東方転霖堂 ~霖之助の前世はサモナーさん!?~ 作:騎士シャムネコ
ユウユウが欲しいが為に、放置していたフリクエの石を回収して回しましたが、来たのは二枚目のステンノ様でした。(地味に作者が初めて引いた星四がステンノ様だった為、結構驚いた)
運命力が足りないなぁ。
割と真面目に三箱買ってドラグーン・オブ・レッドアイズの20シク二枚抜きした豪運のツケが回って来ている気がする。(FGOマウント取れないから、遊戯王でマウント取ろうとするクソ雑魚マスター並感)
「―――あ、そうだ。先生、今日の調理実習では何を作るんですかー?」
「うん? 事前にクッキーだと伝えていたはずだが……聞いていなかったのかい、早苗?」
てゐを片手で掴んだまま生徒たちと話していた霖之助は、生徒の一人である緑髪の少女『東風谷早苗』からの質問に首を傾げた。
今日の授業の中には霖之助が担当する家庭科の授業の調理実習があり、その授業で作るメニューがクッキーであるという事は数日前から伝えていた。
思い返してみても早苗はきちんと話を聞いていたはずであるのに、今この様な質問をされるのはおかしい。
疑問符を浮かべている霖之助に、早苗はそうでは無いと首を振った。
「そうじゃなくて、私たち生徒ではなく霖之助先生が何を作るのかが知りたいんですよ。今回もゴチになります!」
「いや、ゴチになりますって……」
「先生の授業は調理実習だけが唯一の楽しみと言っても過言ではありませんからね!」
「そこまではっきり言い切られると流石にへこむんだが……」
「わっと」
語外に調理実習以外の授業はつまらないと言い切られた霖之助は、思わずてゐを掴んでいた手を放して肩を落とす。
言った方の早苗は、あまり良く判っていない様子で疑問符を浮かべている。
悪意が無い分、言葉の針が鋭く霖之助の胸に突き刺さっていた。
なお、唐突に離されたてゐは、そのまま着席しつつもどこか名残惜しそうにしていた。
「……そんなに僕の授業ってつまらないかな?」
どこか自信無さげに早苗にそう問いかける霖之助。
それに対し、早苗は少し慌てた様に両手を振って否定した。
「あ、つまらないとかそう言うんじゃ全然ないですよ! ……ただ、そのぉ……先生の授業内容は色々レベルが高いというか、特に裁縫の授業とか、要求される基準が厳しいと言いますか……」
「? 別に難しい事を要求してはいないと思うんだが?」
「「「「「「それは無い(わよ)(です)!!」」」」」」
霖之助の言葉を早苗どころかクラス全体が一丸となって否定する。
ぴったりと息の揃った大合唱に、教室の窓ガラスが少し震えた。
「うわっ、ビックリした。え、みんな僕の授業を難しいと思ってたの?」
「「「「「「そう(よ)(だよ)(ですよ)!!」」」」」」
「えぇー……具体的にどの辺が?」
判り易く『解せぬ』と書いてある顔で訊ねる霖之助。
代表して早苗が授業の難易度が高いという具体的な根拠を上げた。
「この前サキさんのお店に行った時に霖之助先生の授業内容の事を話したんですけど、本職から見ても専門学生でも無い生徒に教える内容じゃ無いって言ってましたよ?」
「マジか……」
『サキ』と言うのは霖之助の学生時代からの友人であり、現在は幻想郷学園からほど近い駅前でブティックを経営している女性の名前だ。
本職、しかもかつての学友からの意見という事で、生徒たちの反応に懐疑的であった霖之助もすっかり納得してしまったようだった。
「そっかぁ……難易度高かったのかぁ……済まなかったね、みんな。次回からはもう少し全体的に難易度を下げるとするよ」
「あ、それでしたら、サキさんから今度自分のお店に顔を出すようにと伝言を預かっているんでした」
「そうなのかい?」
「はい。『キースの事だから、授業内容を優しくするって言ったって斜め上の方向に行くだけよ。舵取りはこっちでしておくから、今度お店に顔を出すように言っておいてちょうだい』って言ってました!」
「完全に把握されてるなぁ……」
苦笑いで頬を掻きながら霖之助が呟く。
かつての学友たちにとって、霖之助がどういった行動に出るのかなどは、大体察せられてしまっているのだ。
ちなみに、『キース』というのは霖之助の学生時代からの渾名である。学友たちはおろか、両親からもそう呼ばれている。
「……まぁ、伝言は確かに受け取ったから、近い内に行ってみるよ。それはそうと、今日僕が授業で何を作るかだったね。今日は季節の果物をふんだんに使ったケーキでも作る予定だよ」
「ケーキですか! 良いですね!」
「あらぁ、良いわねぇ。私もご相伴に与らせて貰うわね」
「果物のケーキかぁ。どんなのになるのか、今から楽しみだね。もちろん私も食べに行くよ!」
霖之助の言葉を聞いて、早苗を筆頭に生徒たちが喜びの声を上げる。
だが同時に、先ほどまでいなかったはずの二人の人物の声が直ぐ傍から発せられた。
「幽々子先生、それに諏訪子先生も」
霖之助が新たに現れた二人の名前を呼ぶ。
一人は国語教師である『西行寺幽々子』、もう一人は生物教師である『洩矢諏訪子』だった。
「一限目担当の幽々子先生は判りますが、諏訪子先生が何故ここに? 今日のうちのクラスの授業に生物は無かったはずですが?」
「ああ、その事なんだけど―――」
一限目の授業である国語の担当の幽々子がこの場に居るのは別に可笑しな話では無いが、今日の一年一組の授業の科目に無い生物の担当の諏訪子がこの場に居るのはおかしな話だ。
それについて訊ねられた諏訪子が、事情を霖之助に説明しようとしたその時。
ドゴォーーーンッ!!!
どこからか凄まじい爆発音が響き、後者全体に振動が走った。
「!? 今の爆発音はまさか!?」
「あ~うん、神奈子がにとりや空と組んでまた何かやらかそうとしててね。霖之助先生に止めて貰おうと思って呼びに来たんだけど、遅かったみたいだね」
「また神奈子かっ!!」
神奈子こと『八坂神奈子』は化学担当の教師であり、よくよく実験と称して様々な事件を起こす事でも有名な教師であった。
彼女の名前を叫びながら、霖之助は教室内に鋭い視線を向ける。
にとりと空、本名『河城にとり』と『霊烏路空』は一年一組の生徒だ。
先程出席を取った時は確かに居たはずだが……。
『ひゅい?』
『うにゅ?』
いつの間にやら二人は、それぞれを模したと思われる、どことなくムカつく顔をした身代わりのロボットとなっており―――
ポロッ
『『ゆっくりして行ってね!!』』
違った、首の無いマネキンか何かにそれぞれの『ゆっくり饅頭』を乗せた、大分安上がりな身代わり人形へと変わっていた。
ちなみに、『ゆっくり饅頭』もしくは『ゆっくり』は、幻想郷学園の生徒の誰かしらを模した姿となること以外は、詳しい生態の判っていない珍生物である。
「……二人が教室を出てい居たのなら流石に気付く。つまり二人は最初から影武者だったと言う訳だ。こんなことが出来るのは……君だね、ぬえ!!」
「ぬぇ!? もうバレた!?」
「カマかけだったが、あっさり自白した事だけは評価しよう」
「しまった!?」
生徒の一人である『ぬえ』こと『封獣ぬえ』。
この少女は『正体を判らなくする程度の能力』を持っており、その能力を使ってにとりと空の二人が身代わりであるとバレない様に協力していたのでは? と、辺りを付けた上でのカマかけだったのだが、ぬえは白を切る事無く自分が犯人であると自白してしまった。
完全にうっかりである。
「まぁその事については置いておいて『ドゴォーーーン』……僕はちょっと神奈子たちを止めて来るから、授業は普通に始めておいて下さい。幽々子先生」
「いってらっしゃーい」
「行きますよ、諏訪子先生」
「はいはーい」
後ろから首に抱き着く様に、諏訪子が背中に乗ったのを確認した霖之助がダッシュで廊下をかけて行く。
その背中に幽々子がひらひらと手を振っていると、廊下から『こら、霖之助! 廊下を走るな!』『二回も爆発音が聞こえている時に気にする事かい、慧音!?』と言う声が聞こえて来たが、特に反応する者は居ない。
この程度の騒ぎは、幻想郷学園では日常茶飯事なのだ。
「はーい、それじゃあ授業を始めるわよ。今日やるのは、『竹取物語』より古い童話の『白鬼丸』よ」
「止めてくれ先生、その話は私に刺さる」
白鬼丸の名前を聞いた途端に顔を真っ赤にして俯いた生徒、『藤原妹紅』がそう言ったが、教師も生徒も全員聞き流していた。
これもまた、割といつも通りの光景だった。
この後妹紅は、『白鬼丸』を朗読させられて轟沈した。
当時の自分たちが実際には言っていないセリフがかなり多かったけど、朗読しながら当時の自分たちが言って居る姿や、今の自分たちが言って居る姿を想像したからこんな事に……。
この後輝夜に爆笑されて喧嘩になった。