「な、な、な!?」
日本海軍の最後の空母である葛城は驚愕していた。
何故なら目の前には瑞鶴が居たからだ。
いや、瑞鶴がいただけではいくら彼女でもここまでは驚かない。
驚いている理由は別にある、そうその瑞鶴が「二人」いるからだ。
「ず、ず、ず、瑞鶴先輩が!?ふ、ふたり!?!?」
「そこまで驚くことなの……?」
当然ながらロングの茶髪をし、鶴をイメージした袖がある着物を着ているKAN-SENの瑞鶴は少しはてなを浮かべながらも、その葛城の様子を見ている。
「まあ、こうくるのよね……仕方ないんだけど」
一方、赤基調の巫女風な弓道着を着て、黒髪のツインテールな髪型な艦娘の瑞鶴は葛城の様子をまあ予想通りと思い、少し苦笑するのに留まった。
そして艦娘の瑞鶴はKAN-SENの瑞鶴に対して、あることを話し始める
「ほら、この子が生まれた時はもう私以外全滅してる時で……そしてその時練習航海で瀬戸内に居たじゃない?」
「そう言えばそうね……あの後に私は……エンガノ岬で……」
「そしてこの子は呉の海軍工廠で生まれてるから、いわば唯一現物を見た空母と言えるのよ、私達って」
「だからこんなに尊敬してるのね……私のことを」
「まあ、だから暖かく見守ってあげて…悪い子じゃないから…」
双方の瑞鶴がそう話す中、葛城は今にも限界を突破しかけているような表情でたどたどしく話し始める。
「は……え……あの、も、もうひとりの瑞鶴先輩!」
「ん?何?」
「い、いや……瑞鶴先輩も迷彩衣装とかあるんですか!」
「迷彩……あーあのときのね……それはないわね」
「え?」
それを聞いた途端、葛城はその場にがっくりと倒れて四つん這いになった。
「ちょ、あなた!?」
「ううっ……最近あっちの瑞鶴先輩も迷彩してくれないからこっちの瑞鶴先輩なら…と思ったのに……」
「そ、そこまで……たまに迷彩してるじゃない!私」
「そうだけど……前よりは少なくなったし……」
「………一体どういうことなの?もう一人の私」
「いや……ほら最後の戦いで迷彩衣装で戦ったじゃない?そしてこの子も迷彩で終戦まで生きてて……結果的にお揃いになったから…」
「ああ…そういうことね……」
そう言いながらも、KAN-SENの瑞鶴は葛城のことを見る。
「ううっ……」
相変わらず落ち込んでいる葛城
(……仕方ないわね…)
――――――
そして所変わり、明石の工廠にて
「あら、KAN-SENの方の瑞鶴さん」
「瑞鶴にゃ?」
そこにはピンク髪の明石さんと猫耳の明石さんが居た。
かなり違う容姿だが、これでも双方有能であり、KAN-SENと艦娘の整備を担当している。
なおKAN-SENと艦娘の装備などの規格はほとんど同じであるため、双方混ぜても一応は問題はないらしい。
「何か用かにゃ?」
「いや……まあちょっと……私のこの服装を迷彩にするのって出来る?」
「うーん……もうひとりの瑞鶴さんの通常空母時みたいにですか…まあ出来なくはないと思いますよ」
「そうにゃ、ちょっと手間はかかるけどにゃ」
「でもどうして迷彩に?」
「そ、それは……まあちょっとね」
「ふーん……わかりました。じゃあこちらに来てください、計測やらしますから」
「ええ、わかったわ」
――――――――――――
そして後日、食堂でいつもの衣装をベースに迷彩姿に変わったKAN-SENの瑞鶴が居た。
「……」モグモグ
(やっぱり間宮さんのご飯いいわね……)
「横良い?」
「良い…って」
KAN-SENの瑞鶴が振り向くと、艦娘の瑞鶴が居た。
こちらも甲ではない改二の時の暗い服装である。
「あなたもそれにしたの?」
「ええ、まあ最近来てなかったし……ってあんたも?」
「まあ……色々とね」
そして当然ながら当の葛城も食堂に来たのだが
「お、おそろ……!?」
「こういうのでいいの?」
「も、も、も、もちろんです!!!!!!!」
((そ、そこまで……?))
葛城は二人の瑞鶴に挟まれて
暫くの間興奮しっぱなしであった。
「は、ひぃ……」
「全く…」
「ふふっ」
かなり骨抜きにされたのは言うまでもない。
なおその二人の
「……瑞鶴が……あんな姿に……」
「ま、まあまあ……こういうのは仕方ないですし……」
「そうですけど……」
その迷彩の経緯が経緯であるために色々と複雑そうに見つめていたそうな。
Wずいずいに挟まれ、葛城は(色々と)死ぬ