銀色の革命者外伝 星色の花は天使の手に 作:ヒロ@美穂担当P
回数を重ねると物事が雑になる謎現象のお話です。
バイトが続いていた俺はへとへとで家に帰ってきた。
パソコンでの文字打ちがめっちゃ疲れる。手を動かすから目は開くけど文字をずーっと見ていると目が痛くなる。コマーシャルでやっているような疲れ目ってこういうことかって身をもって知った。いや知りたくなかったけど。
次のバイトは来週の火曜。
一応俺が学生というのも考慮してシフトを組んでくれたらしく、学業に支障が出ない範囲でやってくれた。そのためバイト自体はそこまできっちり入ってるわけではない。
しかし授業の直後に編集部へ直行してバイトに行っているわけで。部活をどうしても休まないといけない日もある。
バイトを始めて少し経ったがなかなかキツい。そんな中での休日がすごいありがたい。
明日は学校もない土曜日だ。
高校生の頃までは土日の休みは当たり前みたいに思っていた俺は19歳になって土日休みのありがたさを思い知った。明日どうしようかなー。
やがて考えるのもダルくなり俺は寝た。
翌朝、俺はパンを食べながらコンビニへ向かおうと歩いていた。
すると……
「津上君?」
「相葉ちゃん!」
大天使相葉ちゃんがいるじゃないか(歓喜)
会ったあとはもういつものようになっている相葉ちゃんと歩く時間。
もうこれデートで良くね?と最近思ってる。
でもな!デートじゃない!!(迫真)
デートってさ、付き合ってる子とキャッキャウフフしながら色んなとこ行くと思うんだ。服屋だったり遊園地だったり。
でも今の俺達は違う。俺は!相葉ちゃんと付き合ってる訳じゃない(真顔)
だからこれはデートじゃないんです。
「津上君はバイトしてるんだっけ?」
「うん、最近始めたんだ」
「どんなことやってるの?」
「雑誌関係。車関係の雑誌作りのお手伝い」
「すごいね。そうだ、津上君は将来どうするの?」
相葉ちゃんの質問が俺に突き刺さった。
俺は将来どうするかをまだ決められてない。でも車関係で働くっては曲げない。
今カー&ロードの編集に関わってるけどさ。あくまでバイト。ちゃんと正社員になって働くかと聞かれたら答えられない。
「まだ決まってないや」
「そっか。ってあ!」
「遅刻しちゃうかも……。ごめんね!!」
相葉ちゃんは走っていった。346プロへの出勤途中だったのに俺と話してこんな事に……っ!!
相葉ちゃんごめん。後でスイーツオゴるから。
その日の夕方に俺は再び相葉ちゃんに会ってスイーツを奢った。
「なんで?」と聞かれたが「気分だよ」と俺は答えた。スイーツを美味しそうに食べていた相葉ちゃんはそれを気にする様子はなかった。
俺の方は申し訳なさでいっぱいだった。デートで気まずい雰囲気なった時のカップルもこんななんだろうかと苦いコーヒーを飲みながら思っていた。