ヤンデレキノ達との旅   作:黒猫黒

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続いたので章を分けました

こちらはヤンデレキノと主人公の二人旅の予定です

癒すキノと、少しずつ落ち着いていく主人公



英雄だった彼

顔に光が当たっているのか眩しさを感じる

昨日は森の中で野宿をした筈、もう朝なのか

ボーッとした頭で昨日の事を思い出していると、顔のすぐ上から声をかけられる

 

「起きましたかファル、おはようございます」

 

目を開くとすぐ目の前にキノの顔があった、頭の下には柔らかい感触これは膝枕されているのか。

キノの近くに居ると守られている様でとても安心する、大丈夫だって思える。

 

「昨日よりも顔色が良い様ですが、体調はどうですか?」

 

「おはようキノ、体調は少し良いかな」

 

「そうですか良かったです、この調子で健康になりましょうね。」

 

体調は確実に良くなっている、国に居た頃は頻繁な採血により、何時もふらふらで何も出来なかった。

キノとの旅は採血が無いだけでも、凄く楽になった。

 

「気を付けて下さいね、僕のたった一人の大切なファルシュですから。

少しでも変化があれば、僕にすぐ知らせて下さいね」

 

「ありがとうキノ」

 

「いいえ当然の事を言ったまでです」

 

キノはまるで紳士のようにニコリと笑うと、俺の着替えを用意し始めた。

 

******************

 

川で体を洗うファルを双眼鏡で眺める

 

「止めなよキノ変態みたい…変態その物だよ?」

 

「そんな事は無いよ、何処に危険があるか分からないからちゃんと監視しないと」

 

「そうかなぁ…」

 

双眼鏡越しに見るファルの腕には勿論の事、体の至るところに注射の後がある。

思わず歯軋りをする、なんでファルがこんな事に。

 

「キノ大丈夫?」

 

「大丈夫…だよ、ファルの血のお陰で直ぐに注射の後も治るよ」

 

そうは言ったが許せない今からでも引き返して…

 

「はぁ…キノ、ファルが戻って来るよ」

 

「っ!ありがとうエルメス」

 

うっかりしていた、急いで双眼鏡を鞄に仕舞いパースエイダーの手入れを再開する。

 

暫くするとファルが戻って来る。

野宿の間は邪魔する者は誰一人居ない、完全な二人きりエルメスも見張り役として僕を手伝ってくれる。

なるべくなら野宿の間に距離を詰めておきたいところだ。

 

******************

 

「キノ今戻ったよ」

 

「ファル大丈夫でした?傷は痛まないですか?」

 

「大袈裟だよ傷って言っても、全部注射の後だし。

キノの丁寧な看病のお陰でもうほとんど痛まないよ」

 

「そう…少しは痛むんだ…」

 

キノが下を向いて顔を隠し、ぎりっと拳を強く握り締め、歯軋りをする

 

「キノ?」

 

「あぁ、ごめんなさい何でもないです。

それよりも、今日の分の治療に取り掛かりましょう」

 

ニコリと笑うキノの少しの違和感や、誰が見てもわざとらしい笑顔もファルは疑わない。

だってキノを信じれば好きでいれば幸せに成れる、殺されないで健康に生きていけるのだから。

 

「はいどうぞ、先ずは諸々の飲み薬ですね」

 

「ありがとうキノ」

 

「いえ、なんなら僕が口移しで…飲ませましょうか?

少し量が多いですから」

 

確かに薬は大きめのカプセルやら、錠剤やらがゴロゴロしている。量も十錠は有りそうだ。

 

「キノがそう言うのならお願いするよ、俺はどうすれば良いかな?」

 

「なんて、ファルは飲み慣れてますよね…って!?

本当に良いんですか!」

 

「はぁ…キノ、駄目に決まってるでしょ。

ファルも、これはキノの冗談だからもう飲んで」

 

「そうだったのか、少し恥ずかしいな」

 

エルメスの助け船によりファルは自分で薬を飲み、キノは「…本気だったのに、エルメスのバカ…」等と呟いていた。

 

「キノ、飲み終わったよ」

 

「はい、全部飲めてますね。

疲れはどうですか?エルメスに乗れそうですか?」

 

「お陰様で何とか、キノにしがみ付けば落ちなさそうだよ。

まぁそれも、次の国までの距離にもよる位の自信の無さだけどね」

 

自分の腕を擦りながら話すファルは、注射痕の残る細く青白い腕を自信無さげに見つめる。

回復してきたとは言え何年にも及ぶ、筋肉の衰えは直ぐには治らないようだった。

それを見たキノの顔が途端に曇り、その後直ぐに何時もの表情に戻る。

 

「筋肉の量をチェックしましょうか、少し足を開いて下さい。

腕をだらんと下げて力を抜いて…」

 

「こう?」

 

足を肩幅まで開き、腕はだらんとぶら下がり完全に力が抜け突っ立って居るだけになる。

 

「そうです、では失礼します」

 

そう言ったキノは笑顔でファルの胸に抱きついた。

コレには観察していたエルメスから質問が入る。

 

「えっとキノ?何してるの、セクハラ?」

 

「ファル、僕を力の限り、抱き締めて下さい。

これは純粋な筋力測定ですから、エルメスも邪魔しないでよ」

 

「…なんだかなぁ」

 

「?キノを力一杯、抱き締めれば良いんだね。

分かったよ、こんなヒョロヒョロの腕じゃ、あんまり期待は出来ないけれど…」

 

ファルはぎゅうぎゅうと力一杯キノを抱き締めたが、精々子供の力と同じかそれ以下が良いところだ。

だがキノは幸せそうに微笑み、ファルの胸に頭をぐりぐりと押し付けていた。

 

「キノ?こんな力しか無いけれど、何故笑って居るの?」

 

「ファル、ファルシュ恋人同士のスキンシップは、幸せですね。

僕は今貴方の腕に包まれて、貴方の胸の鼓動を聞いて、暖かさを存在を感じて…凄く幸せです」

 

「…しあわせ?」

 

ファルの胸元から顔を上げ、少し上にあるファルの目を見つめて、キノは蕩ける様な笑顔で話す。

 

「そうです幸せです。

今僕は大好きな、愛する貴方の腕の中で凄く幸せです。」

 

「俺も幸せ…だよ」

 

大好きなキノが幸せなら、俺も幸せに違いない。




紳士的なキノ
エルメスは常識人(車?)
主人公はキノにだけイエスマン
キノの言うことが全て正しいと思っている。

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