偽りを纏いし転生者とToLOVEるな日々(凍結)   作:アイリエッタ・ゼロス

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バレンタイン 前編

「あ、おはよう影宮君」

「おう。おはよう西連寺」

 朝、家を出ると俺は西連寺と会った。

 

「今日はいつもより遅いんだな」

 普段西連寺は、俺よりも早くに家を出ている事が多く、俺が通学路を歩いていると前の方に

 西連寺がいて、一緒に登校する事がよくあった。

 

「ちょ、ちょっと色々あってね! 寝るのが遅くなったんだ」

 すると西連寺は、俺の質問にどこか慌てた様子でそう言った。

 

「....? そうか」

 俺はその様子を不思議に思いながらも西連寺と一緒に学校に向かった。

 

 

 〜〜〜〜

 

「あ、春菜に影宮」

「あ、リサ」

「よぉ籾岡」

 靴箱に着くと、ちょうど籾岡がいた。

 

「あ、影宮。これ」

 そう言うと、籾岡はカバンの中から綺麗に包装された箱を渡してきた。

 

「コレは?」

「今日バレンタインデーだからさ。バレンタインのチョコレート。アンタにあげるよ」

「(そういや、今日バレンタインか....)」

「ありがとな籾岡」

「別に良いって。そのかわり、ホワイトデー期待してるよ」

 籾岡は笑いながらそう言ってきた。その時、俺は西連寺がムッとした表情をしている事に

 気がつかなかった。

 

 〜〜〜〜

 

 俺と西連寺、籾岡は一緒に教室に向かっていた。すると、前からバスケットの様な物を

 持ったララが現れた。

 

「あ! 三人ともおはよー!」

「ララちぃおはよー」

「おはようララさん」

「おう。ララ、その手に持ってる物は?」

 俺は気になったのでそう聞いてみた。

 

「これ? バレンタインのチョコだよ! 今日はバレンタインデーっていう日でみんなに

 チョコを配るんでしょ?」

「まぁ間違ってはないが....」

「ララちぃ、これ貰っていいの?」

 すると、籾岡がバスケットのチョコを一個手に取ってララにそう聞いた。

 

「良いよ!」

「ありがと! 春菜と影宮も貰っときなよ」

 そう言いながら籾岡はララのチョコを食べていた。

 

「そうだな....んじゃ、ありがたく一個貰うか」

 そう言って、俺はチョコを一つ取って食べたのだが、チョコの味に何か違和感を感じた。

 

「(何だ....この味....)」

「へぇ~! めちゃ美味しいじゃん!」

「ありがとうララさん」

「いいよいいよ! じゃあ他の人に渡してくるね~」

 籾岡と西連寺は特に違和感を感じていないのか普通の表情をしていた。そして、

 ララは他の人にチョコを渡しにいった。

 

「(....俺の気のせいか? いや、だが....)」

 俺はそう考えながら教室に向かっていたが、教室に着いた瞬間、その疑問が晴れた

 ような気がした。なぜなら、教室にるクラスメイト達が顔を赤らめて抱き合っていたからだ。

 

「な、何この状況....」

 籾岡は教室の様子を見て後ずさっていた。すると、教室にいた男どもが籾岡と西連寺を

 よだれを垂らしながら見ていた。

 

「(明らかに今のこいつらはやばい....)」

「籾岡、西連寺。今すぐ逃げるぞ」

「えっ!?」

「か、影宮君!?」

 そう言って、俺は二人の腕を掴んでこの場から走り出した。すると、後ろから教室にいた

 男どもが俺達を追いかけてきた。

 

「か、影宮! 追っかけてきてんだけど!」

「一回どこかに隠れるぞ!」

 そう言いながら、俺はどこか隠れる所を探しながら廊下を走り続けた。

 

 ~~~~

 体育倉庫

 

「「はぁ、はぁ....」」

「....ひとまず巻いたか」

 走り続けて、俺達はちょうどいい隠れ場所である体育倉庫に隠れていた。

 

「(一体何が起こってるんだ....? 興奮してるようにも見えたが....考えられるとしたら

 ララのあのチョコだが....っ!?)」

 そう考えていた時、突然俺は誰かに抱き着かれた。後ろを見ると、顔を赤くして息が

 絶え絶えの籾岡と西連寺が俺に抱き着いていた。

 

「お、おいどうした....?」

「影宮....何か、さっきから影宮といると身体が熱いんだ....」///

「私も....影宮君といると心臓がドキドキして....」///

 そう言いながら、二人は制服のボタンを外そうとしていた。

 

「お、お前らストップ!」

 俺はとっさに二人の手を胸元から遠ざけた。

 

「(完全にこれ、媚薬か催淫の類だな....)」

 俺はこの二人の様子を見てそう思った。おそらく、ララのチョコに二つのうちのどちらかが

 混ぜられていたのだろう。

 

「ねぇ影宮....この火照り、どうにかしてよ」///

「影宮君....私もどうにかして....?」///

「....二人とも、悪いな」

 俺はそう言うと、一瞬で二人の背後に回って首を叩き気絶させた。そして、二人を体育倉庫の

 奥に隠すと俺は体育倉庫から出た。

 

「(取り敢えずララを探してチョコを配らせるのを止めねぇと....)」

 そう思いながら廊下を走っていると、前から結城が走ってきた。

 

「結城!」

「影宮!? お前は無事だったのか!」

「無事ってのは何のことかは大体わかるが....お前、ララを見なかったか?」

「今俺も探してるんだよ! 多分だけど、この状況が起こったのはララのチョコが原因だ」

「だろうな。とにかく急いでララを止めるぞ」

 俺は結城にそう言ってララを探し始めた。そして数分後....

 

「リトーーー! 何かみんな変になっちゃったよ~」

 クラスの女子に抱き着かれているララを見つけた。

 

「ララ! やっと見つけたぞ!」

「変って、お前のチョコが原因だろ! 一体何入れた!」

「何入れたって....私は御門先生に教えてもらった通りに作ったんだけどなぁ」

「御門先生?」

「って、確か保険の先生じゃ....」

 そう言っていると、背後から誰か近づいてきた。

 

「あらあら、何だか大変なことになってるわね」

 現れたのは、さっきララが言った御門先生だった。

 

「先生! 一体ララに何を教えたんですか!」

「ん? 私はチョコの作り方を教えただけよ。ただ、催淫効果のあるホレ星の薬草を

 入れるように教えちゃってね」

「(この人が黒幕か....それにこの気配、この人も宇宙人か)」

 俺は話しを聞きながら御門先生を見てそう考えていた。

 

「てっきり結城くんにあげるものだと思ってたからねぇ。まぁ安心して。ホレ草の効き目は

 すぐ切れるから」

 そう言いながら、御門先生は笑っていた。その時、御門先生は俺のことを興味深そうに

 見てきた。

 

「....」

「(何だ、先生のあの目は....)」

 俺は先生の興味深そうな視線を不思議に思いながら結城にこう言った。

 

「結城、俺は西連寺と籾岡迎えに行くから先に教室に戻っておいてくれ」

 そう言って、俺は二人がいる体育倉庫に向かった。

 

 

 

 

 

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