東方転霖堂 ~霖之助の前世はサモナーさん!?~   作:騎士シャムネコ

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今回はちょっとだけ、戦闘描写を頑張ってみました。(それでも結構短いですが)
作者自身のスキルアップの為にも、今後は戦闘描写をきちんと書いて行かなきゃなぁ……。


第五十九話 「転生香霖と女神の残照」

(((((((メテオ・クラッシュ!)))))))

(((((((ミーティア・ストリーム!)))))))

(((((((クェーサー!)))))))

((((((ダークマター!))))))

((((((ソーラー・ウィンド!))))))

((((((マイクロ・ブラックホール!))))))

(ミラーリング!)

 

 

 『ガトリング・レールガン』はもう打ち止めだ。

 『ユニバーサルドラゴン』を瀕死に追い込み、『アストラルドラゴン』と『ボイドドラゴン』に何もさせずに一方的にダメージを蓄積させるという大活躍をしてくれた新魔法だが、その強力さの代償に使用している『オリハルコン球』の消耗が非常に早いという弱点を持っている。

 あらかじめ予備のオリハルコン球を大量に用意しておけば対応可能な問題なのだが……幻想郷では使う予定の無かった魔法だから、予備は用意していない。

 後で用意しておかないとなぁ。

 

 

(((((((六芒封印!)))))))

(((((((七星封印!)))))))

((((((十王封印!))))))

((((((フォース・フィールド!))))))

((((((プリズムライト!))))))

((((((ダーク・フォール!))))))

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)

 

 

 範囲攻撃呪文の連装で、瀕死だったユニバーサルドラゴンは沈んだ。

 残ったアストラルドラゴンとボイドドラゴンに、封印術の連装を追加する。

 

 残り二体、ここからは直接切り込むか!

 

「クトゥグア! ハスター! 立香くんの守りは任せたよ! ジャンヌは一緒に前へ!」

『承知!』

『お任せあれ!』

「ええ! 行きましょう!」

「立香くん、直に片が付くから待っていてくれ!」

「はい! お気を付けて!」

 

 

「神降魔闘法!」「金剛法!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」「ゴッズブレス!」

 

 

(フィジカルエンチャント・ファイア!)

(フィジカルブースト・ファイア!)

(フィジカルエンチャント・アース!)

(フィジカルブースト・アース!)

(フィジカルエンチャント・ウィンド!)

(フィジカルブースト・ウィンド!)

(フィジカルエンチャント・アクア!)

(フィジカルブースト・アクア!)

(メンタルエンチャント・ライト!)

(メンタルブースト・ライト!)

(メンタルエンチャント・ダーク!)

(メンタルブースト・ダーク!)

(クロスドミナンス!)

(アクロバティック・フライト!)

(グラビティ・メイル!)

(サイコ・ポッド!)

(アクティベイション!)

(リジェネレート!)

(ボイド・スフィア!)

(ダーク・シールド!)

(ファイア・ヒール!)

(エンチャンテッド・アイス!)

(レジスト・ファイア!)

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)

 

 

 久しぶり、というかジャンヌの話通りなら、およそ千三百年ぶりにゲーム時代の通常自己強化を発動させた。

 ゲーム時代とは違い、基礎となるのが半竜の身体能力である為、数値的にはゲーム時代よりも更に強化されているだろう。

 まぁ、その辺りはどうでもいい。

 呪文によって全員の強化も終わったことだし、後はこのまま突撃するのみ!

 

(ショート・ジャンプ!)

 

「キィャァァァァァァァッーーーーー!!!」

 

 アイテムボックスから両手斧である『オリハルコンペレクス』を呼び出しつつボイドドラゴンの頭上へと転移し、猿声と共に頭蓋へ振り下ろす。

 中々の手応え―――頭蓋を砕くには至らなかったが、罅を入れるのには成功したな。次の一撃で確実に砕ける。

 が、運が良いのか悪いのか、クリティカルヒットして気絶してしまったらしく、ボイドドラゴンはそのまま力無く地に伏せてしまった。

 

 む、もう少し楽しみたかったんだがな。

 まぁ良い。まだアストラルドラゴンが残っているからな。

 ジャンヌが片付ける前に、さっさとこいつを始末して合流するとしよう。

 全員、僕が仕留めて見せる!

 

「シャァァァァァァァァッーーーーー!!!」

 

「『爆ぜ轟け、激震の穂先(デトネーション・マキシマム・チャージ)』―――ッ!!!」

 

 振り被った斧をボイドドラゴンの頭蓋に振り下ろすのと同時に、離れた位置からジャンヌの真名解放の声が聞こえて来た。

 頭蓋を砕き、その下の脳漿を破壊する感触を手に感じながら振り向くと、そこにはアストラルドラゴンの胴体を騎乗馬ごと貫通したジャンヌの姿と、一瞬遅れて内側から爆破されて木っ端微塵にされるアストラルドラゴンの姿があった。

 ああっ! 僕が仕留めたかったのに!

 

 思わずがっくりと肩を落とす。きっと僕は今、玩具を取り上げられた子供みたいな顔をしているだろう。

 僕のそんな気持ちはお見通しであるようで、手にした旗を翻しながらこちらを振り返ったジャンヌは、「全くしょうがない人ですね、あなたは……」と言わんばかりの苦笑を浮かべていた。

 

 これだったら、自己強化は抜きにした方が楽しめたかなぁ……。

 そんな風に後悔しながら、地下空洞内での戦闘は終了した。

 

 

 

 時間すると三十分にも満たない戦闘は、若干不完全燃焼気味に終わってしまった。

 いやまぁ、僕の我儘だとは判っているが。

 先にジャンヌが立香くんと合流するのに遅れて、僕は三体のドラゴン達の死体に『剥ぎ取りナイフ』を突き立ててドロップアイテムを回収してから合流した。

 拾えたのは『色空竜の皮』に『星結晶』、『虚無竜の翼爪』の三つだった。

 

 まぁ、中々かな? 今更特に珍しいアイテムでも無いし、何ならこの街で出たスケルトンたちのドロップとして回収した『凶骨』の方が珍しい位だったが。

 なお、この凶骨は襲撃して来たスケルトン一体に着き一、二個くらいの頻度で落ちたため、かなり沢山手に入ってのだが、これを立香くんがとても欲しがり、売って欲しいと言って来た。

 

 返答は取り敢えず保留にして置いたが……ううむ、どうしよう。

 研究用にいくつか持っておきたいが、それ以外を売るのは問題無い。

 立香くんが対価として提示して来たカルデアの通貨だというQP(クオンタム・ピース)もかなり興味深い素材であった。

 

 異なる世界を跨いでの商売となれば、正に商人冥利に尽きると言った所だが……一番の悩みどころは、適正価格が判らない事なんだよなぁ。

 未知の素材に、未知の通貨、どのくらいの価格設定が正しいのか? 非常に難しい問題だ。

 商人スキルを持っていればある程度判ったのだろうが、ゲーム時代に取って無いからなぁ。

 まぁ無い物ねだりをしてもしょうがない。立香くんからも良く話を聞いて、適正価格を見極めるとしよう。

 

 

 三体の素材を回収して戻ると、クトゥグアとハスターに守られた立香くんが駆け寄って来た。

 

「お疲れ様でした、霖之助さん! 何か拾っていたみたいですけど、あれは……?」

「あのドラゴン達の素材だよ。折角だから、お土産に一つ持って行くかい? 皮や爪は大き過ぎて無理だろうけど、この結晶なら問題無いだろう」

「良いんですか? 凶骨と一緒に払いますよ?」

「一つくらいは、今後ともご贔屓にという事で良いさ。それに、『星結晶(これ)』はもうそれなりに在庫が余っている素材だからね」

 

 そう言い含めて立香くんに星結晶を持たせる。

 

「わぁ、綺麗ですね」

「落とさない様に大事に持っておくと良い。何せ……僕らにドラゴンたちを嗾けた黒幕のご登場だからね」

「え……?」

「隠れてないで出てきたらどうだ! その為に、態々この場に来たんだろう?」

 

 最初に三体のドラゴンが待ち構えていた場所の、更に後ろへ視線を向けながら声を掛ける。

 一拍遅れて、何も無い空間から溶け出る様に、黒幕が姿を現した。

 

 

『―――やはり気付くか、忌々しい神殺しめ』

 

 

 ノイズの走った様な、酷く聞き取り辛い声が響いた。

 現れたのは、ヘラクレスのシャドウサーヴァントと同様に、黒い影に包まれた人型だった。

 人型はゆっくりと、しかし先ほどのドラゴン達がまるでただの動物に感じるほどの圧力を伴って歩いている。

 僕やジャンヌ、クトゥグアとハスターは平気だったが、ただの人間でしかない立香くんは呼吸をする事すらままならない様子である。

 

「……ぐっ!?」

「下がってなさい、立香くん。彼女が用があるのは僕だからね」

 

 彼女。そう、現れた黒い人型は女性だった。

 そして僕は……それが何者であるのかを、能力を使うまでも無く理解してた。

 何故なら、それは僕が会った事のある存在だったからだ。

 

「あなたが出て来るのは予想外だったが……ある意味僥倖と言っても良いのかな? 何故あなたがここにこうして存在で来ているのか、理由を聞いても? ―――女神ツィツィミトル」

 

 

 女神『ツィツィミトル』。

 ゲーム時代に遭遇した、世界を滅ぼす力を持つという女神だ。

 魔獣を従える力を持つ彼女なら、あの三体のドラゴン達を使役していたのも納得出来る。

 問題は、何故ゲーム内の存在であった彼女が、こうしてこの場所に存在しているのかという事だ。

 それを知ることが出来れば、召魔の森を取り戻すのに役立つかもしれない。

 

 が、―――

 

 

『―――それを貴様に話す道理が、私にあると思っているのか? 神殺し』

 

 硬質な、それ以上に煮えたぎる様な怒りと憎悪を感じさせる声が返って来る。

 聞くまでも無く、答えるつもりは無いようだ。

 

 まぁそうだよなぁ。前世とは言え……僕、彼女の事を三回くらいぶっ殺してるからなぁ。さもありなん。

 

「ま、答えてくれるとは思っていなかったが、予想通り過ぎる返しだね。そっかそっかぁ………では死ね」

 

(ショート・ジャンプ!)

 

 いつかの焼き直しの様に、転移呪文でツィツィミトルの背後を取りながら、アイテムボックスから召喚した『虚無竜のデスサイズ』を振り被る。

 殺したところで死体は残らないだろうが、消滅するまでに数秒あれば、僕の能力で情報を引き出すことは出来る。

 どうやらかつてゲーム内で出会った時よりも大分弱体化しているようだったが、本物の神を相手に油断をするつもりは更々ない。

 

 僕は一切の躊躇いなく、横薙ぎにデスサイズを振り抜いた。




ドラゴン三体を配備して居た黒幕、『シャドウ・ツィツィミトル』の登場です。
シャドウサーヴァントと違って人格ははっきりしていますが、ゲーム時代より弱体化と言うか、劣化しているのが現在のツィツィミトルになります。

何故、ツィツィミトルが存在しているのか? その謎はこれから少しずつ明らかにして行こうと思います。
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