問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

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第百七話

クワ・トイネ共和国  東南部にある駐屯地 地下司令室

 

 ここでは前回レイフォルので砲撃事件について作戦会議が行われていた。参加者は政策提言委員長・白良和影、総司令官・白良雷子、アメリカ軍兵士代表ジョージ・フレデリック・マーティン、イギリス軍兵士代表トーマス・エドワード・ロレンス、ロシア軍代表イワン・コナシェンコフ、人民解放軍代表孫正陽、中華民主国代表張景恵・・・その他各国の軍人代表が集まり真剣な面持ちで会議に参加していた。

 

雷子「全員集まりましたね・・・。今回は先日行われたレイフォルでの砲撃事件についてです。」

白良「・・・なんか陰謀臭いんだよなあ前のパーパルディアとの戦争を思い出す」

イワン「同感です。しかし、このままにするわけにはいかないのも確かです。」

トーマス「まずは情報が欲しいな」

ロレンス「それが最優先だな」

 

 こうして諜報部と情報部による調査報告書を元に会議が進められる。

 

雷子「情報部によると、レイフォルでのレイフォル陸軍の自走砲による砲撃は乗組員が魔法的な能力で操られていたとのことです。」

 

ジョージ「魔法?だが仮に操ったとして、自走砲の仕組みをわかっていないと意味が無いのでは?」

ロレンス「そもそもなんで操られているとわかったんだ?」

 

雷子「グラ・バルカス帝国の報告書にはどうやらレイフォル陸軍の自走砲の乗組員は砲撃した前後の記憶が抜けており、気が付いたころには砲弾の数が一つ減っていたそうです。」

 

トーマス「どっかの国の工作員が潜入して行動したって事か?そうは言っても、近くに近代的な大砲の使い方を理解できる国何て無いだろう・・・。まして魔法という超常の力があるというのに・・・。」

 

雷子「ですが・・・。近くではなくてもあの国があります・・・。アニュンリール皇国が。」

ジョージ「なるほど、確かにアニュンリール皇国なら・・・もしかしたら我々が知らない人を操る魔法を開発していても不思議ではないな。」

 

ロレンス「ちょっと待ってくれ。それはいくらなんでも飛躍しすぎでは?」

 

トーマス「だが戦争や政治っていうものは我々の想像を超えるもんだ・・・。あのパーパルディア皇国がいい例じゃないか・・・。」

ジョージ「ああ、まさか我々が出した雑誌を元に、ゲリラ戦やマスメディアを通して国民の戦意を挫くていう戦法を取ってくるとは思わなかった・・・。まさに中世の戦いしかできない奴らと甘く見ていた我々の油断だな。」

ロレンス「うむむ・・・確かにそれはそうだな・・・・。」

 

 ここでアフリカ連邦軍指揮官のジェミニが頭の固いロレンスを笑いながら気を抜かせる。

 

ジェミニ「アハハハハ!!まぁもうちょっと頭を柔らかくしようぜ!!それこそ日本の漫画見て勉強しようぜ!!」

ロレンス「それもそうだな・・・。」

 

雷子「・・・話を続けます。おそらくアニュンリール皇国が糸をたぐっていくと、おそらくレイフォルの砲撃の裏にはアニュンリール皇国が絡んでいると見ていいと思います。」

トーマス「技術力もあの国は隠しているつもりだがこちらは人工衛星の映像を入手済みだからな。」

雷子「はい、衛星のカメラはアニュンリール皇国をも写していました。まず間違いなく裏で手を引いているのはあの国です!!」

トーマス「諜報員を送り込んで手かがりを少しでも掴もう。」

雷子「はい、ひとまずは諜報員をアニュンリール皇国に向かわせつつ外交チャンネルを新たに開拓する必要がありますね。」

 

 その後も様々な意見が出たが、とりあえずは情報収集を徹底しようという事で会議は終了した。会議が終了した後、白良夫妻は家に戻り子供の榴香の様子を見に行った。

榴香「パパ!!ママ!!」

ベビーシッター「おかえりー」

白良「ただいま!榴香今日はいい子にしてたか?」

ベビーシッター「お父さん?ちょっと甘やかしすぎじゃないんですか?おやつも専用の味の薄いものじゃなくてかなり甘いものを食べさせているそうですし・・・。買ってきた幼児用のお菓子をなかなか食べなくて。」

白良「う・・・。さすがに最近は減らしてますね・・・。甘いの好きだけど自分の健康も気にし始めたし・・・。」

雷子「そうはさせたいんですけど、何かいい案が無くて・・・。子供用のを食べてくれなくて。」

ベビーシッター「せんべいとかのしょっぱいものを食べさせるとかはどうですか?」

 

 

 最近、榴香の健康面を考えてご飯にはできるだけ気を遣うようになったのだが、お菓子は逆に気楽に買っていた。白良夫妻は最近そんな調子で全く良い案が出なかった。そこでベビーシッターのアドバイスを聞きしょっぱいものを食べるように仕向けようと試みた。一時的な血なまぐさい作戦会議の緊張を白良夫妻は愛する子供の可愛さで和らげながら夕食を取った。白良夫妻は夜寝るまでの間、榴香と一緒に映画を見て過ごした。

 

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八紘連合本部

 

 

 ここでは八紘連合を率いる駐屯地の新司令官の雷子とグラ・バルカス帝国の皇帝グラ・ルークスによる対談が執り行われていた。無論彼らだけではなく軍人や外交官も対談に参加し、話し合う議題は例の砲撃事件である・・・。

 

雷子「この度はレイフォルにおけるレイフォル陸軍による砲撃が起きた原因が我々の調査では第三国による破壊工作・・・それも自走砲の乗組員を魔法で操るという常識では考えられないものによることが予想されました。」

 

グラ・ルークス「ああ・・我が国も諜報員による調査でそんなことなんじゃないかと考慮して、今は人を魔法で操る技術を持つ国について今公安安全庁に調べてもらっている・・・。こちらとしては傀儡国のやったことで済ますのは人としてどうかと思うのでここにて謝罪する。」

雷子「いえいえ、皇帝陛下・・・。謝罪は結構です。我々の諜報機関でも今回の件は予想できなかったのです・・・。レイフォルの陸軍については引き続き調査し、対処いたします。」

グラ・ルークス「では、今回の件はここまで・・・・」

白良「いえ・・・。まだです今回はこの件だけではなく、更に別の議題がございます・・・。」

グラ・ルークス「なんだ?」

白良「以前締結した際の人権の向上を約束しましたね?・・・特に障碍者の人権が向上するように努力するとか・・・。」

グラ・ルークス「ああ、約束は約束したな。」

白良「では、その件ですが障碍者の中でも特に発達障碍者や精神障碍者の人権向上について全く向上していないとの事でしたので・・・。」

グラ・ルークス「ああ・・発達障碍者に関しては臣民に理解を求めているが、如何せん鬱や薬品が原因の精神障害と比べ理解は得られにくいからな・・・。劣勢排除法(現実における優生保護法か断種法に近い)を廃止に追い込もうとしているが・・・。如何せん我々がいた世界には目でわかる障碍者しかいなかったからなあ・・・。

精神や発達障碍者に関しては・・・正直言って我々には理解が及ばなかった。」

白良「そうですか・・・。では、発達障碍者及び精神障害者の差別をなくすため新たな法律の制定をお願いいたします。」

グラ・ルークス「わかった。では、その件は検討するとしよう。」

 

 その次に経済と貿易の話になったが、この話題に関して紛糾した。

 

白良「ところで陛下・・・貿易関税を下げてほしいとの要求ですが、一考する価値はあると思います。ただ、これは我が加盟国からしたらとても低い要求でして・・・。むしろこのままですと我々の輸出に影響を与えかねません。」

グラ・ルークス「だが我が国に技術供与をせぬではないか。それ相応の技術をくれたら考えるが、技術供与は拒否するではないか。」

白良「それは貴国の国民や軍人が覇権的な思想を持っており、技術供与したら必ずや我が八紘連合と世界に不利益な影響を与えるからです。」

グラ・ルークス「だがな・・・。我が国の国民も軍人も技術供与を望んでいる。」

白良「なら、技術供与をしたら確実に世界から不利益な影響を被りますので。」

グラ・ルークス「だが、それでは我が国の輸出産業に影響が・・・。」

白良「我々も輸入する際には関税をかけております。こちらとしてもこれ以上に下げると我が同盟国の経済が傾きます。」

 

 なかなか議論は進まず、しまいにはグラ・ルークスはイラつき始めた。どんどん軍事行動を起こそうかと考え始めたその時・・・。

 

グラ・ルークス「もういい、経済の話は終わりだ。」

白良「ですが・・・このままでは不利益な・・・。」

グラ・ルークス「だからもう終わったと言っている!!これ以上に話し合うと武力行使に出るぞ!!」

白良「はぁ・・・。こちらとしては戦争をしたくはないんですがね。パーパルディア帝国との戦争からようやく経済や復興に力を注ぎたいのですが・・・。」

グラ・ルークス「なら、戦争の準備をしようじゃないか。冷戦というやつだな・・・!貴国は我が国の生産能力に耐えきれるかな?」

白良「・・・・そうですか。それで経済破綻して滅亡しても我々は知りませんよ。」

グラ・ルークス「ああ、こちらも貴国を滅ぼせるよう準備をしておく。では、これで失礼する。」

 

 白良夫妻との対談が終わり、グラ・ルークスは退室した・・・。そして白良夫妻も退室し、この対談は終わった・・・。

___

 

 さて駐屯地に帰ってきた白良夫妻は今後加盟国に輸出する兵器をリストアップした・・・。今までは1946年から1960年代の兵器ばかり輸出していたが、世界情勢の変化に対応するために新たな輸出品目として兵器やソフトウェア、そして軍需産業製品をリストアップした。パンドーラ共和国はシュタインカによって1960年代以上の兵器を所有しているが性能としてはグラ・バルカス帝国の兵器を上回るため心配はいらなそうではあるが、治めている奴が治めている奴なので繁栄させたくない為こちらが上回っておく必要がある。

 

白良「少なくてもF-4ファントムⅡ相当の兵器を納めないといけないな・・・。」

雷子「それでも旧式の航空機に関してはあえて残して相手を油断させ、そこに新型機を乱戦に持ち込んで敵に大損害を与えましょうか?」

白良「そうだな・・・だが、性能が高くなる分やや値段が高くなる・・・。同盟国が買えるようにしないとな。」

 

 その後も技術者との会議を行い、輸出する兵器をリストアップした。そして白良夫妻は同盟の軍備強化を進めつつ、兵器のハイテク化を推し進めた。特に大半の陸軍の車両は冷戦期初期のお椀型砲塔の戦車どころか戦時中に作られ間に合わなかった五式中戦車と言った、ギリギリ戦時中の機体の車体にハイテク機器を乗せただけであり、装甲に関しては相手が強力な砲を持つ戦車を出された場合、貫通しかねない。

そのため白良夫妻はより高性能かつ装甲を厚くした車両を選定し始めた。

 

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