逆行したら肉球が増えてた話   作:玄米ほうじ

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ちょっと思いついたネタでございます。

むっちゃエセ関西弁もどきですけど許してクレメンス。



第1話

荒れ果てた大地ではうちらはがヒーローとして活動していた。

向かいくるヴィランをデク達が倒し、うちやインゲニウム達が瓦礫に埋まったり怪我した一般人の救助を行う。

 

ヴィラン側が劣勢にも関わらず、死柄木弔の表情に曇はない。

いや、むしろ愉しそうな表情を一瞬浮かべているのが見えた。なんだか嫌な予感がする。

 

うちの思考は瓦礫から聞こえるくぐもった声に引き戻された。そうやん、今は救助が先だ。

その瓦礫はトラクター並に大きかった。少しずつ瓦礫を崩さないと二次災害が起こる為、少しずつ。けれど手早く崩していく。

手が空いたみんなに協力してもらい、救助活動をする。

山を崩していき、中の人に声をかけ続けた。

あともう少しだよ。とか、ここにいるって教えてくれてありがとう。とか。

その度にくぐもった声が答えてくれて、うちらは作業の手を早める。

 

 

ついに、瓦礫とは違う質感が指に触れた。

体温のあるソレに安堵し、みんなに伝えた。数人が他に救助者がいないか捜索しはじめてもらうためでもある。

「ウラビティ、念の為呼吸器と担架を創造しておきましたわ。」

「ありがとう!クリエティ!」

そう、お礼を言った途端やけにお腹が熱く感じた。

 

剥き出しの脳ミソが見える。

全身真っ黒な、筋骨隆々な体格。

 

「やっぱり救助活動中のヒーローなんて簡単に殺れるよな。難易度イージーの雑魚キャラだ。チュートリアルにもなりやしない」

愉快そうに死柄木は嗤う。

クリエティ、インゲニウム、デクの声が、慟哭が耳を震わせた。

 

ヴィランに騙された悔しさより、あんな瓦礫の中に救助者がいなかったことが喜ばしい。

「…………よかっ、た」

血を吐きながら零した言葉は、誰かに届いているだろうか。

届いたらいいな。なんて、思いながらうちは目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

白んだ風景を経て、次に目にしたのは、6mは優に超える屈強な男だった。

壁のような男から辛うじて聖書が見えた為、聖職者に連なるものと捉えた。壁が喋る。

 

「──次、生まれるならどこがいい?」

 

自分と同じ様に手に肉球を持つ男。

お茶子は即座に答えた。

 

「また父ちゃんと母ちゃんの元に生まれたい」

 

肉球が眼前に迫る。目を閉じた。穏やかな笑みが自然と浮かんだ。

 

フニっと柔らかな感触。

途端、オールマイトの拳風にも劣らない風を全身に感じた。

 

 

 

 

****

 

目を開けた時、両手首がヤケに痛かった。

職業柄痛みに慣れてる為、寝起きのように鈍る頭で『なんだか両手首が折れたようだ』と過去経験した痛みに類似する例をぼんやりと上げた。

なんだったのだろう。と手を見ると喉がひきつった。心臓が、バクバクと鳴る。

手のサイズ(・・・・・)もそうだが、ありえない位置にある手のひら。見慣れない肉球にお茶子は叫んだ。

 

「なんやのコレ!!ってめっちゃいたいいいいいいいいいい!!!!!」

舌っ足らずな声は、納得はしたくないが手のひらの大きさにピッタリの幼さがあった。

ドタバタと2種類の足音が近づいている。

まさか。と思った。壁のような男に話したことが脳裏によぎる。

 

いやいや。まさか。そんなファンタジーなこと起こるはずないやん。

 

口端が引つる。疑惑と期待が占める。

足音が、ドアの前で一瞬止まった。

ドアが勢いよく開く。

聞きなれたハズの声がした。

 

「お茶子ぉぉぉ!どうした!無事かぁぁぁ!!!」

「あんたうっさい!……お茶子?怖い夢を見たの?」

 

最後見た両親と同じ顔。

けれど、二人ともはるかに若かった。

 

 

──ファンタジーって、あるんやなぁ

 

両手首が折れた幼い子供の姿に絶叫する両親を見た幼子は、呑気にそんなことをおもった。

 

 

 

 

*****

神様っておるんやな。

あの壁の人は神様やったんや。

願い事を叶えてくれただけやない。それだけでもめっちゃありえへんくて、ありがたいのに神様はうちに新しい力をくれたんや。

 

指先ある肉球は重力

手のひらの肉球は弾力

字にすると弱そうと思うけどこの弾力は強力だった。

なにせ敷布団に触れた瞬間、弾力によって手首の骨が綺麗に折れたのだから。

恐るべし神の恩恵ってやつや。

 

触れただけで文字通り骨が折れるから、成長期が過ぎる中学生まで補正用に穴あきグローブを付けて生活してきた。

このグローブ、内側はショック吸収しやすいゴム素材でできている。

日常生活を送る上で身体に支障がないのはありがたかった。

されど前世はヒーロー。Plus ultra!!な精神を忘れる勿れ。人としてもヒーローとしても惚れていたあの人のように、自分の個性を研究し研鑽しなければ前世の二の舞だ。

父ちゃんや母ちゃんには天寿を全うして欲しい。いや、両親に限らず人災での死亡事故なんてあってはならないのだ。

あんなのは御免だ。幸いなことに個性に目覚めたてだった為時間はたくさんある。

 

両手首骨折が完治してから、個性の制御並びに個性の研究を行った。

研究の途中で、弾力の方に治癒の効果もあったことに気付いたおかげで中学に上がるまでに補正グローブを解禁することが出来たのだ。

 

「やからな、うちが落ちるはずがないんよ」

前世受かってたし。個性の制御できたし。ランキング入りプロヒーローとしての経験もあるし。

 

「そして、アンタには負けるわけにはいかんのよ」

神様より大きな仮想ヴィラン──過去の受験でやられそうになった借りはキチンと返したる。

 

指先の肉球で自分を重くする。

迫る仮想ヴィラン。構える。不思議と心は凪いでいた。

 

仮想ヴィランが叫びながら腕を振るおうとする。振りかぶるすきに懐に飛び込んで胴体部分に掌底を当てる。

 

圧力(パッド)砲!!!」

破壊に足りないパワーは重力で補填した。

普段の鍛錬で自身の重さを3倍にしてきた。それがギリギリ走れるし反動に耐えれる重さだったから。

ズシンっと重厚感のある音が腹の底から響く。

 

次いで、更に大きな破壊音がした。

 

 

「終ーーー了ーーーー!!!!」

 

 

会場に設置してあるスピーカーからプレゼント・マイクの声が響く。試験終了の合図だった。

 

「ふーっ、今回は倒せたみたいで良かったぁ」

手のひらサイズにくり抜かれ、地に伏した仮想ヴィランに胸の内から達成感が湧く。

 

 

 

 

そして、ナニか忘れてるような気がした。

 

 

「あ"っ!!!!」

 

 

振り向いた先にへたり込んでいる緑色のモジャった頭を見て、思い出したのだ。

 

デクくん0Pやなかったっけ(・・・・・・・・・・・・・)!!!!

 

卒業式の時、彼が言っていたっけ。

 

『入試のとき、麗日さんを助けたキッカケで救助ポイントが貰えて入学できたんだ』って。

 

ひとつの出来事が未来を大きく変えるってチョウチョの羽ばたきに喩えてた言葉があったなぁなんて、そんな事を現実逃避したうちは考えていた。




最近アニメ映像付きのカラオケしてた時、思いつきました。
お茶子ちゃんとくまって肉球つながりだなーと。

このままお茶子がワンピースの体技を身につけていくのでしょうか。
月歩とかならくまがしてたみたいにニキュニキュでどうにか出来そうではあります。

そして書いてて気づいたんですけど、お茶子ちゃんが0Pヴィラン倒したらデクくんヒーロー科受かんないよね。多分普通科も受けてるからC組になってるはず。
そうするとA組は19人になってしまうのでワンピースキャラを転生させようか悩むところ。
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