ヤンデレゲットだぜ!   作:デンジャラスzombie

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ヤンデレ小説もっと増えろ。



VSストーカー

 ポケットモンスター、略してポケモン。奴らは火の中や水の中、草の中に森の中、土どころか雲の中まで、挙句の果てにはあのコのスカートの中にすら入っている様々な意味で危険な珍生物達だ。

 

 さらに、その危険な珍生物を捕獲し戦わせるもっと危険な人種がこの世界には存在する。

 彼らの名はポケモントレーナー。ポケモンを捕まえる為には火の中水の中は当然のこと、あのコのスカートの中まで探索するような変質者達だ。

 

 因みにこれらの情報は信頼できる情報筋からの情報でありほぼ間違いないと思われる。

 

 変質者こと、ポケモントレーナーは至るところにいる。それこそ町から出て道路を歩けば一点を見据え微動だにしない少年少女や、クルクルと一定周期で回転する老人まで様々なポケモントレーナーが至れりつくせりだ。

 

 そんなポケモントレーナーの卵こと、シンオウ地方キッサキシティ在住の少年、トリカブトはいよいよ明日ポケモントレーナーとしての第1歩を踏み出そうとしていた。

 

 そう、皆からカブトと呼ばれ親しまれている少年は旅に出るのだ。それ自体は何ら問題はない。年頃の少年少女はポケモンマスターに憧れて旅をすることが多い。

 

 しかし! カブトの目的はポケモンマスターでは無い! カブトはある使命を帯びていたのだ! 

 

 その使命とは、キッサキシティにおける少子高齢化による過疎化問題の解決だ。重い。重すぎる。そして生々しい。10代の少年になんてもん背負わせやがる。

 

 しかしこれは冗談では無い。ここで思い出してほしい。キッサキシティのジムリーダーは誰だったのかを。

 そう、ダイヤモンドダストガールことスズナちゃんである。彼女に実力がある事は周知の事実だ。だが彼女はまだ若い。いくらこの世界の成人が早いとは言え、このくらいの歳ならまだ遊んでいてもいいのでは無いだろうか。

 

 スズナちゃんだけでは無い。他の地方にも必ず存在する……幼女系ジムリーダーを思い出すのだ。一部家の都合でジムを継いだ方もいらっしゃる様だが、幾ら何でも若すぎる。人材不足も甚だしい。幾ら強くても流石にこれは事案だ。

 

 過疎化はシンオウ地方のみならず、様々な地方でも問題視されている。

 その中でも特にキッサキシティは非常に問題視されている。単純にキッサキジム関係者と、漁業関係者、神殿関係者以外住んでいないのだ。

 それもそのはずわざわざシンオウ地方最北端のこの町に住もうなどと考える奇特者はそういない。

 そもそもこの町に来るためにはテンガン山を越えるか、船に乗って来るしか無いのだ。立地条件が厳しすぎる。何故そんな状況でシティを名乗れているのか?それはポケモン世界七不思議の内の一つだ。

 風の噂によるとポケモンリーグはキッサキシティからジムを別の場所に移動させることも検討しているという。

 

 これは不味い、と誰しもが思った。この町からジムが無くなれば割と本気で人が来ない可能性がある。わざわざ湖を見に来る人は研究者以外ではあまり見ないし、立ち入り禁止の神殿を除けば、もはやスキー場しかない観光スポットがない。

 

 このままでは町が滅んでしまう。そんな中白羽の矢が立ったのが彼、カブト少年なのだ。

 

 カブト少年に与えられた使命は、単純にして高難易度。それはチャンピオンシロナを倒し、中継されているテレビの前でキッサキシティの宣伝をする事だ。ハードルが高すぎる。

 

 カブト少年に自己決定権は無い。閉鎖的な地域コミュニティである老人会によって決められた事には逆らえないのだ。これが権力ってやつか……

 

 元よりポケモンと共に旅に出ることに興味があったのでカブト本人としては、なんかやることが増えた、くらいにしか思っていないのだが。

 

 ここでカブト少年について説明をしよう。彼は元々キッサキシティに住んでいたわけではない。彼は元々カントー地方マサラタウン出身の少年だった。キッサキ出身の母を持ち、純血種のスーパーマサラ人を父に持つ、いわばハイブリットといえる存在だ。彼は5歳くらいまでは彼らとマサラで生活をしていた。経済的にもそこそこ恵まれ、それなりに幸せだった事は間違いない。

 

 しかし幸福は長続きしない。

 

 ある日父親に届いた一枚の手紙、それが全ての始まりだった。唐突に現れ、家に突撃をかました郵便配達人カイリューが届けた手紙を読んだ父は、

 

「最強のトレーナーに、俺はなる!」ドン! 

 

 と言うやいなや旅の準備を整えると、ポケモン城なる場所へ旅立っていったのだ。勿論、麦わら帽子も忘れてはいない。

 彼は仕事や、家族などあらゆるものをほっぽり出して最強を探しに行ってしまった。

 

 これには母も悲しんだ。具体的に言うとローンがまだ返済されていないのにも関わらず、カイリューにより粉微塵にされた家について。保険は適応されないらしい。気が利かない奴らだ。

 

 母はこれを機にかつて退職した職場へ戻る事にした。母は元々研究者だったらしく何やら怪しげな事をしていたらしい。そこら辺は機密事項に触れるらしく何一つとして真相に近づくヒントは見つからなかったが。

 

 こうして母は息子であるカブトをキッサキシティに住む祖母に預け、別の地方へと旅立っていったのだ。

 ちなみに彼らからの連絡は今に至るまで一切ない。

 

 カブトの祖母は激怒した。かの暴虐邪智なる息子娘夫婦を許す事は出来ないと。端的に言うと勘当した。当然の帰結。彼女が常識人で良かった。

 

 これにてカブトの受難は終わりを告げ、彼は一般的な子供としての人生を歩み出す…………筈だった。

 

 しかしこのキッサキシティ一筋縄ではいかない町だった! 

 

 前述した通り、キッサキシティは少子高齢化問題による伝統技能の継承が滞っている。

 そこに降って湧いたかのように新しい子供がやってきた。ならばどうなるかは火を見るよりもファイヤー。

 

 技術の継承と言う名目で、このキッサキシティのあらゆる技術がこれでもかと詰め込まれたのだ。

 スキー技術や、雪かきの方法、郷土料理や、釣り。ここまでは分かる。だが、ポケモンを利用した漁業や、木を伐採しその木材の加工の仕方、挙げ句の果てに、キッサキ神殿の番人としての心構えや、ポケモンを使った戦い方、ポケモンの調理法、ポケモンと生身で戦う技術など、もはや英才教育を超えたナニカへと移行しつつあるそれは、一周回って哀れに思える。

 

 その詰め込み具合には気合で『きあいパンチ』を覚えたダイヤモンドダストガールも苦笑い。

 

 だがカブトは齢10にしてその全てをマスターして見せた。

 祝え! トリカブトがキッサキシティのあらゆる伝統技術を継承した瞬間である! 

 

 彼はポケモンバトルについても恵まれた位置で教えを受けている。何を隠そう彼の祖母は先代ジムリーダーであり、かつてジョウト地方のヤナギと氷タイプ頂上決戦を行った仲らしい。ヤナギのデリバードやラプラス、そしてウリムーが強すぎた、と時々遠い目で語る事もある。

 さらに現ジムリーダーのスズナの師匠でもあり、現在はスズナの負担を減らすべくキッサキ神殿の番人をしているらしい。属性の盛りすぎである。

 

 閑話休題

 

 何はともあれカブトはキッサキシティを出て、相棒のポケモンと共に旅に出る。キッサキシティの皆が祝言と共に送り出してくれた。特にスズナは色々と道具を用意してくれたりと、とても世話を焼いてくれた。カブト少年は感謝感激の雨霰である。やたらとカブトの私生活について異常に詳しかった事に疑問を抱くもそんな物は感謝の気持ちの前では塵程度のもの、すぐに吹き飛んだ。

 

 こうして様々な人から期待を託された少年は、記念すべき栄光の第一歩を踏み出したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「行っちゃったね……」

 

 あえて船を使わず、テンガン山を乗り越える選択をしたトリカブトの後ろ姿をじっと見つめながらスズナは呟く。

 

「心配不要じゃよ、あの子はきっと上手くやる。何せこの私が鍛えたからの」

 

 カブトの祖母であり、先代ジムリーダー、そして現在のキッサキ神殿の番人は、スズナの心配を解きほぐそうと言葉を掛けた。

 

 彼女はカブト少年についてあまり心配はしていなかった。彼には一人で生きていく術を教えたし、何より彼はもう一人ではない。信頼できるポケモンが付いているなら何も恐れる事はない。

 

「ええ、それはそうだと思うのですが……その、私が……」

 

 ああ、成る程。と祖母は納得する。このスズナという少女、側から見てカブトに惚れていると断言できるほど彼の事を溺愛していたのだ。

 カブトとスズナは兄弟弟子の関係にあたる。

 最初は、スズナにとって弟が出来たような気分だったのだろう。周囲からは仲の良い兄弟に見えていたし、カブト自身も姉が出来たように接していた。

 いつからだろうか、彼女のカブトに対する気持ちが家族に向ける愛から、異性間の愛に変化したのは。

 

 いつからかカブトが修行中に使用したタオルが無くなる事が増えた。それだけでは無い。彼の部屋に小型の監視カメラと盗聴器が仕掛けられるようになったのだ。

 

 彼女は常に言っていた。

「ポケモンもオシャレも恋愛も全部気合なのッ!」 と。

 気合を入れた結果がこれである。

 これには祖母も流石に呆れた。スズナがカブトに対してそういった感情を抱いていた事は祖母も理解している。しかしこれは流石にやり過ぎだ。そう思った彼女がスズナにそれとなく伝えたところ、

 

「犯罪では無いので大丈夫です!!」

 

 と元気よく返された。いや、犯罪である。

 兎も角、彼女はスズナに監視カメラと盗聴器だけは撤去させ後は様子を見る事にしたのだ。

 

 結局カブトが旅立つまで何一つ二人の関係に進展は無かったが。

 スズナが自分の気持ちに気づいた上で何もしないというのは考え難い。おそらく、カブトが修行中にスズナに告げた言葉が関係しているのだろう。

 

「僕は、ジムバッチを7個集めたらスズナさんに挑戦します!」

 

 何かするならばトリカブトが再びキッサキシティに戻ってきた時だと、そこまで考えて彼女は考えを止める。人の恋路をあれこれ詮索するのも野暮な事。取り敢えず今は様子見をしよう、と。

 

 こうして見送りを終えた彼女らはそれぞれ自身の家に帰っていったのだった。

 

 

 

 

 スズナは家に帰ると自身の部屋に入り電気をつける。そこには壁に貼り付けられた沢山の写真があった。

 その写真は撮った場所も日時もバラバラだがただ一つ共通点がある。それはどの写真にもカブト少年が写っていると言う事だ。ただし、どの写真においても彼は視線をカメラに向けていない。おそらく隠し撮りされた物だろう。

 

「はぁ、しばらく会えなくなっちゃうな。毎日連絡するのは当然だけど本人に会えないのは辛いなぁ。けど発信器と盗聴器入りのお守りも渡せたし、本物に会えない分これで我慢するしかないか……」

 

 名残惜しそうに呟くスズナ。彼女の普段の姿を知っている人からすれば、弟弟子のお守りに発信器と盗聴器を仕込むなど想像できないだろう。

 

「私待ってるからね! カブトくんが私に挑戦しに来てくれる日を! その日になったら、今まで会えなかった分楽しもう!」

 

 濁った目で晴れやかに一人笑うスズナ。果たして彼女の一方的な恋は実るのだろうか。まぁ、気合でなんとかなるでしょう。

 

カブトの受難はこれからも続くのであった。

 

 




一話だからまだ控えめ。


トリカブト
名前から死亡フラグ立っている人。頑張って生き残って(無慈悲)
多分特性『メロメロボディ(病み)』

手持ちポケモン
ポケモン界のヤンデレといえばこの方。多分簡単に予測できる。

母親
ミュウスリーでも作ってるんじゃね?

父親
そもそもポケモン城に辿り着けたかが謎

祖母
設定だけ強い人。戦わないし、しばらく出ることもない。

スズナちゃん
こういう元気そうな明るい子が裏でストーカーしてるとか興奮しませんか?



病みが足りない!全然足りてない!もっと病みを増やさねば……

どれが好き?

  • 赤い妹『ボクのお兄ちゃんになって!』
  • デオキシリボ核酸『ワタシになって!』
  • 最強抜け殻龍『私だけの英雄になって!』
  • 鬱ロイド『ワタシヲマモッテ……?』
  • 無邪気『何人殺せば好きになってくれる?』

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