偽りを纏いし転生者とToLOVEるな日々(凍結)   作:アイリエッタ・ゼロス

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彩南祭 準備

 夏休みが明けてしばらくが経った。

 新学期早々、転校生のレンも来て教室内は賑わっていた。

 そして、俺の隣に立っている奴は熱く燃え上がっていた。

 

「さぁみんな! もうすぐ彩南祭が始まる! てな訳で実行委員の猿山だ!」

「それに巻き込まれた影宮だ....」

 俺と猿山が今やっているのは、近々行われる彩南高校の文化祭、“彩南祭”で

 何をするのかを決めるための司会だ。

 

「まずはじめに、全員にこの前のHRで出してもらった案なんだが、

 隣にいるバカが、“どれも普通すぎであまりにもつまらない! ”と言ったので

 バカが考えた結果、アニマル喫茶という物をしたいらしい」

「アニマル喫茶ぁ〜〜?」

「何それ、コスプレ喫茶みたいなやつ?」

「バカが言うにはそうらしい」

「えぇ〜〜、やだぁ〜〜」

「はやんねーって、そんなの!」

 俺がクラスに向かってそう言うと、猿山に向かっての文句ばかりが出た。

 

「いや、絶対流行る! 流行らせる! 時代はアニマル、弱肉強食の時代だ!」

 そう言って猿山は文句を言ったクラスメイトの反論を大声で言い返した。

 それを受け、クラスメイト達は猿山の圧に押されていった。

 

「一回落ち着け」パシンッ

「痛っ!?」

「一先ずどんな物か見せたらどうだ?」

「そ、それもそうだな。じゃあ女子は今から俺が用意した衣装に着替えてくれ!」

 そう言って猿山は教室に運んだ箱を指差してそう言った。

 女子達は不満げながらも箱を持って教室を出て行った。

 それを見て不敵な笑みを浮かべている猿山を見て俺は呆れた。

 

 

 〜数分後〜

 

「「「うおぉぉぉぉ!! めちゃくちゃ良いじゃねぇか猿山!!」」」

「そうだろ! これこそ俺が求めていたパラダイスなんだよ!」

 教室に入ってきた女子を見て、殆どの男どもは女子の姿に興奮していた。

 女子の格好は肌面積が広く、はっきり言うと際どい。

 

「(あの時、「お前がやってみろ」って言った俺を殴りたい....)」はぁ

 俺は別の意味で頭が痛くなった。

 

「よぉし! じゃあ俺達のクラスはアニマル喫茶で行くぞぉぉ!」

「「「おぉぉぉぉ!!」」」

 さっきまで反対していた奴も猿山の意見に賛成して、俺達のクラスの

 出し物はアニマル喫茶に決まった。

 

「(てか、さっきから誰だろうな。俺達の教室を見てるのは....)」

 俺は一人、校舎から少し離れた木を見ていた。

 

「おーい、影宮! 外を見てないで役割決めていくぞ!」

「....あぁ」

 

 

 〜数日後〜

 

「んじゃ、俺は内装の方見てくるから調理の練習頑張れよ」

「「「はい、チーフ!」」」

「....誰がチーフだ」

 役割分担を決めて数日が経ち、俺は調理班のリーダーになった。

 が、何故か調理班のメンバーからはチーフと呼ばれるようになっていた。

 そして、俺は内装兼接客班のメンバーがいる教室に向かっていた。

 

「おい猿山、そっちはどうだ?」

「影宮か! こっちは良い感じだぜ! そっちはどうだ?」

「調理の方はほぼ問題なしだ。強いて言うならケーキぐらいだ」

「そっか。じゃあ、あと少しで終わるな」

「あぁ。てか、後でケーキの試食に行ってくれ」

「良いのか!?」

「あぁ」

「よっしゃ! じゃあ行ってくるぜ!」

 そう言って猿山は走って教室を出て行った。

 

「....まだできてねぇっての」はぁ

 俺は呆れてため息が出た。

 

「あれ、影宮君?」

「西連寺か....」

 俺が教室の扉の方を見ていたら、後ろから西連寺が話しかけてきた。

 

「どうかしたの?」

「ちょっと様子を見にきただけだ。....そっちは順調か?」

「....ま、まぁまぁかな」

「....やっぱ慣れてないのか、あの服」

「うん。まだ恥ずかしくて....」

 西連寺は少し困ったように言った。

 

「....やっぱこっちの方が良かったんじゃないか?」

「ま、まぁ里紗や未央のおかげで少しはマシだけど....」

「そうか....」

 そう言って話していると、猿山が走って教室に入ってきた。

 

「影宮ぁ! 調理室のメンバーが呼んでるぞ! なんかデコレーションの

 やり方で相談があるって」

「わかった、すぐ戻ろう。じゃあな西連寺」

 俺はそう言って調理室に向かった。

 

 

 そして数日後、"彩南祭"が始まった。

 

 

 

 

 

 


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