アクセル・ワールド・アナザー 無法者のヴォカリーズ   作:クリアウォーター

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第三十九話

 第三十九話 一人よりも、二人よりも

 

 

 晶音はコーヒーの入ったカップに一度口をつけてから話を切り出した。

 

『──今から約六年前……。父が亡くなってから私と母は、横浜にある母の生家へと引っ越すことになりました。当然ですが、家の近所や通学する学校に他のバーストリンカーはいませんでした。それは今も同じです。しかし東京都と神奈川県が隣接している以上、東京在住のバーストリンカーが足を踏み入れる可能性は十分にありましたから、私は人の多い場所へ用事があるときはグローバル接続を切って出かけていました』

 

 六年前ならば当時のバーストリンカー人口は、ようやく千人に到達したところか。しかし、やはり東京二十三区以外でバーストリンカーに遭遇する確率はほぼないようだとゴウは思った。

 

『それから一年半近く経った頃のある日、出かけた先で私はグローバル接続をしていました。それまでもグローバル接続自体は度々していて、目的が済んだら接続を切っていましたけれども、この日は接続をしたままでした。白状すると、偶然バーストリンカーに会うことなんてないだろうと油断していたのです。けれど、グローバル接続をしてから数分後。世界が止まり、耳を叩くあの独特な音が聞こえ、気付けば私は懐かしい対戦ステージにクリスタル・ジャッジとして立っていました』

 

 数珠繋ぎで直結する四人組という光景が異様だからか、周りの人達の視線を時折感じるが、ゴウは晶音の話に聞き入り、ほとんど気にならない。それは大悟も宇美も同じようだ。

 

『この出会いが、私が再び加速世界に関わるきっかけとなりました。この対戦で知り合ったバーストリンカーは、横浜在住のバーストリンカー数人で結成したコミュニティの一つで活動していたのです。私は時折彼らの集まりに顔を出し、時には無制限中立フィールドでエネミー狩りの手伝いをすることもありました。時が経つに連れて少しずつコミュニティのメンバーは増え、後にレギオンクエストに挑戦、見事達成してレギオンを結成するに至ります』

『それじゃあ、晶音はそのレギオンに所属していたの?』

 

 宇美の問いに晶音は首を横に振る。

 

『そのレギオンのメンバー達にも誘われました。しかし私はレギオンには入らなかった。それ以上親密になると、いざ別れた時に辛くなりますから……』

 

 ゴウが目だけを動かして大悟の様子を窺うと、大悟は少しだけ悲痛そうな表情を作っていた。

 

『それでも彼らは変わらずに交流を続けてくれましたけれどね。彼らはレギオンをイタリア語で探索を意味する《リチェルカ》と名付けました。レギオン結成以前より、加速世界にあるダンジョンの探索を主として活動していたからです』

『ダンジョンの探索?』

『そういう集団は東京にもいるな。単純に冒険を楽しんだり、ダンジョン内に存在するレアアイテムの捜索をしたりしている』

 

 ゴウに大悟が解説をする。

 確かにレギオンは必ずしも領土拡大だけを目的としているわけではないし、日本全土が舞台となる無制限中立フィールドをオープンワールドとして楽しむことも、一つの道だろうとゴウは得心した。

 

『そして今から約一年半前。私とリチェルカの面々は、とあるダンジョンの最深部で一つのアイテムを発見しました。それは別のダンジョンについての情報が記載されていたペーパーブック型のアイテムで、メンバー達はそれはもう喜び合いました。おそらく何かしらの条件を満たして、初めて訪れることができる特殊なダンジョンだろう、とね。ところが、アイテム入手から数日後……。メンバーの一人が……レギオンマスターを含めたリチェルカメンバー全員を、ポイント全損による永久退場に追い込む事態が起きたのです』

『『『!?』』』

 

 そう言うと晶音は何かに耐えるように唇を固く引き結び、場が重苦しい空気に包まれる。

 

『……アイテムを求めての内乱は全く聞かない話じゃない。複数人に対してアイテムがたった一つ。苦労したのに自分が入手できないとなれば、争いの種になるもんだ。ただし、仲間全員で共有できる情報だったら話は違う。その裏切り者の真意が読めないな』

『ちょっと待って、それよりも……一人で他の全員を全損なんてできるものなの?』

 

 大悟と宇美がそれぞれの意見を言う中で、ゴウには直感的に一つの思い当たるものを呟いていた。

 

『もしかして、《断罪の一撃(ジャッジメント・ブロー)》を……? いや、でもレギオンマスターじゃないと──』

『はい。ですから、その者は始めにレギオンマスターを標的にし、おそらくは何らかの脅迫手段を用いてシステム的マスター権を自分へと譲渡させたのでしょう。その後にポイントを全損させ、残るメンバーは十人にも満たない少人数……。人数が少ない分、互いに信頼し合っていました──いえ、そう思っていました、あの時までは。当時レギオンメンバー間で使用していたアドレスを私も共有させてもらっていて、私にしかできない相談があるから無制限中立フィールドへ来てほしいとの呼び出しを受けました』

 

 晶音がテーブルの上に置かれた両手を強く握り締め、更に続けた。

 

『待ち合わせ場所で会話の最中に、裏切り者は私にいきなり襲いかかりました。それまで一度も見せたことがなかった心意技を使用して……。心意システムについてはISSキットなどという物が広まっている以上、二人共もう知っていますね?』

 

 宇美と共に頷きながら、ゴウは驚いていた。

 意志によって発現するシステム外の力、心意システムはゲームバランスを崩しかねない危うさから王やその側近、その他にはわずかな古参のバーストリンカーしか知らない秘匿されたものだと、心意修得の修行中に大悟は言っていた。東京から離れた横浜で活動していた、その裏切り者が使えていたというのは信じ難い話だ。

 ゴウは大悟の方を向いてみたが、大悟は思案顔をしたまま何も言わない。

 

『私は心意システムについては原理を知るだけで修得自体はしていませんでしたし、横浜ではそれまで一度もその名称を聞くことはなかった。応戦はしましたが、結局は逃げ回ることしかできず、何度か死亡し……。運良く変遷が発生してエネミーがすぐ近くに現れなかったら、あの時に私はポイントを全損させられていたでしょう』

『そいつが心意技を使ったことについてはひとまず置いておいて、お前さんを含めた仲間達を襲った理由に心当たりはあるのか?』

『……口封じだと、彼自身がそう言っていました。残るは私だけだと。どうやら彼はダンジョンの情報を知るリチェルカのメンバー、そして一緒にいた私も含めた全員を消すつもりだったようです』

『なんで! 仲間だったんでしょう!? どうしてそんなこと……』

 

 あまりの救われない話に耐えかねたように、宇美が晶音と大悟の会話に割って入った。

 

『ありがとう、宇美……。でもまずは話を進めましょう。……逃げ切ってログアウトをしてから、整理のつかない頭で他の皆にメールを送っても、誰からも返信は来ませんでした。彼の言葉が真実だったと理解してから、しばらくはショックで何も手につかなかった……』

 

 自分のことのように怒りを見せる宇美に、晶音は一度諭すような微笑を向けてから説明していく。

 

『その日以降、仲間を失った私は再びブレイン・バーストから距離を置きました。それでもブレイン・バーストを自らアンインストールしなかったのは……きっと未練でしょうね。しばらくしてこのまま消えてしまえば、後には何も残らないと考えました。そこで私は父の命日に、東京へ毎年お墓参りに行く時に必ず寄る父方の実家、そこで会ういとこを《子》にしようと思い立ちました。一種の賭けでしたが結果は……見ての通りです。この選択には間違いはなかったと断言できます』

 

 隣に座る宇美を見る晶音が、少しだけ誇らしげな表情を見せる。

 

『自分が一人ではないというのはそれだけで救いになるもので、私は少しずつ立ち直り、やがて仲間を裏切った彼を裁くと心に決めました。唯一生き残った私にはそれをしなければならない義務があるからです。そうして宇美を指導する傍ら、心意技を身に付けながら力を蓄え、その時を待つ今に至ります』

 

 そう話を締めくくった晶音に、ゴウは何も言うことができなかった。彼女は同情を求めてはいないし、簡単に気持ちが分かる気になってはいけないような気がしたからだ。

 

『──なるほどな。落とし前をつけたいというのは分かった。それでその裏切り者のアバターネームは? ここまで言ったんだから、全部吐いちまえよ。もしかしたら名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれない』

 

 大悟はあくまで冷静に晶音に質問をする。彼がいま何を思っているのかは、ゴウには分からなかった。

 晶音は少しだけ迷う素振りを見せたが、すぐに頷いた。

 

『そう、ですね……。今更隠し立てても仕方ないですものね。裏切り者の名前は《アメジスト・スコーピオン》。名前の通りアメジストのような紫の装甲をしていて、レベルは──』

「なっ……!? 今なんて!?」

 

 気付けばゴウは肉声を出して驚きながら、前のめりになって晶音に迫っていた。迫られた晶音が驚いて口を閉じる。

 アメジスト・スコーピオン。ISSキットを装備したシトロン・フロッグと闘っていた際に突然現れてフロッグを倒し、それが引き金となって暴走したゴウに対して、最後まで慇懃無礼な態度を崩さなかったデュエルアバター。そして、アウトローが調査しているエピュラシオンメンバーの一人。

 ここでその名前を聞くとは、ゴウは夢にも思っていなかった。

 

「まさか、彼を知っているのですか? 一体どこで──」

『気持ちは分かるが二人共落ち着け。話すなら思考発声にしろ』

 

 大悟に(たしな)められて晶音は黙り、ゴウも慌てて座り直した。

 

『す、すみません……。えっと僕は──いや、アウトローはそのスコーピオンが所属するレギオンについて調べようと動いていたんです』

『そこからは俺が話そう』

 

 ゴウに代わって大悟が先週から今まで起きた経緯を、簡潔にまとめて晶音に説明した。説明を聞き終えると、晶音はソファー椅子の背もたれに寄りかかって、大きく深呼吸をする。

 

『何と言うか……世間は狭いですね。先週に宇美がISSキットの使用者に襲われた話はメールで知っていましたが、その時にスコーピオンにも出会っていたなんて』

『いや、私は正直あの時エピュラシオンの三人よりも、キットの方が印象に残っていてあまり重要に思ってなかったんだよね……。奴らもすぐにその場から離れていったし』

 

 宇美が済まなそうに事情を話す。しかし、偶然出会ったバーストリンカーが自分の《親》の因縁の相手と考えるのは無理な話だろう。

 

『まぁ、これは好都合だよな。──よし、岩戸。お前さん、手を組まないか?』

『はい?』

 

 パンと小さく両手を打ち、唐突な提案を持ちかける大悟に晶音が首を傾げる。

 

『いきなり何を……?』

『お前さんはスコーピオンと因縁がある。俺達はスコーピオンのいるエピュラシオンを追っている。目的は一致しているはずだ』

 

 右手と左手を広げ、両手を合わせながら話す大悟に、晶音が明らかに動揺を見せ始めた。

 

『な、何を勝手に……。大体手がかりもないのでしょう? だったら私が一人増えたところで──』

『手がかりね……。さっきお前さん、力を蓄えているとか言っていたよな? それは探し回っているというよりも、アテがあって機を待っているように聞こえたぞ』

「あっ……」

 

 晶音が慌てて口を覆う。その反応が肯定であると言っているようなものだと、ゴウにも理解できた。

 

『やっぱり何か知っているな? 昔からお前さんは嘘が下手だよな。腹芸ができないというか……』

『お、大きなお世話です……』

 

 晶音は大悟にそう返してから顔を背けた。

 そんな晶音の手を宇美が握る。

 

『聞いて晶音……。私はね、この二人の、アウトローの力になりたいと思っているの。助けられた借りもあるし……。でもそれ以上に晶音の力になりたい。晶音の話を聞いても、それは変わっていないよ』

 

 宇美は穏やかに、そして強い決心を感じさせる声音で晶音に語りかける。

 晶音は顔を上げるが、目は下を向いたまま、宇美に合わせようとはしない。

 

『……分かっていました。貴女はきっと、そう言ってくれるだろうと』

『だったら──』

『でも駄目です! だって……もし、もしも貴女まで失うことになったら? それでこれまでの記憶を忘れられたら私は……きっと立ち直れなくなってしまう。私はもう、大切な人を失いたくない……!』

 

 駄々をこねる子供のように目をつぶって首を横に振る晶音の目尻には、薄く涙が滲んでいた。『大切な人』がリチェルカのメンバー達、そしてブレイン・バーストを授けられた経典のことを指しているのは明らかだった。

 しかし、宇美はしっかりと晶音を見据え、握っていた晶音の手をより一層強く握り締める。

 

『それは私だって同じ。もしも晶音が全損してブレイン・バーストの記憶が消えるなんて、私は考えたくもない。晶音が東京を離れてから年に何度か会ってもほとんど話さなかった私達が、こうして一緒にブレイン・バーストをやるようになって小さい時みたいにまた仲良くなれた……。困っていることがあるなら頼ってよ。一人より二人の方が、やれることは絶対に多いでしょ?』

『宇、美……わ、わたし……』

 

 それ以上は思考発声をできなくなった晶音の目から大粒の涙が溢れ出した。宇美が優しく腕で晶音の頭を包むと、晶音は顔を宇美の胸にうずめて小さく嗚咽を漏らし始める。

 その光景にもらい泣きをしてしまいそうになったゴウは、目を逸らそうと大悟の方を向く。

 大悟は何か思うところがあるように晶音達を見ていたが、視線に気付いて一瞬だけゴウを見ると、晶音達からもゴウからも目線を外して、何かをごまかすように目を閉じた。

 

 

 

 一度心配そうに声をかけてきたウェイトレスに、大悟が身振りで大丈夫だと伝えてから数分後。

 周囲がちらちらと目を向ける中、目を腫らした晶音はまだ鼻を小さく鳴らしていたが、涙は止まっていた。

 

『──落ち着いたか?』

 

 大悟の問いに、晶音は一度だけ鼻を鳴らしてから頷く。

 

『俺もな、エピュラシオンを調べるのに、無理に付き合う必要はないってアウトローの奴らに言ったら、何を水臭いこと言っているのかと怒られたよ。……アウトローに戻れとは言わない。ただ今回に限って共闘する、それでどうだ?』

『……分かりました。それで手を打ちましょう。半ば意地になっていましたが、私一人では手に余るのも確か。ただし、あくまで今回だけの共闘です』

『それで構わない。コングとメディックも喜ぶだろうよ』

 

 条件付きではあるものの、大悟の提案に納得する晶音。

 ゴウは宇美と目が合い笑顔を見せると、宇美も嬉しそうに笑い返した。

 

『では早速、私の知る情報を教えましょう。スコーピオン、ひいてはエピュラシオンは私とリチェルカが知った幻のダンジョン、《アトランティス》の元に現れると考えられます』

『『アトランティス?』』

 

 ゴウと宇美の思考発声が重なる。

 

『アトランティス……。古代ギリシャの哲学者だかの著書に出てくる、神の怒りで海底に沈んだとされる島、そこで栄えたという帝国の名前だな』

『あ、そう言われると聞いたことあるかも……。大悟さん、詳しいですね』

『長いことバーストリンカーやっていると、いろいろな雑学が身に付くもんでな。ブレイン・バーストじゃ、固有名のある神獣(レジェンド)級エネミーとか高位ダンジョンには、神話や伝説からそれっぽい名前を当てはめている場合が多い。それで、そのアトランティスとかいうダンジョンはどこにある?』

 

 大悟がゴウに解説をしてから、晶音に訊ねる。

 

『アトランティスについて記されていた本にはいくつかの図と、残りは英語の文章が記されていて、リチェルカの皆と数日かけて読み解いていきました。その結果、アトランティスが出現するのは半年に一度。六月三十日と十二月三十一日、その正午から現実時間で約三十分間のみということが分かりました』

 

 ゴウは晶音が言ったことを反芻しながら、頭の中で自分の知っている加速世界のダンジョンの知識と擦り合わせる。

 そもそもダンジョンとは、現実の有名な建造物やメジャースポットなどの、いわゆるランドマークと呼ばれる場所に位置しているものだ。例えば現実の皇居に当たる《帝城》、その帝城を四方に囲む形で位置する四つのランドマークは、東京の《四大ダンジョン》と呼ばれている。

 だが、たったいま晶音が言ったように、限定的な時間にだけ出現するダンジョンなど聞いたことがない。

 

『そんなダンジョンが本当に──って……六月三十日って、丁度来週じゃないですか!』

『おいおい……。お前さん、そんなギリギリまで一人でどうにかしようと思っていたのか?』

『それは、その……』

 

 ゴウと大悟に追及された晶音は、バツが悪そうに顔を背けた。どうやら様子を見るに具体的な計画を立ててはいなかったらしい。

 

『ねえその前にさ、エピュラシオンがもうアトランティスを攻略したって可能性はないの? スコーピオンがそのアイテムを盗ってから一年半経つんでしょ?』

『あ……』

 

 宇美の発言にゴウは固まる。言われてみれば、元リチェルカのメンバーだったスコーピオンは晶音と同じことを知っているだろう。それどころかアトランティスについて記された書物アイテムを持っているなら、それ以上の情報を知っていてもおかしくはない。

 だが、晶音に慌てる様子はなかった。

 

『それに関しては問題ありません。スコーピオンが裏切りを起こしたのは去年の一月中旬。それから今日に至るまでアトランティスは二回出現していますが、私はその際に無制限中立フィールドへダイブし、アトランティスが出現している間ずっと見張りをしていたのです。その間、スコーピオンが現れることはありませんでした』

 

 晶音は軽く言っているが、アトランティスが出現するという時間は現実世界の三十分間、加速世界では約三週間になる。

 ゴウは加速世界で大悟と一ヶ月間の心意の修行を行ったが、一人でいつ来るかもしれない者をひたすら待ち続けるというのは、相当に神経を使う作業だろう。

 

『それに、先程エピュラシオンのマスターは何かを企んでいるようだと言っていましたね? だとするのなら、今回のアトランティスの出現時間にエピュラシオンが姿を見せる可能性は高いと思われます』

『なるほど……。そのあたりは他のメンバー達とも考えるとして……。先に知っておきたいのはアトランティスには一体何があるのかってことだ。それなりの代物があるからスコーピオンは自分のいたレギオンの仲間達を全損させたんだろ?』

 

 大悟の言葉に、晶音は少しだけためらいを見せたが、それ以上の動揺は見せずに頷いた。

 

『ええ。それを手に入れたものは、絶大な力を得ると本には書かれていました。それがアイテムなのか強化外装なのか、名称も記されていませんでしたが、それはダンジョンの最奥に《秘宝》として安置されているそうです』

 

 幻のダンジョンとそこに眠る《秘宝》。それを巡る戦いが始まるまでの時間は静かに、しかし確実に刻一刻と迫っていた。

 

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