東方天獄譚   作:みょんたー

4 / 11
四話 カオスと管理人

霊夜は涙を流していた。

「あ…あれ…?」

蝕が心配そうに聞く

「…霊夜?」

霊夜はハッとしたように涙を拭き取ると苦笑いをして

「すまない。少し…な」

と呟いた。

…ふむ。あいつの世界では何かあったようだな。あまり、詮索はしないようにしよう。

「それじゃあ、行くぞ」

そう言って、俺たち三人は人里に向かった。

人里は先程来た時と変わらず賑わっている。

取り敢えず、酒を買わないとな。

酒屋に向かうと行商人と出会った。

「零ー、いい野菜あるんだけどどうかな?」

この行商人、実は亡霊だったりする。名前は無いらしい。人の姿に化けて商売をしているが、ここの野菜はどれも美味いのだ。

「今なら、何がいい?」

そう、俺が聞くと亡霊は頷いて

「今の時期は大根とかだね。煮付けにしても良し。おろしにしても良しだよ」

「ふむ…大根か。まぁ、買ってくよ」

どうせだから、霊夢にでもやろう。もしかしたら、妖夢が何か作ってくれるかもしれないし。最悪、家で食べよう。

「毎度あり」

さてと、酒屋に行こうか。

こうして、俺たちは酒屋に向かった。

そんな時、三人の腹がぐぅーとなった。

酒屋の隣は、飯屋になっている。

もう昼だし、食べて行こうか。

俺たちは飯屋に入ろうとしたその時

「主様ー」

相棒の水覇がむぅ…とした顔で話しかけてきた。

ずっと刀の状態だったので構って欲しいらしい。

「お前、飯食わんだろ?」

そう言うと、水覇はムッとして

「一緒に居るくらい良いじゃないですか!」

と言ってきた。

チラッと霊夜と蝕を見る。

構わんと言った表情だが、それよりも水覇に驚いているようだ。

そう言えば、まだ水覇のことを話してなかったな。

「こいつは水覇。刀の付喪神だよ」

「水覇と言います。よろしくお願いしますね」

そう、水覇が言うと二人は納得したように頷いた。

「そう言えば蝕。お前の剣も喋らなかったか?」

ふむ…興味深いね。

「ハガルか?まぁ、喋るぞ。あんまり、喋らないがな」

「まぁ、取り敢えず入ろうか」

俺がそう言って、四人で店の中に入った。

店の中は美味そうな匂いが漂っている。

店員もやはり、昼時ということもあって忙しそうだ。

俺たちは空いた席に座り、適当に注文を済ませて蝕と霊夜に問いかけた。

「それで?お前達について教えて貰おうか?」

二人が口を開こうとしたその時、邪魔が入った。

「あ、零だ!ほら、あかさ!零が居たぞ!!」

「見つけても話は終わらないよ?」

……面倒な奴に見つかったな。

今、俺に話しかけてきたのは影月レン。まぁ、俺の悪友みたいなもんだ。それはいい。問題はもう片方だ。今、レンに話した奴はあかさと言って自称幻想郷の管理人だ。自称ではあるものの、紫の手伝いをしている辺り管理人見習い。助手と言ったところか。

レンが騒ぐ。

「おいおい!俺への説教よりもこいつだろ!?」

「両方だよ。零、また結界にイタズラしたな?レンが吐いたぞ。」

はぁ!?

「おい、待てよ。レンだぞ??嘘に決まってんだろ!!」

そんな時、相棒からの唐突な裏切りがあった。

「主様、昨日も結界にイタズラしましたよね。よく飽きませんね」

おい!!待て待て!!非常にまずい!!!ど、どうにか話を逸らさなければ…

「取り敢えず、お前らも座れよ。な?」

はい。内心、冷や汗が出ております。それはもう、滝のようにね。

二人はそれに従って座る。

そこであかさが蝕と霊夜に気付く。

「零、この人達は?」

「こいつらは、さっき知り合ったんだよ」

二人がそれぞれ自己紹介をする。

「俺は博麗霊夜。よろしく」

「…死波蝕だ。よろしく頼む」

レンが空気を読まずに質問する。

「なぁ、博麗ってどういうことだ?霊夢にこんな親戚がいるとか聞いてないぞ。」

ちょっと待とうか。レン君??

レンを掴み、少し離れた壁際に行く。

レンが驚いているが知ったことか。

「おい!?取り敢えず、話せよ」

「はぁ?裏切っておいてそれか??」

何故こんなにキレているかと言うと、あかさの説教は四季映姫。あの地獄の閻魔並に長いのだ。つまり、面倒なのだ。

「こういうのは連帯責任だろ?」

このやろう…店の中じゃなければ問答無用で叩きつけてやるところだ。え?自業自得だろって?知らんな。

「お前なぁ…。まぁ、いい。あの二人は訳ありなんだよ。少し、話を合わせろ。あかさがまた面倒になるだろうが」

レンに説明すると、納得したようだ。

席に戻る。

あかさが訝しげにしているがスルーしよう。

重い空気が立ち込める。

そんな時、光が差し込んだ!

「お待ちどうさま。当店人気のあんかけ焼きそば定食です。」

よし、取り敢えずこれを食べよう。

蝕と霊夜は食べ始めている。

…割と量が多いな。

「お前ら二人はもう食べたのか?」

あかさが頷き、レンが首を横に振る。

丁度いい。レンと分けよう。

そうして、俺たちは腹ごしらえを済ませたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。