東方転霖堂 ~霖之助の前世はサモナーさん!?~   作:騎士シャムネコ

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二次創作楽しいなぁ。

なろうの方でオリジナル作品を書いてますけど、どうにも煮詰まっちゃったんでこっちに来たんですが、久々に筆が乗る感覚が続いてて楽しいです。

改めて、オリジナル作品で面白い作品を生み出している方々の偉大さを実感しています。


第七話 「転生香霖と霧雨の火炉」

 今日は細かな雨が降っているな、こういった日は読書に限る。

 ダンジョンに潜ると言うのも一つの選択肢だが、つい昨日掃討戦をしたばかりだし、それほどモンスターも増えていないだろう。

 前世の記憶を取り戻してから、僕は体を動かす事と家でじっとしている事の両方を楽しめるようになった。

 今の僕程時間を有意義に楽しめる者も、そうはいないのではないだろうか。

 

 ―――カラン、カラン、バンッ!

 

「おい幻想郷の中心、早速だが何か拭く物を貸してくれ」

 

 目を向けると、濡れて少ししんなりしたいつもの白黒の姿が見えた。

 ああそう言えば、僕の周りには僕以上に人生を楽しんでいる少女たちが居たな。

 彼女たちが楽しむのに比例して、僕が被害を被ることも多々あるが。

 

「中心って、一体何の事かな魔理沙? ……って、かなり濡れているじゃないか。このタオルを貸すからよく拭くと良い」

 

 よく見ると思った以上にずぶ濡れだった魔理沙に、近くにあった使っていない綺麗なタオルを手渡す。

 魔法で一気に乾かすという手もあったが、加減が難しい上に服の生地はおろか髪や肌も痛めてしまうかもしれないので使うのは止めた。

 自分に使う分には良いが、女の子相手では流石に気が引ける。

 

「おっと悪いな。それにしても香霖、何で本を読んでいるんだ? 今日は雨の日だぜ? いつもは『晴れの日は本を読むに限る』って言っているじゃないか」

「晴れの日は『灯りを消して』本を読むのに限ると言ったんだよ」

「あ、そうそうこれやるよ。適当に喰って明るくなりな」

 

 魔理沙は体を拭きながら帽子を差し出した。中はキノコでいっぱいである。

 

「こんな怪しい物を食べろって言うのかい? まぁ、魔理沙の持って来た物なら大丈夫だと思うが……」

「キノコ汁にしろって事だ。あいよ、タオル返すぜ」

「おっと。って、もっとちゃんと拭きなさい! そんな状態で売り物を濡らされたら困るよ。ちょっとそこに立ってじっとしてなさい」

「そこは、私が風邪をひかないか心配するもんだぜ。っと、拭いて貰って悪いな。とにかく、今日は仕事の依頼を持って来たんだ。珍しいだろ?」

 

 魔理沙が放り投げて寄越したタオルを横に置き、新しいタオルを出して魔理沙の体を拭いてやる。適当に拭いたのか、まだかなり水気が多い。

 男の子じゃ無いんだからもっと丁寧に拭いたらどうなんだ? とは昔から言っているのだが、この娘は「香霖に拭いて貰った方が早い」と言って、改める気が更々無いのだ。

 大人しく僕に拭かれている魔理沙は「これの修復を依頼しに来たんだよ」と言って、スカートの中から八角形の香炉の様な物を取り出した。

 かなり使い込まれているようだが、所々に錆が目立つ。

 

「ああ、懐かしいじゃないか。この『ミニ八卦炉』、まだ使っていたのかい?」

「毎日酷使している、フル活用だぜ。 ……ただ、錆びちゃってな」

 

 この『ミニ八卦炉』は僕が記憶を取り戻すよりもずっと前、魔理沙が家を飛び出した頃に僕が作成してやったマジックアイテムだ。

 見た目は小さいが、これ一つで山一つくらいを焼き払えるほどの火力を持っている。

 色々な機能を持たせているので、暖房にも実験にも戦闘にも、何にでも使えるだろう。

 

「もう、これが無い生活は考えられないぜ」

「そうか、そう言って貰えれば道具屋冥利に尽きるよ」

「だから、もう絶対に錆びない様に修復して欲しい。そうだな、炉全体を『ひひいろかね』にしてくれ」

「……『緋々色金』、だって?」

 

 突然魔理沙から飛び出して来た異質な単語に、一瞬反応が遅れてしまった。

 

「驚いたな、まさか魔理沙が緋々色金を知っているとは思わなかったよ」

「知ってるぜ。良いもんだろ」

「ふむ、確かに緋々色金は素材として非常に優秀な金属だ。稀少な品だが、少しだけ僕が持ち合わせている物もある。それを使ってやっても良いんだが……」

「お願いするぜ」

 

 緋々色金は、確かに錆びる事の無い金属だ。どんな環境下でも材質が変化する事が殆ど無いから、これを使えば最高のマジックアイテムが出来るだろう。

 それに今の僕には、かつてとは違い前世から引き継いだ記憶と能力、そして前世で手に入れた数々の素材がある。

 それらを使えば、一体どれほどの物を作り上げることが出来るのか……一人の技術者として、挑戦してみたい気持ちも大いにある。

 

「そうだな。その依頼、請け負っても良いよ」

「ほんとか? それは助かるぜ」

「ただし、一つ条件がある」

 

 技術者としての気持ちは、寧ろ是非やらせて欲しいというものだったが、商売人としての気持ちがそれを押しとどめた。

 そこで僕は、折角だからと前々から興味があった物を交換条件として魔理沙に提示した。

 

「前に魔理沙が集めていた鉄くずがあったろう? 何に使うのかは知らないが」

「大事に使う様の鉄くずだぜ」

「大事だろうが使わなければ死蔵しているのと変わらないだろう? ……いや、今のは忘れてくれ。投げたブーメランがトマホークになって帰ってきた気分だ」

「なんだそりゃ?」

 

 この表現は魔理沙には分かり辛かったか。ブーメランとトマホークは、どちらも投擲武器の一種だ。トマホークは投げ斧と言い換えても良いが、まぁそんな事はどうでもいい。

 

「それよりも、その大事な鉄くずの中に確か古びた剣があっただろう? アレを譲ってくれれば、依頼料を大きく負けても良いぞ。ついでに処分に困ってそうな鉄くずの方を引き取っても良い」

「本当か! ……でも良いのか。あんな小汚い剣一本にそんな価値があるとは思えんが?」

「いやいやいや、確かに今は汚れているかもしれないが、あの剣はかなりの業物だよ。一度じっくり見ておきたいと思っていたんだ」

「ふーん、そんなにか。 ……どうしようかなぁ」

 

 そう言って悩む仕草を見せる魔理沙。どうやら実は価値がある物だったと判って、手放すのが惜しくなったらしい。

 

「嫌なら嫌で構わないけど、その時はきっちりと代金を全額支払って貰うよ。今回ばかりはツケも無しで、即金で用意して貰う。緋々色金はそれくらい稀少な物なんだ」

「ああ、判った判った! あの剣を渡せば負けてくれるんだろう!? だったら持ってくるよ。ついでに鉄くずも処分してくれるんだよな?」

「ああ、もちろんだとも。現物の剣を渡してくれるなら、残りの代金はツケでも良いよ」

 

 

 

 「修復には四日かかる」と伝えると、魔理沙は「それまでこの本でも読むぜ」と言って売り物の本を持って帰って行ってしまった。うちは図書館では無いんだがな。

 それと、ついでにミニ八卦炉無しで不便であろう魔理沙には、ゲーム時代に『冥府の白ポプラ』という木材から作った『冥府の杖+』を代わりに渡しておいた。

 台座に埋め込まれたダイヤモンドを始めとする宝石類を見て魔理沙は驚いていたが、性能で言えば『涅槃の閂』から作った『菩提の杖+』の下位互換の様な物だから、大した品じゃ無いんだがなぁ。

 

 さて、それはそうと久々の大仕事だ。

 地下工房の作業台の上には、魔理沙の置いて行ったミニ八卦炉と倉庫から引っ張り出した緋々色金に加えて、能力で呼び出した、生前手に入れた素材アイテムの中でも最上位の素材たちが並べられている。

 

 魔石系統のアイテムの最上位である『魔結晶』に、聖なる力を宿す『聖結晶』、召魔の森の闘技場で英霊を呼び出す為に使った『星結晶』に、最上位金属である『オリハルコン』。

 

 錬金術スキルの技能である『呪符生成』によって作った、使用した魔法を増幅する『ミラーリングの札』に、継続回復魔法である『リジェネレートの札』と回復と状態異常の解除を行う『リフレッシュの札』、短距離転移を行う『ショート・ジャンプの札』に、防御力の向上と魔法技能の向上を行う『フォース・フィールドの札』、それにステータスを強化する『エンチャント』系、『ブースト』系の札に、その他色々。

 

 それから『神樹石』と『コルヌー・コピアイ』、『色空竜の瞳』や『蜃帝真珠』に『如意宝珠』と、使えそうな物は片っ端から組み込んでやるつもりだ。

 

 くくっ、これだけの素材を使うのだ。ともすれば太上老君の持つオリジナルの八卦炉にも比肩するほどの逸品となるかもしれない。

 いやぁ、今から完成が楽しみだなぁ。

 

 あ、後なんか生成可能になってた『精霊召喚』と『英霊召喚』系統の呪符も全種類突っ込んでおこう。

 そもそも使えなかった精霊召喚が出来る様になったり、英霊召喚のクールタイムがなくなってたり、取得していなかった英霊の召喚呪文も使えるようになっていたのは、僕の能力が『召喚術を操る程度の能力』になったからかな? 

 正直、驚いたなぁ。

 

 

 

 それから三日がたった。今日は晴れだ。灯りを消して本を読むに限る、とはこういう日の事である。

 

 ―――カランカラン

 

「香霖、出来たか?」

「魔理沙か。ああ、出来ているよ」

 

 魔理沙が剣と鉄くずを抱えてやって来た。しかも四日かかると言ったのに三日でやって来たのである。

 まぁそれもいつもの事だ、だから僕はいつも一日多く言う。

 

「おお、悪いな。これはここに置いとくよ。もし出来て無かったらまた持ち帰るところだったぜ」

「一日早く来ておいて、理不尽な事を言うんじゃないよ。それに、また持ち帰る理由も分からんな。往復の手間がかかるだけだろうに」

「完成品と交換と言う約束だからな」

「まぁいいさ、これが緋々色金(とその他諸々)……のミニ八卦炉だよ。多分世界に一つしかない」

「うん? 今なんかボソッと付け足さなかったか?」

「気のせいだ」

 

 僕の小声に気付いた様子の魔理沙だったが、そんな事よりも完成したミニ八卦炉の方が気になるようで、早速手に取って色々な角度から眺めていた。

 これがひひいろかねか。と魔理沙は興奮しているが、実際に緋々色金が使われているのは表面のコーティングなどが主であり、骨組み部分などはオリハルコンやオリハルコンと緋々色金の合金を使用している。

 これによってミニ八卦炉は、極めて劣化がし難く、同時に破壊が不可能に近いほど頑丈で、その上魔法の使用に極めて大きく貢献する。という特性を持っている。

 他にも魔結晶類を組み込んだことで、独自に魔力を生成し続ける魔力炉心となっていたり、自己修復機能や所有者の自動回復機能なんかも働いていたりと、様々な機能があるのだが、これらは所有者である魔理沙が実際に使用して体感すべきものであろう。

 

 多種多様なミニ八卦炉の機能を、魔理沙はまだ欠片たりとも実感出来ていないだろうが、そんな事関係無いと言わんばかりに嬉しそうにしながら、珍しくすぐに帰って行った。

 恐らく、その辺の妖怪を相手に実地試験で性能を確かめようとしているのだろう。

 被害者となる妖怪たちには、心の中で合掌をしておこう。




アイテム作成チートの霖之助とサモナーさんの資産(溜め込んだ数々の素材アイテム)が合わさり最強に見える。

技術者に潤沢で高品質な資材を与えるとどうなるのかって? こうなるんだよ!



~その後の転生香霖と魔理沙~


「香霖! 新しいミニ八卦炉を使い始めてから、体の調子が良いぜ!」
「そう言う機能を持たせたからね」

「香霖! 新しいミニ八卦炉を使ったら、マスタースパークの威力が段違いになったぜ!」
「そう言う機能を持たせたからね」(笑顔)

「香霖! 新しいミニ八卦炉を使い始めてから、私も瞬間移動が使えるようになったぜ!」
「そう言う機能を持たせたからね」(超笑顔)

「香霖! 新しいミニ八卦炉を使い始めてから、弾幕ごっこの時に精霊たちが現れて一緒に攻撃してくれたり、弾幕ごっこ以外でも家で精霊たちが現れて、掃除何かをしてくれるようになったぜ!」
「そう言う機能を持たせたからね」(邪悪なほどの笑顔)

「香霖! ……新しいミニ八卦炉を使い始めてから、夢の中に変なおっさんたちが現れて、私に魔法を教えてくれるようになったんだぜ。錬金術師のパラケルススと道化師のオイレンシュピーゲルって名乗ってたけど」
「そう言う機能を、持たせたつもりは無かったんだけどねぇ……?」(困惑)


1、ミニ八卦炉は膨大な魔力を秘めた魔力炉心である。
2、ミニ八卦炉には英霊召喚の機能が組み込まれている。
3、ミニ八卦炉に組み込まれたコルヌー・コピアイは神話に置いてあらゆる願いをかなえる万能の願望器と伝えられている。

……あれ、これって聖杯じゃね? (Fate並感)
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