幻想郷に転生しました。   作:音眼紫玖

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幽香さんに香水の原料を貰ってきます。

まどかかわいいよまどか(?)


第10話 ゴシック・ヘッドドレス

今日は『太陽の畑』まで出かける。理由は、夏になったので、咲夜さんやレミリア、パチュリーが使っている香水を一新すると言う話になったからだ。

 

香りはグレープフルーツにすると言っていた。

 

 

 

 

「支度、できた?」

 

「うん。まぁ、いつもの服なんだけどね」

 

俺は特に持ち物もないので、いつもの黒い服を着るだけになっている。ボレロやブラウスは半袖だ。

 

 

 

 

「ここから、飛んでいくわよ」

 

「……ほわい?」

 

紅魔館の門を出て少ししたところで、咲夜さんはそう言った。

 

でも、普通に考えたらそうか。紅魔館は霧の湖の中島にあって、途中からは飛ぶか泳ぐかしかない。泳ぐとかなりの体力を消費する。

 

「ほら、早く」

 

「はぁい……」

 

正直、飛ぶのはあまり好きじゃない。臓器の浮遊感が非常に気持ち悪い。後、重心をどこにやればいいか分からない。

 

俺は心の中で溜息をつきながら、咲夜さんの後について空へ飛び立った。

 

 

 

 

 

幻想郷の南の方には、だだっ広い向日葵畑が広がっている。通称、『太陽の畑』だ。

 

この大量の向日葵たちは、花を愛する妖怪『風見 幽香』の手で育てられている……らしい。見たことは無いんだけどね。

 

カツッ、と音を立てて地面に降りる。花の面倒を見ていた幽香さんが、こちらに気づいたみたいだ。

 

「あら、今年も来たのね」

 

「お嬢様は季節感を大切にされる方ですので」

 

「そうでしょうね。……まぁ、今日は可愛らしい“見学者”もいるみたいね」

 

幽香さんは驚いたような声でそう言う。見学者……?

 

「さぁ、もう始めましょう。見学者は離れててね」

 

 

そう言うと、幽香さんと咲夜さんは上空へ浮かんでいく。

 

「2枚でいい?」

 

「ええ、受けてたちます!」

 

咲夜さんがそう言うと、二人は一斉に弾幕を出した。

 

幽香さんの方は花がふんだんに使われた鮮やかな弾幕、咲夜さんの方はナイフを使用したシンプルな弾幕。

 

素人目からすると、多分幽香さんの方が押してると思う。咲夜さんはだんだん追い詰められてきた。

 

「幻世『ザ・ワールド』」

 

ここで咲夜さんスペルカード発動!色とりどりのナイフが急に現れ、飛んでいく。

 

数回繰り返した後、時間切れで消えていった。

 

また、普通の弾幕。って、おおう!

 

「花符『幻想郷の開花』」

 

初心者マークのような形の弾幕が、花のような形で出現し、正に開花したように飛んでいく。

 

「メイド秘技『殺人ドール』」

 

殺人級の数のナイフが飛ばされていく。

 

幽香さんはうまく隙間をかいくぐって避けていく。その姿は、弾幕の方が幽香さんを避けているように見える。……別に、悪い意味などない。

 

 

 

 

 

結局、この勝負は幽香さんが勝った。最後の弾幕『幻想『花鳥風月、嘯風弄月』』で咲夜さんが一回被弾したからだ。

 

「はい、約束の原料」

 

「ありがとうございます」

 

咲夜さんは綺麗に腰を折る。これで直角が計れそうだ。

 

「あと、それから」

 

「……?」

 

幽香さんは家の方から何か持ってくる。見ると、黒いカチューシャの周りに白いフリル、隅に赤いリボンが結ばれたヘッドドレスのようだった。

 

そんなゴシックなヘッドドレスを何に使ったかと言うと……俺の頭につけてきた。

 

ヘッドドレスを差し込み、ヘアピンで両端を留めた。

 

「うん、やっぱり似合ってるわね」

 

「……ありがとうございます」

 

……幽香さん……いや、ゆうかりん……何がしたいのかよくわからない。一応、似合っているようなので良しとしよう。

ゆうかりんはヘッドドレスの二本目、白黒逆転版を咲夜さんの鞄に入れた。入れやがった。

 

「それでは、失礼しました」

 

「し……失礼しました……?」

 

ヘッドドレスの疑問が晴れないまま、咲夜さんの後について飛び立つ。

 

疑問は晴れないが、何か満たされたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

帰った後レミリアに「どうしたの!?」って聞かれたのは、また別の話。

 

─続く─




後半円香がただの人見知りになった気がする
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