一人称が私なのも現代からです
キノ大暴走に見えてしっかり考えている
一目惚れから頭が大分可笑しい
意識が浮上する
ここは…そうだ確かあの国を出て
助けた旅人をすぐ隣に寝かせた筈だ
目を開くとすぐ目の前に旅人の顔がある
正確には私の顔を見つめていた
「あっ目が覚めましたか?僕を助けてくれたんですよね?ありがとうございます」
私が言葉を発する前に旅人が喋り出す
この距離で会話を続けるつもりだろうか
互いの吐息がかかるこの距離で
「えっと取り敢えず大丈夫ですか?
まだ体は痛みますか、何処か不調は?」
「貴方の完璧な処置のお陰で大丈夫です。
あの国で良い様にされたのは、飲み物に混ぜられた薬で体の自由を奪われていたからですよ
その薬ももう抜けた様です」
そう言って平気そうにしている
そして何故か旅人の手が、さっきから私の体を撫でている気がするが…気のせいでは無いのだろう、胸と腹を撫でられている。
むずむずするから止めて欲しい
「旅人さんは…」
「キノです、そう呼んでください」
こんなにボロボロなのに有無を言わせない迫力がある
「キノさん」
「はい」
嬉しそうに微笑む
「じゃあ私の名前も私は、レオン・アルダマ
レオンと呼ばれているよ」
正式にはレオン・デ・ロス・アルダマ
私の名前はこんなに長い横文字じゃ無かった筈
こう…漢字四文字位の普通の日本人の名前
自己紹介の度に少し切なくなる、未だに前世を引きずっている
「レオン・アルダマさん良い名前ですね
僕はこれから、レオンさんと呼ばせていただきます」
外国の人って取り敢えず名前を褒めるよね
とってもフレンドリー
「キノ?ボクの紹介は?
それとも自分でするシステムなのかな」
図上から声が聞こえる、キノさんのモトラドだろうか?
起き上がりモトラドの方を向く
キノさんの手が中々離れなかったが、気のせいと言うことにする
「やぁやっとボクの自己紹介の番だね
ボクはエルメス、キノのモトラドをやってるよ」
「ご丁寧にどうもありがとう、私はレオン・アルダマ
通称レオン旅人をやってるよ」
ふふっと笑う声が重なる、私とエルメスの声だ
どうやら気が合いそうだ
「キノ!この人良い人だよ!」
「そうだね、僕の為に国を滅ぼしてくれる位だからね」
キノさんがそう言う、気付かれていたのか
「キノさんはいつ気が付いたんだい?そんな余裕も暇も無かった筈だけど?」
「僕を助けた時に、レオンさんの背後に炎が見えましたから。
あの国はほとんどの建物が木造ですから、屋外での火の使用は違法です国民は決して外で火を使いません。
僕以外の旅人はレオンさんだけ…なら犯人は貴方です」
一瞬見えた景色からそこまで考える頭の良さに感心する。
私も説明された筈だがそんな法律覚えていなかった、ただ単に私の頭が悪いだけかも知れないが
「それだけじゃありません、門も開きっぱなしでした国の門が開きっぱなしなんて余程の事ですよ。」
「キノさんは賢いんですね」
「ふふっありがとうございます、これで役に立つ事の証明は出来ましたか?」
役に立つとは何の事を言っているのだろうか?
良く分からない
「いったい何の話ですか?」
「キノはまだレオンに体で返す話をしてないよっ、そこから話さないと!」
体で返すとは物騒な
余計に分からなくなってきた
「最初から説明しますね」
「是非お願いします」
良かったちゃんと説明してくれる様だ
「僕はレオンさんに命を助けられました、死を覚悟していた所を…。
その後はこうして手当てを受け今ここに生きています、そこは二人の認識として合ってますね?」
「そうですね」
「僕を助けるには相当の危険がありました。
敵は国民全員ですから…それを見事にエルメスごと助け出しました」
「ありがとうレオン、ボクはまだ走っていられるよ」
「どういたしましてエルメス」
エルメス可愛いな、素直な弟の様だ
「そうなれば報酬は当然莫大な物になります。
1つの国をたった一人で、攻め落としましたからね
報酬は一人で総取りです」
「そこまで褒められた事じゃ無いよ。
結果として国の大半か、もしくは全てが燃え尽きたからね」
国の方角を見ると未だに煙が見える
まだ燃えているのかな
「結果が全てです。
そこで僕の差し出せる物を考えてみても、そんなに価値のある物は生憎持ち合わせていませんでした」
「普通はそうだろうね」
国を滅ぼした報酬っていったい…
どれ位貰えるんだろう、もしくは私が賠償として払うのか
「ですから僕を差し上げます、どうぞ」
寝転んだままこちらに両手を差し出す
キノさんは多分頭を、とても強く打ったんだろう
可哀想に私には頭までは治せない
哀れみを視線に乗せてキノさんを見る
「…?何ですか?
そんな目で見ないで下さい、僕は正気ですよ」
「可哀想に、もともと頭が可笑しかったんだね。
そうとも知らずにごめんね、もう少し優しくすれば良かったね」
キノさんの頭を撫でる
嬉しそうに撫でられているが、はっとして
「違います頭は大丈夫です!
それにこの発言には、ちゃんとした理由がありますから」
「本当に?」
「本当です、価値のある物が無いので長期の分割でお願いしようと思います。
そこで先程の発言に繋がります、僕はそこそこ強いので護衛か何かに使えば絶対役に立ちますよ?
他のこともそこそこなら、大抵何でもこなします」
確かにキノさんはこの世界に詳しそうだ
私よりも確実に頭は良さそうだ…知識の方でだけど、思考回路はぶっ飛んでいるみたいだし
スキンシップが多い様だが、まあ旅をしていると人恋しくもなるのだろう…だがしかし
「長期って一体どの位の事かな?次の国までとか季節が変わる迄とか、その位かな?」
「え?そんなの一生ですよ」
やっぱり頭が可笑しいじゃないか
話にならない、キノさんが動けるまで回復したらすぐ逃げよう
「逃がしませんよ
命を助けられたらその命で返すのは当然です、ですので僕の全てを差し上げます……貴方になら」
ひえっ怖い、心を読んでくるのか
最後は良く聞こえなかったけど命は命で返すって…なら助けた意味は?
本人の自由が無くなるなら助けた意味ないじゃん!
「僕がレオンさんについて行きたいんです。
何処かの国では、返しきれない恩は体で返すって言ってました…だからっ」
「意味、違うくない?」
思わず心の声が出た危ない、敬語が外れてしまった
争いを生まないようにと考えた秘策が、この敬語
今までの旅も敬語で何とかなって来た
「意味ですか?全てを差し出すのは間違いなんですか?
体で返すって、一体他にどういう意味が?」
ここに来て無垢だ、無知で無垢なそんな一面を見せて来たが嬉しくない
そんな子に大人のあれこれを説明するのか
だが説明しなくてはキノさんを受け取る事になる
何の罰ゲームだ
「キノさん体で返すって言うのは…その、つまり男女の営みの事でね」
「男女の営み?初めて聞きました」
「えっ?」
どういう事更に説明が増えるの?
この汚れた世界でどうやって生きて来たの
おじさんもう頭が痛いよ
「つまりは、セックスの事だよ」
「???」
あれ?これも?
なら一体どう言えば伝わるの、いきなり私の息子をボロンしてこれを女のアソコに入れて子供を作る事だよ、ゲヘヘとでも?
変態じゃ無いか…私は殺されても文句は言えなくなる
…あっ怖い事を思い出させるが
仕方ない一生よりはましだろう
「キノさん…嫌で怖いかもしれないが、少し思い出してくれ無いかな」
「?はい、貴方がそう言うなら」
エルメスもキノさんも素直
本当に一体何処で生きて来たのか
「あの国で襲われた時に変態がいたよね?
キノさんの上に乗っていた、あの男だよ」
「あっはい…確かに居ました」
「あの男はキノさんを女の子だと思ったんだろう、つまりはその…性的に…襲おうとしていたんだよ」
「性的に…つまりは交尾、動物の繁殖行動
それを人間がしようと?ああ性行為ですね」
ええ?交尾とか、性行為は知ってるの?
分からない基準が分からない
「それから、僕は女の子ですよ」
ん?何か聞こえたような
「聞き間違えじゃ無いですよ」
会話が成立している…可笑しいな言葉が無くても会話って出来るんだ
そうじゃなくて
「でもキノさんは僕って」
「僕…はいけませんか?
レオンさんの好みでは無いなら、私とかに変えましょうか?」
「あっ大丈夫です」
僕っ娘だった、なんたるトラップ
じゃあ今まで女の子が一生をくれるとか、全てを差し上げますとか言ってたの?
私の見た目が二十代、キノさんは多分十代半ばだろう
普通に事案サラリーマンと中学生、100%逮捕間違いなしだ
「レオンさんっレオンさん?聞いてますか?」
「はいっ聞いてますよ」
「なら良かった、それでですね
性行為についてはそれも全てに入ってます」
「入ってる?」
「全てですから身も心も全てですよ
荷物もエルメスも、僕の全てを貰って下さい」
「ボクも貰って下さいー」
エルメスは軽くないかな
「それに大丈夫です、もし受け取って貰えなくても
勝手について行きますから…何処までも」
大丈夫じゃ無いそれはストーカーだよ
この世界にあるか分からないけど、それは立派な犯罪だ
「勝手についてくるなら、一緒じゃないですか?」
「いいえ違います。
勝手について行く場合は、一定距離から監視して護衛します
ホテル等に泊まる時は、向かいの部屋からちゃんと守りますからね」
ニコッと笑うがとても怖い話をしている
公認ストーカー(認めて無い)か
旅の仲間(強制)ひどい二択実質一択だ
「分かりましたよ、取り敢えず一緒に旅をしましょう
途中でキノさんのしたい事が出来たら、離れて貰っても…」
「離れませんよ」
「はい分かりました」
ちょこちょこ見せるこの光の無い淀んだ目がとても怖い、一体何なの
「それから敬語もいりませんよ?
貴方は仲間ですからね、僕は敵になりませんから」
「それは助かるよ、どうしても長く話すとボロが出るからね」
「僕の敬語は自然に出るので止められませんが、貴方が無くして欲しいのなら、僕頑張りますよ」
「いやキノさんの好きな様に、楽な方で話してよ
これからは長い付き合いになるんだから」
「ありがとうございます
あと呼び捨てで構いませんよ、是非キノと呼んで下さい僕が喜びます
それで、これからどうしますか?」
「あっはい、取り敢えずはキノの治療が最優先だね
その怪我じゃ動けないでしょ?」
あんなに酷い痣…思い出すだけで身震いする程だ、どんなに痛かっただろうか
「怪我?お腹の怪我なら多分明日には動ける筈です、あれ位なら師匠との特訓で慣れてますから」
「それは虐待じゃないの?そんなに殴られるの?」
キノは苦笑いをして答えた
「違いますよ、ゴム弾が当たるとこんな風に痣になるんです。
それに実戦訓練を頼んだのは僕の方ですし」
なんて武闘派そんなに頑張る理由は、一体何だろう
長そうなので聞かないが
「それなら明日から近くの国に、向かってくれるかな?少し人を待たせているんだ」
「分かりましたそこに向かいましょうか
ちなみに、待たせているのは…女ですか?」
「私の家族で小さな女の子だよ
妹みたいな娘で、とっても可愛いよ?」
「家族…妹、それなら大丈夫です
そうと決まれば夜も遅いですしもう寝ましょう、はいどうぞ」
キノは毛布を捲り隣をあける
もうなにも言うまいそのまま隣に入り大人しく目を瞑る
また胸や腹を撫でられているが、もういい疲れた
私は無理矢理眠りについた
家族や妹だったら大丈夫って、一体何だろう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここから登場人物設定
オリジナル要素ふんだんにあり
見たくない方は飛ばして下さい
エルメス
走ることが大好き、モトラドの本能
主人公とキノが大切で大好き
割りとちゃんとした事を言うがたまに間違える
わざとの可能性も?
素直、可愛い、人を乗せると自立走行可能
ボディーを磨いてもらうのが好き
メンテナンスも好き
声は高い男の子の様な、低い女の子の様な声
性別を聞くとモトラドに性別は無いと言う
実はありそう?
主人公のモトラドに、一方的に話しかける
返事が無いので独り言の様だが、良くみるとライト等で返答している、コミュニケーションはとれている様子
レオンの転生後の本名は
レオン・デ・ロス・アルダマ
メキシコの日本人の多い街から取っている
ティファナがメキシコの街の名前
主人公が合わせた
原作では漂流船の名前
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