RIDERTIME Hameln   作:砂袋move

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前回に引き続きフリーゲル編となります。
果たして、ソウゴ達はフリーゲルの力を継承できるのか!?


IF02「王様になりたいのですが、それとは関係無く人助けはずっとしてきました2017」

ーこの本によれば、普通の高校生・常盤ソウゴ。彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。

突如現れたアナザーライダーを追う中で2人の少年と出会う我が魔王。

彼らこそが今回の物語の鍵であり、我が魔王は彼らからウォッチを受け継ぎ、仮面ライダーフリーゲルの力を…

おっと失礼、今のは忘れてください。

 

 

 

「危ないッッ!!!!!」

 ジオウは走り出すと同時に腕のホルダーに付いていたウォッチを取り出す。"バイク"と書かれたそれを前方に投げるとたちまちその字の通りにバイクの姿になる。

 専用バイク・ライドストライカーに飛び乗りアナザーライダーを擦り抜けると一足早く2人を抱きとめ、そのまま走り去っていくジオウ。

 翼達を取り逃したアナザーライダーもまた跳躍して姿を消し、残されたのは変身解除するゲイツとその傍らに立つツクヨミであった。

「あいつら…ウォッチを持っていたという事は…」

 ゲイツの言葉に頷くツクヨミ。事態を察した2人はソウゴ達の後を追い走り出した。

「ふぅ〜、危なかったぁ。2人とも大丈夫!?」

 ひと段落着くとジオウが後部座席に乗せた2人の安否を確認する。

「あぁ、俺は大丈夫。でも翼は…」

 疾風が返答するも当の翼は俯いている。

「えっ!?大丈夫、何かあったの!?」

「気持ち悪い…」

 翼は青ざめた顔で口を抑えながら何とか呟いた。

「こいつ乗り物酔い激しくて…」

「えぇぇぇ!!ごめ〜〜〜ん!!!」

 路上を駆け抜けるバイクの走行音と共にソウゴの声がこだまする。その後急いで停車したのは言うまでもない。

 

 

 一方その頃、ゲイツ達の元を離れ逃げ延びたアナザーライダーが何処かの高層ビルの屋上に辿り着く。

 吹き込む風に煽られながら怪人の姿から普通の工事現場で働く作業員に姿を変える。

 アナザーライダーになった作業員__落合は気を落ち着かせる為深呼吸を取ると彼の前に1人の男が現れる。タイムジャッカーのツァイトである。

「どうも、どうやら順調のようですね」

 ツァイトがそう言って落合に向けて近況報告を尋ねる。

「あぁ、何とか今日までやれている。だが…」

「やはり彼らが気掛かりですね」

 ツァイトが眼鏡を指で動かす仕草を取ると、再びタブレットをちまちまと弄り始める。彼らとは勿論ソウゴ達ライダーの事である。

「しかし、問題ありませんよ。何故なら貴方様は仮面ライダーフリーゲルの力を持った"アナザーフリーゲル"なんですから」

 

 遡る事1年前、2017年。

 落合は建設作業員としてクレーンを扱う作業を行なっていた。

 何事も無い筈の仕事の中、それは突然起きた。

 ほんの一瞬気を逸らした間に突然クレーンが支えていた鉄骨が落下したのだ。

 落下した鉄骨は建設中の建物に当たり、その衝撃で何本か柱が倒れる。やがて周りの支えが崩れていきー

 落合はその瞬間で時間の流れから隔離された。崩壊する建造物が空間で静止し続け、替わりにこの場所に相応しく無い服を着た中年の男が立っている。

「あんた一体…?」

「私、タイムジャッカーのツァイトと申します。どうやらお困りのようですね」

 ツァイトはその陰気な雰囲気とは打って変わって、素早い動きで足場の悪い鉄骨を渡り歩く。

「正直に申し上げますと、このままですと貴方様は甚大な被害を受けると共に建設会社にも多大なる損失を被る事になります」

 状況が飲み込めない落合に対しツァイトは一方的に淡々と話し続ける。

「しかし私なら貴方様を助ける事が出来ます。どう致しますか?」

「た、頼む…助けてくれ…」

 しかし、自分のせいで自分が今飛んでない事に巻き込まれているのを理解した彼は縋るようにツァイトに頼み込んだ。

 そんな反応にツァイトは満足そうに頷くと、おもむろに彼の周りをぐるぐると回りながらタブレットにある情報を読み上げ始める。

「うんうん…"プラモデルのように物を組み立てる建築士"。"中年男性"で"乗り物に乗って仕事している"」

 そして落合の後ろに立つと耳元に向かってわざとらしく小声で呟いた。

「何よりも…"自分の事にしか頭に無く、他者に無関心"なところ…気に入りましたよ」

 ツァイトがブランクウォッチを取り出すと、たちまちウォッチに変化が生じる。

「では、参ります」

 姿を変えたアナザーウォッチのボタンを押し起動すると、落合の背中を押し破って体内に取り込ませた。

「今日から貴方様が、仮面ライダーフリーゲルです…」

 ウォッチを押し込まれた落合の体が邪悪なオーラに包まれ、やがて醜悪なロボットを模したような姿が露わになる。

『フリーゲル…』

 かくして落合はアナザーフリーゲルとなり、事故の真実を揉み消す為その時の事故に関わっている作業員達関係者を1年に渡って次々と襲っていき今に至るのだった。

 

 

 ソウゴ達は近所の公園にまで来ていた。

「翼、疾風。さっきのウォッチの事なんだけどさ」

「「え?」」

 ソウゴの言葉に2人は今まさに気付いたかのようにポケットを探るとウォッチを取り出した。

「あれ?」「何だこれ?」

「2人がこれを持ってるって事は…君達、もしかして仮面ライダーだったの?」

 ソウゴが疑問を口にするが当の2人は全く話が理解できたいないようだった。

「えっと…仮面ライダー…?って何ですかね…?」

 翼と疾風の明らかな違和感にソウゴが気付く。

「もしかして2人ともまた記憶を失ってる…?」

「どうやらそのようだな」

 不意に後ろから声が聞こえ、振り向くとゲイツとツクヨミがこちらにやって来ていた。

「ゲイツ、ツクヨミ…」

「理由は分からんが、とにかくそのウォッチがあればあのアナザーライダーを倒せるかもしれん」

「2人ともそのウォッチを私達に渡してくれるかしら?私達があの怪物を倒す為に必要なの」

 ゲイツとツクヨミは翼と疾風の前に立つとウォッチを渡すように頼む。しかし…

「俺らには詳しい事はよく分からない。けど…」

「只、貴方達がこの力を正しく使ってくれるかどうか分かるまではこれは渡せません」

 そう言って翼達はウォッチを仕舞うとソウゴの前に立つ。

「ソウゴさん。貴方は前に困っている人をほっとけないと言ったし王様になるとも言っていた。そんな貴方が何故あの怪物と戦っているのか、その理由を教えて下さい」

「え?」

 突然の翼の言葉にソウゴは困惑する。

「きっとこれが何かの力で、あの怪物を倒すのに必要なのだろうと言う事は分かる。でも、ただ力で捻じ伏せるだけだって言うならこの力は渡せない」

「僕達はさっきのプラモデル屋で待ってます。答えがまとまったらそこに来てください」

 そう言って翼と疾風はソウゴ達の元を去っていった。翼の言葉の意味を考えるソウゴに対してゲイツとツクヨミは頭を悩ませた。

「向こうから渡してはくれないか。仕方ない、先にアナザーライダーの出所から探るか」

 強硬してウォッチを取ることは出来ないゲイツ達は、翼達とは反対方向の道を歩こうとしたところ突然声を掛けられる。

「その必要はないよ」

 あたりを見回すと、路上の木陰からウォズが現れる。

「うわっ、また出た!」

「ウォズ…」

 ソウゴとツクヨミがそれぞれの反応を示す中、対するゲイツは目に憎悪を滾らせ拳を強く握ると突然ウォズに殴り掛かる。

「貴様…どの面下げて出てきたァ!!」

 しかしウォズは華麗に攻撃を躱し逢魔降臨歴を広げる。

「この本によると2017年から今回の事件は始まったと書いてある」

「2017年?」「そういえば、あのアナザーライダーにも2017年と書かれていた」

 ウォズの話を聞き、合点がいくソウゴとツクヨミ。しかし、先程避けられたゲイツは不満そうに立ち上がるとウォズの前に立ち高圧的な態度を取る。

「貴様の言う事など信じられるか。大体俺達にそんな事を教えて何の為になる」

「別に私は君達の為に言っているのではない、我が魔王に助言をしているだけだよ」

 しかしそんな威圧に流される事なくウォズは飄々と言い放った。

「さぁ、後はウォッチを手に入れアナザーライダーを倒すだけだよ。我が魔王」

 すると突然公園の近くに停められた車のランプが一人でに点灯したかと思うといつの間にかウォズは消えていた。

 次から次へと物事が続き困惑するゲイツとツクヨミに対して、ウォズから与えられた情報も含めソウゴはこれからの行動を考えてると2人に言った。

「ツクヨミ、ゲイツ。2人は先に2017年に向かってくれる?俺は翼達からウォッチを貰ってくる」

「何?」

「ウォッチを貰ったらすぐに俺も2017年に行く。だからそれまでアナザーライダーを持ち堪えてくれるかな?」

 ソウゴの提案にゲイツは眉をひそめるが、一方ソウゴは真っ直ぐな目で2人を見つめている。しかし、今この現状にとって自分達では拉致が開かないと判断したゲイツ達はソウゴの考えを受け入れた。

「良いだろう、だがお前を信じる訳じゃない。状況を打開する為にお前を利用するだけだ、良いな」

 念入りにそう言うゲイツにソウゴは満面の笑みで頷く。

「うん、分かってるよゲイツ」

 

 

2017年

 この時代、人々の平和を守る為人知れず戦っている者達がいた。街を暴れ回るのは結晶型の体組織を持つ怪人・アクロム。通常兵器が一切効かない彼らに対抗する為に専用組織のサポートの元、翼と疾風は勇敢に立ち向かっていた。

2人はアクロムの前に立つとベルトを装着し、プラモデルのライナー型のアイテムを起動する。

《WZ-R-03 フリーゲル!》

《WZ-R-02 イカラス!》

「「変身!!」」

《ビルドアップ! フリーゲル! ウィンガー ソード!》

《ビルドアップ! イカラス! ウィンガー バレット!》

 ベルトを操作して翼はフリーゲル、疾風はイカラスに変身する。ライダムと呼ばれる彼らは唯一アクロムに対抗する事ができる力を持っている。

 フリーゲルはシンプルに武器や装甲を見に纏った騎士のような姿に対して、イカラスは変形機構を持つ戦闘機のようなフォルムを兼ね備えている。それもその筈イカラスは巨大な戦闘機のような形態に変形でき、乗り物に乗ることができない翼を乗せて飛行する移動手段も兼ねているのだ。

「飛山翼、目標を完成させます」

「行くぞ!翼!」

 変身完了した2人はアクロムに向かっていき攻撃を加える。

 激しい攻防の末、距離を取ったフリーゲルが、アクロムを必殺技で叩こうとベルトを操作する。

[ヒッサツビルド!フリーゲル!コンプリートフィニッシュ!]

 そして、飛び上がりキックを放とうとした瞬間__突然目の前のアクロムが一人でに爆散した。そして爆炎が晴れた先には、見慣れない異形の存在が立っていた。そう、アナザーフリーゲルである。

「何だあいつ…?」「アクロムを倒した…って事は彼もライダムなのか…?」

 突然の事態に2人が困惑する中、アナザーフリーゲルは今度は翼達に狙いを変え襲い掛かってくる。急に矛先を向けられた2人は不意を突かれアナザーフリーゲルに対して防戦一方となる。今まで数多くの戦いを潜り抜けてきた彼らには、そこまで苦戦するような相手では無いのだが徐々に異変が現れ始めたのに気付く。

「何だこれ…力が抜けていく…?」

 フリーゲルとイカラスの体にノイズが走り始め、変身が維持できなくなっていた。それもそのはずアナザーフリーゲルが生まれた事によって、フリーゲルの歴史が塗り替えられ始めていた。

 突然現れた謎の怪人と体に起こる未知の現象。

 これらの要素によって翼達は戦闘を継続できなくなっていき、やがて光の粒子となって強制的に変身が解除されてしまう。しかし、アナザーフリーゲルは攻撃を止めない。生身の翼達に凶刃が振るわれそうになった時、

『タイムマジーン!』

 突然横から巨大な乗り物が通り過ぎ、アナザーフリーゲルを吹っ飛ばす。中から現れたゲイツとツクヨミはすぐ様状況を整理する。

「どうやら、やはりこの時代であっているようだな」

 先程吹っ飛ばしたアナザーフリーゲルと対面するとゲイツはウォッチを起動して変身し向かっていく。

 

 

 一方現代。2018年。

 ソウゴは翼達に言われた通り、件のプラモデル屋に来ていた。

「来ましたね、ソウゴさん」

 翼と疾風が迎え入れる。

「先程の質問、答えて貰っても良いですか?教えて下さい、ソウゴさんは何の為に戦っているんですか」

 翼が投げかける質問に対しソウゴは素直に答える。

「俺には王様になりたいっていう夢がある。でもそれは元を正せば世界を良くしたいから、みんなが幸せでいて欲しいから王様になりたいんだ。例え王様じゃなくっても困っている人、苦しんでる人をほっとくなんて出来ない。人々を守る為に俺は戦ってるんだ」

「人々を守る為…ではもしもその平和を脅かす敵が僕らと同じ人間だったとしたら…ソウゴさんはどうしますか?」

 ソウゴの答えを受けさらに翼が質問を重ねる。

「僕らが人助けをするのも、勿論誰かを救いたいからです。ならもし敵側にも事情があって仕方なくやっているとしたら、ソウゴさんはどうしますか」

 事実、今回戦っているアナザーフリーゲルも過去に自分が犯した過ちによって、他に手がなく暴れているに他ならない。

 そんな者たちをどうするのかという問いに、ソウゴは先程と同じようにはっきりと答えた。

「なら勿論そっちも助ける!俺が王様になった時はみんなが俺の民だから。俺ができることがあれば手を差し伸べたい!ゲイツもツクヨミもそれは一緒だから」

 胸を張ったソウゴの答えに翼達は納得したように頷いた。

「そうでしたか、それを聞いて安心しました。このウォッチは貴方達に持つ資格があるようですね」

 そう言って翼と疾風がウォッチを取り出す。翼の持つウォッチは汚れのない白を基調とした色をしており、一方疾風は澄んだ空のような青々としたウォッチを握っている。

「ソウゴさんならきっと良い王様になれますよ」

「後のことは任せたぜ」

 ソウゴはウォッチを両手に握りしめ翼と疾風に礼を言う。

「ありがとう!翼、疾風!」

 ソウゴはプラモデル屋を出るとタイムマジーンに乗り込みゲイツ達が戦う2017年に飛んだ。

 そんなソウゴの背中を翼と疾風は静かに見送った。

 

 

2017年

 ゲイツがアナザーフリーゲルと戦うがやはりその戦法に苦戦していた。

 アナザーフリーゲルの周りに再びライナーが現れ自動的に武器が組み立てられる。今度は長槍とさらに巨大な盾を手に取りゲイツを押していく。

「くっ…、やはりウォッチが無いと倒せないのか…!」

 それでも何とか耐え続けるゲイツ達の前にソウゴのタイムマジーンがやって来る。

「ゲイツ!ツクヨミ!お待たせ!!」

「遅いぞ!ジオウ!」

 ソウゴはすぐ様ドライバーを装着しウォッチを起動し変身する。

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 ジカンギレードを握りアナザーフリーゲルを退けるとゲイツの横に並ぶ。

「ゲイツこれ」

 そう言ってジオウがイカラスのウォッチを渡す。

「…いいのか?貴様」

「あいつを倒すにはゲイツの力も必要なんだ」

 ゲイツは暫しジオウを見つめると黙ってウォッチを貰う。

「仕方ない、手を貸してやる」

「よしじゃあ俺も!」

 ジオウがもう一個のウォッチを起動する。

『フリーゲル!』

 そして、ジクウドライバーにはめるとベルトを一回転させる。するとジオウの前にフリーゲルも模したアーマーが召喚されやがてジオウの体に装着されていく。

『アーマータイム!ビルドアップ!フリーゲル!』

 フリーゲルを意識した白い機体が所々に点在し、肩には巨大なライナーがそのままくっついている。両手にはビームソードと盾が予め腕に一体化しており、そして顔の複眼にはでかでかと"フリーゲル"の文字が並んでいる。

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・フリーゲルアーマー。また一つ、ライダーの力を継承した瞬間である!」

 すかさず何処からともなくウォズが現れ祝う。

 翼は自分が見慣れた姿のジオウに寄って行き、自分達の思いを託す。

「僕らの代わりに…お願いします!」

「うん!よーし…常盤ソウゴ!目標を完成させちゃってみます!」

 ジオウとゲイツがアナザーフリーゲルに向かって駆け出す。

 アナザーフリーゲルは盾をビームライフルに変え抵抗するが、フリーゲルアーマーの盾に跳ね返され長槍はゲイツによって払い落とされる。

 再びビームソードと盾を召喚し2人に斬りかかるものの同じビームソードに太刀打ちされ、斬り合いの末敗北する。

「これで決める!ゲイツ!」

 ジオウに呼ばれたゲイツはジカンザックスのゆみモードにイカラスのウォッチを付ける。

『フィニッシュタァイムッ!』

『イカラス!ギワギワシュート!』

 ジカンザックスから放たれたエネルギー弾が戦闘機形態に変形したイカラスに形を変え空中を旋回する。それに合わせてジオウもウォッチを起動し必殺技の態勢に移る。

『フィニッシュタイム!フリーゲル!』

 ジクウドライバーを回すと肩に付いているライナーが巨大化して飛び出し、アナザーフリーゲルをライナーに付いたプラモデルの部品のように絡めとり固定する。

『コンプリート!タイムブレーク!』

 ジオウが飛び上がりイカラスのエネルギー弾の上に着地すると、そのまま勢いよく滑空しアナザーフリーゲルに突撃していく。

 そして直前で乗り捨て、イカラスのエネルギー弾がライナーに固定されたアナザーフリーゲルにぶつかり大爆発を引き起こす。

「えぇ…」「あんな攻撃だったっけ…?」

 当のイカラス本人とそれに乗る翼は複雑な表情を見せた。

 爆発が止むと作業員の落合の姿に戻り、横でアナザーウォッチに電撃が走りそのまま砕け散った。

 翼と疾風はすぐ様落合に駆け寄りゆっくりと起こした。

「俺は…今までなんて事を…」

 落合が罪悪感に駆られる中ソウゴが声を掛ける。

「大丈夫です。1人で背追い込まないで誰かを信じてあげてください。見ず知らずの貴方でも手を差し伸べてくれる人は必ずいますから」

 そう言ってソウゴが翼と疾風の方を向く。2人もそれに気が付くと笑顔で頷いた。

「あ、それと2人とも…、これ預かって貰えないかな?」

 すると思い出したようにソウゴがブランクウォッチを2人に渡す。訝しむように見つめる翼達にソウゴの言葉を付け足す。

「俺を助けると思ってさ」

 ソウゴの言葉に2人は顔を合わせるとすぐに向き直り答えた。

「分かりました、これは僕達が預かっておきます」

 こうして未来でソウゴと翼達を繋ぐ絆が出来上がったのだった。

 これで一件落着とソウゴが立ち上がってゲイツ達の元に戻ろうとする。その時、

「成る程、まさか倒されてしまうとは。これは驚きです」

 突如周りの時間が停止してソウゴ達が辺りを見回すと物陰に不審な男が立っていた。

「タイムジャッカー!?」

「初めまして。私、タイムジャッカーのツァイトと申します」

 ツァイトが深々と会釈をするとタブレットを弄り始めた。

「しかし、幾ら魔王といえどもここまでの実力を発揮するとは、正直みくびっていましたね。これは少し対策が必要なようです」

 一方的に話すツァイトに対してソウゴとゲイツは黙って様子を伺っていた。

「ただ、良いデータも取れましたし、これはこれで良しとしましょう。ではまたお会いしましょう、"オーマジオウ"様」

 それだけ言うとツァイトが再び木陰に姿を消し時間停止が解除された。ソウゴとゲイツは暫くツァイトのいた空間を凝視し続けるのだった。

 

 

 学校の下校中、迷子の少女を助ける翼と疾風の姿があった。

仮面ライダーの力を失った翼達だったが、その信念までは変わらず、彼らは彼らの歴史を歩み続けている。

 

 

 

かくして仮面ライダーフリーゲルの力も手に入れた我が魔王。彼の覇道は順調に進んでいるようです。

そして、そんな我が魔王達の近くに次なるレジェンドの足音が聞こえてくる。

 

 

 晴れた空。運動着姿で両耳にイヤホンを挿しランニングをする少女がいる。

 彼女__木村乙音はウォークマンから流れる音楽に合わせて、快活なリズムで河川敷を走り去っていった。




これにてフリーゲル編は完結となります!
今回は本編のビルド編・エグゼイド編を意識したようなシンプルなエピソードとなりましたが、ジオウにおける客演は幾つにも分かれたパターンが魅力だと思うので、これからは色々な形式をやっていきたいと思います。
次回は天地優介さんの作品「仮面ライダーソング」よりソング編となります!
次回もお楽しみに!
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