アクセル・ワールド・アナザー 無法者のヴォカリーズ   作:クリアウォーター

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第四十四話

 第四十四話 敵! 敵! 敵! 

 

 

「セイ!」

 

 一拍の気合と共に横薙ぎに振るった薙刀が、敵の胴を両断する。

 その上半身が落ちる頃には、大悟はもう相手を見ていなかった。

 薙刀型強化外装《インディケイト》の刃を上向きにして次の標的の顔面に突き刺すと、そのまま斬り上げて頭を真っ二つにする。

 現在の大悟の相手はバーストリンカーではなかった。

 今より少し前。

 仲間達と引き離された大悟が流された先は、学校のグラウンドのように平坦かつ、だだっ広い大部屋だった。

 そんな部屋は無人ではなく、すでに先客がいた。

 甲冑を身に着けて魚の頭をした、半魚人の彫像が片膝を着いた状態で、規則正しく整列していたのである。

 その光景に嫌な予感を覚えた大悟は、ともかく部屋から出ようと歩き始めると、不意に彫像達の目がビカァッ! と赤く輝いた。

 彫像だった半魚人達の体はみるみる色付き始め、甲冑が金属質に、頭は生物のような質感を持ち始めていく。

 そして一斉に立ち上がると、剣や槍といった各々の武器を手にして、大悟に向かって襲いかかって来たのだ。

 その数、およそ四十体。

 あまりの多勢に無勢の状況に、大悟はすぐに脱出しようとしたのだが、奥にあった扉は固く閉ざされていて、簡単には開きそうもない。かといって、背を向けていれば半魚人達に串刺しにされてしまう。

 そうして止むを得ずに、半魚人達の相手をする羽目になったのである。

 

「さて……」

 

 軽く息を整えつつ、大悟は薙刀を中段に構える。

 今の半魚人で倒した数は六体目。

 怯むことなく向かってくる半魚人達を、大悟は冷静に観察していた。

 分かったことは、体力ゲージが表示されないことから、彼らはバーストリンカーどころか、エネミーですらないということ。おそらくは、このダンジョンが備える罠の一つに分類されるのだろう。

 幸いなことに大悟の見立てでの半魚人一体の単純なスペックは、およそレベル3から4のバーストリンカー程度のものだった。エネミーでも最弱に分類される小獣(レッサー)級であっても、レベル7のバーストリンカーに近い強さを持っているので、そこには内心で胸を撫で下ろす。

 ただし、動きの精彩さは人間が操るデュエルアバターよりも大きく劣るとはいえ、システムで動く半魚人達は怯むことを知らないようだ。油断すれば数に押され、一気にやられてしまう可能性もあるのは事実。

 だからこそ、それを理解している大悟はそのリーチ故に、多数相手に有効的な薙刀を早々に使用していた。

 ──いきなり一人になるとは思わなかったな……。エピュラシオンの奴らも俺達と同じようにバラバラに分散されているのか? それとも──。

 大悟は考えつつ、背後から剣を振り上げる敵の一体を《天眼》で捕捉して、裏拳を顔面に叩き込む。そうして一瞬硬直した半魚人の首を、勢い付けての振り向きざまに切断した。

 どうやら半魚人は致命的なダメージを受けると、元の彫像に戻るらしい。首から上を失った半魚人は倒れたまま色を失い、今まで動いていたのが嘘のように微動だにしない。

 ──まぁ、幸か不幸かは考え様。これはこれで体を動かすのに都合が良い。せっかくだからこいつらを相手に準備運動といくか。

 

「……どうしたぁ、魚ヅラ共。刺身されたくなけりゃ、かかって来い」

 

 大悟の挑発を理解しているのかいないのか、大悟を取り囲む半魚人の集団は声も上げずに(そもそも発声器官があるのかも不明だ)、大悟へと襲いかかる。

 大悟は今の状況を静かに楽しみつつ、自らの得物を握り直した。

 

 

 

「──てめえ、名前とレベルは?」

 

 流されてから当てつっぽうに進み続け、地面が水没している場所に辿り着いたコングは、着いて早々に唸るような声を聞いた。

 声のした方向を見ると、水面からいくつも突き出ている岩の一つに、体が藍色の鱗に覆われ、ワニの頭をしたM型アバターが片膝を立てて座り、こちらを睥睨(へいげい)している。

 

「……レベル8のフォレスト・ゴリラだ、コングでいいぜ?」

「レベル8……」

 

 オレンジ色をした丸いアイレンズでコングを捉えながら、臆せずに答えるコングの言葉を反芻して呟くワニ頭のアバター。

 

「そうか……。ククク……ハハハハハハァ!!」

 

 突然ワニ頭のアバターが口吻の長い口を大きく開き、太く尖った牙をむき出しにして呵々大笑する。

 

「コング……《野生の咆哮(ワイルド・ロアー)》か! レベル8を引き当てるとは俺も運が良い。気に入らねえ命令に従った甲斐もあったわけだ」

「命令……?」

 

 こちらについて知っているような相手の物言いに、コングは眉をひそめた。

 状況からして目の前のデュエルアバターは、自分達よりも先にこのアトランティスに入ったエピュラシオンメンバーの一人なのだろうが、彼らは一度しか対面していない自分達について、二つ名に至るまで調べたのだろうか。

 

「レベル7の《インディゴ・クロコダイル》だ。互いに名乗ったことだし、早速始めんぞ」

「おいおい待て待て。その前にお前にいろいろと聞きたいことが──」

「あぁ? 何を眠たいこと言ってやがんだ。バーストリンカー同士が出会ったら、まずは戦うのが当然だろうが」

 

 取り付く島もなくクロコダイルは腰から伸びる逞しい尻尾を揺らし、岩から立ち上がる。

 

「俺に聞きたいことがあるなら、力尽くで聞くんだな。それとな、確かにレベルはてめえの方が上だが、油断してっと足元掬われんぞ」

「ほー……そうかよ」

 

 クロコダイルの粗暴かつ好戦的な物言いに、コングも思考が戦闘時のものに切り替わっていく。

 素直に通してくれそうにはないし、どちらにせよ倒さなければならない相手であることには変わりない。彼らの戦力を削っておくことのも間違いではないと考え、拳を構える。

 見境がないわけではないが、コングも元来は拳を用いた肉体言語を好む性質(タチ)である。

 

「よぉし来な、ワニ野郎。相手してやろうじゃんか」

「おお、良い顔付きになったじゃねえか。やっぱりてめえは当たりだ。さぁ、どっちが喰ってどっちが喰われるかなぁ!」

 

 歓喜の声を上げて岩から跳躍したクロコダイルが、水没した地面を滑るようにしてコングへと迫り、その大きな口を開いた。

 

 

 

 通路に二人分の足音の他にペンが紙の上を走る音と、ブツブツと呟かれる独り言が静かに響く。

 

「……おい」

 

 その音を出す人物の隣を歩き、呼びかける男が一人。

 

「──さっきの罠はともかくとして、エネミーが一向に出て来ない……。ダンジョンは基本、十人単位のパーティーを組んで挑戦するけど、地方になると難易度が変わるのか? もしかしてダンジョンの広大さにリソースを割いているのかも……。いや、でも……」

「よぉってば」

「加速世界で五百年に一度の頻度で出現するなら、その間ここは加速世界に存在していない? その特異性に《秘宝》の正体は釣り合う存在なのかな……。だとしたら──」

「聞けってんだ」

「うぐっ!?」

 

 呼びかけに応じずに隣を歩くメモリーに耐え兼ねたキルンが、メモリーの脇腹を少し強めに小突いた。

 そこでようやくメモリーはペンを走らせるのを止め、キルンの方を向く。

 

「痛たた……何するんだよ、キルン」

「おめえが聞かねえからだろが。記録するのも結構だけどよ、今は皆との合流に集中した方が良いんじゃねえか?」

 

 水流によって一行が引き離された部屋で、メモリーとキルンは偶然にも同じ穴に同時に吸い込まれていた。ちなみにキルンは穴に吸い込まれて間もなく、穴の入口に非常に細かい格子が出現し、他の誰かが同じ場所に入るのを防いでいたのを確認している。

 それからメモリーと二人でダンジョン内を当てもなく進み続けているのだが、隣を歩くメモリーが思考を垂れ流しにして呟く独り言に、キルンもいい加減にうんざりしていた。

 

「そうは言ってももうずっと一本道じゃないか。情報は一つの力だよ。こうして記録することが、いつか思わぬ形で役に立つことだってあるかもしれない」

「いつかね……今であってほしいもんだ。それも分からんでもねえが、隣の奴の声かけにも気付いてないようじゃあ、もしも奇襲に遭ったら情報が役立つ間もなくお陀仏になっちまうぞ」

「うっ……中々痛い所を突くね……」

 

 意見を主張したが、キルンの反論に唸るメモリー。

 こうして気軽に言い合いをしている二人だったが、彼らがアウトローでほぼ同時期に活動をし始めた頃は、しょっちゅう取っ組み合いを始めるほどに仲が悪かった。

 どちらも長らくソロで活動していた上に、取り組んでいたものはそれぞれ違えども職人気質の性格だったので、自分の我を通そうとして譲らなかったからだ。

 ホームでデータの読み込みを一度でまとめようと、メモリーが紙をそこら中に散らかしてペンを走らせていれば、いの一番にキルンが文句を言う。

 ホームの暖炉の近くでキルンが金槌をガンガンと振るえば、メモリーが真っ先に不満を口にする。

 いかにアウトローが各々の自由を尊重しているとはいえ限度はあるので、あまりにヒートアップしすぎると、初期メンバー達が仲裁に入ったり、時には二人揃って表に放り投げられたりしていた。

 メモリーもキルンも性能が癖の強いデュエルアバター故に、真っ向勝負ではボンズやコングには数歩及ばず、間接系統のメディックはこういった状況に限っては、異常な剣幕(近接系アバター顔負けのボディーブローを決めるなど)を見せるので、渋々従う他なかったのだ。

 それでも二人がアウトローを離れなかったのは、無制限中立フィールドでエネミーや他のバーストリンカーの襲撃を受けず、どのステージにもあまり影響されない等のプレイヤーホームの存在が、作業場として非常に魅力的だったことが大きい。

 ただし、そうして角を突き合わせている内に、二人の心境にも変化が現れていく。

 エネミー狩りでの共闘や、無制限中立フィールドで活動するバーストリンカーのポイントを狙う者達との戦闘で、なし崩しに相手を助けることが徐々に増え、段々と仲間意識が芽生えてきたのである。

 現在よりもバーストリンカーのポイント全損による永久退場が、遥かに多かった時代。《親》を早くに失い、長らく一人だった彼らも心の奥底では、無意識に仲間の存在を求めていたのかもしれない。

 いつしか周りに対しても多少の気遣いを見せるようになり、根本は変わらずとも、幾分か性格も丸くなっていった。

 そうして数年をかけ、今では互いに突き詰めるものがある者同士として認めるようになったのである。とはいえ、今のように相手に非があると思えば、それを平気で口にすることには変わりないが。

 

「確かにね……ゴホン、でも仮にエピュラシオンと交戦するとしても、彼らは広い場所のどこかで待っているんじゃないかな。闇雲に歩いていたところで、僕らと出会うよりも罠にかかる可能性の方が高いわけだし」

「む、それもそうか……。しっかし、エピュラシオンの奴らはいつからこのダンジョンに入ったんだか……。ワシはこうして進んでいる間に鉢合わせると踏んでたが」

 

 メモリーの推測に納得しつつ、キルンは未だに接触していない、まだ見ぬエピュラシオンのメンバー達に疑問を抱いていた。自分達がアトランティスに入ってから一時間近く経過しているが、彼らは姿を一向に見せない。

 ジャッジの話では、向こうはこのダンジョンについて記された書籍型のアイテムを持っているという。そのアイテムにはゴールのまでのルートなり、ヒントなりが記入されていたのだろうか。しかし、ブレイン・バーストでそんな親切な案内があるなど、一度限りのイベントの通知などの特殊な事例を除けば、キルンは聞いたこともない。

 ──おっといけねえ……。こりゃあ、メモリーに文句は言えねえやな。

 窘めたばかりのメモリーと同じように、思考に没頭し始めていた自分を戒めようと(かぶり)を振るキルンは──いきなりメモリーに抱き付かれ、その勢いで地面に後頭部からヘッドスライディングする羽目になった。

 

「ぐっ……!? おめえ、いきなり──」

 

 ズズゥン! 

 

 キルンはメモリーに怒鳴ろうとしたが、突然の地響きと数秒前に自分がいた場所に、何かが落下したのを目にして口を噤んだ。メモリーがいなければ、敵の下敷きになっていたかもしれない。

 

「くっそー、外した。上手くいくと思ったんだけどなぁ」

 

 キルンを踏み潰し損ね、悔しそうに低い声を上げたのは、二メートルを優に超える巨漢のデュエルアバターだった。

 横幅も広いその全身は淡い茶色のアースカラーで、岩石を削り出して作られたかのような輪郭。体型は上半身に比べると下半身がより肉厚で、まるで力士のようだ。

 

「キルン、ひとまず逃げるよ。この通路じゃ、あの図体に潰される」

「応よ」

 

 キルンとメモリーの二人は、素早く立ち上がって逃走を開始する。予想外の襲撃を食らったものの、ベテランの域にある彼らの頭はすでに冷静な判断を働かせていた。不利な状況でいきなり戦闘を始めたりはしない。

 

「あっ、待て! 逃がさねーぞ!」

 

 ズシンズシンと重い足音を響かせて追いかける巨漢アバター。

 追いかけっこから数十秒後。

 キルン達は広い空間内に建てられている楕円形をした闘技場、コロッセオのような場所へと出た。周囲は高い観客席らしき壁に取り囲まれ、中心には戦闘場と思われる平坦かつ広大な台座が据えられている。

 そんなコロッセオ入口の反対側の壁面には、アトランティスの入口の扉を塞いでいた、あの黒ずんだ岩のような質感をした不定形の物体がへばり付いていた。

 

「こりゃあ……」

「うん。どうもここに誘い込まれたらしい」

 

 敵の意図を理解した二人の後ろから、のっそりと巨漢アバターがコロッセオの入口から姿を現す。

 

「ワッハッハッハッ! お前ら、逃げ切れたと思っただろ? ところがどっこい、初めからこの場所で倒そうとしていたんだな、これが」

「そんなこたぁ、ここに着いた直後に分かってんだ、でかいの」

「えっ? そうなのか? なんだぁ……」

 

 勝ち誇るように笑いながら胸を張る巨漢アバターだったが、キルンにバッサリと切り捨てた対応されて、肩を落として落ち込む。

 そんな彼の広い肩には、華奢で小柄なF型デュエルアバターがちょこんと腰かけていた。

 F型アバターは頭部の燃えるように赤く長いヘアパーツと、夕暮れ空のような茜色に染まったワンピースドレスを揺らして地面に降りると、うなだれる巨漢アバターを慌てて励ます。

 

「ク、クエイ君……! ちゃんと作戦は成功したんだから、そんなに落ち込まないで」

「ボルちゃん……。うん、そうだな。その通りだ。オイラ達に落ち度はなかった、オッケーオッケー」

 

 自分と六倍近い体格差のパートナーのフォローを受けて、立ち直ったらしい巨漢アバターが前を向く。

 

「挨拶が遅れたな。オイラは《カーキ・クエイク》、レベルは6だ。そしてこっちが同じくレベル6の……」

「《マダー・ボルケーノ》です。あの……アウトローに所属している、《記録屋(アーカイブ)》と《職人(アルチザン)》の二人で間違いありませんか?」

 

 可愛らしい声でおずおずと窺ってくるボルケーノに、キルンはメモリーと頷き合いつつ、仲間内ではほとんど使わない二つ名で呼ばれたことで、警戒のレベルを引き上げていた。

 向こうは自分達を敵と認識している上に(この襲撃で明らかだが)、思う以上にこちらについて調べて上げているようだ。

 

「メモリー、あいつら知ってっか?」

「カーキ・クエイクに、マダー・ボルケーノ……確か何年か前に、過疎エリアの葛飾エリアで活動していたコンビにそんな名前を聞いたことがあったような……。いや今はそれよりも──」

 

 小声で訊ねるキルンに答えると、今度はメモリーが欠片の動揺も見せずに、エピュラシオンのメンバー達に質問をした。

 

「こっちの自己紹介は要らないみたいだね。君らはエピュラシオンのメンバーだろ? さっきから話している口振りからして、君達は随分このダンジョンを把握しているみたいだけど、他の仲間はどうしているんだい?」

「うん? そりゃあ散らばって、オイラ達みたいにお前らを待ち構えてるよ。ダンナの指示だからな」

「ダンナ?」

「そう、ウチのレギマス。苦労したんだぜ? いちいち罠を避けて進むもんだから、長いこと時間かけて、やっとこさ一番奥に辿り着いてよ。それからこうしてダンナが──」

「クエイ君! 話しすぎだよ、マスターに怒られちゃうよ……」

「あっ、いけね……」

 

 キルンもこれにはさすがに驚きを完全には隠せなかった。

 ボルケーノに遮られたものの、クエイクの話ではエピュラシオンはすでに、ダンジョンの奥まで辿り着いているらしい。

 その上でレギオンマスターはメンバー達を散らばらせて、自分達を奥へ進ませるのを阻んでいるという。

 気になるのはそれだけではない。ダンジョンの奥がゴールだとすれば、何故彼らはこんなことをしているのか。奥にあるという《秘宝》を見つけているのだとしたら、撤退しないのは何故か。

 それに向こうの言っていることが真実と仮定して、ゴール到達から人員の配置までがいくらなんでも早すぎる。

 隣に立つメモリーは聞き取れない声量で、何やらブツブツと呟きながら考えている様子だが、ひとまずは考えるよりも行動だ。

 

「メモリー、考えんのは後にした方がいい。向こうもこれ以上喋るつもりはなさそうだしよ」

 

 メモリーを思考の海から呼び戻すと、キルンは腰から愛用の強化外装である金槌《メイド・ブレイカー》をその手に取った。

 

「……そうだね、仕方ない。作戦はどうしようか?」

「始めはワシが前に出るから、向こうの動きに注意しつつ少し『観察』しときな。さすがに二人相手じゃ長くは()たねえが……。そんで今度はおめえが前に出て、時間を稼いでくれ。その間にワシが準備をして一気に決めてやらぁ」

「一刻も早く進まなくちゃならないみたいだし、それでいこう。……僕らが二人して始めから前線に出るのなんて、いつ以来かな」

「はて、どうだったか……。ま、たまにはこんなのも良いだろ」

「自分から言い出したんだから、袋叩きに遭っていきなり死ぬとかはやめてよ?」

「へへ……そん時ゃ勘弁な」

 

 軽口を交えつつ、柄が伸びてゲートボールのスティックのようになった金槌を両手で持って構えるキルン。

 一方でメモリーは紙とペンを手にすると、その場から台座の端まで大きく下がる。

 こうして古代のコロッセオさながらの場所では、二組のバーストリンカーが剣闘士の如く対峙するのだった。

 


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