二次元キャラクター召喚するマンの日記   作:koh

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やっと原作突入なので初投稿です。


8冊目 雄英入試試験

 21xx年 2月26日

 

 今日は待ちに待った、雄英の入試試験の日だ。

 本当に、長く苦しい日々だった……特に1月に入ってからの追い込みは、厳しかった……! 

 

 ベジータとの組み手は、極限までに手加減しているとは言え、当ててくるようになったし……

 スコールから事前にプロテスをかけてもらわなかったら、死んでたかもしれないぞ。

 まぁ、そのせいか多少のピンチでは動じなくなったが。

 ベジータの拳に比べれば、大体の事は何てこたぁない。

 

 勉強の追い込みも相当で、この辺りになると深夜3時過ぎぐらいまでは詰め込み教育だったのも大変だ。

 月の教え方が良かったせいか、筆記に関しては問題ないだろう。

 実際、書店なんかで売られている雄英の過去問を解いてみたが、ほぼ全問正解で解けるし。

 

 ……という訳で、筆記に関しては何の心配もなかった。

 実際、一度もペンが止まる事はなく、3回ぐらいは見直すぐらいの時間の余裕はあった。

 

 問題は実技である。

 何しろ、『戦闘形式の個性のテスト』 という事しか分からなかった。

 

 チームプレイである事を前提に、スコールと美鈴とアイクとIWS2000の4人と、連携訓練は行ってきたが……

 1対1での戦闘形式、つまり受験者同士によるトーナメント形式の可能性もあるし、教師と戦う可能性もある。

 そうした場合は、俺は事実上個性を使わずに戦わないといけないことになる……

 いや、個性なしでもそんじょそこいらの相手なら余裕で勝てると思うが。

 それでも精神系の個性はまだ対応策が難しいし……

 精神系だとしても、相手の個性が分かれば、セイレーンの『ST防御J』で防げる可能性があるんだが……ううむ。

 

 と、唸っている間に実技について説明を行う講堂についたわけで。

 待っていると司会のプレゼントマイクも来たわけで……

 

「今日は俺のライヴにようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!」

 

「Yokosoー!!」

 

「受験番号4649くん、ナイスなアンサーサンキュー!! 

 それじゃあ、実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!! アーユーレディ!?」

 

「YEAHH!!」

 

 講堂に俺とプレゼントマイクの声が空しく響く。

 しょうがないだろ、プレゼントマイクのファンなんだから。

 受験勉強の際、ラジオ聞きまくってたよ……

 

 ……と、この後はプレゼントマイクの実技に関する説明が続き。

 妙にキチッとした生徒に『これ以上騒ぎ立てるなら、即刻ここから去りたまえ!』と言われたりもしたが。

 とりあえず無事に説明は終わりました。

 

 さて、そんなわけで実技試験を行うべく、重りを外して着替える。

 着替えは……紺色のアンダースーツと、上半身を護る戦闘ジャケット、そして白いグローブとシューズだ。

 とどのつまり、ベジータが良く着てるあの戦闘服である。

 ……ベジータのコスプレともいえるこの服、個性のバーゲンセールのような試験会場でも相当目立つ。

 

 このコスチュームはベジータからもらったもので、「俺からの餞別だ、ありがたく受け取りやがれ!」との事である。

 

 いや、確かにものっそいありがたいんですけどね。

 この戦闘用ジャケット、ドラゴンボール作中じゃわからないけど銃弾ぐらいなら跳ね返せるほどの防御力があるし。

 戦闘用ジャケットを固定した状態で、IWS2000に撃ってもらったから実証済みである……ちなみに破壊できなかったIWS2000は少しへこんでいた。

 

 さて、すでに結構目立ってはいるがこれから更に目立つことになる……何故なら。

 

「よし、みんなきけ。

 説明が正しければ、この試験は敵を出来るだけ多く倒せばいいようだから、分散して動くことにする。

 アイクは美鈴と一緒に動いてくれ、主に美鈴が相手を拘束している間に、アイクが強力な一撃を叩きこむんだ。

 俺は同様単独で動いて、敵ターゲットを破壊していく。

 スコールとIWS2000は……そうだな、プレゼントマイクが『アンチヒーロー的な行為はご法度』って言ってたのを考えると、逆にヒーロー的な行為はプラスになる可能性もある。

 だから、他の受験生の援護や救助とかを行ってくれ」

 

「ああ、分かった……美鈴、よろしく頼む」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします!」

 

「了解しました、他の生徒さんの援護を致します」

 

「人命救助の任務か、了解」

 

 こんな感じで呼び出したキャラ達に指示を出す。

 いきなりゲームのキャラクターが現れたことで、周りは一気に騒然だ。

 

「おい、アレってファイナルファンタジー8のスコールじゃないか?」

 

「マジで!? 俺、最近リメイク作買ったんだよ!!」

 

「あっちは……東方プロジェクトの紅美鈴、ファイアーエムブレムのアイク、ドールズフロントラインのIWS2000だ! 

 すごい! 召喚系の個性なんだろうけど、あんな個性は初めて見た! 

 他のキャラクターも呼び出せるのか、それとも決まったキャラしか呼び出せないのか……」

 

 どうやらオタクな生徒がいたらしい、全キャラの正体を見破られてしまったようだ。

 まあ、見破られたからどうってわけじゃないんだが。

 ……しかし、ブツブツと言ってて何だか怖いぞ、あの緑のモジャ頭の生徒。

 

「シュウ、ガンブレードは使わなくていいのか?」

 

「おっと、忘れてた」

 

 ここで、スコールのアドバイスで愛ガンブレードとなった「フレイムタン」を呼び出して肩に担いだ瞬間に。 

 

「ハイスタートー!」

 

 合図が聞こえたので、間髪を容れず自分が戦うことになるB会場に、気を纏って飛び込む。

 アイクと美鈴は俺よりワンテンポ遅れてエントリーし、スコールとIWSは他の受験者と共に入場である。

 

「どうしたあ!? 実戦じゃカウントなんざねえんだよ!」

 

 と、背後からプレゼントマイクの叫び声が聞こえる。

 

「標的補足!! ブッ殺ス!!」

 

 そして、それと同時に眼前に現れるターゲットたち。

 おあつらえ向きに、1体だけではなく複数で現れたので……

 

「ばぁくはつ!!」

 

 一気に懐に飛び込んで、フェイテッドサークルで範囲攻撃。

 フルジャンクションをしていることもあり、純粋な破壊力だけならスコールのそれを上回っている。

 

「おっとぉ!? もうポイントを取ったヒーロー候補が現れたぜ!! 

 しかもトリプルキルで5P、このままじゃB会場は狩り尽くされちまうぞ!?」

 

 プレゼントマイクが俺のポイント獲得を告げ、慌てた他の生徒達は通勤ラッシュのサラリーマンもかくやという勢いで、各会場に入り込んだ。

 特に俺がいるB会場はとんでもない騒ぎだ。

 

 

 

 

 

※アイク&美鈴ペア

 

「シュウのヤツは既に撃破したか……!」

 

「私達もいきましょう! ──―墳ッ!!」

 

 美鈴が黄震脚で2Pターゲットを打ち上げると。 

 

「はあっ!!」

 

 アイクがダッシュからの逆袈裟斬りで、ターゲットを両断。

 

 撃破した時の隙を1Pターゲットが狙っていたが。

 

「甘い!」

 

 瞬時に剣を構え直し攻撃を受け止め、蒼い炎を纏ったラグネルによるカウンターで粉々に砕かれる。

 

「お見事!」

 

 その横では、アイクに感嘆の声を上げながら烈虹拳で1Pに連撃を叩きこんでいた。

 

「フッ、お前もな」

 

 こうして、アイク&美鈴ペアは着々とポイントを積み重ねていった。

 

 

 

 

※スコール&IWS2000ペア

 

「何だァ!? 今日の俺、すっごい調子がいい! 敵が止まって見えるぜ!!」

 

「私も! こんなに体が軽いのは初めて!」

 

 無言で、スコールは生徒達にヘイストによる援護を行っていく。

 

 そうした援護を重ねているうちに、スコールは負傷して膝をついている女子生徒を発見した。

 

「大丈夫か?」

 

「あっ……はい」

 

「今治療する、待っていろ……ケアル!」

 

 スコールが魔法を詠唱するとともに、柔らかい光が女子生徒を包み込んでその怪我を癒した。

 

「これで大丈夫なはずだが、どうする? 

 もし、続ける気がないのなら会場の外まで送ろう」

 

「あっ! いえっ、大丈夫動けます! あ、ありがとうございました!」

 

 女子生徒は顔を紅くしながら、ターゲットを求めて会場の奥へと走っていった。

 そして、スコールが援護や治療を行っている間、IWSはビルの屋上に陣取っていた。

 

「……!」

 

 ターゲットは、『受験者を囲んでいるターゲット』。

 その脚部を狙い、身動きが取れない様にするのだ。

 囲まれてピンチになっていた受験者からしたら、突然動けなくなったターゲットが現れる。

 あとは、そこから敵を崩してピンチをチャンスに変えるだけだ。

 

「受験者によるターゲットの撃破を確認、次の援護に入りましょう」

 

 淡々とターゲットそのものは破壊せず、その脚部だけを打ち抜いていくIWS。

 獲物が増え、ボーナスステージになった受験者は多かった。

 

 

 

 

 

※シュウ

 

「これで何体目だチクショウめ!?」

 

 右手のフレイムタンで薙ぎ払い、左手で気弾を撃ちながらターゲットを撃破していく。

 何しろ数が多い、一々何ポイントなんて気にしてはいられなかった。

 と、俺が何体撃破しているか気にしている時に、アレは現れた。

 

「デッカ!? 何アレ、メタルギアかなんか!?」

 

 ビルをなぎ倒し、巨体を露わにしたのは話に聞いた0Pターゲット。

 話に聞くお邪魔ギミックだ。

 

「……全員集合ー!!」

 

 と、ここで一旦呼び出したキャラクターを呼び返して、即座に召喚し呼び戻す。

 

「随分と巨大なロボットだな……ガルバディアでもあんな巨大な兵器は持っていないかもしれないな」

 

「どうしましょう、全員で戦いますか?」 

 

 美鈴の言葉に、俺は数瞬思案した。

 そして出た結果は、コレ。

 

「いや、俺が『アレ』で仕留める! 

 溜めに時間がかかるから、みんなは被害が出ないように、周りに誰もいないか確認してくれ!」

 

 俺の指示に全員頷いて、散開し周囲を見回り、俺は両手を合わせて身を捻り、全身の気を増大し始める。

 そして、十数秒後。

 

「こちらアイク! 人影は見えない!」

 

「美鈴です! 私の方も大丈夫です!」

 

「シュナイダー2000です! わたくしの方も反応は確認できません!」

 

「スコールだ! こちらも問題ない!」

 

 四方から聞こえてくる、仲間たちの声。

 どうやら、この爆発寸前の気を安心してぶっ放せるようだ……! 

 

「食らいやがれ! ギャリック砲──────ッッ!!!」

 

 0Pターゲットを飲み込む巨大な気功波。

 俺がギャリック砲を撃ち終わった時には、すでに0Pターゲットは影も形も残っていなかった。




同じB会場にいた生徒達は、たまたま全員モブです。
別に誰がどの会場に誰がいたって決まっているわけでもなさそうですので、そうしておきます。

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