相変わらずアズレン側はあまり自信がないけど大目に見て………
防音設備も万全であり、思う存分歌うことができるのだが、今日はそのアイドルではなくある空母二人がその設備を使用していた。
「……ふぅ、やりました」
「………確かに上手いな、歌」
黒髪でサイドテールの艦娘の加賀と白い短髪でまるで白い狐のような容姿であるKAN-SENの加賀である。
まあ正確には艦娘の加賀が歌い、それに気になったKAN-SENの加賀がついてきたという形だが。
そしてどうやら今艦娘の加賀が歌い終わったようだ。
「喉の調子は良いわね……最近歌ってなかったので気になっていましたが」
「……そういえば前々から気になってはいたが…何故歌う?もうひとりの「私」は」
そう聞かれた加賀はマイクを下ろし、ある事を話し始める。
「……そうね。最初は歌うことに興味はなかったけど……暇だった時に……那珂とサンディエゴに推されて始めたら思ったより……」
「……そういうものなのか……」
「ええ……そういうものね。この体を持ってからあまり娯楽はやりませんでしたが……これなら行けるとピンと来たのもあるわ」
「……歌う…か」
「あなたも歌います?」
「いや、私は……!」
「大丈夫です。声が裏返ってもここは私しか聞いていません。「自分」に歌声を聞かれても良いものでしょ?」
「そ、そういうものなのか?!」
KAN-SENの加賀は艦娘の加賀に押され、渋々とマイクを持ち、艦娘の彼女が歌っていた曲「加賀岬」を歌い始める。
「はい、今です!」
(……確か……こういう感じ……だろうか?)
ぎこちない形だが、それなりに彼女はなんとか歌い続ける。
最初はそうでもなかったが、段々と乗りに乗ってきたようで
(こういう形か……よくわかってきたぞ!)
「そうです、その意気です」
いつの間にかノリノリでその歌を歌いきってしまったようだ。
「うむ……確かに良いな」
「ええ、スッキリもしますし」
「だが……なんというか開放されたというのか……よく言い表せんが、そんな感じがするぞ!もっと歌っていいか!」
「はい、今日は出撃もありませんしね……思う存分やりましょう」
そうして二人の蒼き空母はそのままカラオケに没頭した。
「暁の水平線に」や「海色」なども歌ったそうな。
なお交互交互に歌ったためか、最終的には二人共喉が潰れかけていたが、とても楽しそうな様子であったのは言うまでもない。
――――――
そして別の日の鎮守府の廊下では――
「~♪」
加賀岬を口ずさんで歩いているKAN-SENの加賀の姿があった。
どうやら相当ハマったらしい。
「あら、どうしたの加賀……鼻歌なんて歌って」
「ね、姉さま!?」
突如目の前にKAN-SENの赤城が現れたことにかなり驚いた加賀。
その慌てようを見る限り、この姿をあまり見られたくなかったようだ。
「あらあら、そんなに慌てなくてもいいのに……上手いわよその歌」
「べ、別に……もう一人の私に無理やり推されて」
「それにしてはノリノリよね」
「な!?」
その赤城の攻撃(?)にすっかり赤面してしまった加賀である。
沸騰というか焼き鳥状態……なのかもしれない。
「今度是非その歌声を聞かせてね、加賀」
そう言って赤城は別の方へ足を進めていった。
なお加賀はその赤面が全く取れず
(ね、姉さまに……みられた……!)
暫く廊下を右往左往していたのは言うまでもない。
ちなみに世界のベースとしては艦これのほうで
アズレンでの四大国家やその他は反映せず、基本現実と同様の国家です。
現在は国連の元に艦娘とKAN-SENがまとめられて世界共同で作戦を遂行している形です。
まあつまり念押ししておきますが平和です。