APOCALYPSE accessiones lectorem   作:くつぞこ

5 / 17
『ハイペリオン』のメカ・部隊設定です。

随時更新を予定しております。


ハイペリオン -あるユーラシアの兵士のものがたり-
メカニック・部隊設定


 【部隊設定】 

 

 ●第302技術試験大隊”ズィルヴァエ・クリンゲン”

   ユーラシア連邦の兵器開発を担う、『兵器システム開発軍団』に属する試験部隊。

   ドイツ北部地域のラーゲ基地を拠点とし、国産次期主力モビルスーツ開発の為の

  研究・運用データの収集を主な任務とする。ユーラシア連邦の兵器開発に大きな

  影響力を有するアクタイオン・インダストリー社から、多くの実験機の試験を委

  任されているとされるが、その詳細は公開されていない。また、部隊編成上は大

  隊であるが、実験機・試作機の出入りが激しい為、稼働状態のモビルスーツは大

  隊定数に満たない場合がほとんどである。一方で、パイロットの多くがヤキン・

  ドゥーエ戦役をモビルスーツで戦い抜いたベテランであり、ユーラシア連邦のモ

  ビルスーツ部隊の中でも極めて高い錬度を有している。

   ユニウス戦役・西ユーラシア政変時のロストック攻防戦では、防衛部隊の虎の子

  として実戦に駆り出され、“ヴァシリースク”との死闘を繰り広げた。

   部隊名の“ズィルヴァエ・クリンゲン”とは、「銀の刃」を意味するドイツ語であ

  る。部隊章には、銀を象徴する月と、アルテミスによって鹿の姿へと変えられたアク

  タイオンの頭蓋骨が象られている。

 

 ●第664独立親衛機動狙撃大隊”ヴァシリースク”

   三個モビルスーツ大隊を基幹とする、諸兵科連合部隊『第133独立親衛機動狙

  撃旅団』麾下のモビルスーツ大隊。旅団の司令部はユーラシア連邦・ロシア総軍・

  西部軍管区・ジェーコフスキー基地に置かれており、モスクワの防衛任務に就いて

  いるが有事の際の即応予備兵力としても機能する。「親衛旅団」の名を冠する精鋭

  だが、中でも“ヴァシリースク”の錬度は抜きんでており、ロシア総軍最強のモビル

  スーツ部隊との呼び声も高い。ロシア総軍においてモビルスーツの配備が始まるの

  と同時に創設された部隊でもあり、このことから、大隊には最新鋭機が優先して配

  備されるのが慣例となっている。C.E.73年時の正面装備はGAT-04《ウィンダム》

  で統一されており、ユーラシア連邦全体で見ても最新の装備が整えられている。

   “ヴァシリースク”とは、伝説上の怪物「コカトリス」のロシア語であり、旧ロシ

  アの国花である「ラマーシュカ」と共に部隊章に描かれている。

 

 【メカニック設定】

 

 ●CAT2-XハイぺリオンⅡ

  CAT2-Xは、開発が凍結されていたCAT1-Xをベースに、アクタイオン・インダスト

 リー社が独自に開発を進めていた技術実証機である。

 

 ■三度の屈辱と主力機メーカーへの羨望

  地球連合内部での影響力拡大のため、ユーラシア連邦が主契約企業のアクタイオン・

 インダストリー社と共同で推進していた『X計画』だったが、試作機の完成から程なく

 して、計画の凍結が決定することとなる。その主な理由としては、大西洋連邦がユーラ

 シア連邦に先んじて、NJCを入手したこと。光波防御帯を初めとした、ユーラシア連邦

 の独自技術と引き換えに、《ダガー》シリーズの輸出とライセンス生産を大西洋連邦が

 認めたことが挙げられる。特に、NJCを連合内部で大西洋連邦が独占していたことは、

 ユーラシア連邦首脳部にとって非常に大きな懸念材料となっていた。ユーラシア連邦最

 高会議は、地球で唯一、核を再び手にした大西洋連邦を正面から相手どるのは、リスク

 が大きすぎると判断。これまで、大西洋連邦と正面から対立してきた国家戦略を、《ダ

 ガー》シリーズの基礎技術を研究しつつ、NJCの陳腐化を待って再び対等な影響力を手

 に入れるという堅実な方針に転換したのだ。

  この時期、プラントにおける次期主力機コンペにおいて、既にMMI社に敗れていたAI

 社は、なおもユーラシア連邦、及び地球連合にCAT1-Xの売り込みを続けたが、結局双

 方これを採用することは無かった【※】。

  一次大戦後、AI社は、地球連合軍の特務機関である、第81独立機動群より先進MS

 開発計画の主契約企業として指名された。しかしAI社は、三度の屈辱を味わうことと

 なる。『アクタイオン・プロジェクト』と銘打たれた本計画の実態は、かつて大敗を喫

 したGATシリーズをベースとした、次期主力機開発コンセプトの模索だった。そして、

 当然ながらテストベッドとなる機体は、AI社の機体ではなく大西洋連邦製のGAT-Xシリ

 ーズだったのである。

  この時期、それまで地球連合におけるMS開発の雄であった大西洋連邦の国防連合企業体(DUBE)

 は、最大手加盟企業のCEOであったムルタ・アズラエル氏の急死。更には、

 ヤキン・ドゥーエ攻防戦における《ジェネシス》の砲撃による、月の大規模生産拠点の

 喪失等が重なり、加盟企業の経営基盤立て直しが最優先課題とされていた。これを踏ま

 え、連合軍司令部は、当時MSを単独開発できる軍事企業の中でも、DUDEに次ぐ技術力

 を有するAI社を主契約企業の筆頭候補とした。『アクタイオン・プロジェクト』への

 AI社選定は、経営立て直しを図るDUBEの不安要素を排除するための消極策でしかなか

 ったのである。AI社のMS開発チームは、この事実に大きな落胆を受けるが、同時に

 DUDEの独自技術を獲得するチャンスと捉え、計画参加への意気込みはむしろ高まった

 という。こうして『アクタイオン・プロジェクト』は、GAT-X105Eを初めとしたGAT-X

 シリーズの強化改修機を世に送り出すこととなる。基礎設計はC.E.70年の物にも関わ

 らず、改修後のGAT-Xシリーズは73年当時の最新鋭機にも比肩し得る性能を獲得。AI社

 は、GATシリーズの傑作機たる所以を再確認することとなった。

 

 【※】C.E.73年にCAT1-XGが、AI社の猛アピールに応える形で、連合に試験配備され

    たが、結局本格的な量産には至らなかった。

 

 ■遥かなる高みへ

  GATシリーズの近代化改修という経験は、AI社に大きな衝撃と影響を与え、一時停滞

 していたMS開発に再び火を灯すこととなる。同じころ、ブレイク・ザ・ワールドによ

 り、第二次地球・プラント間大戦の気運が高まる中、AI社はこれを好機とし、凍結し

 ていたCAT1-Xをベースとした技術実証機の開発に着手する。CAT1-Xの後継として、

 CAT2-Xと呼ばれることとなったこの機体は、『アクタイオン・プロジェクト』で得た

 データを基に、ベース機とは全く違う運用思想で再設計されていった。CAT1-Xはモノ

 フェーズ光波シールド《アルミューレ・リュミエール》を運用の主軸と定め、その防御

 力を活かした突破力で敵陣に切り込み、攪乱。後方に控えたMAによる精密砲撃で、直

 接打撃を与えるという連携を旨とした運用を想定していた。しかし、73年時点におい

 てMAはそれまでの汎用主力兵器ではなく、重火力を備えた次世代兵器と見なされ、配

 備数は大幅に削減されていた。こうした背景から、当時のMSは連合・プラント共にス

 タンドオフ戦域展開・作戦遂行能力を重視する傾向にあり、CAT2-Xの設計もそれに準

 ずるものとして再設計を施されたのである。CAT1-Xからの主な改修点としては、七基

 備えていた《AL》を両腕部の二基に削減。胸部バイタルパートへのTP装甲の追加。ス

 ラスターと《AL》発生装置。そして、ビームキャノン《フォルファントリー》の複合

 モジュールとして機能していたバックパックを新規設計のCW101へと換装。さらに、頭

 部複合センサーを新型のCEU4へと刷新。これによって生じた頭部の余剰スペースは、

 M2M5《トーデスシュレッケン》の砲弾搭載スペースとなっており、装弾数向上に一役

 買っている。コクピットモジュールも《ダガー》系列と共通化することで、操縦性の向

 上を図り、同時にセンサー・フュージョン能力の向上ももたらした。これにより、

 CEU4によって得られた高度な戦術情報をMFDに統合表示することで、パイロットはその

 情報を瞬時に把握できるよう設計されている。地球連合のMS運用に適した改修が施さ

 れる一方で、当時連合製MSのスタンダードとなりつつあった、ストライカーパックシ

 ステムはオミットされている。これは、前大戦からのストライカーパックを有する機体

 の装備傾向をAI社が独自に調査したところ、機動力向上を目的として開発された、

 AQM/E-X01《エールストライカー》とAQM/E-A4E1《ジェットストライカー》の使用頻

 度が、全体の八割に達していた為である。また、ストライカーパックが普及するにつれ

 て、それ自体が補給線の圧迫や、整備性の低下等を招いていたという報告も散見され

 た。費用対効果と効率性の観点からストライカーパックシステムは、当初想定されてい

 た以上にデメリットを抱えていた可能性が、この調査で明らかとなったのである。

  以上の理由に加え、採算が見込めない自社予算による開発であった為、予算削減の観

 点からCAT2-Xはストライカーパック非対応機として設計された。しかし、本機はあく

 までも次期主力MS開発のための技術実証機であり、次期主力機開発の際には、ストラ

 イカーパックシステムの運用理論を再検討するとAI社は喧伝している。

 

 ・複合ウィングモジュールCW101

  CAT2-Xに単独飛行能力と汎用性を付与するため、バックパックの新規設計は必須だ

 った。これを受けて、AI社は『アクタイオン・プロジェクト』で開発したAQM/E-

 X09S《ノワールストライカー》に着目。AQM/E-M1通称I.W.S.Pを再設計した《ノワー

 ルストライカー》は、汎用性において、最高レベルの性能を追求したストライカーパッ

 クであり、その開発で培った技術がCAT2-Xのバックパックにフィードバックされてい

 った。《ノワールストライカー》の技術を盛り込んで新たに設計されたバックパック

 は、スラスター内蔵の可変型ウィングバインダーと、MAU-M3B連装レールガン、近接格

 闘戦における主兵装となるMR-Q11《アガートラム》ビームブレイドをそれぞれ左右一

 基ずつ装備した複合ウィングモジュールとして完成。CW101の開発コードで呼ばれた。

 《ノワールストライカー》との最大の相違点は、PS装甲のオミットと、主翼と兵装群

 の分離による構造の簡略化である。主翼と兵装群の一体化により、高い空力特性を有し

 ていた《ノワールストライカー》だったが、これを実現する為にその構造は複雑化し、

 整備性・生産性共に量産に耐えうるものではなかった。そこで、CW101は兵装を主翼と

 別ユニット化することで、整備性の向上を図った。その代償として悪化した空力特性を

 カバーするため、主翼にはスラスターを増設。このスラスターに供給される推進剤は、

 兵装を分離したことで生じた主翼内部スペースの燃料タンクから賄われており、稼働時

 間の低下を防いでいる。

  CW101は、《AL》とTP装甲の限定配置により、GATシリーズに比して大幅な軽量化が

 為されたボディとの相乗効果で、1G環境下での単独飛行能力と非常に高い中近接戦能

 力をCAT2-Xに付与することに成功している。

 

 ・RFW-99A1 ビームサブマシンガン ザスタバ・スティグマト

  CAT1-Xが装備していた、RFW-99の制式採用を見据えた改良タイプ。

 各モジュールを機関部から分割。換装機構を付加することで、ストライカーパックシス

 テムに頼らない汎用性を実現すべく設計された。モジュールには、集弾性を重視した狙

 撃タイプや、連射性を重視した軽機関銃タイプ等が存在する。狙撃タイプの場合は、機

 体の光学センサーとリンクする高精度複合センサーモジュールを機関部上部のピカティ

 ニーレールに装着する。軽機関銃タイプの場合は、装弾数が多いドラムマガジンを使用

 することが多かった。モジュール交換は、特別な機材を必要とせず、機体のマニュピレ

 ーターで換装可能。また、空になったパワーセルを排莢するためのエキストラクターが

 大型化しており、ジャム(排莢不良)のリスクが低減されている。これにより、機関

 部の全長がやや伸びている。

 

 ・頭部モジュール

  複合センサーは省スペース化と、高精度化が図られたCEU4へと更新されている。こ

 れによって側面部のサブアンテナが廃され、代わりにM2M5《トーデスシュレッケン》

 の砲弾搭載スペースが設けられた。




 ネタバレになりそうな設定がありましたので、少々オミットしてあります。
 全話投稿が終わったら、削った設定をプラスしていく予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。