キノは男性に間違えられているから、セーフ
良く晴れた日、そろそろ次の国につく頃、前から馬車が走ってくる。
そのまますれ違うのかと思いきや、こちらに向かって手を振ってくる。
「おーい旅人さん達、ちょっと良いかな?」
キノが此方を振り返り、確認をとってくる
「レオンさんどうします?」
「話位は聞いても良いんじゃないかな?」
「分かりました、少し止まりますよ」
キノがスピードを緩めるのに合わせて、私達もスピードを緩めトライクを止める。
「レオン気をつけてくださいね」
「分かってますよレジィ」
馬車もスピードを緩め、キノの隣に馬車が止まり一人の男が降りてくる。
「あんた達はこれから、あそこの国へ行くんだろ?」
「はい、これから向かうところです」
「あー…あんた達は止めといた方が、良いかもしれないぞ」
キノと話ながらも男は、レジィやシズさんティーを見ながら言いにくそうに話をする。
「?どう言うことですか?何かあの国には特別な事でも有るのですか?」
キノが質問するが、またもや男は言いにくそうにしているが、観念したのか話してくれた。
「あんた達が、このまま行き先を変えないのなら仕方ない。俺があの国についての注意点を、教えておいてやるよ」
「ありがとうございます」
「あそこの国は少々変わっていてな、あんたらはどうやら皆美人だから注意するけど…なんていうのかなぁ。
あそこの国は美的感覚が大分変わっていてな、普通の感覚としての美人が不細工、不細工なほど美人として扱われるんだ。
あっこれは女性に限るがな」
「え?」
「気を悪くしないでくれよ?
あんたとそこの男は大丈夫だろうけど、他は女性だろ?
あの国での不細工の扱いは、あからさまに悪くなるんだ」
「それはティー、この子の様な小さな子供もですか?」
キノはティーを隣に連れてきて、男に聞いている。
「まぁ大人よりはましだけど…それでもあからさまに嫌な態度をとられる事は、覚悟しないといけないなぁ」
「そうですか…」
「さて俺達はそろそろ行くよ、あの国に行くのなら気を付けてな」
「はい、色々注意点を教えて頂きありがとうございました」
馬車が去って行った後もキノは何か悩んでいる様で、レオンに話しかける。
「レオンさんどうしましょう、僕は大丈夫だと言われましたが。
ティー達はどうしましょう?」
「キノはまた、男に間違えられちゃったんだ。
こんなに可愛らしいのに」
「かっかわっ、可愛らしいっ!…うっううん!僕の事は良いんです師匠達をどうするかですよ!」
照れて真っ赤になったキノに怒られ、レジィ達の事を考える。
「国の中に居る間は、フードを被って過ごすとか?」
「それは、入国審査で直ぐにバレそうですけど、師匠達はどうですか?」
「私は誰にどう扱われようと、レオンに好かれて要るのならどうでも良いわ」
「わたしも、れおんさえいればいい」
「そうですね、私もレオンさんの好みに合って居るのなら、他の人はどうでも良いですね」
「三人とも…」
三人の気持ちに嬉しくなるが、他の人間からどう思われても良いなんて少し行き過ぎているような…
「僕もレオンさんに好きでいて貰えればそれで良いです」
「そっそうなんだ」
少し引きぎみに返事をする
「じゃあ僕はこのまま入国しますが、皆さんもこのまま入国しますか?」
「ええ、もちろん」
「うん」
「はい」
「じゃあ皆覚悟は良い?あの国でどんな目にあうのか、悪いもの見たさだね」
「怖いもの見たさじゃないの?」
「そうそれ!レオンも分かってきたね」
「何が?」
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「それでは入国を許可します、余計なお世話かもしれませんが私が女性を紹介しましょうか?」
レオンが入国審査を終えると審査官が小声で問いかけてくる。
「いえ、大丈夫です」
「そうです、人の好みはそれぞれですから」
キノの肩を抱いてレオンが答えると、審査官がキノを見て顔色を悪くする。
この国ではキノは相当な不細工扱いをされる様だった。
「そっそれでは、この国をお楽しみ下さい」
それだけ言うと入国審査官は顔色悪く、口元を押さえながら何処かに走って行った。
「なんだろうねあの態度は、少し失礼じゃ無いかな?」
「レオンさんおそらくこの国では普通の態度だと思いますよ、僕は多分ものすごい不細工に見えて居るんでしょうね」
「あっなるほど、美人は不細工に不細工は美人に見える。
そんな美的感覚の国だったね、なるほどなるほど」
「取り敢えず国に入りましょうか」
「キノは大丈夫?」
「大丈夫ですよ、ありがとうございますレオンさん」
「キノどう?面白そうじゃない?早く国の中に入ろうよ」
「そうだね、ここに居ても仕方ない行こうか」
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「ひぃっあんな不細工見たこと無い!」
「今度の旅人さんは、見たこと無い程趣味が悪いみたいだ」
国民達はレジィやシズの顔を一目見ると、化け物でも見る様にするものや。
蜘蛛の子を散らすように逃げるもの達と、散々な扱いだった。
「あの」
レオンが声をかけると国民の一人がこちらに、振り向く
「ここらで旅人向けのホテルは有りますか?」
「えっああ、この道を真っ直ぐ行くと見えてくるよ」
「ありがとうございます」
レオンは足早にその場を後にする、国民は何か言いたそうにレオンを見ているが、レオンは無視してトライクを走らせた。
「レジィ大丈夫ですか?あんな目で見られて傷付いては居ませんか?」
「言ったでしょう?私はレオン以外どうでも良いと。
けれど、決して気分の良いものじゃ無いわね」
それはそうだろう何も悪い事をしていないのに、まるで犯罪者でも見る様な顔で見られては、とても気分が悪い。
「早くホテルでゆっくりしたいですね」
「そうね、でも長旅の後でこんな目に会うなんて、踏んだり蹴ったりだわ」
はぁとため息を吐きながら、肩を揉むレジィを見て思わず苦笑いが出てしまう。
「あはは…御愁傷様ですレジィ」
「後ろのティーとシズもそうね、こんな時ほどキノの中性的な顔が羨ましいと思った事は無いわね」
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ホテルのフロント
「悪いけどあんた達に、部屋は貸せないねぇ」
「どうしてですか?」
「この国では、こんな不細工見たこと無いけど。
ここまでの不細工を泊めたとなると、誰もその部屋を使いたがらなくなってしまうんです」
「そんな!」
「この国は不細工が少ないからね、どうしても嫌がられてしまうんですよ」
「それなら、全員同じ部屋ならどうですか?僕達は普通の顔なんですよね?」
「うーん、まぁそれなら大丈夫かな。
じゃあ五人一部屋で良いかい?」
「あと、モトラドも1台追加で!」
「なら大部屋ですね、どうぞ案内します」
部屋に泊まる交渉の間も決して、レジィ達の方を見ないホテルマンは失礼ではなく、この国では普通なのだろう。
この国の不細工として扱われている美人達については、とても酷い扱いを受けているのだろう。
想像に難しくない。
「ここがお客様の部屋ですね、それでは3日間おくつろぎ下さいませ」
「ありがとうございます」
部屋に着くと鍵を受け取り中に入る、フロントで言っていた通り凄く広い大部屋だ。
「ベッドルームは2つ、これは譲れませんね」
「わたしがかつ」
「今回も僕がレオンさんと同じ部屋になりますよ」
「いや、今回は私が勝たせて貰うよ」
「勝負の方法はじゃんけんで良いですね、それでは行きますよ!」
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部屋割り
レオン・ティー・シズ
キノ・レジィ・エルメス
「わたしがかった」
「レオンさんと同じ部屋なら、満足ですねやりましたよ」
「僕が負けるなんて…」
「そうねキノ勝負は時の運ですよ」
美人が不細工ならレジィ達は化け物級の不細工
入国審査ではキノは女性とバレている為に不細工扱い
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