問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

58 / 139
第五十話「波風高し!アルタラス王国」

アルタラス王国  (中央歴1642年3月24日午後15時30分)

 

 

 

 ここではパーパルディア皇国の外交官カストが偉そうな態度でふんぞり返って国王の前にいた。本来は外交官であり王女であるルミエスがこの場にいるべきだが、今現在ロウリア合衆国で留学をしていたのである。

 

 

 

「貴殿はいつ我が国の要求に応じるのだ!応じなければそれ相応の見返りと皇帝陛下の怒りを受けるだろう!」

 

 

ターラ14世「お言葉ではありますが、もし貴国の仰るそれ相応のことをした場合、日本とその同盟国を含む国々にそれ相応の報復を味合うことになりますが・・・・?」

 

 

「ふっ!どうせ烏合の衆だろう・・・。まぁ!よい!今回はここまでにしてやる。しかし!今週から魔石の量を40t増やす!わかったな!!」

 

 

 そういいつつ偉そうに帰っていったのである。この時会議に参加していたルミノはこぶしを震わし、怒りを表し、会談が終わった後自室の壁を殴ったのであった。なお外交官のカストは、上層部に「ニホンという国の命令を守っている。もし今後催促したら戦争をすると恫喝してきた」と、報告した。上層部は所詮準第三文明圏の戯言として何とも思わなかったが、念のため戦力の抽出をしたのである。

 

 

 

 

====================================

 

アルタラス王国 国防省 同時刻

 

 

 

 ここでは総司令官が30人近くの将校や兵士、諜報機関との会議を行っていた。

 

 

 

「まず今日の報告を怪しい点を述べれるものいるか?」

 

 

「空軍です山間部にワイバーンロードの糞が落ちていました。現在陸上と空からの警戒を行っております。」

 

 

「公安部です。疑い過ぎだとは思いますが、パーパルディアの観光客・・・。それも男性が多いですわ。女性としての視点が入りますが、やけに女性を誘って婚姻に行こうとしてます。そして解雇された一般人がやけに一か所に集まってることがあります・・・。テロに注意し、警戒を強化しております」

 

 

「海軍としては、皇国人の私掠船と海賊船が急減しているのが不思議です・・・。これは正規兵として育成しているのかも知れないので、その場での撃沈を設定しました。」

 

 

「警視庁です。一応軽微なテロに対応できるように装甲車を融通してもらいました。」

 

「陸軍です。不景気により車両の購入が滞っています。一応重火器は重点的にそろっているので最悪と視線部に追い込んでゲリラ戦法を用いれば何とか・・・。」

 

 

 陸海空軍と各治安維持関連省庁の報告を聞く総司令官。現在、不景気により車両・航空機・艦艇の購入及び建造が中止されており、なかなか軍備の増強ができない時だったため、ため息を吐く・・・。だがただ黙っているわけではなかった・・・。

 

 

_____________________________________________

 

 

同国 王都から40㎞南側の都市 ラスサシ州 ラスサシ基地

 

 

 

 ゲリラ戦法を駐屯地の書籍と留学から学び、今現在は都市部での戦いを想定した訓練が行われていいた。皇国のリントヴルムとして設定したエスペラント王国製の旧式戦車バスケトゥール2と、去年まで使われていた兵士の格好をした皇国兵を模したの集団と戦っていたのである。

 

 

 

「良し・・・あとは散発的な攻撃と、ブービートラップの安全装置を外すだけか・・・。」

 

 

「ええ・・・。いつでも解除できます!」

 

 

「良し!総員に連絡!今から魔信の通信をやめ、民用の無線機・・・もしくは軍用ポケベルで交信する!以上!!総員散開!!」

 

「「「了解!!」」」

 

 

 慌ただしく散開する兵士達・・・・。この場所はというと、どのような地形でも罠をつけれるように、もしくは、ゲリラ戦法を学ぶための訓練場であり、かなり広めに作られたのである・・・。そしてここ近年、皇国のプライドの高さが嫌になったディア人が、人種平等のロウリア合衆国に来るようになり、アルタラス王国軍には、元皇国軍兵士が皇国軍役を務めるアルタラス軍人に、演技指導しているのである。

 元皇国軍の兵士曰く、「基本皇国軍兵士は物よりも生理的なもの・・・もとい食べ物か女性をよく狙う・・。あとは武器を狙うのでそのようなものにわなを仕掛けるといい。日本の元居た世界のやり方である調度品に罠は意味がない」、とアドバイスを教えたり・・・。もしくは女性工作員に対して「皇国人は褒められるとなんでもべらべら話す」など、戦闘・諜報に役立つ情報を得ていたのである。一方の空軍と海軍は・・・。

 

 

 

________________________________

 

 

アルタラス王国中心部から13㎞南西沿岸部 サベルト州バリステル航空基地

 

 

 ここでは、何とか18機と言う少数ながらも配備ができた戦闘機・・・・P-01を使い模擬空戦を行っていた。相手はガハラ神国からやって来た風竜部隊と、チィシン帝国空軍第1戦闘機隊である。主に風流部隊は皇国軍ワイバーン役を担っており、ワイバーンロード役としてはやや強すぎる相手だが、皇国軍の新兵器対策としては抜群の相手であった。そして旋回力を鍛えるため、チィシン帝国からの基地航空隊の烈嵐4機と戦っているのであった。

 

 

 

スサノウ「まぁ・・・我々の乗る風竜じゃあ流石に落とされるな・・・・。」

 

『それはそうだろう・・・。確か時速700㎞はあるだろう?200㎞低い我々が対応できるわけがない・・・。』

 

 

「隊長・・・。私もやられました・・・・。彼らが前に操縦していたI-10で鍛えられたのでしょう・・・。チィシン空軍の戦闘機を翻弄していますよ・・・・。」

 

 

 

 服や風竜に砲弾クレヨンの汚れがついているそう彼らの話のとおり、なかなか落とせずにいるチィシン基地航空隊・・・。航空隊は操縦席の中で怒り心頭になっている中、アルタラス空軍の兵士はというと・・・。

 

 

「す・・・すごい!今までのと違って時速700は超えるわ・・・!それでいてミサイルも搭載できる!」

 

 

「ヒャッハー!すげぇぜ!!すげぇよ!!こいつはぁ!!」

 

 

 

 そう操縦席で喜んでいる彼らだったが、一方のチィシン国の鮫人達の兵士はというと・・・。

 

 

「速すぎるだろっ!!!こいつら!?」

 

 

「複葉機で鍛えたとかいう段階じゃないぞ!?早っ・・・糞っ!ミサイル食らった。そっちはどうだ!?」

 

『きゃあっ!!エンジンをピンポイントに!!??』

 

 

 

 まさに阿鼻叫喚の様子であった・・・。無理もなかろう・・・。本来複葉機はスピードが遅い分旋回力が高く、反対に単葉機はスピードが速い分旋回力はその半分になりがちであるが・・・。複葉機で慣れたのか異常まで程、操縦テクニックと射撃精度が上がっており。エンジンをピンポイントに狙ったり、明らかにGの影響をもろに受け失神する角度で急旋回などをこなすため、もはやOTOの兵士よりも練度が高くなったのである・・・。その後も3回戦にわたり、模擬空戦を行いお互いの技量を高めていったのである。

 

 

 

_____________________________

 

 

アルタラス王国サベルト州沿岸部から120km沖 3月25日21時20分

 

 

 空軍と陸軍が演習を行っている中、海軍は海軍の航空機不足を補うのと夜間戦闘を行えるよう、夜な夜な赤外線ゴーグルを装着したワイバーン・・・。インフレッドワイバーンを用いた奇襲攻撃を考案し、その演習を行っていたのである・・・。戦法はどのようなものかというと、正規竜母から発艦された護衛機の零二式艦上戦闘機飛雀Ⅱを3機就かせ、その後にインフレッドワイバーンを20騎分ほど発艦させる・・。そして電子戦機としての機能を持つ飛雀により魔信などの通信網を破壊したのち、急降下で仕留める・・・という戦法であった。

 そしてこの部隊を率いているのは編隊長の女性である、メウミが率いている。相手は敵軍役のI-10部隊とワイバーン部隊そして自前の竜母、戦列艦との戦闘である。

 

 

『方位30に敵を確認!!数はワイバーン5!航空機3機!』

 

「わかったわ・・・。総員10機編隊に分かれ!!航空機は艦戦と協力して追い込むように!」

 

「了解!!」

 

 

 偵察騎の情報を聞き、20騎を半数ほど別れさせ、編隊を組みなおす・・・。そしてワイバーン部隊と航空機部隊と会敵する・・。そしてメウミの率いる戦闘隊が敵役の航空部隊に立ちはだかる・・・。そしてもう片方の10騎のワイバーンと2機の戦闘機は敵艦艇の方へ向かっていく。その後は3時間にわたって攻防が続けられ、結果として両チーム合わせワイバーン部隊が4騎撃墜されたものの目的の艦隊防衛は成功し、敵艦艇の夜間奇襲が可能となったのである。

 

 

 

________________________

 

 

 

 

パーパルディア皇国 パラディス城 ルディアスの部屋

 

 

ここでは、ある国を攻め落とすための会議が行われていた・・・。会議には皇帝のルディアス・・・。皇国軍の総司令官・・・。補給・・もとい食料供給の議論に必要なために来させた農務局の局長も訪れていた・・・。その中でも本来なら軍事には関係のない女性がいた・・・。

 

 

ルディアス「ほう・・正攻法では落とせないと・・・?そしてアルタラスはもう術中にはまったのか・・・。」

 

 

アルデ「あとはフェン王国の軍祭に蛮族たちに、我が国の強さを示しもし・・・。それでもフェン王国が屈しなければ、ある程度大軍を送り込み、命じつつアルタラスにいる兵士を用いれば反乱はおきるでしょう・・・。」

 

「ええ・・・。最近はニホンと呼ばれる国がフェン王国に近づいているので・・・。まぁ・・・多少謀を用いるのも、この国を思ってのことです・・・。まさか自分たちから戦術を漏らすなんて。」

 

 

 

ルディアス「ふむ・・・さすが我が選んだ皇軍司令官と、外務局を監視する立場にある皇族の一人だな。」

 

 

 

 総司令官ととある女性を褒める彼・・・。その女性とはパーパルディアの外務局を監視する外務局監査室所属のレミール・エスシランスである。彼女は憧れている人物に褒められたためか遠慮がちになりながらも感謝を述べる・・・。

 

 

ルディアス「だがここまでやる必要があるのか??ニホンの支援を受けたアルタラスは兎に角、所詮小さくつい最近同盟を組んだフェン相手に・・・。」

 

 

 

レミール「いえいえ・・・。だからこそそこまでする必要があるのです・・・。アルト司令官!説明を・・・。」

 

 

アルデ「はい。今回ばかりは油断はほんの少ししなければ勝てる戦なのです。彼らは国民を主権において国を動かしています・・・。そして彼らはマスメディアと呼ばれる情報を提供する団体を持っています。

 まずゲリラ戦法と呼ばれる、直接的な戦闘を避けて地の利を生かした攻撃を行い、被害を拡大させます・・・。そしてアルタラスは現地の浮浪者を兵士として雇い、破壊工作を行わせます。蛮族のフェンと、小国のアルタラスは日本により強力な兵器を持っていますが、先ほどの戦法で手薄になった基地に侵入し新兵を拷問なりして簡易的な使い方を学んで、そして救援にやって来た蛮族に対し、先ほどの術中を応用してしまえば蛮族達とニホンも降伏・・・まではいかなくても干渉することは不可能になるでしょう。」

 

 

 そう長く説明するアルデ・・・・・。彼が片手に持っていたのは、駐屯地の発行している軍事雑誌「KAKU」の歴史特集を第三文明圏語に訳したものである。要約すると硫黄島の戦いで日本軍が米軍相手に行ったゲリラ戦法を用いつつ、相手国のシンパシーを感じている人物を雇いテロ攻撃などにより、警察機構だけではなく軍隊も麻痺させる。そして新兵や女性兵士を拷問し、現代的な道具を教えさせ鹵獲するという戦法であった。

 

 

ルディアス「ふむ・・。今までとは異なる戦術だな・・・・。」

 

アルデ「えぇ・・・小さい軍事集団・・・ニホンの○○チュウトンチなる、我が国とこの世界の秩序を崩し始めた国の、対抗策としてはこの策に限りましょう・・・。ただ不明確な点と怪しい証言がありますが。、我が皇国軍と外務局しては油断をせず進めていきたいと思います!」

 

 

 

 そう、自信満々な陸軍司令官の声を聴き、起源のよさそうな顔をし、アルデの作戦を許可したのであった。一見理にかなっているように見えるが、所詮は卓上の話であり実際に成功するかは不明確であり。それこそ「こちらがこうすれば、相手は好反応する・・いやしてくれる、出会ってくれ」というのは戦前の日本の軍事作戦を醸し出すような考えであった。当然ことが上手くいくことはなかった。そして彼ら・・・特にルディアスの知らない所で意向を利用し、悪用するものの存在に気付かなかった・・・。そしてとある人物の存在に気付いていなかったのだ。果たしてパーパルディアの運命は如何に・・・?

 




思いのほか強化しすぎてパ皇編に難儀して書いている今日この頃です・・・。


それはそうと次回予告。


フェン王国の考案により、各国の軍を集め軍祭を開く・・・。日本や大東洋条約機構軍のユニットや兵士が訪れる・・・だが、その軍祭を妨害するものがいた・・・。

第五十一話「波乱の軍祭!!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。