APOCALYPSE accessiones lectorem   作:くつぞこ

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 先週お知らせしたとおり、C97で投稿する同人誌のオリキャラ・オリジナルMSの短編を載せたいと思います。

 
 今回は当サークルのオリジナルMS、GAT-X132《ストライクカラミティ》実戦投入の場面を書いた短編です。



実戦風景Ⅰ:GAT-X132、第三次ビクトリア攻防戦

 (降下ポイントまで、残り3分)

 操縦士の声が、がらんどうの中を谺した。

 地球連合軍が装備する大型VTOL輸送機CV-55Mの巨大な格納庫は、輸送機にも関わらず、MS1個小隊強のMSの運搬を可能とする。巨大なハッチを開けてMSを搭載する様は、プランクトンを丸のみにするジンベエザメ(ホエールシャーク)を思わせる。その破格の積載量を誇るはずの()()口腔(格納スペース)には、しかし、中央作戦群・第305特務試験小隊”ラーミナ”に配備された1機だけのMSが、実存してい。

 空が裂ける以前の静謐の(ノクト)に沈んだかのような、純な黒。雲の上の窮極を一つまみ滴らせたような、深い青。唸る火雷のような、承和色の双角。峻厳な御稜威が、密やかに屹立する。

 GAT-X132《ストライクカラミティ》。

 それが、この二つ眼のMSの名前である。《ダガー》タイプと明らかに様相を異にするフェイスタイプは、まさしくGAT-X105《ストライク》を想起させた。

 (降下ポイントまで残り2分)

 その黒き巨像の(コクピット)の中、パイロットは、無線の声をそれとなく耳にした。

 雪のような銀の髪に、青竹色の目。物静かながら、その様は温和というより、張り詰めた弦のような印象の女性である。

 「了解、最終確認します」

 瞬時に一瞥を流す。即応状態の《ストライクカラミティ》、出撃前の最終チェック。ディスプレイ、モニター、計器を素早く確認すること、8秒。問題ないことを再度確認すると、パイロットは、膝に置いておいたヘルメットを被った。

 (降下ポイントまで残り1分。後部ハッチ開放する、出撃に備えよ)

 「ラーミナ了解」

 パイロットの返答が、合図だった。

 ごうん、と静かな振動が足裏を撫でる。ごうんごうん、という軋みとともにハッチが開き、透き通るような穹窿が目前に拓けた。

 オートパイロットに従い、《ストライクカラミティ》が歩を進める。18mに及ぶ巨体が踏みしめているにも関わらず、巨大な輸送機はびくともしない様子だ。

 ハッチの際まで自動で歩みを進めると、《ストライクカラミティ》は、静かに虚空を眺めた。

 ディスプレイに表示された風向などの気象データを一瞥。天候、晴れ。風速60ノット。南南西の風。天候が荒れやすいビクトリア湖周辺にしては、比較的落ち着いている。輸送機の操縦士の声も、どこか拍子抜けした様子だ。

 パイロットは戦域データも確認すると、脳内で、空挺強襲(エア・ボーン)の手順をイメージする。

 一息。操縦桿を握り込んだパイロットは、ごく自然に、モニターに表示された眼下の戦場――C.E.71年6月18日から始まった戦場、ビクトリアの攻防を、睥睨した。

 (降下ポイントに到着した。武運を祈る(Good Luck)! ラーミナ!)

 「―――! ありがとうございます。フィーリア・ブラウン、出撃します」




 お楽しみいただけましたでしょうか?
 《ストライクカラミティ》、正確にはC96で紹介したMSですが、今回強化発展機を収録する都合、ベースモデルであるこちらも紹介することとなりました。
 
 なお、当サークルの設定担当のTwitterにて、《ストライクカラミティ》のメカデザも公開しております。興味を持たれましたら、活動報告のIDから、是非ご確認くださいませ。

 これから3~4話ほど、短編小説も連載していきたいなと思います。
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