偽りを纏いし転生者とToLOVEるな日々(凍結)   作:アイリエッタ・ゼロス

18 / 20
金色の闇

 年が明けた数日経ったある日

 

「あれ? 影宮?」

「結城」

 外に出ていた俺は、偶然結城と出会った。

 

「こんなところで何してるんだ?」

「ちょっと外を歩いてただけだ。お前は何か買い物か?」

「あぁ。親父に買い物を頼まれてな」

「へぇ....」

「そうだ! 影宮に改めて言っておかないとな」

「何をだ?」

「去年の年末、美柑のこと助けてくれてありがとな」

「まだそれを言うのかよ....」はぁ

 結城の言葉を聞いて、俺は少しため息が出た。

 

「お前、メールと電話で散々聞いたから良いって言っただろ」

「だけど、こういうのは実際に言わないとダメだと思ってな」

「そうかい....」

 そう言いながら歩いていると、偶然たい焼き屋を見つけた。

 

「なぁ影宮。たい焼きって好きか?」

「たい焼き? 別に嫌いじゃないが....」

「そうか! じゃあちょっと待っててくれ!」

 そう言うと、結城はたい焼き屋に走っていった。その時....

 

「っ!」

 俺はどこかから視線を感じた。

 

「(なんだ....今感じた視線は....)」

 俺は周りを見渡したが、特に何もなかった。

 

「(勘違い? いや、あの視線から感じられたのは....)」

「影宮? どうかしたのか?」

「っ!」

 俺が視線の事を考えていると、両手でたい焼きの袋を持った結城が声をかけてきた。

 

「....あぁ、何でもねぇよ。それよりも、随分買ったな」

「親父のアシスタントの人にも渡そうと思ってな。ほら、影宮の分も」

 結城はたい焼きを一つ渡してきた。

 

「ありがとな」

「気にすんなって」

 俺はたい焼きを食いながら歩いていると、急に結城が足を止めた。

 

「どうした?」

「いや、あの子が俺の方をじっと見ていてな」

 そう言った結城の視線の先にいるのは、真っ黒な変わった形の服を着た

 金髪の女の子だった。

 

「もしかしてたい焼きが欲しいのかな」

「さぁ....」

 結城は女の子に近づいていった。

 

「えっと、コレいる?」

 結城が女の子にたい焼きを見せると、女の子はたい焼きを受け取って食べた。

 

「....地球の食べ物は変わってますね」

「そりゃ地球の食べ物は....って、地球?」

「あなたが結城 リトですね」

「な、何で俺の名前を....」

「っ! 結城!」

 女の子の質問に結城が答えた瞬間、俺は結城の服の襟を掴んで引っ張った。

 

「うわっ!?」

 すると、さっきまで結城がいた場所には斬撃の跡が残っていた。

 そして、女の子の腕は銀色の剣に変わっていた。

 

「っ! 躱されましたか....」

「....テメェ、一体何者だ」

「コードネーム"金色の闇"....殺し屋です」

「こ、殺し屋!?」

「はい。結城 リト、あなたの抹殺を依頼されました。私はあなたに恨みはないですが、

 ここで消えてもらいます」

 そう言って金色の闇は剣を振り下ろしてきた。

 

「させるか!」

 俺は結城に振り下ろされた剣を影正で受け止めた。

 

「っ!」

 女の子は俺が剣を受け止めると後ろに引いた。

 

「....あなた、何者ですか。一度ならず二度も私の攻撃を防ぐなんて。それに、その刀....」

「生憎だが教えられねぇよ。それよりも、結城は殺させねぇぞ。アイツは俺のダチだからな」

 そう言って、俺は影正を構えた。

 

「なるほど....だからといって、私が引き下がる理由にはなりません」

「そうかい....結城、お前は下がってろ」

 そう言った瞬間、俺と金色の闇は急接近して刀と剣がぶつかった。そして、俺は蹴りを

 放ったが金色の闇は跳んで躱し、店の屋根に着地した。俺も店の屋根を伝いながら

 金色の闇と同じ屋根に着地した。すると....

 

変身(トランス)

 金色の闇がそう言うと、金色の闇の髪は蛇の形になり俺に襲いかかってきた。俺は一瞬

 驚いたが、すぐに気持ちを切り替えて蛇の攻撃を受け流しながら接近した。

 

「おらっ!」

「っ、変身(トランス)!」

 金色の闇に蹴りを入れて飛ばしたが、金色の闇は背中に羽を生やして空中で体制を整えていた。

 

「蛇の次は羽かよ....」

「....ただの人間かと思って舐めていましたが、どうやら私の勘違いですね」

「そいつはどうも。それで、まだやる気か?」

「当たり前です。変身(トランス)

 そう言った瞬間、金色の闇の両腕は剣となり、更には髪からも鋭い剣が二本現れた。

 

「マジかよ....」

「行きます」

 金色の闇がそう言うと、四本の剣が俺に向かって襲いかかってきた。

 

「(チッ! 下に人がいるからアナザーライダーになるわけにはいかない....)」

 俺は下にいる人達に被害が出ないようにする為に、上手いこと剣を受け流しながら躱し続けた。

 

「ちょこまかと....」

 金色の闇は俺がいる場所に向かって一気に剣を突き刺してきた。俺は地面を転がりながら

 その攻撃を躱した。

 

「(流石に一本だとキツいか....だったらあの技で....)」

 そう考えながら俺は影正を地面に突き刺そうとしたその時、金色の闇の上空から何かが

 振り下ろされた。よく見てみるとそれは剣で、鎧を纏った男がいた。

 その男に俺は見覚えがあった。

 

「(あの男は確か....この前ララと結城といた....)」

「影宮! 無事か!」

「おーい、レーン!」

 すると、後ろから声が聞こえてきた。後ろには結城とララがいた。

 

「結城、ララ」

「影宮、怪我してないか!」

「あぁ、何とかな。それよりも、あれお前の知り合いか?」

 俺は金色の闇と戦っている男を指差してそう聞いた。

 

「し、知り合いというか知り合いじゃないというか....」

 結城は何か言葉に迷っているようだった。そんな様子を見ている間に、

 金色の闇の方から何かがぶつかる音が聞こえた。振り向くと、男が電車にぶつかって

 吹き飛ばされていた。

 

「ザ、ザスティーン!」

「....爪が甘いですね」

 金色の闇は俺達の方を向いてそう言ってきた。

 

「むぅ〜! だったら私が相手になるんだから!」

 急にそう言ったララは金色の闇に向かっていった。

 

「お、おいララ!」

「安心してリト。こう見えても私って強いんだから!」

「いやそうじゃなくてだな!」

「いっくよー!」

 ララはリトの言葉を無視して、背中に翼を生やして金色の闇に突っ込んでいった。

 

「か、影宮! あの翼はただの合成で!」

「....その嘘は無茶があるだろ」はぁ

 俺は結城の言葉に呆れながら影正を鞘に収めた。

 

「大方、ララは宇宙人なんだろ?」

「な、なんでその事を!?」

「アイツの行動に運動神経。それにあの変な格好を見たら大体察せる。それに、

 宇宙人には俺も会ったことがあるからだ」

「そ、そうだったのか....悪いんだが、ララの事は内密にして....」

「わかった。それよりも、二人を追うぞ」

 そう言って、俺は二人を追った。

 

 〜〜〜〜

 

 追っているうちに、気がつくと神社に着いていた。

 

「....プリンセス、いつまでお遊びを続ける気ですか」

 金色の闇は身体に巻き付いていたロープのような機械を破壊してそう言った。

 

「お遊びなんてしてないよ! 私はリトを真剣に助けたいだけ!」

「何故あなたがそこまで結城 リトを庇うのですか? 結城 リトはあなたを脅して

 デビルーク星を乗っ取ろうと企んでいる極悪人と依頼主から聞いていますが?」

「はぁ!?」

 金色の闇の言葉に結城はすごく驚いていた。

 

「リトが!? リトはそんな人じゃないよ!」

「....かもしれませんね。ですが、依頼を受けた人物がどんな人物でも殺す....

 それが私、金色の闇の仕事です」

 金色の闇は冷たくそう言い放った。

 

「駄目だよそんなの!」

「温室育ちのプリンセスにはわからないでしょうね....たった一人で、この広い宇宙で

 生きる孤独なんて」

「それは....確かにそうだね」

 金色の闇の言葉に一瞬戸惑いを見せたが、すぐに笑顔になってこう言った。

 

「だから王宮の外に来たんだよ! 私が知らない事、たくさんあるから!」

「....ララ」

 ララの言葉に結城は驚いたようにそう呟いた。すると、次の瞬間、上空から急に

 強風が吹いた。俺が上空を見ると、上空には謎のUFOの様な物が浮いていた。

 そして、UFOから変な声が聞こえてきた。

 

「何やってるんだもん金色の闇! お前の相手はララたんじゃないはずだろ〜!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。