず、霊夢と話す為に博麗神社に向かうぞ。拒否権は無いからな?」
二人は了承した。
だが、霊夜は少し違っていた。
蝕が霊夜に話しかける。
「…霊夜?大丈夫か…?」
「霊夢が…。生きて…る?」
彼は一筋の涙を流していた。