APOCALYPSE accessiones lectorem 作:くつぞこ
次の話では戦闘に入れる……と思います。
C.E.73年 メクレンブルク=フォアポンメルン州ギュストロー群 ラーゲ基地 格納庫内
ディードリヒ・ベルマン少尉は、やっとのことでパイプ椅子から立ち上がった。
周囲を覆い尽くす喧騒が鼓膜の裏側に張り付く。せり上がる嘔吐感をなんとか胃の中に押し込めて、結局ディードリヒの膝はすぐに折れた。勢いよく椅子に座ったせいか、指先からパイロットスーツのヘルメットが零れ落ちる。地面に墜落すると、奇妙に間の抜けた音を響かせた。
ぼんやりと格納庫を眺める。メカマンやエンジニアは忙しなく動き回り、ガントリーの中に蹲る
―――事は数日前に生じた。
かの悪名高い
大型MSによるザフト駐留都市の無差別攻撃という未曽有の蛮行から始まり、ユーラシア最高議会と地球連合との交渉を無に帰した、東欧方面軍による地球連合軍への武装蜂起。ロシア西部方面軍が地球連合軍に組みしたことにより、武力衝突はユーラシア連邦同士の殺し合いの様相を呈し始めていた。政治的優位性獲得及びザフトとの軍事協定を阻止するため、大西洋連邦とロシア西部方面軍は、ブリュッセルの最高議会掌握へと向けて侵攻を開始している。
ロシア西部方面軍は海路から進行している。具体的にはバルト海からヴァーネミュンデ軍港及びロストック市街を橋頭保として確保するのが、敵の思惑のようだ。
そうして、ヴァーネミュンデに上陸した西部方面軍海軍が有する《ダガーL》の部隊を、海軍の残存戦力と協力して迎撃・奪還したのが数時間前。ディードリッヒはラーゲ基地所属のパイロットとして駆り出され、補給のためにラーゲ基地へと戻って、気が付くと小一時間ほど経っていた。
ディードリヒの意識は漫然としていた。戦闘をしていた時間はおよそ1時間。極度の疲労と恐怖に晒された彼は、最早立ち上がる気力さえ無かった。
いや、彼だけではない。同じように格納庫でパイプ椅子やら資材やらに腰掛け、項垂れる人間たちは全て疲れていた。そう、疲れていた。ただただ、疲れを感じていた。
―――イヤフォンに響くジェットエンジンの咆哮、視界を彩る不気味なビーム砲の火箭。背後からヴァーネミュンデ市街へと降り注ぐ砲兵部隊の砲弾に、海上から飛来する対空ミサイル。悶えて錐もみするように墜落していく、《ダガーL》の無残な姿。記憶の飛来にぞっとしたディードリヒは、慄きを抑えるように手で己の腕を掻き抱いて、椅子の上に縮こまった。
生きているのは偶然だ。エプロンで擱座する己の《ダガーL》は脚部を喪失し腕部を喪失し、バイタルパートにすら被弾していた。爆散しなかったのが不思議なくらいだ、と整備兵が口走っているのを耳にした。
だから、もういいんだ、と思った。己の機体は既に使い物にならない。予備の機体など、もちろんこの基地には無い。であれば、己は負傷兵と同じだ。もう戦いに出なくていい。そう思うだけで、脊髄から膀胱へと安堵感が噴き出すようだ。
―――だからこそ、ディードリヒは、視線のずっと向こう、格納庫の奥を占拠する人間たちが信じられなかった。
それらは、蟻のように動き回る整備兵やらの只中、項垂れるディードリヒたちと同じように、彼らは机とパイプ椅子を並べて倦怠そうにしていた。
否。
確かに外見は似ていた。だが、その内実は、全く違っていた。
あるものは、レトロな携帯ゲーム機をプレイしていた。あるものは、チェスに興じていた。あるものは、読書していた。あるものは、格納庫の中で何か格闘技を―――多分、東アジア共和国の地域固有の格闘技、相撲だ―――とっていた。ユーラシア連邦・兵器システム開発軍団・第302技術試験大隊『ズィルヴァエ・クリンゲン』に所属するMSパイロット達は、まるでいつもの基地内待機のように暇を潰していた。
彼らは、戦闘から解放されて、自由な身分になったわけではない。撃退されたロシア西部方面軍が再度侵攻してきた場合、他でもない、ヴァーネミュンデ奪還戦でも驚異的な強さをみせつけたテストパイロットたち、とりわけあの
なのに、その姿に悲壮はない。ただ、目の前の時間を贅沢に食いつぶして、低知能な素振りで笑い転げている。無邪気に流れゆく時間それ自体を戯れながら楽しんでいる。自分の部屋の隅で、ミニカーで遊ぶ子どもと彼らの間には、何の隔たりも無い。
ディードリッヒは、必死にそう思い込んだ。302大隊へと小走りに駆けていく己の同僚から目を反らして、腕の中に熱く赤面した顔を埋めた。
彼は、静かに失禁した。
※
「それでは、お願いします」
パリッと綺麗な敬礼一つ。熟れた稲穂を想起させる金色のショートボブをふわりと揺れた。
パイロットスーツを反脱ぎにし、上着はこの寒さだというのにタンクトップ一枚しか着ていない。寒くは無いのだろうか、と心配する半面、そのお陰で、タンクトップを押し上げるほんわりとしたふくらみをはっきりと目にすることが出来たのは、幸運だ。
今日生き残ったら、その時には色々考えてみよう。そう、生き残ったら。
レギナルト・シェレンベルガー中尉は、小走りで帰っていった女性パイロットの露出した肩やらパイロットスーツ越しの尻やらをじっくりと眺め終わると、大儀そうに携帯ゲーム機へと界を放り投げた。上下分割された画面の下では、己のアバターが青空の下、半ば放心しながら、小麦をライスの形状にちねっている。タイムカウントらしきものはない。
「なぁハロルド、早く手を打てよ」鼻孔に指を突っ込んでは、ベルトラム・ボーム中尉は指先に付着した緑色の塊をぼんやりと眺めた。ふ、と息を吹くと、粘着質の塊は遠くへ飛んだ。「暇で暇で寝ちまいそうだぜ」
「そう急くな」ハロルド・ヴィージンガー中尉は女王の駒を右手の指先で弄りながら、小難しい顔でチェス盤に視線を落としていた。「
「考える必要はねーよ。どうせ3手後には俺の勝ちだ」ベルトラムは再び鼻に小指を刺し込むと、BDUの裾に擦り付けた。ハロルドは顔を顰めた。
「
「クイーンは俺のベッドさ」
「ありゃ、ノルマン人だな」ベルトラムは、摘まんだ女王を愛撫するように、掌の中で弄んでいた。「気が強そうだ」
「そっちのが燃えるだろ?」ハロルドはこつん、と女王の駒を進めると、ベルトラムを挑戦的に見上げた。ベルトラムは猫のように笑い顔を浮かべて、素早く次の手を撃ち込む。「とーぜんだ」
「でも」レギナルトの前、静かに小説を読んでいるジェラルド・アッヘンバッハ大尉も、ちらと走っていくラーゲ基地所属のパイロットの後姿を一瞥した。「ガードは堅そうだ」
「中尉、まさかもう?」
「仮にも妻子持ちだよ」ジェラルドは苦笑いを浮かべて肩を竦めた。イタリア系の血筋の割に、静かで知的なレギナルトの上官だ。「むしろレギィが良く知ってるんじゃない?」
さっと集まる視線が3つ。口を尖らせたレギナルトはゲームに集中している素振りをみせながら、至極雑に応えることにした。
「何のことです?」
「とぼけるんじゃねーよ。我らが隊長様が、こう仰ってるんだぜ?」
「いやいやいや」
「前、さっきのあの女の人と2人でPXにいたじゃない」
「そら見ろ! 白状しやがれ!」
ぐいと顔を近づけるベルトラム。ただでさえ無精ひげを生やして不潔な男が鼻に固まりをつけて、その上MSに乗った直後で汗臭い。舌の味蕾細胞すら麻痺させるほどの汚れに嫌悪を抱きながら、同じように汗臭いレギナルトは身を仰け反らせた。
「エーデルガルド少尉が色々教えてほしいって言ったから時々話をしていただけだ」
「ほー、色々ねぇ? 色々とはまた……エッチ!」
「鏡でも見てんのかよ」
ごつりと額をベルトラムの鼻頭にぶつける。子犬みたいに悲鳴を挙げると、髭面の男はそのまま大の字で倒れ込んで、チェス盤を滅茶苦茶にした。ハロルドは素早くレギナルトにサムズアップすると、のろのろと散らばったチェスの駒を拾い始めた。「あーあ、折角勝てそうな手を思いついたんだがなぁ」
「納得いかねー」朱くなった鼻をさすりながら、ベルトラムが上体を起こす。演技とばかり思っていたがわりとクリーンヒットしたらしく、目頭の涙腺から液体を滲ませていた。「俺だってテストパイロットですよ! なのになんでレギィだけ」
「まぁ、だってアレのメインテストパイロットだしな」ひょい、と王の黒い駒を拾い上げ、ハロルドがぼんやりと視線を上に投げる。「この部隊で一番腕がいい」
彼の視線の先―――レギナルトたちが屯するスペースの丁度隣のガントリーの中に、それは蹲っていた。
白亜に身を整えた18mの巨人。左肩にさっと彩られた
多くの人間にとって、そのフォルムは見慣れないものだろう。ダガータイプとは異なるデザインラインからして、GATシリーズの量産モデルとは異なる機体であることがわかる。
それも当然。この機体は、
ベルトラムは不気味に唸り声を上げながら、恨めしそうに新型機を見上げた。頭部ユニットに並列して配置されたデュアルアイが、静かに格納庫を見下ろしていた。ベースとなった機体の頭部ユニット側面に配置されていたはずのアンテナは無く、すっきりした印象だ。
「まぁクリステラがどうあれ、兵力が補填できるのは有難い。こっちも2人、やられちまったし。彼女はもうラーゲのお偉いさんに話をつけてきたみたいだし、後は俺がこっちのお偉いさんに話をしてくる番さ」
「エグモントとアウリールの埋め合わせが出来るといいんですけど―――あれ」
はて、とレギナルトは首を傾げた。
自分はまだ、エーデルガルドとしか言っていないはずなのだが―――。
「そーれ背負い投げェ!」
「うげえええ!?」
「いょーし! おら屑野郎ども、あと5分だぞ!」
哄笑するヤーパンアーツの担い手たち。キャットウォークから怒鳴り返す補給科と整備兵の面々。
ジェラルドと目が逢う。悪戯っぽい無邪気な笑いを小さく浮かべていた。
あ、と思った。
※
1時間30分後
ラーゲ基地 飛行場
クリステラ・エーデルガルド少尉は、高鳴る心臓の拍動で、嘔吐感がせり上がる感触を惹起させた。
吐き出す息は温い。口元から這い出した泥状の呼気はバイザーに反射して、汚濁となって鼻孔に粘りつく。
2年前。血のバレンタイン戦争からMSパイロットとして前線に身を置いたクリステラは、2度の実戦を経験した。
1度目は、ヤキン・ドゥーエ戦役の最終局面、カーペンタリア基地を攻略すべく発令された「八・八作戦」。
2度目は、つい数時間前に参加した―――そう、名付けるなら第一次ヴァーネミュンデ攻防戦。ラーゲ基地所属・第32MS戦闘団・第74MS戦闘大隊の一員として、空を舞った。
2度、殺戮に身を投じた。そうして、2度とも生きて帰った。理由は簡単だ。理由は無い。偶然、自分の乗る機体にタマが飛んでこなかっただけだ。自分より腕が優れるパイロットが隣でビーム砲に貫かれることもあったし、機関砲でミンチになることもあった。
今度は自分がそうなる番かもしれない。そう思うだけで全身216個ほどに及ぶと言う骨の欠片が痙攣をおこし、操縦桿から手を離してしまいそうになる。
それでも、クリステラは《ダガーL》の操縦桿をきつく握りしめた。ローカルデータリンク上に表示された己のバイタルデータが、他の隊員―――第302技術試験大隊の隊員に比べて、明らかに異常値であることは、無視した。
(こちらクリンゲ04、カタパルト固定完了)
タクシーウェイの向こう、航空機用滑走路とは別に併設されたMS用のカタパルトに、灰色の《ダガーL》が佇立する。クリンゲ04――ハロルド・ヴィージンガー中尉の〈ダガーL〉は、ロングバレルのビームマシンガンを装備していた。
RFW-113〈オラクル〉ビームマシンガン。ザスタバ社が前年に開発した部隊支援用の火器だ。ちらとモニターを流し見ると、隣に並ぶクリンゲ01の《ダガーL》も、短銃身の機関銃―――RFW-99A1〈スティグマト〉を装備していた。
(クリンゲ03、カタパルト固定完了)
滑走路の脇で、表示計がカウントを刻み始める。曇天からは風に揺られた白い粉雪が舞い降り、灰色の滑走路に薄く白いヴェールを敷いていた。滑走路の上ではグランドクルーがBDUをしっかり着込んで、ライトを赤く閃かせた。
数字は瞬く間に目減りしていく。停滞した時間の中、10秒より早く加速した物理的時間が0カウントを明滅させる。クルーが同時にライトをグリーンに点灯させると、
(クリンゲ01、07。カタパルトに機体を固定せよ)
(こちらクリンゲ07了解。それじゃあ行くとするか)
のそりと滑走路を歩行していく巨人が2機。この2機が出撃すれば、次は自分の番だ。
深呼吸、してみる。心臓は相変わらず暴発寸前だ。汗で蒸れた頭皮や背中、股座が異様にむず痒い。苦し紛れにバイザーを開けてコクピット内に充満した空気を吸い込んだところで、不意に機体が揺れた。
びくりと体を震わせる。慌ててモニターを確認すると、背後の映像が投影されると同時に、接触回線が開いた表示がディスプレイに立ち上がった。
クリンゲ02―――レギナルトの乗る新型機の左腕部が、クリステラの乗る《ダガーL》のジェットストライカーの主翼に触れていた。
(悪い、驚かせた)
「いえ、問題ありませんっ」クリステラは早口に言った。「何でしょう」
(気負うな―――ってのは無理だろうから。まぁ、そうだな。気負いすぎるなよ。前は俺たちで引き受ける。背後は任せた)
クリステラは、己の《ダガーL》が装備した武装を意識した。
普段使用しているM703 57mmビームライフルはそこには無い。モニターに映った愛機たる《ダガーL》の袖を赤くペイントした右腕には、クリンゲ04の装備していたものと同じビームマシンガンが静かに蜷局を巻いていた。
(頼むぜ、戦いの女神さま)
まるで肩を叩くように、新型機が《ダガーL》を軽く押す。
ふ、と息を気管支から抜き出す。空気を吸い込むと、肺の隅々まで新鮮な空気が広がるようだ。
マメな男だ、と思った。普段は、どこが面白いんだかわからないガラクタみたいなクソゲーばかり興じている変な男だが、周囲の人間をとても気にかけている。雑に切りそろえられた金髪に、オリエンタルな黒い瞳を思い出して、クリステラは少しだけ微笑を浮かべてみた。既に前の機体は飛び立った後で、次は自分の番だった。
《ダガーL》を主脚歩行させる。歩行の際の振動は全てアブソーバーで緩衝している。
エプロンからタクシーウェイを抜け、滑走路までの歩行時間は18秒。2つ並列するカタパルトの内、手前に脚部を固定させると、クリステラは静かに空を見上げた。
黒い。ただひたすらに、黒い。沈鬱さも無ければ何の惹起も生じない黒塗りの曇天が、無造作に横たわっている。
(クリンゲ06……えー、ティアマト10。こちらラーゲコントロール。出撃準備開始)
「こ、こちらティアマト10。カタパルト固定完了」
ディスプレイを見、慌てて応答を返す。イヤフォンから流れてきた音が酷く大きいことに吃驚して操縦桿のスイッチに指を重ねたが、音量を絞らなかった。緊張のせいで、大きく聞こえているだけだ、と思った。さっきまで、音量は気にならなかった。
視界左下の表示計にカウントが灯る。電光の表示計が示す数字は10。左手を操縦桿から離し、スロットルレバーに軽く重ねると、スロットルレバーをアイドル出力からミリタリー出力に引き上げる。
プジェットストライカーの翼が展開する。左右に大きく突き出た灰色の主翼には、淡く航空迷彩が施されている。まるで、戦闘機の胴体部分だけを切り出して、そのままMSの背中にくっつけたかのような姿だった。
ジェットエンジンが静かに震え始める。微かに伝わる振動が舌の上で踊り、掌の中でのたうち回る。
カウントが数字を刻み始める。10が9に切り替わる。ぞっとするほどの高速で表示が抉れた。
9の数字はそのまま、永劫に思えるほどにその数字で待機した。9の秒数はそこで死んだようにモニターの表示計とディスプレイに投影された表示計の中で沈殿し、ぐるぐるとめぐり始めた。
スロットルレバーをさらに引き上げる。自分にしっくりするように調整されたはずなのに、数トンの重さを押し込んでいるようだ。操縦桿を握る手の指先は勝手に蠢動を始め、数日前にテレビで見たCMから流れてきた最近有名なアーティストの安っぽい歌のリズムを刻み始めた。
眩暈がする。脳幹で瞬く間に浮腫が発生して肥大化しているようだ。シートに押し付けられた背中は既に褥瘡まみれになっている。鼠蹊部は発疹まみれになって、外陰ヘルペスがうじゃうじゃと発生していた、ような錯覚が過る―――。
はっと視界が啓く。表示計は丁度、0の電子音を打ち鳴らした。グランドクルーが勢いよくライトを振り下ろし、ビーコンが赤から緑へと一斉に切り替わる。
「ティアマト10、出撃します!」
言い終わるや否や、一斉にGが躯幹を殴りつける。操縦桿とスロットルを握りしめる様はまるでしがみついているようだ。
100mを数秒で疾駆する。牛蛙みたいな呻き声を上げる寸前、全身をふわりと風が包み込む錯覚が柔肌に紫電を奔らせた。
高度計はどんどんと上昇し、速度計が疾走する。操縦系が陸戦から空戦に切り替わっていた。視界の先、モニター一杯に、黒天が天際まで伸びていた。
機体は安定している。ほっとするのも束の間、クリステラは正面のモニターに背後の映像を呼び出した。
最後、残された1機のMSが翼を撃つ。ジェットストライカーとも、エールストライカーとも異なるシルエットは、まるで本当に鳥の羽根を生やしたかのようだ。そう、例えばあの《フリーダム》のような―――。
(ツヴァイ、出る)
呟く声音はさも平然。可変翼から焔を熾らせると、白亜の巨人は軽やかに天空へと翔けあがる―――。
(アインよりアーレ・クリンゲン、
―――まるで、と思った。
冥き天を舞う貴影。翼撃に気流の鳴る音を反響させて飛翔する姿は、堕天した御使いを想起させた。
いかがでしたか?
来週、やっとこさ戦闘に入っていきます。
そのうち、部隊の設定なども投稿しようかなとも思っています。そちらもお待ちくださいませ。