APOCALYPSE accessiones lectorem 作:くつぞこ
今回は当サークルのオリジナルMS、GAT-X132《ストライクカラミティ》実戦投入の場面を書いた短編です。
(降下ポイントまで、残り3分)
操縦士の声が、がらんどうの中を谺した。
地球連合軍が装備する大型VTOL輸送機CV-55Mの巨大な格納庫は、輸送機にも関わらず、MS1個小隊強のMSの運搬を可能とする。巨大なハッチを開けてMSを搭載する様は、プランクトンを丸のみにする
空が裂ける以前の静謐の
GAT-X132《ストライクカラミティ》。
それが、この二つ眼のMSの名前である。《ダガー》タイプと明らかに様相を異にするフェイスタイプは、まさしくGAT-X105《ストライク》を想起させた。
(降下ポイントまで残り2分)
その黒き巨像の
雪のような銀の髪に、青竹色の目。物静かながら、その様は温和というより、張り詰めた弦のような印象の女性である。
「了解、最終確認します」
瞬時に一瞥を流す。即応状態の《ストライクカラミティ》、出撃前の最終チェック。ディスプレイ、モニター、計器を素早く確認すること、8秒。問題ないことを再度確認すると、パイロットは、膝に置いておいたヘルメットを被った。
(降下ポイントまで残り1分。後部ハッチ開放する、出撃に備えよ)
「ラーミナ了解」
パイロットの返答が、合図だった。
ごうん、と静かな振動が足裏を撫でる。ごうんごうん、という軋みとともにハッチが開き、透き通るような穹窿が目前に拓けた。
オートパイロットに従い、《ストライクカラミティ》が歩を進める。18mに及ぶ巨体が踏みしめているにも関わらず、巨大な輸送機はびくともしない様子だ。
ハッチの際まで自動で歩みを進めると、《ストライクカラミティ》は、静かに虚空を眺めた。
ディスプレイに表示された風向などの気象データを一瞥。天候、晴れ。風速60ノット。南南西の風。天候が荒れやすいビクトリア湖周辺にしては、比較的落ち着いている。輸送機の操縦士の声も、どこか拍子抜けした様子だ。
パイロットは戦域データも確認すると、脳内で、
一息。操縦桿を握り込んだパイロットは、ごく自然に、モニターに表示された眼下の戦場――C.E.71年6月18日から始まった戦場、ビクトリアの攻防を、睥睨した。
(降下ポイントに到着した。
「―――! ありがとうございます。フィーリア・ブラウン、出撃します」
お楽しみいただけましたでしょうか?
《ストライクカラミティ》、正確にはC96で紹介したMSですが、今回強化発展機を収録する都合、ベースモデルであるこちらも紹介することとなりました。
なお、当サークルの設定担当のTwitterにて、《ストライクカラミティ》のメカデザも公開しております。興味を持たれましたら、活動報告のIDから、是非ご確認くださいませ。
これから3~4話ほど、短編小説も連載していきたいなと思います。