銀色の革命者外伝 星色の花は天使の手に   作:ヒロ@美穂担当P

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いきなり最終話。
唐突すぎだと自分でも思ってますが。







出会いは突然って言うけど実際そうだな

皆さんに質問したい。

「出会い」ってなんだと思う?恋人だとか運命の人だとか「出会い」っていっても色んな形がある。

俺の「出会い」はまず相葉ちゃんとの出会い。ライブ会場での相葉ちゃんを見て俺は彼女のファンになった。それがまず一つ。

 

 

 

「出会い」。それは時に人生を変える事にもなる。ってラノベの導入でありそう。でも俺はそんな「出会い」をしてしまった!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

夢斗が東京を出た日の少し後。

相葉ちゃんから夢斗は栃木まで行ったと聞かされた。んで夢斗本人が首都高の伝説的走り屋「迅帝」とバトルしたと言ってきた。

俺はそれ聞いて腰を抜かすかと思った。なんでそんなすんげー人とバトルしてんだコイツ。

 

 

 

 

 

「Zってすげーよな。やっぱバケモンの一言よ」

夢斗がそんな事を呟く。バトルにはなんとあの「悪魔のZ」もいたらしく、しかも元々の乗り手もいたらしい。やべぇよ……やべぇよ……。

 

 

 

「上手かったのか?」

俺は聞く。荻島さんや城島さんが語っていた悪魔のZの乗り手の事を。

「ああ。追いつけなかったぜ」

夢斗ですら追いつけないはまず聞くことがない。本当に速いんだなとわかる。

 

 

 

 

 

 

そんな事を話した後に俺はFDで首都高へ。

会えるとは思ってない。けどなんか気になってしょうがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ……走る」

ふとそんな事を呟く俺。なんで走っているのかと自問自答する。

俺は憧れの人のように走りたくてFDを買った。んでその人に出会い……。あれ?

 

 

 

「俺は周りの流れに飲まれてるだけだ……」

 

 

 

 

憧れの人や夢斗、荻島さん達との出会いには必ずと言っていいほど「走り」がある。言い換えれば「走り」がなければ俺は誰とも出会いがない。

 

 

 

 

 

そして俺は会った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「君のFDいい車じゃないか!」

休憩にと寄った芝浦PAで声をかけられる。たぶん内藤さん達とあまり変わらないくらいの人に。

 

 

 

 

「はぁ……ありがとうございます」

「君のFDを見ると……なんか思い出すんだ。首都高SPL(スペシャル)のFDを」

「首都高SPL……?」

「ああ。RGOで制作された究極の首都高マシン」

「ん?」

 

 

 

 

 

俺はそのFDを知っている。

大田さんの元で作られたFD。そしてその乗り手は荻島さん。大田さん、荻島さんはある車を見てきた。そして城島さんが語っていた存在。

 

 

 

 

「荻島さんのFD……」

「知っているのかい?」

「ええ。……あなたはまさか」

「……知っているみたいだな。俺は朝倉アキオだ」

「あなたが……」

 

 

 

 

 

朝倉アキオ。彼は「悪魔のZ」を駆り、首都高にその名を轟かせた首都高の生きる伝説。

悪魔のZを降りても走りを辞めず、ある時突然ミッドナイトブルーのZ34で現れてはあっという間に相手を撃墜(オト)すという。

 

 

 

夢斗が言っていた「悪魔のZ」の本来の乗り手。なぜ彼が俺の元に。

 

 

 

「聞いたんだ。車を知りたいっていう人がいると。……荻島サンから君の事を」

「荻島さんが……」

荻島さんや城島さんが彼の事を話している時俺は熱心に聞いていた。たぶんそんな俺を見て荻島さんが連絡を取ったのだろう。

「荻島さんのFDは速かっただろう?」

「ええ。追いつけなかったですよ」

嘘はない。彼は「本物」のオーラを纏う。その速さが意味するオーラ。

 

 

 

 

「このZはあいつを忘れないようにって乗っているんだ」

ミッドナイトブルーのZ34。あのS30と同じ色をしたZ34からもわかる物。

 

 

 

「お願いです、俺のFDと一緒に走ってください!」

 

 

 

 

 

こうやって俺自身から走る意志を見せるのは初めてだった。

 

 

 

 


 

 

 

芝浦PAから湾岸へ。必死の思いでZの後ろに近づく。Zはまだ流してるとわかる。

離されないように維持するのがやっと。

 

 

 

 

 

「悪くない。けど……一番わかっているのは君だ」

アキオは必死にZを追うFDが苦しい状況に立たされている事を理解していた。

 

 

 

 

 

 

「くっそぉ……」

Zが離れる。俺は食らいつこうと頭をフル回転させてZに向かう。

しかし相手は伝説の男。俺の考えてる事全てが見透かされてるだろう。

やるしかない。俺はFDを信じる。

 

 

 

 

「頼むぜFD……お前が頼りだっ」

スクランブルブースト。荻島さんと走った後に調整し直した新セッティングのECUがFDにパワーを発揮させる。

今度は約32秒。それがスクランブルブーストの使用可能時間。

以前の3倍以上に使用可能時間が伸び、超高速域を多用する首都高にドンピシャだ。

 

 

 

 

FDはグイグイと前に出る。パワーを感じる加速。アドレナリンが脳から溢れ出るのがわかる。

 

 

 

 

 

「……スクランブルブーストか」

FDの変化に気づいたアキオ。パワーはFD(あちら)の方が上。

大体420馬力のこのZとFDの差は確実に縮んでいる。

 

 

 

 

 

(コーナリングスピードはこっちが速いッ)

浩一のFDはアキオのZよりも速く空港前のコーナーを駆け抜けた。

アキオのZは軽量化がほとんどされておらず、車重は1500kg強。対し浩一のFDは1200kgに迫る軽さ。パワーと車重に軽さを活かして浩一はアキオに真っ向から立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「あの車……」

アキオはなにかに気づく。その車は……。

 

 

 

 

 

「夢斗じゃねえか……」

 

 

 

浩一がずっと見続けてきた夢斗の銀色のエボⅩだった。

 

 

 

 

 

 

 

「面白そーなコトやってるじゃんか。なあ夕美?」

「えっと……津上君すごい速い。あの蒼い車を追い越しそう」

「俺も混ざる」

夢斗がバトルに乱入する……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夢斗のヤツマジで何するかわかんねー」

何を考えてるかわからない。それが一番怖い所。夢斗と共に過ごしてそれなりになるが未だにあいつの行動は予測できない。

でも今だけはわかる。「俺も混ざる」。絶対そうだろう。

だって走ってるのは首都高の伝説と呼ばれる男。そんな人と走れる事なんてめったにない。夢斗は走ったらしいけど。

 

 

 

 

 

俺は地元群馬を出てきて車の姿を知るために東京に来た。けど俺は東京で数々の出会いをした。

夢斗から始まり相葉ちゃん、小日向さん、荻島さん、そして……アキオさん。

普通に生きていたらこんな出会いなんかできっこない。

だから俺はみんなとの出会いをよかったと思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺を見て何を見つけれたんだい?」

アキオさんと走り終わった後。結果は勝った。でも勝負として俺はアキオさんに勝ったとは思わない。もしアキオさんが悪魔のZに乗ってたらそもそも勝負にもなってないはずだ。

「なんだろう……言葉にはならないけど」

「今の俺では言葉に出来ません。けどいつかそれを言葉にできると信じています」

「そうか……君は俺を知ってると言ったな。荻島サンとか大田サンと面識があるみたいだが」

「荻島さんは俺の上司です(笑)」

「あの人今もライターやってるんだっけな……。あの人も……いや大勢の人がチューンドロータリーで俺達に挑んできた」

「そして君も俺と走った。君とFDならきっと『見つけられる』」

 

 

 

 

「そうだ。君はあの時いただろ」

アキオさんが夢斗に聞く。

「あの日に君は何を起こした?」

 

 

 

 

「んー……特に。でもあの日だから起きた奇跡はある」

「俺一人じゃ、あのインプに勝てなかったんで」

夢斗の言った意味は俺にはわからない。でも夢斗の言ってる事に嘘はない事を知っている俺は夢斗の言葉を信じる。

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう。またいつか会おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ夢斗。『誰』なんだ?」

「……俺を応援してくれた。それだけだ」

「そうか。つーか相葉ちゃん連れて何してんだコラ」

「夢斗君に付き合わされて……」

「おい夢斗」

「夕美が泣いてねえからセーフ」

「セーフじゃないし!泣いた事ないし!!」

3人でしょーもない事で笑う。青春……ってこうだよね?

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

数日後。

内藤さんに呼び出されて内藤さんの工場へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……あのFDは……」

俺が知る人の黄色いFDが見えた。その隣に見える銀色のエボⅩ。

「あり?夢斗?」

とりあえずFDを降りる事にした。夢斗ここに来る用事なくね?

 

 

 

 

 

「こんちわーっす」

「お、来たか……」

内藤さんが俺を迎える。工場の奥に見たことがある白いFCがリフトに掛けられていた。その近くには以前見たシーケンシャルミッションが。

「やあ、こんにちは。浩一君」

「あれ、小日向さん?」

彼が俺の憧れの人である小日向蓮さん。彼は「首都高最速」の称号を持つ。んでアイドル達のプロデューサーしながらプロレーサーも兼業している。俺は小日向さんに憧れてFDを買った。色も同じだったからニセモノ疑惑を作る原因になったけどな。

 

 

 

「おせーぞ、浩一」

「お前はなんでここにいるんだよ」

「んー?小日向さんが来ないかって」

「小日向さん、夢斗を呼んだ理由は?」

「ちょっとね。ここに来る人が夢斗君に会いたいらしくて」

「岩さんっしょ?」

「うん。岩崎さんが内藤さんに会うついでにと」

「誰?」

「岩崎基矢さん。スーパーGTに出てる」

「ちょっ!?」

小日向さんの口から出た言葉に驚きを隠せない。無理だ。

夢斗と争った「迅帝」その人がここに……!?

 

 

 

 

「津上君も来たんだ」

「あれ、相葉ちゃん?……小日向さんについてきたの?」

「うん」

相葉ちゃんも……。これから何が起きようとしてるんだ……?

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロデューサー!いるのかー!?」

「おっ、光じゃん。どした?」

「プロデューサーの車があって。おおっ!!秘密基地みたいだ!」

南条光ちゃんが工場の入口から顔を覗かせていた。あっ(察し)

 

 

 

 

 

「光ちゃんじゃねえか……」

内藤さんがカチコチになっている。オタク特有のテンパリ方だ。

光ちゃん親衛隊のリーダーである内藤さん。本人目の前にいるんだもの……!

 

 

 

 

 

 

 

 

なんやかんやしている内にもう1台車が。

蒼い鷹目インプ。降りてきた人こそ岩崎基矢さんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「熱いドルオタだな(笑)」

「おう。……いやー、今日ほど人生で最高の日はないぜ」

内藤さんと話す岩崎さん。素顔で会うのは久しぶりだとか。

話が弾んでる様子を見て夢斗が一言。

「おっさんドルオタだったんだな。つか、その推しが目の前とかまずねーよ」

「おっ、待てい。それ言ったら俺らは教室に行けば相葉ちゃんに会えるんだぞ」

「言われてみればそうだな……」

「つーか夢斗はなんで光ちゃんを知ってるんだって思ってたが……」

「ひょんな事から知り合ったぜ」

 

 

 

 

 

 

(夢斗君が特撮ごっこやっていたら光ちゃんと知り合ったんだなんて言えない……)

喉元まで上がってきていた言葉を飲み込む蓮だった……。

 

 

 

 

 

 

 

んで。

その後に夢斗は岩崎さんと一対一で話していた。何話してるかわからなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

工場を出る前に俺は小日向さんに呼び止められる。

「そうだ、浩一君。よかったらだけどFCに乗ってみてくれないかい?」

「えっ!?いやいやだめですよ!!」

「浩一君はアキオさんと走ったんだって?夢斗君が言ってた」

「そうっすけど……」

「『見つけて』みて。このFCで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後7時。

小日向さんが助手席(ナビシート)に座るFCの車内。

小日向さんが様々な所からの協力を受けて完成させた究極のFC3SでC1外回りを走っている。

 

 

 

 

「どう?乗りやすい?」

「いやー、まだまだ40パーってトコですよ。踏み切れないってカンジ」

「大丈夫。君のFDと同じと思えば問題ないよ」

「……んじゃ、行きます」

 

 

 

 

 

 

 

FC3Sは俺の意思をイメージ通りに実現する。なぜこんなにも乗り手との一体感を出せるのか。今まで車を運転してきてこんな事を感じた事はなかった。乗りこなせるようになった頃にはFCの運転が「楽しい」と思えるようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

FCを運転した後。

「どうだった?『見つけた』かい?」

「たぶん。すごいヒントになったと思います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「車の形……」

無意識に出ていた言葉。

俺は車がどんな姿をしているかを知るためにここまで来た。

その答えを少しだけ見つけられた気がする。

 

 

 

「Be a driver」。日本語で「運転手になる」という意味だそうだ。

 

クルマは単なる道具じゃない。

ドライバーの思いを汲み取ったかのように、いつもしっかりと応える。

ドライバーが車と心を通わすことができれば、

いつまでも、ともに走っていたい存在になれる。

 

 

車の運転を楽しいって思えるのが運転する人にとって一番求める物だと思う。

 

 

 

 

時代の流れと共に客のニーズは変わった。今はミニバンとか家族の事を考えた車が多くなり、昔のようにスポーツカーは少なくなってしまった。

 

 

 

 

でも……必ずスポーツカーを求める人がいる。

走りを楽しむ。それがスポーツカーが求められる条件。

 

 

 

 

俺は「走り」に求める物を『見つけられた』。でもそれを伝えていかないと走りの楽しさは理解されない。

俺は走りの楽しさを知ってもらいたい。だから走り続けていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

「荻島さん、俺を正社員にしてくれますか?」

 

 

 

 

 

 

 

車を深く知って、車の楽しさを伝える。城島さんのように。そして走る。荻島さんみたいに。

 

 

 

 

 

 

 

 

「流れ星見っけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

人生が今、大きく動く。車に魅せられた青年は走り出す。

彼の生き方は加速を始めた……。

 




蓮が内藤の工場に来た理由は「銀色の革命者」本編で載せられたFCのシーケンシャルミッションを降ろすためです。夢斗達が岩崎達と戦った後にミッションを内藤に返却しました。






ラストはマツダのキャッチコピーに絡めています。
マツダの走りの楽しさを伝える姿勢が素晴らしいと思いました。
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