問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

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第五十九話「フェン王国の戦い・窮

フェン王国 首都アマノキ  13時40分

 

 

 

 

白良「王族はまだ見つからないか・・・。」

 

イーネ「早く見つけなければ国民の戦意も低下するでしょう・・・。」

 

 

「それだけは避けたいですな・・・。」

 

 

白良「こちら司令部!特作群!未だ見つけられないのか!?」

 

『ザザ・・・・こちら佐藤!敵の数と人の盾作戦で下手に狙えない!!』

 

白良「くっ・・・。仕方ない・・・・!こちら司令部航空支援を増やす・・・!」

 

 

『こちら佐藤・・・了解!』

 

 

「偵察機も多く常駐させた方がいいですね・・・。それにCOIN機も・・・。」

 

 

 なるべく一般人や捕虜への誤射を防ぐため偵察機とCOIN機の数を増やしたのだ。そしてスパイ・パトローラーとスパイ・サテライトにフェン王国を旋回・・・。そして航空支援を用いて敵軍の司令部を壊滅させるため、戦略爆撃機を行ったのである。

 

 

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フェン王国 シイノキ市内

 

 

何とか脱出した相馬原達であったが、徐々に追い込まれて散開していった。一般人を連れていたの言うのももあったが、すべて逆上した皇国兵に殺されるか、降伏に追い込まれ凌辱されたのであった。そしてそれは駐屯地娘も例外ではなかった・・・・。

 

 

宇治「やめてください!!!やだっ・・・!やめてぇ!!」

 

 

「へへへっ。こいつは上玉の女だぜ!!」

 

 

「女が戦場に突っ立ってるからこうなるんだよバァァカ!!はっはっ!!」

 

 

ビリリリッ!!

 

 服を破られたときに宇治の目の前は暗くなったのだ。その間のことは・・・・。言うまでもないだろう・・・。一方他の駐屯地娘は戦いに戦いを続けた。その戦いはすさまじく服を切られようが、小銃や機銃で撃たれようが、徐々に追い込まれた。

 

 

相馬原「ぐぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

「てめぇ!!騒ぐんじゃねぇ!!」

 

 

「しかしなかなか死なねぇな・・・・。」

 

 

相馬原「ふっ・・・・!私はこれ程度で死なねぇよ・・・・。なんだったら人間じゃねぇしなぁ!!!」

 

 

バキィッ!!!

 

 

「なんて力だ!!まだ男一人吹き飛ばせる力を・・・」

 

 

相馬原「何としても生き残るんだよぉぉぉぉ!!!」

 

 

ドゴッ!!

 

 

 拘束され体を刻み込まれたが、力を出し、蹴り飛ばし戦う彼女・・・。果たして彼女たちの運命はいかに・・?

 

 

 

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フェン王国上空  高度5000m

 

 

 

 ここではB-52Hの率いる戦略爆撃機部隊が攻撃を開始しようとしていた。轟音を立て彼女の周りに追従してきたのは、マグマ要塞ベアと、B-1と騎兵を模した新型マグマ要塞ランサー、そしてエスペラント王国のジェット爆撃であるMe04ヨルムンガンド4機、そしてターボプロップ爆撃機部隊として、零一式戦略中爆「桐龍」とB-01フライングウッチーズ(ロウリア空軍版桐龍)の5機編成で飛んでいた。

 

 

B-52「さぁ!!投下するわよ!!」

 

 

CATYAN!GOROROROROROROROR......HYYUUUUUUUUUUUN!

 

HUUUUUUUUUUUUUN!!

 

 

HYUUUUUUUUUN........

 

 

DODODODODODODON!!

 

 

 

 大規模な数で移動しているとの情報を聞き、トラックや装甲車を鹵獲した皇国軍の一団に空爆を行う彼女達。轟音と共に一団が壊滅したことを確認すると、エスペラント王国空軍のAr01ブリッツマウスによる低空爆撃を行う、その後P-02マシュ・キリエライト(P-51)による機関砲掃射が行われる。

 

 

ランサー「皇国軍の侵攻してきた方向まで少しだな・・・。対空ミサイルはなさそうか?」

 

 

B-52H「油断はだめよ!!相手は対空砲をも鹵獲しているわ。油断は禁物よ!」

 

 

そうすると対空砲撃が始まる・・・。B-52Hとマグマ要塞は急上昇するが、連合軍の爆撃機は対空砲撃を避けるかの様にUターンし始めた。一方の攻撃機部隊は低空飛行をし攻撃を行い始める。

 

 

「ワイバーン1!エンゲージ」

 

 

VAVAVAVAVAVAVA!!

 

 

 

「オラオラオラ!!蛮族が粋がってんじゃねーぞ!!」

 

「いや!相手は引かないぞ逃げろっ!!!」

 

 

BABABABBABBAN!!

 

PASYUUUUUUN!!

 

BOM!

 

 

「ぐぁぁぁっ!!!」

 

 

「だから逃げ・・・ぐげっ!!!」

 

 

 

 茂みに隠れていた対空砲に攻撃を掛けるロウリア海軍所属のTBAブルーティカス。最初は粋がっていた皇国兵だが、ブルーティカスから発射されたロケットが、着弾し爆発をした後に後続のブルーティカスの機銃掃射により生き残った兵士は一人残らず掃射されていったのだ。そして多数の敗残兵は出てきたが、すかさず、COIN機として作られたチィシン帝国軍の零一式対暴動機(元機体、零一式警告機)と、急造で作られた零二式対暴動機(元機体、零二式水上警告機)によるロケット攻撃が行われる。

 

 

 

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フェン王国 首都近くの港

 

 

 

「ご覧ください!!ここでは近隣諸国に避難するフェン王国民の姿が見えます!!国土の半数がパーパルディア皇国軍に占領されています!!彼らの攻撃はここだけではなくアルタラス王国でも行われています。この攻撃を許すことはできないです!」

 

 

 

 港には家庭防護隊に入った親と別れ祖父や祖母に連れられ逃げる子供や、戦うことをあきらめた若者や女性などがクワ・トイネ共和国のフェリーに乗る光景を撮影するアナウンサーたち。他の国の取材班もその様子をカメラに映して母国に生放送で伝えるのであった。

 

 

 

福知山「よしよし・・・いい感じで放送している・・・!他のテレビ局はちゃんと皇国人にもいい人がいるとアピールしている・・・。戦時中の放送としてはいい方ね!」

 

 

「よかったな。福知山・・・。さぁ!行くぞ!!」

 

 

 彼女は自身の教え通り、中立かつメッセージ性があり、利益を求めすぎないマスメディアの報道を見て喜ぶ彼女であった。そして前線から見たリアルな戦場の様子を写真や動画に収めつつ、戦いに赴くのであった。だが後々彼女の映した映像や写真は地獄のような光景であった。

 

 

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フェン王国上空

 

 

高度4000m地点ではエアンペルやそのほかの国の早期警戒機や航空管制機が飛行していた。そして機内ではエアンペルが航空機の情報や自身の情報を照らし合わせたりして、管制を行っていたのだ。

 

 

エアンペル「北部に敵大隊を確認。司令部に囲い込むように進言する。」

 

『了解』

 

エアンペル「通信を切る・・・。ふう・・・。」

 

 

「エアンペルさん!新たに通信が開きました!どうやらムーと神聖ミリシアルからです!」

 

エアンペル「ムーと神聖から・・・?なんだ?どれどれ・・・。これは!?」

 

 

 驚く彼女・・・。それはムー発ロウリア合衆国着ロウリア合衆国の航空機にムー人とミリシアル人の乗客がいたのである。どうやら乗客の中にいた商人と貴族の関係者が、待ち時間になってもなかなか来ないと連絡があったのである。その情報は司令部に届けれられた。

 

 

白良「なに!?ムーとミリシアルの国民の乗った航空機が撃墜!?」

 

 

スパイ・サテライト『はい。例の旅客機はすでに破壊されていました・・・。その様子は他の人工衛星にとスパイ・パトローラーが確認しました。まさか上位文明圏の観光客が乗っていたとは・・・。』

 

 

白良「まずいな・・・。これは外交担当の奴を選ばないと・・・。俺と出撃した陸娘で大国相手にできるやつはいるか・・・?くっ・・・市ヶ谷に頼むしかないか。」

 

 そう悩む彼であるが、市ヶ谷やそのほかの兵士では力不足がいがめない為、仕方なく自身と砲撃援護を中止していた雷子を呼び出し、大喰に乗りムーと神聖ミリシアルの外交官の待つ、ムーに向かったのだ。

 

 

 

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フェン王国王宮 往時の部屋

 

 

「シテイ様・・・・必ず生きて帰ります!!そして・・・母君と妹君を救いに戻ります!!!」

 

「ええ・・・。必ず生きて帰ってください。」

 

 

 王宮では二人の男女がいた、二つのおさげが特徴のロウリア合衆国所属の准尉レーラとフェン王国の剣子であるシテイである。二人は最後の会話となると思いここにいたのだ。そしてレーラが去ると彼は布団に残った彼女の温もりを感じていた。

 

 

「あれでよかったんですか?隊長・・・。もっとそばにいてやってもよかったんじゃないですか。変に淑女ぶっちゃって・・・。ま、王子様のことを思って死なないでくださいよ。将来の妃さん」

 

レーラ「・・・・一回だけでいいです。あなたも生き残ってくださいよ。」

 

「わかってますよ・・・。」

 

 

 部屋の外で待っていたのは同期であり部下であるマリアだ。軽く上官を馬鹿にするかの様に語る彼女であったが、マリアなりの優しさなのだ。そして部屋でで起きていたことを知っており、レーラに対してもっと時間をかけてもよかったと言い放ったのだ。だが彼女はあれ以上の契りをしたら、彼のことを思い戦場での指揮が鈍ると早々に山たのである。

 

 

「レーラ・・・それでよかったのか?」

 

レーラ「かまいません・・・。早く救助に行きましょう・・・。」

 

 

 

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パーパルディア皇国  14時00分

 

皇帝の部屋にて突如始まった戦争にルディアスは静かに怒り始める。そして

 

 

 

ルディアス「なぜ余が知らぬが間にガハラ神国が宣戦布告している・・・・!それになぜアルタラス王国に我が皇国民が入植している・・・!」

 

 

レミール「陛下・・・。これも皇国民が望んだことです・・・。パーラス?」

 

 

 

パーラス「しょ・・・承知いたしました。」

 

 

 緊張した声と態度で皇帝を連れるパーラス・・・。レミールとそのパーラスの様子に疑心暗鬼のルディアスであるが、彼女たちに連れられたのは城内でも比較的高い場所であった。そして外から見下ろすと、デモ隊らしき人物が自国の皇帝に対し文句を発していた。

 

 

「皇国の強いところを見せるべきだー!!」

「蛮族に屈しないで!!」

 

「何かチュウトンチだ!!弱小国家ごときに負けるほど皇国は柔ではないことを見せつけましょう!」

 

「チュウトンチをぶっ壊せー!!」

 

 

と、いう声掛けが城外から聞こえており、人数は200人くらいだろうか?そこからさらに増え始める・・・。さらに過激になっていき中には「軟弱皇帝」や「あれは神聖ミリシアルからの借りものだ!」などの罵詈雑言が響き始め、最終的には3000人もの群衆が集まり始める。

 

「(くっ・・・・。これはもう皇帝の言葉で静まらなそうだな・・・。ライカ・・・・すまない!どうやらお前の国と戦うことになる・・・。)」

 

 

レミール「陛下・・・。今決めなければ国民の不満は爆発するでしょう・・・。しかし国民は陛下を愛して敬っているからこそこうして集まっているのです。ご決断を・・・。」

 

 

ルディアス「仕方あるまい・・・。御前会議を行うぞ・・・。」

 

 

 仕方なく駐屯地との本格的な戦争をすることを決めたルディアスであった。その顔はどこか悔しそうな顔をしており、雷華・・・実際は雷亞だが彼女と別れる羽目になると思い悔しがっていたのだ。そして彼は御前会議を行い戦略を練るのであった。その後のルディアスは部下に巻かれに巻かれて、国民に戦争を行う演説をしてしまったのだ。

 

ルディアス「(我は・・・どうすればよいのだ・・・!)」

 

 

レミール「(フフフフッ!さぁこれで戦争に勝てば、私は皇帝陛下の妃となる・・!さすればあのライカとかいう女狐も黙らせることができるわね。ふっ・・・。そして白良!所詮は蛮族の国の将軍程度だったわけだ。私を欺こうなんて無理な話よ。まあ、せいぜい苦しむといい!)」

 

 

悩むルディアスを一方に、レミールは内心ほくそ笑んでいた。それを知らない彼は自国を危うく亡国に追い込むことを知らないのであった。そのレミールもまさか史上最悪の悪女になるとは思いもしなかったのである。

 

 

 

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フェン王国 皇国支配地域 上空140m

 

 

 騒がしくブレード音を立て進軍するのはUH‐2の編隊であった。未だに鹵獲された歩兵携帯ミサイルの脅威が覗けていない為通信を一時的に停止し、ジャミング装置を用いて進行していた。そしてヘリの内部で駐屯地娘の健軍サクヤは、銃を持ちいつでも攻撃できるよう構えていた。・・・。

 

 

健軍「(立花・・・必ず助けてやるからな・・・・・!いつもは迷惑かけてごめん。だから・・・!助けてやる!」

 

 

「いたぞ!!徹底的に対空ミサイル持ちを射殺しろ!!」

 

健軍「いたか・・・!」

 

PAPAPAPAPAN!!!

 

 

PASYUUUUUUN!!PASYUUUUUN!

 

 

 周囲には小銃や重機関銃・・・ロケット弾の飛翔音が響き渡る。それだけではなくグレネードランチャーや戦闘ヘリ用の航空機爆弾を投下していく。そしてしばらく攻撃を続けると開けた場所に移り、兵士を降下させていく。

 

 

習志野「いいか!先ほど出撃前にも言ったが、相手は私たちの常識は通用しない!!それに一般人を盾にしている!!交渉は無視しろ!!むしろ脅される前に殺せ!!わかったか!」

 

 

「「おう!!」」

 

 

健軍「(・・・・エロいことされてなければいいんだがな・・・。いや・・・立花がそんなことされるはずがない!!だって強いし!!)」

 

 

 そう考える健軍・・・そして九州の西部方面総監部の実力を生かし、隊員や兵士に命令を下していく、いつもは子供のようないたずらをする彼女も戦場では一回の軍人の様に的確な指示を行う。

 

 

健軍「12式ぃ!!援護はできるかぁ!!」

 

12式地対艦誘導弾『準備は完了してますが暫し距離を稼いでいるので待ってください!』

 

 

健軍「わかった!!また後で連絡する。」

 

 

 

HYYUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUNN!!!

 

 

健軍「マグマ戦闘機か・・!ありがたいな!」

 

マグマ戦闘機が後方から迫り、支援射撃を行っていく。そして敵の占領した村が見えてくると、健軍は率いた隊員を連れ制圧を急ぐ。あいにく民間人がいたが、もはや一刻も早くフェン王国を奪還するために、コラテラルダメージとして多少は見殺しにするしかなかった。

 

健軍「(くっ・・・!すまない・・・。でも、これが戦争なんだ・・・!)」

 

そして敵兵が見えた瞬間、彼女は小銃を構え引き金を引いた。

 

健軍「撃てぇー!!」

 

PAPAPAPPAPAPAPANN!!

 

「た、隊長ぉ・・・ガッ!!」

「うわぁあああ!!」

 

 

 健軍の銃撃により敵兵は倒れる。しかし他の兵士たちはすぐさま鹵獲した重機で反撃を行い、銃弾が飛び交っていく。しかし自衛隊員たちは素早く遮蔽物に隠れ、反撃を行う。すると遅れてやってきたマグマ歩兵戦闘車2號が銃撃を行う。そして皇国兵は徐々に散開していく。

 

健軍「よし・・・!各小隊ごとに行動!。決して一人にはなるなよ?特に女は必ず単独行動をするな!」

「了解!!」

健軍「(・・・すまない・・・。本当はこんなことは言いたくないのだが、仕方ないんだ・・・。)」

 

 

そう思いながら4人くらいの米兵と隊員を連れ村内の捜索を開始していった。

健軍「(立花・・・無事でいろよ・・・!)」

 

健軍が心配している中、立花はというと・・・・。

 

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アマノキ市内 15時10分

 

立花「ああああああああああああっ!!!」

 

 彼女は絶叫をしていた・・・。とうとう奪い返した小銃の弾も切れ、白兵戦で挑むも数の暴力により、無力化されてしまう。そして皇国兵に殴り、蹴られ、刺され、撃たれる。

 

「オラァ!!どうだぁ!?」

「へっ!ざまぁねえなぁ!!」

「蛮族が調子に乗るなよ!!」

「蛮族は蛮族の国に帰れよ!!」

「死ねよ蛮族の女がよ!!女は男の奴隷になるのが一番いいんだよ!!」

 

立花「ぐふぅ!!がはぁ・・・!」

 

 立花の体はボロボロになり、血塗れになって倒れていた。彼女の鼻からは血が流れ、口の中を切ったのか血を吐き捨てている。そして体には人間の女性なら出血多量で死ぬほどの傷である・・。しかし死ねない・・・。それは駐屯地娘の頑丈さが原因であった。前回の説明にて、駐屯地娘の製造方法は捕らえたマグマ歩兵のDNAを適合した中学生から成人女性の血液にいれ、そこから体細胞を採取、そして卵子を8個以上作って、兵士の細胞から作成した精子を用いて人工授精させたものを人工子宮に入れて、高速成長剤で一気に元になった人物と同じサイズにして、本人と偽りの記憶を入れて完成したのが駐屯地娘・・・と説明をした。

 駐屯地娘は武器娘同様レーザーのような修復装置にて、ありとあらゆる傷を治すである為、いくら殴られようとも、切られようが、銃で撃たれても、戦車砲を受けても耐えられる肉体を持っている。だがそれが欠点になってしまったのだ・・。

 

立花「女性になんてことを・・・!」

 

「あぁん?お前ら蛮族の女は我々パーパルディア皇国の玩具なんだよ!!大人しく俺らの言うことを聞いてればいいんだ!」

「こいつら幼くて馬鹿力があるが、結構いい体してやがるなぁ・・・。」

「はははは!!そうだな!!おい!!お前は俺たちに奉仕しろ!!そしてあの戦車とかいう鉄の地竜の使い方を教えろ!そうすれば生かしておいてやるぜ?」

「ぎゃははははは!!それ名案だな!!」

「じゃあさっそくやろうか!!まずはこの隊長である俺からだな!!」

 

そう言って男はナイフを取り出し、立花の腹に突き立てた。

 

グサッ!!

 

立花「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!!!」

「おぉ!!こいつはいい声で鳴くなぁ!!」

「おい!おい!いくら頑丈だからって殺すなよwwww。」

「わかっているさ!ほら次はどうされたい?」

 

 彼女の眼には涙があふれていた・・・。悔しかった・・・。自分が弱いばかりに、皆を守れなかったことが・・・。そしてその悔しさを怒りに変えて男どもにぶつけるように、彼女は叫ぶ!!

 

立花「許さない・・・!絶対に許せない!!!」

 

 彼女の心はあきらめてはいなかった・・・。死んでいない限り、反撃の機会はあるはずだと思い、最後の力を振り絞る・・・・。一方健軍は・・・。

 

 

___________________________

 

 

健軍「おい・・・おい!!お前には人の心はないのかぁぁぁ!!!」

 

 

 皇国兵に怒号を浴びせる健軍・・・。彼女の目の前では自分の背丈の同じ少女が、何人もの男によって凌辱されている光景が広がっていた。性知識の疎い健軍でも

この行為が異常なものであるということはわかった。そして彼女の怒りが爆発した。そして銃剣を用いて敵兵の刺殺しつつ、少女を助けに行く。

 

「クソ皇国兵がぁっ!!!てめぇらは永久に除隊処分だ!!」

「お前ら人間じゃねぇっ!!」

「お前にも家族がいるんだろ!!なんでこんなことができるんだ!!」

 

健軍の連れた兵士も怒りを露にし皇国兵を倒していく。そして健軍も敵を刺し、殴り、蹴り、切りつけ、撃ち殺しながら敵を殺していく・・・。そして敵の隊長を射殺すると、健軍達は息を荒らげながら、深呼吸をする。

「はぁはぁ・・・!なんとか全員無事だな・・・。」

「はい!みんな生きてます!!」

「そうか・・・。良かったよ・・・。」

 

健軍が安堵していると、少女に声をかける・・・。だが声をかけるのが遅かったようだ。

「大丈夫かい!?」

「うっ・・・ぐすっ・・・。」

 

少女は泣き出してしまった。無理もない。まだ10歳くらいの少女なのだから・・・。

 

健軍「大丈夫か・・・?もう大丈夫だぞ・・・。」

「ひっく・・・。あ、ありがとう・・・。ございます・・・。助けてくれて・・・。ひぐっ・・・。」

 

健軍「とりあえずここから離れるぞ・・・。お母さんとお父さんはどこだ??」

「お父さん殺されちゃった・・・・。お母さんは私と同じことされて殺され・・・うわぁぁぁん!!」

 

健軍「そうか・・・。辛いだろうが、君だけでも生きていればお父さんお母さんもあの世で喜んでくれるよ・・・。」

「そうかな・・・。うん。そうだよね。」

健軍「よし!立てるか?」

「うん!」

 

 こうして健軍は少女を救助用の歩兵戦闘車2號に乗せ別れたのであった。その間にも救助者を乗せていくが問題が発生した・・・。それはとある老人の発した言葉であった。

 

「お前たちのせいだ・・・!お前たち駐屯地がフェン王国と関わったこんな不幸が起きたんだ!!お前たちが余計なことをしたから、こんなことになったんだ!!責任取れ!!こんな化け物を扱うなんてまるで不幸の塊じゃないか!!お前らが関わってきたから、こんなことになってしまったんだ!!お前らのせいだ!!」

 

「じいさん!やめろよ!!どちらにしろ皇国に侵略されるんだから駐屯地は関係ないだろ!!それにあの時皇国兵達を殺さなかったら、今頃俺はここにいないんだよ!!」

「うるさい!何といってもわしは乗らん!!」

 

 若い青年が抑えるが言うことを聞かず、歩兵戦闘車2號に乗るのを拒む老人。その光景を見て、自衛隊員はマグマとの戦争で、プライドを曲げなかった全共闘世代の老人の慣れていため、特に気にすることもなく、無理やり乗せようとした。しかし、老人は暴れたため、結局小銃を突きつけて、脅しをかけた後、乗り込ませた。その後、戦車部隊や迫撃砲部隊は、徐々にアマノキに接近していく。そして雷子の率いる榴弾砲部隊も警戒しつつ敗走した部隊を追い詰めるように、アマノキへと近づいていくのだった・・・。

 

 




上位列強国のムーと神聖ミリシアル帝国の乗客の乗った旅客機が撃墜されたことを知った駐屯地とその2か国は、会談を行う・・・。

次回第六十話「列強の圧力」

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