円香が紫様と打ち合わせをする回です
土曜日の夜。ご飯食べた、風呂入った、歯磨いた。寝る支度が全部終わった後、紫様は俺の部屋に入ってきた。
「明日は宴会だけど、どうするの?」
「……私が男から女に転生した人間であって、これから女……少女として生きることを発表……します」
「そう。スピーチの内容は決めてるの?」
「なるべく簡潔に説明できるようにしたいな、と考えています……」
俺の人見知り、もういい加減に直すべきだな……。やっぱり、こういう人を探るような目をした人の前ではオドオドしてしまう……。
「そう……。幻想郷には、あまり理解力のない妖怪もたくさんいるからねぇ……」
「そういうトランス的なことが分からない子も、いるかもしれないわ」
妖精など、幼く見えたり、頭の小さい妖怪にはあまり理解できないのかも?
「あと、話は逸れるけど『文々。新聞』って知ってるかしら?」
「……あぁ、あの新聞か」
「それを書いてる『射命丸 文』って言う鴉天狗がいるんだけど、その子に色々追求されたとしても、情報は言い過ぎないこと」
「……大体、察しはつきますけど……何故ですか?」
「面白おかしく改変されるから」
やっぱりか……。
紫様は「それはある日のこと……」と話し始めたが、耳に入ってこない。
宴会だから、酒を呑むんだよな……。なんか酔っ払い妖怪に引きずり回されそうな……。
博麗神社でしばらく休む事態にはなりたくないな……。
てか、スピーチの練習しないと。
今予定している限りでは
『はじめまして、私は夜桜円香です。いきなりですが、私は転生者です。前世は『男』でした』
『今までずっと、取り繕っていましたが、もう変わらないとダメだな、と思いました』
『そこで、この場で皆様に発表することになりました』
『ちなみに前世での名前は『夜桜 真』です。ですが、『真』とは呼ばないでください』
『今から私は『夜桜 円香』として生まれ変わります!』
で、乾杯に行く流れだ。
「……ねぇ、ちょっと聞いてる?」
「ちょっとなら聞きました」
「そう言うことじゃなくって!!せっかく私が事例を話しているのに、貴女は全然聞かないのよ!!もうこうなったら、眠るまで話してあげる!!」
紫様は激昴した様子でそういった。
眠るまで話すのは流石にご免だ。
てかもう夜中やんけ。眠らないと明日の宴会で眠ってしまうぞ……。
「明日は宴会だから、もう寝るよ。おやすみ」
「ちょ、ちょっと!!」
天蓋から提げられているカーテンが開かれそうになるのを、無理やり押さえる。俺は、数回引っ張ったあと、飽きて寝た。引っ張られてるカーテンと反対の向きで。
「あぁ、もう……。まぁ、私も明日の宴会に参加するから、早く寝ないとね……」
紫様がそう言うと、一瞬で気配がなくなった。『スキマ』で移動したのだろう。
それにしても、明日……ってか今日か。宴会ってどんな面々が集まるんだ……?
いろんな予想を立てながら、俺は眠りについた……。
─続く─
み じ か い。
なんか眠るオチ多いなこの小説