続き
「好きですよ」
「私もです、結婚は何時にしますか?」
「え?意味が違いますよ!」
「好きの意味なんてどうでも良いんです。
私に好きと言ったんですから、それは結婚を意味しますよ」
「リクは好きかって聞かれたから、答えたんですよ!」
「好きなんですよね?」
「好きですよ」
「結婚しましょう」
リクに抱き付いて助けを求める
「助けてリク!話が通じないの!」
「ユキさま、大丈夫ですよ」
「リク…」
「無理矢理都合良く、理解しているだけですから」
「なお悪いよ!」
****************
助けられてから暫く経ち、スピードは遅いが何とか歩ける様になった。
これからは一人の生活も考えなくては。
先ずはこの世界の事を知る事。旅の仕方や準備、必要な物も揃えないと。
取り敢えず、シズさんに相談してみよう。
「あのシズさん、少し相談しても良いですか?」
何か作業をしていたシズさんに声を掛ける、私の声に振り向き笑顔を見せるシズさんは格好いい。
この人少しかわってるけど男前だよなぁ。
「どうしましたか?」
「これからの事について相談したくて、すみません」
「分かりました、テントで待っていて下さい。すぐに行きます」
「ありがとうございます」
テントに戻って待つ、これから一人で生きて行くのか…不安だけれど頑張らないと。
言った通りシズさんはすぐに来てくれた。
「相談でしたよね?」
「はい、私旅について何も知らなくて…必要な物って何が有りますか?」
「大丈夫ですよ、何も要りません。強いて言えば、何か護身用の武器が必要な位です」
「え?一人旅って荷物とかどうすれば、移動手段も必要ですよね?」
私が質問した瞬間シズさんが固まった、にこやかな表情が一瞬にして無表情になって怖い。
何か悪い事を言ってしまった?
「ユキさんは、一人旅をしません」
「でも、怪我が治れば一人で生きて行こうと…」
言いかけた口を手で塞がれた、シズさんは何を?
「私と一緒に生きて行くんです。旅の間も移住したとしても、一生一緒です」
シズさんは何を言ってるの?
口を塞いでいる手を引き剥がす、力は入っておらず簡単に離れた。
「なっ…なんですか?私は一人で旅に出ます、何時までも迷惑をかけられません」
「女性の一人旅は危険です。素人が武器も持たずうろつけば、たちまち襲われ殺されてしまいますよ?」
「そんな…」
この世界はそこまで危険なの?異世界に転生しても、何処か前世の日本の基準で考えていた。
考えが甘かった、付け焼き刃の戦闘技術ではすぐ殺されるだろうし…
何の知識も無いし、野垂れ死ぬのがオチ、どうしよう…不安に体が震えてきた。
「大丈夫ですよ、私が居ます」
「シズさん?」
震える体を抱き締めてくれた、とても安心する
「貴女を迷惑だなんて思った事は有りません。私が一緒に旅をして守ってみせます、だから離れないで下さい…」
「でも…私平和に暮らせる場所に住みたいんです、争いの無い、死の危険の無い場所に」
平和な日本で生きてきた私に殺し合いなんて無理だ、何とか平和に暮らしたい。
安住の地を探す事を目標にしたい。
「おや、目標は同じだった様ですね私も安住の地を探しているんです、やはり一緒に行動すべきですね」
ニコニコ笑うシズさんに、目標が同じなら大丈夫なのかなと少し安心した。
お世話になるなら改めて挨拶する。
「お世話になります、これからもよろしくお願いします」
「ええ、末永くよろしくお願いしますね」
にこりとシズさんが爽やかに笑う、末永くとは…
リクを見ると苦笑いの様な表情をしていた、本当に器用な犬だ。
これから先に不安が無い訳では無いが、何とか生きては行けそうで少し安心した。
******************
ユキは安心したのか助手席に座り、リクを抱き締めたまま眠っていた、なんて愛らしい。
「シズ様安住の地と言うのは、具体的にどの様な?」
「それは私とユキがずっとずっと一緒に、平和に暮らせる国かな」
「…そうですね」
リクはユキに苦笑いを向けるとそのまま大人しくなった、一体なんの苦笑いだろう?
ただ私はユキとリクと幸せに暮らしたいだけだ。
それにはユキに寄ってくる男達を排除する必要がありそうだ、国選びは慎重にしないと。
眠る愛しいユキの額にキスをして次の国を目指し走り出す。
短め後で加筆修正あり
シズ ヤンデレ気味
ユキ 流されやすい
リク 苦労性
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