問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

105 / 142
第九十五話「討論会」

アルタラス社会主義共和国 首都ル・ブリアス(中央歴1641年11月2日)

 

 

 復興しつつあるアルタラス社会主義共和国・・・・。首都にある共和国議会堂の記者室に白良はいた。彼は前々から記者などを招き質疑応答や討論をするのだ。今回は、アルタラスが復興し2か月が経っていた。そして、今から1時間後に記者会見と討論会が始まろうとしていた。

 

「白良さん、そろそろ準備をお願いします」

 

白良「あ~すみません。昨日部屋にあったバネーネゥ(この国にあるバナナのような果物、川が赤いのが特徴)がまさか痛んでいたなんて思わなかったですよ。整腸剤の効果が効くまでもうちょと・・・は・・・腹が・・・。うっ!ぐふぅ!」

「大丈夫ですか!?医務室に行きましょうか?」

白良「いや、もう大丈夫です。ちょっとお手洗いに行ってきます」

 

 そう言って彼はトイレに向かった。そして出し切った彼は白湯を飲みしばらく30分くらい安静にしてると、腹痛も治り早速記者室に戻ってきた。

 

「大丈夫ですか?無理しないでくださいね」

白良「はい。ありがとうございます。それでは、会場に移動します」

 

 それから15分ほどで記者会見場に着き、予定通り記者会見が始まった。まず初めに記者の質問が始まった。主にグラ・バルカス帝国がこの世界に転移した際にパガンダと友好を結ぼうとしたもののパガンダが帝国の皇太子を爆殺し、報復で帝国はパガンダを攻めレイフォルを傀儡国家とした事についてだ。これについての八紘連合の対応が賛否両論であったのだ。

 

記者「ロウリア合衆国の新聞社ストーキリ・ジャーナルです!今回の件についてどう思われるのでしょうか?」

白良「えー今回の出来事はかつての連合軍とパーパルディア皇国に似ております。私達駐屯地が本格的にパーパルディアに怒りを覚えたのは外交官であるサンレア氏を拉致られ魔写を使い目の前で凌辱されたことです。かのグラ・バルカス帝国によると友好を結びに来た皇太子に対し、パガンダは法外な金塊を要求し、それを払えなかったため殺したようですね。その事にはほぼパガンダに非はあるのです」

 

記者「それは確かにありますね。我が国でも、あの国は危険だと警告が出ておりました。しかし、それでも戦争を仕掛けレイフォルも攻撃したグラ・バルカスにも非はありますよ」

 

白良「はい。確かにレイフォリアへの攻撃については、やりすぎだと思います。しかし、そもそもの始まりはこの世界に来て間もない時期にいきなり侮辱され、あまつさえを皇族を殺されたとなると。それに対する報復として、仕方なかったと思うんです。そして八紘連合の対応に賛否もあると思いますが。今現在はパーパルディアとの戦いで損耗したため兵士の数も少ないうえ、フェンやアルタラス・・・そのほか第三文明圏の復興や発展も急がれています。そのため、戦争に介入する余裕がないというのが現状です」

 

記者「それはわかりますが、もう少し厳しく軍事力を見せて撤退を促すことはできなかったのですか?」

白良「我が国の調査ではいまある八紘連合参加国の軍事力では、もしそれが失敗し本格的な戦争になった場合。生産力ではあちらが上です。技術力は低いと言えどジェット機を駆り出してくる相手では第二文明圏は間違いなく陥落するでしょう。最悪かの国が傀儡国を第二文明圏に作ったとなると、こちらは上陸しその国を維持するほどの陸軍戦力は避けません。最も第二マグマ帝国力を頼めばいいのですが、彼らは比較的穏健ですが一度戦争のことになると蟻や蜂のような社会体制になり、強靭な統制力で占領地を開放していくと考えられますが、一度狂気になれば今度はグラ・バルカス帝国本土上陸戦を立てるでしょう!その時には八紘連合でもコントロール不可になり上陸先で男性女性キュルギュルの兵士が関係なく帝国人を凌辱し民族浄化を起こす可能性があります。そうなればもはや誰にも止められなくなります!」

 

 白良の説明を聞き、記者たちは黙ってしまった。そして次の記者の質問に移った。その後の質問は貿易や医療に関するものが多かった。そして最後の質問となった。第二マグマ帝国の新聞社ガーネット・ニュースであった。質問内容は近年のキュルギュルの扱いについてであった。

 

記者「ガーネット・ニューズです。この質問ではキュルギュル人の地位向上についてお聞きしたいと思います。近年になっても第二文明圏の国々の一部には我々キュルギュルを差別する傾向が見られます。その事でお答え願いたいと思います」

 

白良「やはりこの世界での種族差別は根強いものがありますね。残念ながらそれは事実です。駐屯地が転移する前の世界でも差別はありました。貴方はまさかこの世界の生まれですか?」

 

「はい・・・。この世界で生まれた第二世代です・・・。そんなに差別がひどいのですか?」

白良「いやキュルギュルは大半は地下で生活しているのが主です。仮に地上にいるのはハーフの方が多くそこまで差別されません。問題はそれ以外の黒人と言った肌の色が異なったりイスラム教徒と言った宗教の違ったりする方々は大変差別される傾向があります。悲しきことに日本でも多少の差別はありますが・・・。いやそもそも私がこの世界で差別を重罪にした理由は人種差別が原因の一つです。ですが差別と言うのは誰の心にもある物なのです。それが無くなることはありません。だからこそ私はこの世界では、人種差別を禁止しております。」

「それでは元も子もないような・・・。」

 

白良「では例えばの話をしましょう。とある国に意地汚い家族がいました。その家族は他人の物を盗んだり、盗んだくせに被害者ぶる癖がありました。その上、その家族は自分より地位の高い人間を見ると暴力を振るったりしました。さてどう思いますか?その家族は?」

記者「そりゃ、軽蔑しますね!!」

 

白良「それが人の心と言うものだ。どんな聖人君子でも軽蔑する。私もする。大高弥三郎もそうする。サンレアもそうする。」

 

アハハハハ・・・!

 

 会場には苦笑いと失笑が混ざった声が響いた。その後質疑応答は終わり、記者会見は終了した。そして、白良は記者室を後にした。

 

白良「ふぅ~終わったぁ・・・。疲れた・・・。」

 

 白良は控室にて勢いよく椅子に座り込んだ。だが彼の仕事はまだあるのだ。それはアルタラス社会主義共和国の王女(第一書記)・・・ルミエスとの会談だ。彼は早速彼女の待つ王城・・・と言う名の国会議事堂に向かった。なお一度王城はルミエスの手に破壊されそうになったが、妹のルミノと国民と軍が一丸となってやめさせた。が、衣装や城内にあった絵や甲冑の一部は本来なら日本円で1億はくだらないがルミエスの手により格安で売り飛ばされてしまった。

 

ルミエス「我が国は第8.51インターナショナルにより発展してます。世界中に広まれば皆幸せになるのです。」

 

白良「いやいや・・・。他の国に広めるには危なすぎますって!貴方が個人崇拝嫌ってるからこそこれが成功するのであって他の王国にこの思想を押し付けるのは危険すぎますよ。」

ルミエス「あ。やっぱりwww。そうですよね。パガンダみたいな前時代的な王制国家に教えても独裁国家になるだけですよね。」

白良「そういうことです。それに貴方は独裁者ではありません。だから大丈夫です。でももし後継者を作るのであれば慎重に選んでくださいね。」

 

 その後も対談は続き。夕方くらいまで政治や経済の話をしていた。夕方になるとこの国を去り駐屯地に戻って仕事と妻の雷子と共に夕食を食べていた。白良は今日も平和だなと感じつつ、眠りについた。そのやり取りから数日後暇つぶしに妻の雷子と一緒に産婦人科に行った帰りである・・・・。

 

_______________________

クワ・トイネ共和国 

 

白良「お腹の子も徐々に大きくなってきたな!しかも性別も女の子か!楽しみだな!」

雷子「もう!はしゃぎすぎですよ!これじゃあ子供がすでにいるようじゃないですか。貴方と言う子供がね・・・ww。」

 

白良「あ~ん(´;ω;`)ギャレンの俳優の奥さんみたいなこと言わないでくれよぉ~ww。」

 

 そう微笑ましいやり取りを見ていた護衛の陸自隊員は余りのバカップルぶりに周りの視線を気にしていた。だが、そんな微笑ましい空間が血まみれたことになるとは彼らは知らなかった。雷子と白良の乗る車に向かってバイクが猛スピードで近づいてきた。二人乗りで片方が拳銃を持ち方手打ちしつつ後ろにいるもう一人は魔法を詠唱し始めた。隊員二人の肩と腕に銃弾が当たり炎魔法が反撃に出た自衛隊員に着弾し炎上した。謎の襲撃者はさらにスピードを上げ逃走を図ろうとするが運転担当の自衛隊員によりタイヤを撃たれ転倒する。

 

雷子「大丈夫ですか!?」

白良「俺のことは良いから救急車と警察を呼べ!早く!!」

 

 後に判明したことだが犯人は第二文明圏の国々の新しい法律に反発していた医療魔術師や工業メーカーの手引きで犯行に及んだという事だった。この事件をきっかけに第二文明圏の国は対テロ法を制定し国内の治安を強化するとともに、悪徳企業の経営陣や先人の知恵ばかりすがる魔術師や薬草師を追放及び逮捕する法律を制定することになる。

 

______________________

 

ムー 首都 事件の数週間後 

 

 白良は数週間後ムーにてマスメディアとの討論会に呼ばれていた。討論場所はムーの首都にある議事堂にて行われることになった。ムー政府は前回クワ・トイネで自国の企業・・・もしくは第二文明圏の国々の薬剤師・医療魔術師の引き起こした白良殺人未遂に警戒し、町中には駐屯地が輸出したウィリアムジープを使い軍と警察で巡回させていた。そして討論会場ではX線検査機や魔術検知器が設置され万全の体制で臨んだ。

 

白良「えー、皆さん。本日は集まっていただきありがとうございます。」

記者「その前にあの事件に関して質問してもよろしいでしょうか?」

白良「どうぞ。」

記者「ムーの新聞社ヴェガの記者のモスキートンです。まずは事件についてですが、我が国の悪徳企業が白良夫妻の命を奪おうとしたことに謝罪します。」

白良「いえいえ・・。貴方方には問題ありません。」

記者「ありがとうございます。次に今回の事件で我が国が導入した新しい法律についてですが、八紘連合加盟国では薬・・・特に医療効果のない医療魔術は今後禁止される予定ですが、これについてはどう思われますか?」

白良「はい、この世界には神頼みじみた療法や詐欺じみたが数多くあります。例えば占いで診断結果を決めて、その通りに治療を行うとか、あるいは祈祷で病気を消し去ろうとしたり、毒のある水銀や硫黄入りの食事を摂取させたり・・・。こういったものは危険です。確かに医学はトライ&エラーの繰り返しで進化しましたが、それでも限界があります。だからこそ、私達はそういったものを無くしたいのです。我々駐屯地がいた世界にも恐ろしいほど意味がない手術方法がありました。例を挙げるならロボトミー手術です!これは脳の一部を切除して精神障碍者を自制させるという名目で編み出された手術ですが、これはむしろ当人を苦しめたり自殺に追い込むだけの結果になりました。あと瀉血もです。この治療は最近この世界でもよほどの病気でなければ軽い病気での瀉血は行われなくなりましたが、それ以前は当たり前のように行われていたのです。だから私はこの世界での医療改革をしようと思ったのです。しかし、この世界の医療技術が発展すればするほど、私が目指す医療はより高度になっていくでしょう。そのため、我々は今の段階で出来る限りの予防策を施しているのです。」

 

 そして次の質問に移る。次は子供向けの政治教育に関することだった。

 

記者「貴方の演説は非常に素晴らしいものでした。ところで貴方が提案した子供に政治がどのようなものかを教えるため模擬的かつ実践的な選挙学習のことについてお聞きしたいと思います。」

白良「たしか最近どこかの学校の小学生たちが『給食にエルフ族に伝わるの伝統的な味の食材を出す』という事で選挙した結果想像以上に味が薄く撤廃しようにも次の選挙まで時間がないので仕方なくそのままにしておいたら六年生の生徒から苦情が殺到したので急遽選挙しなおしてエルフ族の伝統的料理を廃止させた事例があるんですよね。」

記者「はい、まさにそれです。子供のうちから民主主義のメリットデメリットを教える例でとてもいいと思います。ですが、いささか過激すぎる面もあるのでそこは修正すべきかと・・・。」

白良「でもまぁ小学生のうちに政治とは何か?選挙とはなにか?無茶苦茶な法案が通ってしまったらどんなことになるのかを教えておくのはとても大事だと思います。かつて私のいる世界で、アメリカ合衆国は変にはぐらかさず幼少期から性教育・・・同性愛やトランスジェンダーへの理解の教育させましたが、それよりかは数倍子供のためになるでしょう。」

記者「幼少期に変にはぐらかさず性教育、同性愛やトランスジェンダーへの教育はむしろ為になるのでは?」

 

白良「いや性教育はまだいい方です。むしろ同性愛やトランスジェンダーへの理解の教育方がむしろ問題ですよ。まだ子供は自身のアイデンティティを形成できないうちに、自分の性的嗜好や生物的な性を大人の手で疑問に持たせるのは危険なのです。では例えで1+1は?」

 

記者「え???2ですよね。」

白良「それは本当ですか?」

 

記者「駐屯地の本で見た情報ですが少年時代アインシュタインは教師に『それぞれ一個の粘土を合わせたら2になるのはおかしい』と質問したそうですが、確かにそれぞれ1グラムの粘土を秤にのせ、それを合わせると合計2gになるが、しかし説明が悪く合わせるでは混ぜるという事になる。と、いう事は2個の粘土を合わせたらもの自体は一個になる・・・。つまりは1+1も場合によっては間違ってる可能性がある。と、いう事を言いたかったのではないでしょうか。」

 

白良「アインシュタインの話を出されるとは思いませんでしたね・・・www。よく勉強されてますね。そう、それが一番の問題です。大人はそうやって反論したり哲学的な思考でそらせる・・・。でも子供は自分で意見できない。疑問に思い続けてしまい自分自身でアイデンティティを形成しきれなくなる・・・。だからこそ、小学校で教えるべきなのはまず自分が男なのか女なのか、またそれぞれのされて嫌なこと、見られて嫌なことを学ばせることが大事なのです。と、いうか個人的にはトランスジェンダーはいざ知らずゲイレズバイはただの性癖です。そんなものは小学生のうちに触手プレイのエロティシズムについて学ぶのと同じぐらいどうでもいいことなのです。」

記者「たしかに。私には10歳の息子がいますがその息子に女性捜査官物のAVを進めるようなものですかね・・・ww。」

白良「そんな感じですね。性癖なんて自分で見つけてこその個性です。他人から無理やり押し付けられたりするとかえって悪影響になりますよ。さて話は脱線してしまいましたが話題はこれで終了ですか。」

記者「はい。意外と為になったので次の記者にバトンタッチします。」

白良「ありがとうございます。」

 

その後も前回同様に政治や経済の話が続く・・・。そして最後の質問は特撮作品の騎士ジョッキーの話題になった。

 

記者「パーパルディア帝国の新聞社『アルトス』の記者のカトルです。現在放送中の騎士ジョッキークロスは我が国でも大人気になっています。主役としてクワ・トイネ軍の女性軍人であるイーネ氏による名演により、我が国でも女児人気が高まっており、女性の社会進出に一躍買っているといえるでしょう。そこで質問ですが、なぜ今まで駐屯地娘と言ったケガをしても修理装置に入れれば治る人物を起用していたのに、今作になっていきなり生身の人間を起用したのですか?」

白良「ああ、その件ですか。彼女たち駐屯地娘は有名になりすぎて逆にゴシップが出た際、世間の非難が大きくなりすぎるから使いづらくなることを予想したのと、そもそも彼女たちは軍人です。しかも第一線級の兵なので新しい加盟国での軍事指導や戦争時に最前線で戦う際困るので、これからはグローバル社会の理解度をあげるため今作からこの世界の住人かつさらに練度の高い軍人を指名したのです。」

記者「なるほど。たしかに彼女達は有名人ですからねぇ。ところで次回作はもう決まっているのですか?」

白良「いえ、まだ決めていませんが、そろそろ男性戦士入れたいんですがねぇ・・・。未だにジョッキーの技であるジョッキースラッシュを再現できるのは女性だけでして・・・。あの回転斬りを使える男性がいればなぁ・・・。D3にはジョッキーナイトと言う男性キャラがいますが・・・。」

 

 そう話しを終えると今回の討論会は終了したのだ。その後、彼は基地に戻ると、基地内にある司令官室に向かう。そこには派遣サービス式の育児教育を受けている雷子がいた。彼女はお腹が少し大きくなっていた。徐々に母親らしい顔つきになっており、練習用の赤ん坊をもした人形を使い赤ん坊の入浴方法を学んでいた。

「あら!上手ですね!まるで初めてお母さんになるとは思えないほどです!」

雷子「ふふっ・・。すでに子供みたいな旦那さんがいますからねwww。」

 

「あ・・・雷子さん・・・。旦那さんの耳に入っちゃってますよ・・・。」

 

白良「クゥーン・・・。」

 

またしてもギャレン役俳優の奥さんの如く子ども扱いされ子犬のような声を出す白良であった・・・。一応白良も試しに赤ん坊の入浴を学んでみたのだが、緊張しすぎで擦りが強すぎるという失態を犯してしまうのだった・・・。

 




次回予告

続々と妊娠や恋人が増えていく駐屯地・・・。初老の冬川にも妻が出来た・・・。サンレアは幼い精神でありながらもけなげに子供を育てていた。そして父となったサディスは入隊しサンレアと子供を養うため隊員になる・・・。

次回第九十六話「新しい命」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。