問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

108 / 142
第九十八話「竜の伝説2」

クワ・トイネ共和国の沿岸部にある  駐屯地司令部(中央歴1641年12月10日)

 

 ここでは白良達が輸送任務中にロスとした輸送機の武器娘エアンペルの行方を地下司令部にて偵察衛星や世界中の航空機に搭載しているGPSを元にエアンペルを探すが・・・。エアンペルが着陸した場所はカルアミーク王国なのだが、地形のせいでGPSが届かず衛星写真で何とか発見したものの・・・。例の崖がかなりネックになっており、なおかつ垂直離陸可能な大型航空機が寄りにも寄ってエアンペルのみと言うことでどうするか話し合っていた。

 

白良「やはりあの崖は厄介だなやっぱり空母から艦載輸送機を使って捜索するのがいいか」

冬川「いや・・・。垂直離陸が出来るYAGR-3Bの輸送型があるだろう。空母から発艦させればいいじゃないか」

白良「しかし、あれは航続距離が短くてすぐに燃料切れになるぞ」

冬川「だが、今回はエアンペルがいるんだ。着陸した所は人の住んでいるところだし、たぶん奴は燃料は必要かと言われたらそこまでじゃないか?そこで簡易的な補給基地を作れば良いんじゃないか?」

白良「それもそうだなよし!エアンペルは大抵ああいう場所に飛ばされた時モンスターの被害が出ている国だからな。念のため2個師団は連れていくか」

冬川「ではそのように手配する」

そう言って冬川は部下と艦娘に連絡し、空挺師団と機甲師団を連れてカルアミーク王国に向かうのであった。

 

 

ーーーーーー

 カルアミーク王国 王国3大諸侯 イワン領 地方都市ワイザー

 

「くっ……強い!強すぎる!!!」

 

 その一方。王国の西部の雄、イワン候の持つ伝統ある鳳凰騎士団は、その戦力の5分の4を失い、壊滅していた。燃え盛る町の中でイワン候はその圧倒的な力の前になすすべもなく敗走を余儀なくされていた。

「お父様!!こっちです!」

 

 そんなイワン候の元へ1人の娘が現れる。彼女の名はエレーナ。イワン候の娘であり、王国内でも屈指の魔術師である。彼女は父の手を引きながら王都へと導くが・・・。

 

 

「馬鹿者!!女の魔術師が戦って勝てる相手ではない!!下がっていろ!!相手は12角獣だぞ!?」

エレーナ「でもこのままじゃ私たちみんな殺されてしまいますよ!?」

 

「エレーナ様!失礼します!!」

 

ドゴッ!

 

エレーナ「うっ・・・。」

 

 イワン侯の部下らしき男が彼女のみぞおちに一撃を食らわせ気絶させる。そしてそのまま彼女を担ぎ上げ走り去る。

「クソッ!!何としても民達を逃すのだ!!急げ!!!」

 

 部下達に指示を出しつつ、彼は王都への脱出を試みる。しかし、彼の行く手には既に魔獣が立ちふさがり、今まさに彼に向かって襲い掛かろうとしていた。その背後に鎧を装着し、派手な装飾の金属製ヘルメットを被ってはいたが、その男は騎士団長が過去に見たことがある男、マウリ・ハンマン公爵に違いなかった。

 

マウリ「はっはっは!!あの伝統ある鳳凰騎士団も、私の魔軍の前ではこんな程度なのか……。まだ切り札は使っていないのだがな。どうやら、我が軍は圧倒的に強くなりすぎてしまったようだ。」

 

「マウリ様!?なぜここに・・・!まさか!」

マウリ「まあ、カルアミーク王国の王が変わるための第1歩、そして王国が世界征服をするための第1歩の歴史の中におまえはいる。光栄に思いながらあの世に行け。」

 

 イワン侯は謀反と気づいたがもう既に雑魚と言えるリザードマンと呼ばれる二足歩行のトカゲと12角獣、さらに大量の魔獣に囲まれて絶体絶命だった。そしてマウリは語り始める・・・。

 

「この小さな世界に、3つも国が存在する事がそもそも異常なのだ。私はまず、圧倒的力によって、この世界を統一する。そして力をつけ、世界の外を目指すのだ。」

イワン「そ・・・それだけのためにこんな無意味な殺戮を!!」

マウリ「無駄かどうかはやってみなければわからぬだろう。まぁ・・・外の世界の軍事力がどの程度かは知らんが、これだけの力があればどんな敵であろうと蹴散らしてみせるさ。それでは、さらばだ!!」

 

 そう言うと同時にマウリは魔獣に指示を出しイワン侯に対して攻撃を行う。イワン侯は必死に逃げようとするものの、もはや逃げ道はなかった。そして12角獣に捕食されてしまい都市ワイザーは炎に包まれた。そしてイワン候は、魔軍の前に無残にも散った。一方、ワイザーが陥落したことはこの国の国王の下に伝わり緊急事態宣言が発令された。そのことを聞いたエアンペルはまた自分の運の悪さを嘆いていた。

 

エアンペル「ああ、やっぱりこうなるのか……。だが、巻き込まれたには仕方がない!敵を倒すだけだ!最上川!」

 

最上川「えっ?おれ補給科だから戦わな・・・」

 

エアンペル「そんなこと言ってる場合か!準備するぞ!」

最上川「ああもうわかったよ!全く人使い荒いな……」

 

 こうしてエアンペルは最上川と共に王都に向かい戦いに参加することになる。が、ここである問題が起きる。国王直々に談判したが・・・。

 

「それは無理だ・・・。今ここから貴殿が例の鎧を着て飛んだとしましょう・・・。おそらく全軍に伝えたとて『マウリの送った魔物が王国内にいた!きっとスパイが紛れ込んでいるに違いない!』と騒ぐ一般人を抑えるのに精いっぱいでまともに戦闘できないでしょう。それに・・・。ウィスーク侯の娘の話が本当なのかがわからない以上、ここであなたを失うわけにもいかないのです。」

エアンペル「そこを何とか・・・。」

 

最上川「・・・・あっ!もしかしたら輸送物資に丁度いいものが・・・。」

 

最上川はエアンペルに輸送物質にある物がないか尋ねる。すると・・・。

「ふむ・・・。確かにそれなら・・・。わかりました。‘‘例‘‘の物を装着して飛び立つのなら確かに一般人を混乱させること無く戦うことが出来るかもしれませんね。」

 

エアンペル「ありがとうございます!」

最上川「まさか例の装置が輸送物資の中にあったとはな。」

エアンペル「ああ、これで戦えるというわけだ!」

 

 そう言って2人は戦闘準備を始めたのであった。エアンペルは例の物を装着するため武装とのリンクをしいつでも発進できるよう待機する。一方の最上川はと言うと、輸送物資に小銃や榴弾があったためカルアミーク王国軍兵士に配り、使い方を説明。さらには、通信機器を貸し与え、各部隊との連絡を取るようにした。そしていよいよ出撃する時が来た。

 

エアンペル「これより、我々は王国を防衛するため出撃します!ではっ!」

 

 彼女は透明になったのだ・・・。例の装置とは光学迷彩スーツであり、これを着ることで彼女は完全に姿を消し、空を飛ぶことが可能なのだ。そして彼女は飛翔し、王国上空へ到達。そこで彼女は自身に搭載されている早期警戒機機能を使い地上部隊とのリンクを始める。

 

 

エアンペル「最上川?輸送物資にあった簡易通信基地は作動しているか?」

最上川『ああ・・・大丈夫だ!こちらでも受信確認済みだ。』

『こちらカルアミーク王国軍臨時小銃連隊!聞こえますか?』

エアンペル「はい、良好です。」

 

『今現在準備している間に敵が王都に侵入した!すでに第一の城門は突破され弓兵と重騎兵は全滅。魔物が住宅地に侵入してきた、第二の城門はまだ攻撃を受けてはいないが時間の問題!しかし第一の城門近くには救助しようにもこれ以上は見捨てることになるが、砲撃支援は可能だ。だがなるべく民衆に被害が出ないよう砲撃支援を頼む!では健闘を祈る!!』

エアンペル「了解しました。今から近接戦闘支援と砲撃支援を行います。」

 

 こうしてエアンペルによる防衛戦が始まった。まず、彼女は旋回し王都に近づいてくるリザードマンに対し左舷の155㎜榴弾砲を発射。これにより先頭集団は壊滅させることができた。続いて今度は12角獣に照準を合わせ射撃開始。こちらもすぐに撃破することができた。次弾装填を終えると機首についた30㎜ガトリング砲による機関砲掃射を行おうとしたが魔物から、逃げる民衆が邪魔になり撃つことができない。

 

 

エアンペル「くっ……!このままじゃ撃てない。仕方ないが第二陣を減らして地上部隊が安全に戦えるようにするしかない。」

 

 そう言うと彼女は高度を下げ、リザードマンや12角獣の迎撃に向かう。まずはリザードマンに機銃掃射を行い。次に12角獣に対しては、榴弾砲によって足止めを行う。一方最上川率いる地上部隊が進軍し始める。

 

最上川「臨時小銃連隊!前へ!」

 

最上川は引きつれたカルアミーク王国軍兵士を連れ敵に第二の城門から魔物を狙撃し始める。

 

最上川「よし、いいぞ!この調子でどんどん倒していくんだ!」

 

PAN!PAN!PAN!

 

「すげぇ!弓矢より効率的だ!!これならいける!!」

最上川「よし!あそこに固まった魔物たちがいるな?今だ!グレネードランチャーで攻撃しろ!!」

「はい!!」

 

 最上川の指揮の元、臨時の小銃連隊は下手ながらも魔物をどんどん射殺していく・・・。一方、エアンペルの方は爆撃しつつも、魔物を撃退していた。すると対空レーダーにある物体が映る・・。それはこの世界・・・いやこの国に住む魔獣火喰い鳥と呼ばれる生物だった。時速100~110km/h、最高速度210km/hで飛行し、射程20mの火炎放射の能力を持つ。あまり機関砲の弾を無駄遣いしたくないのと、対空ミサイルの数が敵に比べると少なく、撃ち漏らした時のために攻撃手段が必要だった。そこで彼女はある兵器を地上部隊に指示させる。

 

最上川「携行対空ミサイルか・・・・。まずいな・・!火喰い鳥とかいう生物が70騎・・・。輸送物資にあったのはたった8発分と発射機本体は1基だ・・・。」

 

エアンペル『話にならないな!!クソっ!私にある空対空ミサイルは20発だ!足らん!畜生!』

最上川「でも輸送物資に予備の30㎜機関砲用の砲弾はある!機関砲攻撃で何とかならないか!?」

エアンペル『わかった!やってみよう!』

 

 そう言って彼女は火喰い鳥の群れに対して、機関砲による攻撃を開始する。30㎜機関砲の威力は凄まじく、次々と落とされる。

 

 

「がっ!!」

 

「べっ!」

 

 操縦者は30㎜機関砲により粉微塵になる。だがそれでも残った火喰い鳥は、まだまだ30匹と多く残っている。すると、火喰い鳥に向かって対空ミサイルが放たれた。どうやら惜しみなく携行対空ミサイルを発射させたようだ。

エアンペル「やったか・・・?」

 

 

 その言葉通り火喰い鳥は残り13匹となった・・・。するとさすがに損害が馬鹿にならないのか撤退し始める火喰い鳥部隊・・・。その一方地上部隊は優位に立ち、最終的には敵の部隊はリザードマン程度になり後は剣や弓矢の持った騎士たちで十分対処できたのである。こうして王都防衛戦初日の夕方は、無事勝利に終わったのだ。その様子を見たカルアミーク王国の民を驚かせた。無論この出来事は民を驚かせ小銃などの銃火器をカルアミーク王国軍に教えた最上川を英雄扱いする人もいた。だがエアンペルは「実は透明な布(光学迷彩)で隠れて空から攻撃しました」なんて情報は出せない為、あくまで輸送物資を許可した影の英雄として扱ったのであった。

 一方その頃、王国軍の会議室では、今回の作戦について話し合っていた。

 

 

「まさかこんな形で王国軍が窮地に脱するとはな・・・。」

「ええ、しかもあの武器・・・。火喰い鳥ですら一撃とは・・・。」

「ああ、我々が今まで使っていた弓などとは比べ物にもならないほど強力だ。」

「それに聞いた話では、崖の向こうには我々以外の国があるらしいではないか。エアンペル氏曰く自身にある場所を知らせる魔法道具らしき道具(GPSのこと)により、もしかしたら援軍をよこしてくれるかもと言っていた。」

「なるほど、だから我々はまずこの王都を防衛し、そこから相手の出方を見つつ反撃に出るというわけですね?」

「そうだ、とにかく今は王都を守ることだけを考えよう。幸い撤退した以上、明日以降攻めてくることはないだろう。今日はゆっくり休んでくれ。」

 

 こうして会議は終了したのであった。一方何とか防衛戦を乗り越えたエアンペルと最上川は、エネシーの住む家に泊まり一時の休息を満喫していた。

エアンペル「ふぅー、やっと終わったな・・・。」

最上川「ああ、一時はどうなるかと思ったよ。まぁ今回はエアンペルのお陰で助かったけどね。」

エアンペル「そんな事はない。最上川のおかげもある。」

 

 

 そうねぎらっているとエネシーが現れる。最上川を殺人スライディングヒップアタックで飛ばした後、エアンペルの隣に座り、そして一言こう言った。

 

エネシー「よくやってくれましたわ!あなた様は敵味方の目を欺き敵の火喰い鳥を落とすなんて・・・!素敵ですわ!」

エアンペル「ありがとうございます、エネシーさん。」

エネシー「あら?私のことはエネシーと呼び捨てにしてくださらなくては困りますわ!」

エアンペル「わかりました・・・。エネシー。」

エネシー「はい!敬語もいりません!!これからはタメ口でお願いします!!」

エアンペル「あ、うん・・・。」

 

 

 一方の最上川はギャグマンガの様に顔面から床に突っ伏していた。




次回予告
エアンペル救助隊を編成した白良・・・。駐屯地やだいたいの加盟国の兵士は今現在PTSDに悩まされている兵士が多いため、そのほか八紘連合の加盟国に打診した所、パーパルディア帝国とパンドーラ共和国が手を挙げたのだ。一方カルアミーク王国を恐怖に落とそうとしたマウリは自身の滅びの時間が来ることを知らなかった。

次回第九十九話「竜の伝説3」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。