双方ばらし、口滑らし回
気まずい
キノは切れると怖い、相手は死ぬ
目を真っ赤に腫らしたキノが、ベッドルームから出て来た、泣いた後だがスッキリとした顔をしていた。
「ティーとの話も…終わった様ですね」
私とティーを見て苦笑いしている、私の膝の上にティーが乗り落ち着いていた、仲直りしたのは一目瞭然だった。
「私のキノとティーに対する気持ちは、同じ位の愛情で好き以上愛未満です」
「はい、了解しました」
「わかってる」
二人は落ち着いた表情で穏やかに会話が進む、それぞれに感情を吐き出したお陰で、心に何の陰りも無く、皆さっぱりしていた。
「シズさんへの気持ちは、好きで今はそれだけだよ」
「それで、返事をしに行くんですね」
「私も好きだと伝えて、婚約をするか考えさせてもらおうと思う、都合が良すぎるかな?」
「それで良いと思います、シズさんは好きと言って貰えるとは、思っていないと思いますし」
私とシズさんは出会って日が浅い、普通は断るだろう。しかし一目惚れに近い私は既に好きになっていた。
惚れやすいのだろうか…?
「それでですね?僕とティーも、その…レオンさんに秘密にしている事がありまして…」
「…ありまして」
なんだろう珍しく二人とも端切れが悪い、何かとんでもない事でもしでかしているのだろうか?
聞くのが怖い、でも聞かなければ。
「なにかな」
ごくりと唾を飲み込み、どんな事を言われても驚かない様に心構えをする。
「実は僕達とレオンさんは、既に結婚しています」
「…え?」
今キノはなんて言ったんだ、脳が理解を拒んだのか、一言も聞き取れなかった。
「僕キノとティー、そしてレオンさんは夫婦です」
「じゅうこん」
「ふうふ?じゅうこん?」
ふうふとは夫婦?じゅうこんは重婚?
分からないなんだろう?
「どういうこと?」
「あれ?レオンさん大丈夫ですか?」
「めがぐるぐるしてる」
「衝撃が大き過ぎましたかね、お茶を持って来ます」
「おちつけレオン」
バシッと背中を叩かれてなんとか正気を取り戻す、さっきキノは何て言った?私と結婚していると言ったか?
しかもティーとも重婚と言っていた、いつだ?いつの間に私は既婚者になっていたんだ?
「レオンさんお茶です」
キノはティーにお茶を渡し、自分も飲んで落ち着いている。
「私といつ結婚したんだ?」
「それは前に、指輪を贈り合った国があったでしょう?その国で届けを出しました、ですのでこれは結婚指輪です」
「ゆびわ」
ピシッと固まってしまう、この指輪は結婚指輪だったのか…確かにシズさんがじっと見ていた気がする。
「結婚は良いとして…」
「良いんですか!」
「!」
「私からのけじめとして、二人にプロポーズをしようとは考えていたんだ、まだまだ先の事だと思っていたけれど」
まさか重婚が出来るとは思わなかったけど。
「それは、とっても良い事を聞きましたね」
「ん!」
「何かあるのか?」
「実はある国で、良い写真を撮ると評判の方が居るらしくて。せっかくですし、結婚の記念に写真を撮りに行きたくて…ですね」
「写真?」
「シズさんへ返事をした後に、向かいませんか?」
もじもじしているキノが可愛い、破壊力が凄い
ティーも楽しみにしているみたいで、周りに花が飛んでいる様に見える
「勿論良いよ、シズさんの国の次に行こうね」
「はい!」
「ん!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そうか私は既婚者になったのか、いや既になっていたのか」
なんだか感慨深い物がある、日本では違法の重婚までしている更に婚約まで…?
ん?なんだ…何か大切な事を忘れている様な、思い出したく無いような?婚約…なんだ?………!
ああっそうだ師匠だ!婚約と言えば師匠だった、考えてみると一番始めに婚約していたのは師匠だ、それを忘れて他の妻が二人婚約者が一人。
不味いなんて物じゃない殺される!私が殺されるのはまだ良い、いや良くないが。
最悪なのはキノ達を殺そうとする事だ、皆強いので凄まじい殺し合い…いや戦争が始まってしまう、どうにかしないと。
だが師匠がまだ私を好きとは限らない、師匠の居場所が掴めない今はその可能性に掛けて祈るしかない、どうか私を忘れていますように。
「それで、キノは師匠と言う人物を知っているかい?」
「…いいえ、知りません」
「と言うことは知っているんだね、師匠はお弟子さんに私の事は知らないと言え、と言っていたから」
「何故その事をレオンさんが知っているんです!」
キノは驚いたのか、大声で叫ぶ
「信じられないだろうが、私も師匠の弟子だったんだよ」
「そんなの可笑しいですよ…僕が師匠の所に居た年数と、レオンさんがもし本当に弟子だったのなら、どう考えても年数が合いません」
私は二十代キノは十代後半、師匠に弟子入りしたなら確かに年数が合わない、師匠の所で出会っている筈だ。
「それが信じられないだろうが、いつの間にか私が過去の時代に居てね。その時に弟子入りした…修行してもらったんだよ」
「でも、そんなの事が本当に有り得るんですか?」
「私も信じられないが、このネックレスが証拠だよ」
「これは!じゃあやっぱり師匠の物と同じ!」
「ああ、あの時は誤魔化してすまない。本当は師匠との婚約ネックレスで、ペアのネックレスだったんだ」
「やっぱり師匠と同じ…?婚約ネックレス?」
「あっ」
不味い口が滑った、これは言うべきでは無かった
「どういうことですか…?」
「あっいや、その私は…」
焦って言葉が出てこない、キョロキョロと視線が勝手に動く、視界の端にティーを捉えたが眠っている様だ
神は死んだ助けは無い。
がっと顔を掴まれ、首を90度曲げキノの方を無理やり向かされる、私の顔すれすれに顔を近付け嘘は許さないと言う様に目を覗き込まれる。
「僕に話して下さい、全部ですよ。
大丈夫です…レオンさんには怒りませんから、安心してくださいね」
にこりと笑うキノは口だけ笑みの形に笑い、目がとても怖い、少しも動かない。
そして私には怒らないとは、師匠には怒るのか?
全然安心出来ない。
「さぁ全て話して下さい。嘘や誤魔化しはしないで下さいね、僕は正直なレオンさんを信じていますから」
「はっはい、了解いたしました」
「あははっ…何で敬語何ですか?僕には敬語いらないと言いましたよね?可笑しなレオンさん」
「そっそうだね」
「それじゃあ…お話を始めましょうね」
キノのねっとりとした口調が、更に恐怖を掻き立てる。逃げ場なんて無い、正直に話した所で助かるのか?激怒したキノに殺される未来しか見えない。
しかし嘘や誤魔化しは通用しないだろう、私の未来はここで終わるのか?辛い詰んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「事情は分かりました、レオンさんに責任はありませんね、僕が許します」
「…ありがとう」
正直に全てを話も何とか許されたらしい、けれど本当に恐ろしい時間だった。温度の無い冷たい視線に思い出すだけで身震いする流石師匠の弟子、しっかり技術を受け継いでいる。
「可哀想なレオンさんは、頭にパースエイダーを向けられ、脅迫されて婚約したんですね。それなら全て師匠が悪いです」
「いや、全て師匠の責任って訳じゃ…」
「何か言いました?」
「なんでも無いよ?」
怖い、キノには暫く逆らわ無いでおこう
「取り敢えず極悪な師匠は後回しです、次はシズさんの国に向かいましょう」
「そうだね、一つずつ片付けていこうか」
「どうせ師匠は放って置いても向こうから来ます、その時に僕が対処しますね」
「どうか穏便に…は無理ですよね」
キノの能面の様な表情を見て、無理だと悟った
「はい」
とても良い返事だが、今はキラキラのその笑顔が怖い、戦闘は避けられないのだろうか?
もう良い、今はシズさんの事を考えよう。
シズさんの国に着いたら、正直に気持ちを伝える事から始めよう、全てはそれからだ。
主人公衝撃の事実に一瞬知能が溶ける
既に妻二人の主人公、婚約者も二人の模様
師匠はジリジリと近付く
主人公は知らない師匠が時代も年齢も越えて、追跡を初めている事を、刻一刻と近付く足音にも気が付かない…
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