修羅場の朝は早い
室内は戦場に
今朝のティーは見て分かる程、キノに怒っていた
「たんこぶ」
「そうですか、まあ気絶する様に殴りましたからね、血は出て無いでしょう?」
ティーはキノを睨みつける
「いたい」
「鉄ですからね、殴られると痛い筈です」
キノは涼しげに会話を流している
ピリッとした空気が流れる
ティーが私が起きて来た事に気付き、駆け寄って来たのでそのまま抱き上げる
「おはよ」
「おはようございます」
「あれっおはようございます
早いですね、昨日は遅くまで騒がしかったので、もう少し休むのかと思ってました」
キノはちらっとティーを見たが、ティーは素知らぬ顔だ
「何時も通りに目が覚めたよ、体に染み付いた習慣だね」
本当に少しの誤差も無く目が覚める
前世なら役にたっただろうな
「いたい」
私の服を引っ張りたんこぶを見せる
さっきの会話の続きか
たんこぶを軽く撫でる
「これでましになりましたか?」
痛いの飛んでけと付け加える
キョトンとしていたが
驚いた様にたんこぶをペタペタ触る
「いたくない」
それなら良かった、病は気からだ
病では無く怪我だけど
そうだ昨日の買い物の時に頼んでいた荷物が、そろそろ宿に届く頃だ。
「二人とも私は大事な荷物を受け取って来るから、少し待っていてね。」
そう言って部屋を出た
・・・・・・・・・・・・・・・・
「大切な荷物?一体何でしょうね?」
キノは不思議そうに首を傾げるが、ティーはハッとした様に、鏡の前で姿を整えている
「ティー?何をしてるんですか?」
「ゆびわをうけとる、じゅんび」
「指輪?」
そう言えば、昨日合流した時に宝飾店から出て来ていた、そこで指輪を買ったのだろうか?
何の為にわざわざこの国で?
「ぷろぽーず」
「この国でプロポーズされると、絶対に別れる事はない、例え死んでも来世でまた結ばれると言う噂がありましたね。」
ティーがこくんと頷く
「ふたつかってた」
「2つですか?」
「わたしとレオンのぶん」
誇らしげに笑うティーに、ピシッと空気に亀裂の入る音がした
気持ちを落ち着け冷静に話す
「それは何故そうと、言い切れるのですか?
ティーの為にと言って、買っていたのですか?
僕とレオンさんの分かも知れませんよ?」
思ったよりも冷静になれない
レオンさんの事になると、仕方ない
ティーが鼻でふっと笑う
それにもカチンと来る
「あたりまえ、やくそくした」
「僕だって約束しましたよ、一生をかけて恩を返すと、何処までも付いて行くと誓いました」
またも鼻で笑われる、何処までも余裕を崩さない
流石僕よりも年上
「キノがいっただけ」
「なっ何を言って」
「わたしはちゃんと、レオンからいわれた」
ふふんっと笑う顔に、とうとうブチッと切れる
「これ以上話しても解決は難しいでしょう。
なら僕達の得意な実力勝負で、決着を着けましょう?」
怒り過ぎると逆に冷静になる、顔には自然と笑みが浮かぶ
ティーもそのつもりだったのだろう
いつの間にか両手に手榴弾を持っていた。
「わたしがかつ」
「そんな事はあり得ません、僕がゆるしませんから」
パースエイダーを構え、一触即発のまさにその時扉が開き、笑顔のレオンさんが帰って来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大事な荷物を受け取り喜ぶ顔を思い浮かべる、胸の辺りがぽかぽかしてくる。
これが幸せか…自然と笑顔になる
この気持ちのまま部屋に帰った
「ただいま…?」
幸せな笑顔が凍りついた
キノの手にはパースエイダー
ティーの手には手榴弾
何だろう殺し合いの最中にしか見えない、一応聞いてみる。
「二人とも一体何を、してるんですか?」
可笑しいな冷や汗が止まらない
キノもティーもお互いに目を離さずに、返事をする
「おかえりなさい、すぐに決着をつけて僕が指輪を受け取りますから」
「わたしのゆびわ」
二人とも指輪の取り合いで喧嘩をしていたのか?
それなら大丈夫だ
「これは二人の指輪ですよ?」
え?と間抜けな顔で、二人は振り向いた
「取り敢えず落ち着いてソファーに座りなさい、喧嘩は駄目ですよ!」
私だって怒る時はちゃんと怒るんだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人を落ち着ける為にお茶を出す
皆でソファーに座る
「私が指輪を買っていたのは、知っているよね?」
ティーが頷く
「キノとは別行動をしている間に、買ったんだ」
「僕と合流した時に丁度、宝飾店から出て来ましたよね」
「その時の指輪が、これだよ」
大事に抱えていた箱を見せる
中には指輪が2つ、それぞれの箱に入っている
「これはね私の大事な人に、気持ちを伝える為に選んだんだよ」
日頃の感謝を伝える為に
お店の人に気持ちを伝える為には何が良いかを聞くと、是非指輪をと進められた。
沢山の宝石の中から、二人に似合うと思った物を選んだ
キノにはエメラルドの緑色
ティーにはアメジストの紫色
喜んでくれるだろうか?
そして何故二人はまたピリピリしているんだ、仲良くなった筈だろうに
「二人とも、受け取って貰えますか?」
キノは口元を両手で押さえ感動している様だ
ティーでさえも少し震えている
二人はそれぞれ震える指で恐る恐る、指輪を着けている
ん?二人とも左手の薬指でいいの?
そんな大切な指でいいのか
「ありがとうございますレオンさん
この指輪は死んでも離しません」
「死なないでね」
キノは何時も、覚悟が重たい
「これでほんとにいっしょ
しんでからもずっと、ずっと」
「ティーも死なないでね」
何だろう死んでからもって、来世かな?
また転生するのかも知れない
「指輪って交換する物だと聞いたのですが、まさか僕が貰えるとは思わず、レオンさんの分を用意していませんでした。」
キノがうっかりと言った風に話出す
そりゃ貰う前からお返しを用意するなんて、出来る筈が無い
「かいもの」
「それが良いですね!レオンさん直ぐに買いに行きましょう」
キノとティーに手を引かれ、そのまま指輪を買って貰ってしまった
感謝を伝えたつもりがお返しを貰うとは、また何か贈り物をしないと。
二人に選んで貰った指輪は
アクアマリンだった、水色の綺麗な宝石だ。
二人は真剣に選んで居たが、店員の説明を聞くと直ぐ様アクアマリンを選んだ。
私も教えて欲しかったが、聞いても教えてくれなかった。
なんでも宝石にはそれぞれに宝石言葉があるらしい、キノとティーの指輪も宝石言葉を調べてから、買えば良かったのかも知れない。
だが二人はとても気に入ったと言って居たので、これはこれで良かったと思おう。
・・・・・・・・・・・・・・・・
主人公は一人別室で熟睡中
深夜遅くキノとティーのベッドルームにまだ明かりが点いていた
二人はベッドの上に書類を広げて、一つ一つ念入りに確認にしていた
「他に必要な書類は、有りましたか?」
「ない、しもん」
ティーが判子の押されていない部分を指差す
「ああそうでした、確か血判って言う物が必要でしたね。それはレオンさんが寝てる間に採るとして、他は…大丈夫ですね書類に不備は有りません」
「かんぺき」
ティーはグッと親指を立てる
賢いティーのお墨付きを貰い、キノは一安心だった
「後はこれを提出すれば、晴れて夫婦と言う物ですね。感動的です」
「かぞく」
「そうですね、これで僕とティーも正式な家族ですから、これからは姉妹と言う事に?」
「いもうと」
ティーがキノを指差す
「そうでした年齢はティーの方が上でした、でもこれからも可愛いがっても良いでしょうか?」
「ゆるす、あね」
「ありがとうございます、お姉ちゃん」
「ティー」
「はいありがとうございますティー」
呼ばれ方は今のままが良い様だ
二人は仲良く明日の準備をする
出国時に勝手に結婚の書類を提出、受理され既婚者になったのを主人公はまだ知らない。
愛の結晶=指輪
赤ちゃんじゃ無いよ?
まだ、致してないですよ
ティーちゃん、はティーさん
以下ネット参照
エメラルド
非常に強い愛の石
宝石言葉
幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望
アメジスト
愛の守護石・真実の愛を守り抜く
宝石言葉
誠実・高貴・心の平和・希望
主人公も無意識に重たい可能性が…?
アクアマリン
幸せな結婚・夫婦の幸福
宝石言葉
勇敢・幸福・安らぎ・聡明
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