問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

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外伝二十三話「パーパルディア人VS日本料理」

パーパルディア帝国(旧パーパルディア皇国) 中央歴1642年5月5日

 

 駐屯地率いる連合軍との戦争に負けてから一年半・・・。パーパルディア皇国からパーパルディア帝国に国名を変えられたが、元首のルディアスは生存し、象徴天皇の様に国民に寄り添っていた・・・・。未だ連合軍に占領されているが恩恵的な占領政策により、帝国はただ復興するだけではなく現代的な街並みになり、生活水準も向上していた。連合国の文化を楽しむ子供や、大人の姿がいた・・・。最近のパーパルディア皇国での人気のあるドラマ作品は騎士ジョッキーだろう・・・。

 今放送されているのは終戦後に終わった騎士ジョッキーD3の後続番組である、騎士ジョッキークロスの放送が始まったのだ。

騎士ジョッキーの主人公を演じている役者は今まで、駐屯地の本郷ももこ、一文字はるか、特作群の風見優が演じており、このまま駐屯地の兵士が演じるのかと思いきや、何と騎士ジョッキークロスの主人公ナディア・パーローク役としてクワ・トイネ陸軍の軍人であるイーネが演じるという事になり、話題になっていた。クワ・トイネ公国の人間がなぜ?といった疑問の声もあったが、イーネの格闘センスが見込まれでのことであった。まだテレビの普及が進んでいないため、帝国臣民は近所同士で集まってテレビをもっている人に頼み込み見せて貰うのが一般的であった。

 

「いや~今日の話も面白かったな!」

「ナディアの食べているそーめん食べたいなぁ・・・。」

「ばか!無理に決まってんだろ!一個何円するとおもってんだよ!!」

 

 子供たちがそんな会話をしていたのだ。現在のパーパルディアは未だ復旧できてなかったり近代化できていない場所もある上に、平均収入はだいたい日本円に直すと9万円がいいところだ。とてもではないがおもちゃなどをねだろうとも、子供のお小遣いどころか親の金でも買えるものではない。憧れの特撮ヒーローの食べている素麵なんてものは、そもそも高いのか安いのかわからない物だのだ。まぁ素麺自体この国でも割と格安で売っているため、親に頼めば料理してもらえないことはないが、パーパルディア人が素麺の味を理解できるかと聞かれると首を傾げる他無い。さてそんな貧しい国でも努力をしてとある料理にありつこうとするカップルがいた・・・・。

 

「なぁ・・・そんなに怒らないでくれよ・・・。確かに連合軍に苦しめられたけどさ・・・。」

「あ~ら。別に怒ってはいないわよ?」

そう言いながらもその女はかなり不機嫌そうだ。そして男の方は冷や汗を流しながら必死に取り繕おうとする。

「それにほら、俺たち結婚したばかりじゃないか・・・。」

「そうね」

 

 男の方はおろおろとしていて情けない感じだが、女のほうはなかなか美人でスタイルもいい。しかし今は眉間にしわが寄っていて少々台無しになっている。男の方の名前はマークス、女の名前はエリカというらしい。二人は恋仲であった。マークスは駐屯地の日本料理にはまっている一方、エリカは駐屯地のことを良く思ってはいなかった。マークスが駐屯地・・・主に日本関連のことを話すと、いつもエリカは不機嫌になるのだ。今日もパーパーパルディア帝国の中でも比較的安い日本料理屋で食事をしているのだが、彼女の顔は相変わらず曇ったままだ。

 

「だって考えてみなさいよ、あなたが駐屯地の話をするたびに私は不快な気持ちになるのよ。」

「それはわかってるんだけどさ・・・。俺としては、君に日本料理をもっと知って欲しいというかさ・・・。」

「はぁ・・・。あなたは何も分かってないわ・・・。あのねぇ、私が言ってるのはそういう事じゃないの。皇国人のくせして、私たちの国を占領してる連中が憎いのよ!だいたい私から言わせてみれば、あいつらは野蛮人よ!」

「ちょっと落ち着けって・・・。周りも見てるぞ・・・。」

 

 やや声のトーンをあげた彼女を宥めるマークス。このままでは破局まで行ってしまうと思った彼はとりあえず、食べ物を注文したのであった。エリカは彼の話す料理がどのようなものかイメージが沸かないらしく、彼に任せたのだ・・・。しばらくすると白い粒状の物と泥みたいなスープ。そして橙色の魚の切り身が現れたのだ。

 

「なに・・・?この白い粒と泥みたいなスープと、焼いたオレンジ色の魚の切り身は・・・?」

 

「これが日本の一般的なご飯の組み合わせだ!白い粒はお米っていう穀物で、こっちの茶色い汁は味噌汁、こっちの魚は焼き鮭というんだ!!あとからもう二皿料理が来るから楽しんでくれ。」

 

 彼女からしたら、白い粒状のものは何なのか分からず、泥みたいにも見えるが、彼の説明を聞く限り食べられるものと判断したようだ。恐る恐るみそ汁を口に入れると・・・。

「あら・・・おいしい・・・??」

どうやら口に合ったようで、少し表情が明るくなった。そしてマークスに言われ次にフォークで器用に焼き鮭を切り分け、ご飯と合わせ口に入れた瞬間、彼女は目を見開いた。

 

「なにこれ!?おいしすぎる!!!こんなの食べたこと無い!」

「ははっ!気に入ってくれたか!」

「えぇ・・・。って!別に駐屯地のことを好きになったわけじゃないからね!」

 

 そんなやり取りをすると残りの2皿が運ばれてきたのだ。その2皿の料理とは豚の生姜焼きと厚揚げ豆腐の煮物だった。これもまた美味しかったのか、すっかりエリカの顔からは険が取れていた。しかもマークスに「日本食は脂肪分が少ないから健康にも良い」と言われて完全に信じ切ってしまったのである。この後二人は仲良く家路に着いたのであった。さて、話は変わり、パーパルディア皇国の首都エスシラントにある宮殿。そこに皇帝ルディアスはいた。

 

ルディアス「雷亞・・・今日の夕飯は何だ・・・。」

雷亞「今日はトンカツです。」

ルディアス「そうか・・・。やはり肉は良いものだな・・・。」

皇帝は肉類が大好きで、特に豚肉を好む。

雷亞「陛下、ソースと塩、どちらをかけますか?」

ルディアス「そうだな・・・。偶には辛子とソースの両方をかけてみるかな・・・。」

 

そしてトンカツを口へ運ぶ。サクッとした衣の中から柔らかいお肉が出てくる。そしてそれを噛みしめるとジュワッっと旨味があふれてくるのだ。その味わいに思わず頬を緩ませる皇帝。そしてかつては敵であったフェン王国の米をほおばり、幸せそうな顔を浮かべた。そしてその後、愛する妻の雷亞が作ったみそ汁を啜る。

 

ルディアス「(やはり日本の料理は旨いな。皇国も日本のように文明国になれればよいのだが・・・。)」

 

 現在パーパルディア帝国は、実質駐屯地率いる連合軍の統治下におかれているといっても過言ではない。法令や生活形態は徐々に日本式に近づいており、国民の中にはそれを受け入れつつある者もいるが、未だに抵抗を続けている者も少なからずいる。日本人かつ武器娘である雷亞と婚姻するとなった時は、極右・極左皇国人に殺害予告の手紙が届いたり、テロ活動が起こったりしたこともあった。だが彼は命の危機にあうが動じず、「余はこの帝国人民を信じる。そして彼らも必ず日本という国の様に戦火から復興し、真の平和を手にすることが出来ると信じておる。」と言い放ち、雷亞との愛を貫き通したのだ。その結果、皇族内での評判は悪くなかった。だがしかし、皇国の民衆の間ではいまだに激しい憎悪の対象となっているが・・・。さて、それはさておきルディアスは日本料理を気に入ったようだ。

 

ルディアス「はぁ・・・。毎日食べても飽きないなぁ・・・。この料理を考えた奴は天才だよ。」

雷亞「そうですね。」

ルディアス「今度、お前に日本料理や他の国の料理の作り方を習おうと思っているんだが・・・。」

雷亞「えぇ、構いませんよ。いずれ・・・産まれてくる子供の為にも・・・。」

ルディアス「そうだな。名前を考えねばならぬな。男の子なら・・・いや日本風にするかパーパルディアの言葉を入れるか・・・うーむ・・・。」

雷亞「ふふふっ。気が早いですよ。」

 

 そんな会話をしながら食事を終えた夫婦は、風呂に入り、寝床に入ったのであった。

 

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パーパルディア帝国 沿岸部の港町

 

 ここではある海産物の養殖場が作られようとしていた。その建物内では一人の男が作業員たちに指示を出していた。男の名はドイガキ。元海軍兵士でこの養殖場で働いているのだ。ドイガキの指示のもと、大勢の人々が動き回り、建物の中ではある物が大量に育てられていた。

「良い感じだな!まさか生で食える牡蛎が作れるなんてな!」

「あぁ!しかもこんなに大量に作れて、しかも値段は安いときた!まさに夢のようだぜ!」

「それもこれも全部駐屯地のおかげだな・・・。」

「全くだ・・・。」

 

 彼らの作っていたものは生食用の牡蠣だった。そしてこの世界では生食出来るような貝類は少なく、主に焼くか煮るかのどちらかだった。さらに生食するには殺菌消毒処理をしなければいけないのだが、この世界の技術と発想の無さで生で食べるという発想がないのだ。しかし前の世界でも何でも調理して食べてしまう日本・・・というよりも駐屯地のおかげで、パーパルディア人にも生食文化が根付きつつあったのである。

 ちなみに皇国人は生食を好む日本人に対して・・・。「連合軍が強いのは生で食うほどの力があるから皇国は負けたのだ!」とか「日本人は優しさと賢さを持つけど何でも食おうとするのが怖い。」といった偏見を持っていたりする。が、ルディアスがテレビを通じて美味だというと、皇国でも徐々にではあるが、生で食べられる魚介類が増えてきた。そして珍味すらこの国でも流行りつつある。

 

「おい!次の作業に移るぞ!!」

「「「「「「はい!!!」」」」」」

こうして彼らは順調に施設の建設を進めていった。

___

 

 

パーパルディア帝国 とある繁華街

 

 ここは日本でいう東京の外国人飲食店街のような場所で、多くの外国人が行き交っている。そしてその中の一角にある中華料理店でとある皇国人親子がいた。片方はいまだ駐屯地に反感を持つ中年と駐屯地の文化を知りたい青年が来ていた。

 

「ふん!なにが中華料理だ!確かこれは中国と呼ばれる料理の真似事だろうが!!こんなもの、我が帝国の料理に比べれば大したことは無いわ!!それにニホン人はかつてチュウゴク人と言う人種を殺しまくったそうじゃないか!まさに我々皇国人はこのチュウゴク人と同じだ!日本に苦しめられ・・・」

 

パーパルディア人の中年ローマンが怒りながら叫ぶ。そしてその横には息子ベルナッドがいた。ベルナッドはなだめつつも料理を注文したのだ。ひとまずラーメンと餃子10枚を頼んだ二人はビールを飲みつつ料理が来るのを待つことにした。しばらくして中国人兵士の店員が料理を運んでくる。そして目の前に置かれた料理を見て、ローマンは目を丸くした。

「な・・・なんだ・・・?これ・・・。」

「何って餃子だよ。ほら、箸を持って。」

「お・・・おう・・・。」

 

ローマンは初めて見る餃子に戸惑いながらも、恐る恐る口に運ぶ。すると・・・。

「な・・・なんじゃこりゃああ!!!うまぁぁい!なんだこの味は!?今まで食べたどの食べ物よりもうまい!!!」

あまりの旨さに思わず絶叫するローマン。そしてあっという間に完食してしまった。ベルナッドは一個小皿に乗せただけで、全部父親に食べられたのである。そしてラーメンも食べ終えると、彼はまた満足そうな顔を浮かべた。

「美味いなぁ・・・。これがニホンの食い物か・・・。」

「父さん・・。もっと食わないか?割と金銭に余裕があるし・・・。」

「そうだな・・・。」

そう言うと彼は追加で20枚の餃子とレバニラ炒め、天津飯、回鍋肉、八宝菜を頼んだのであった。最初は高圧的な態度であったローマンであったが、中華料理を食べてすっかり上機嫌になっていた。彼は息子に誘われ日本風の居酒屋に行くことになった。

「へぇ・・・。フェンの酒もいいもんだな。」

「そうでしょ?」

「あぁ。焼き鳥もなかなかいけるな。タレも醤油も悪くない。塩も悪くないな。」

 

こうしてパーパルディア人は、食を通じ駐屯地・・・主に日本に対して印象を良くしていくのであった。だが駐屯地に関連する料理は日本食だけではない・・・イタリア料理や中国料理などもあるのだ。だが、まだそれらは帝国には知られていない。未知の食材を使った料理や味付けは、パーパルディア人にとっては新しい刺激となり、受け入れられていくのであった。

________________

 

パーパルディア皇国 風俗街

 

ここでも日本料理が流行り始めていた。主な要因としてデリバリー形式の風俗を利用した駐留している駐屯地の陸自隊員が「ただ性を発散してもらったのに店の店主があんな扱いじゃ、嬢がかわいそうだな」と考え嬢に料理がふるまったことに始まった。そして嬢がレシピを教えて貰ったことにより他の嬢にも広がっていったのだ。今ではパーパルディア帝国の風俗街では日本や西洋料理を出す風俗や、料理をふるまってくれるデリバリーヘルス嬢が人気となっている。

今日はとある帝国人男性がラブホテルで風俗嬢を待っていたのだ

「どんな娘かな~♪楽しみだなぁ。」

 

そんなことを考えているうちに部屋のインターホンが鳴る。ドアを開けるとそこには一人の女性が立っていた。その女性は身長170センチほどで、緑髪ロングヘアーで、瞳は蒼く肌が白い。そして顔立ちは整っており、スタイルも良い。そして胸元が大きく開いた服を着ており、大きな谷間が見える。男は思わずその豊満な胸に目が行った。

 

 

「こんばんわ。ご指名ありがとうございます。リリアです。よろしくお願いしますね。」

「よ・・・よろしく。」

男は彼女の色気に圧倒される・・・。だが一番気になったのは大きなリュックである・・・。彼は野獣先輩の様に顎を指に当て考察した・・・。そして「あっ・・・そっかぁ(池沼)」と理解した。彼はおそらく連合国のアダルトビデオなるものがあり性の文化はかなり発展していると聞いたことがあった。そして男性用の性を処理する道具だけではなく女性の性を解消する道具もあると聞く・・・。リュックの中にはきっとそういう類のものが入っているに違いない。そう考えると、未知のプレイを楽しめるのではないかと期待してしまう。そして彼は興奮を抑えつつ、彼女を部屋に入れた。

 

「ところでさ・・・。そのリュックって何?なんかいろいろ入ってるみたいだけど・・・。」

リリア「あぁこれですか?これは私の調理器具と食材ですよ。」

「えっ・・・?」

 

予想外の答えに困惑する男。しかし彼女はニコニコと笑顔で続ける。

 

リリア「大丈夫ですよ。安心してください!ちゃんと衛生管理していますから!お客さんの健康にも害はありません!」

「いや・・・そうではなく・・・。」

「それに・・・私、お料理得意なんですよ。だから今日は腕によりをかけて、おいしいもの作ってあげます!あ、ちなみにちゃんと行為しますよ!」

「う・・・うん・・・。」

 

そう言って彼女はキッチンに行き、料理を作り始めた。

 

「ふぅ・・・。なんだか大変なことになってしまったなぁ・・・。でもまあいいか!疑似結婚プレイって考えたら悪くないしな。」

 

ちなみに今回はリリアは天ぷらを作ることにした。まずは野菜を切り、油を用意して、小麦粉に水を入れて溶かす。男は何をしているのかよくわからなかった。だが彼女が手際よく作業を進める様子を興味深げに見つめていた。

そしてしばらくすると衣をつけ、野菜やエビをを揚げ始める。

 

ジュワァア・・・

 

香ばしい香りが部屋に漂う。男はゴクリと唾を飲み込んだ。やがて出来上がったものを皿に盛りつけていく。

「はい!できました!どうぞ召し上がってください!!」

「おおぉ・・・!!うまそうだな!!」

 

男は早速食べてみることにする。フォークで刺して口に入れ咀嚼を始める・・・。すると野菜のシャキシャキとした食感が心地よい。そして次にエビを口に運ぶ。噛むとプリッという音とともに甘みのある汁があふれ出る。さらにエビの足も食べるが香ばしくさらに美味しい。。サクサクの衣に包まれたそれは、とてもジューシーであり、まさに絶品であった。

 

「うまい!!!」

 

あまりの美味しさに絶叫する男。そして瞬く間に完食してしまった。

 

「すごく美味しかったよ。」

「よかったぁ・・・。喜んでもらえて嬉しいです!」

「いやぁ満足だよ。ありがとね。」

 

 

 その後ちゃんとヤルことヤって料金を支払い女は帰っていったのであった。

______

 

パーパルディア帝国 首都の隣町

 

 ここにはケーキ店が一軒あるのだが、ここのスイーツも日本食ブームに乗って人気を博している。特に女性や子供を中心に大人気だ。今日も若い女性店員が接客をしていた。彼らにとってデザートなんて言う菓子は貴族が食べるか、その貴族層も生クリームの概念を知らない上焼き菓子ばかりのため、スポンジケーキやロールケーキなどのクリーム菓子を食べられるこの店はとても斬新のようだ。しかも味も良いし値段も安い。おかげで連日行列ができるほどの盛況ぶりだ。中には軍人も来ていて、部下たちに土産として買っていくこともあるらしい。

 

「お待たせしました~。こちらイチゴショートになります~。」

「お母さま!これが日本のショートケーキですよ!」

「上に載っているのは野イチゴ?にしてはつぶつぶじゃないわねぇ・・・。」

「これは日本の苺です!甘くておいしいんですよ!」

 

母親らしき人物は不思議そうな顔をしていたが、娘に勧められるまま一口食べた。そして口に含むと目を輝かせた。

パクッ モグモグ・・・

 

母親は驚いた表情でもう一口頬張った。そしてまた驚きながら言った。

「んまぁ!何これ!?すっごく甘いわ!こんな果物初めてよ!」

 

「たしかとちおとめっていう苺でしたっけ?苺には他にもいろんな種類があって、とちおとめが一番おいしいんですって!」

「へぇ・・・。でも本当においしいわ。今までのお菓子と違ってすごく優しい感じね。」

「私もこのとちおとめ大好きです!あっ、お母様!このチョコケーキも美味しいのですよ!苦みもありながら、ほのかに甘味もあって、最高です!」

 

「本当ね!あなたが気に入るわけだわ。」

 

親子は幸せそうにスイーツを食べる。そんな光景の一方、別の席では中年男性が新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。彼は仕事帰りにいつもここに寄るのだ。

「ふぅ・・・。やっぱり疲れたときはこれに限るぜ・・・。」

 

彼がそう言いながら老人に冷や水レベルのホールケーキをペロリと平らげるのを見ていた他の客たちは、「あの人毎日通ってるけど、よく太らないなぁ・・・」と思いつつも、彼のその食欲に感心していた。彼が今日選んだケーキはフルーツがいっぱい乗った生クリームのケーキである。ちなみに値段は1000円ほど。

「バナナに、苺にメロンに桃かぁ・・・。我ながら贅沢なもんだなぁ。もう甘味の絨毯爆撃機や連合軍の爆撃にそっくりや(敗戦国民特有の笑えない自虐ギャグ)。テカテカのオブラートで包んであってフルーツの艶を際立たせてるよなぁ。」

 

彼はそう言って、パイナップルと葡萄が乗っているところをフォークで掬い上げ、口に入れる。すると濃厚な甘さが口に広がる。パクッ モグモグ・・・ 甘さだけでなく、少し酸っぱい部分もある。そしてそれが甘さをより引き立ててくれる。まさに極上のハーモニー。

パクッ モグモグ・・・

 

今度は苺とメロンを一緒に食べる。酸味と甘さのコラボレーション。そしてメロンの爽やかな香りが鼻から抜けていく。

パクッ モグモグ・・・ そして最後の楽しみは桃だ。柔らかい果肉をフォークで突き刺し、口の中へと入れる。噛むと果汁が溢れ出し、同時にみずみずしい甘さと香りが口一杯に広がっていく。

パクッ モグモグ・・・

 

そのあまりのおいしさに、思わず笑顔になる男。

(ああ・・・いいなぁ・・・。若い時この食べ物があればいっぱい食えたんだがなぁ・・・。)

そう思いつつ、男はさらにケーキを食べ続けた。

 

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