問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

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第七十五話「恐怖」

パーパルディア皇国 地下皇国軍総司令部 隠し通路

 

 ここでは皇国軍総司令部参謀のメオが護衛の兵士を連れ、地上への脱出を図っていた。彼は先ほどまで地上で指揮をしていたが、突如として現れた連合軍の特殊部隊により施設は壊滅し、地下へ逃げてきたのだ。

 

 

メオ「はぁ……はぁ……はぁ……後ろから敵は来てないよな・・・?よしっ!急ぐぞ!」

彼は息を切らしながら、狭い通路を走り続ける。すると後方から閃光弾と銃声が響いてくる。

メオ「うわあああ!!!」

彼は恐怖を感じて必死に走り続けた。しばらく走ると出口が見えてくる。彼は安堵した表情を浮かべる。しかし、その出口には全身を黒い服で覆った人物が立っていた。その人物は戦略自衛隊の戦闘服を着た男だった。

 

「動くな」

 

男は静かに言う。

メオ「ひっ……」

 

メオは思わず後ずさりをする。だが護衛の兵士はすでに戦闘不能になっており、彼の退路は完全に断たれていた。彼は命を危機を感じたがどうやら捕虜にされるようであった。メオは戦自隊員の命令により降伏をし、連行されたのであった。一方の戦争を引き起こした黒幕のレミールは何をやっていたのかと言うと・・・。

 

 

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パーパルディア皇国 レミール邸  同時刻

 

 艦砲射撃と戦略爆撃と総司令部鎮圧部隊の攻撃を受ける前彼女は何をしていたのかと言うと、後の展開を知らずも知れない彼女は自分を慰め、シーツを濡らしていたのだ。そしてシーツを換えるよう指示すると、自分は湯浴びをして体を洗い始める。彼女の思想では湯浴みは列強国の特権であり、それ以外の蛮族の国は水を浴びるか川で水を汲んできて布で拭くか程度、さらに野蛮なところは湯浴みすらしないという。レミールはそのような民族を下に見ていた・・・・。

 が、彼女の思っていることはすでに過去のことであり、駐屯地と同盟を結んだ国は現代に匹敵する水道・衛生インフラを持っていた。彼女は湯浴みを終え体を拭き終え寝間着を着て庭の方に目をやる。するとワイバーンオーバーロードが上空に忙しそうに飛び回っていた。

 

レミール「ん?訓練か・・・・?」

 

 しばらくすると爆音と共にワイバーンオーバーロードが爆砕したのだ。そしてしばらくするとその爆撃した犯人の共犯者ともいえる連合軍の戦闘機が悠々と飛んでいた。レミールはその光景を見て驚愕する。今まで自分が見下してきた蛮族共が自分より優れた技術を持っていることに驚いたのだ。だがしばらくすると工業地帯から火の手が上がっていることに気付き、事態を理解した。彼女は慌てて通信魔信機を手に取り、自分の配下に連絡を取る。

 

レミール「何事だ!?」

『ハッ!我が皇国は奇襲を受けました!』

 

レミール「なんだと!!それで被害状況は!」

 

『ひ・・・被害は同時刻で起きております!空からではなく、沿岸部も攻撃にさらされている模様です!!』

レミール「どういうことだ!!敵の数はどれほどいる!!」

 

『敵の数は不明!すでに市街地への攻撃を許しております!おそらく蛮族の国の兵と思われます・・・』

 

その様子にレミールは焦りを覚える。

 

レミール(なんなのだ・・・これは!)

 

 彼女の常識では考えられない状況だった。敵は瞬時に現れたかのように攻撃を開始した。そんなことが可能なのか?いや不可能だ。仮にそれが出来たとしてもここまでの威力を持つ兵器があるなど聞いたことがない。しかし現実に目の前で起きているのだ。彼女の中で恐怖心が生まれる。彼女はこの皇国が世界で一番強いと思っていた。しかしその自信は崩れ去ったのである。そして、ある結論に達する。

 

レミール「航空攻撃・・・!そうだ!神聖ミリシアルとムーの仕業に違い無い!!」

 

 彼女の頭の中では自国の領空に侵入してきた戦力は列強国の仕業と未だに思い込んでおり、皇国を排除するために派遣された部隊と思い込んでいた。そしてその勘違いから彼女のプライドは保たれたのである。

 

レミール「ええい!蛮族は皆殺しにしてやれ!奴らは我々の領土に侵入した侵略者だ!」

 

『了解しましm!BOM!!』

 

 通信兵が答えると無線越しに爆発音が聞こえる。その無線の発信源は富嶽mark2率いる煉獄の編隊によって爆撃され、通信兵は即死していた。レミールは暴言を吐きイラつくが、その後彼女の上をP-2シールダーが時速900㎞近い速度で通過していく。その光景に驚き、また上空を見上げると、そこには見たこともないような飛行機が多数飛び交っている。

 

レミール(あれは一体何なのだ・・・?)

 

 レミールは自分の知らないものが沢山存在することを知り、絶望感を覚えた。そして、黒い煙幕を未だに飛ばし続ける戦略爆撃機部隊に恐怖を覚え、彼女はその場で失禁してしまった。結果としてこの日の攻撃による皇国人の死者数は推定37万人、負傷者は3万人を超えた。そして、この日からパーパルディア皇国は急速に国力を落としていったのであった。その翌日、連合軍は降伏するまで低空飛行を繰り返す『オペレーション・フテンマ(沖縄の騒音作戦)』を行い、皇国に精神的苦痛を与え続けたのであった。

 

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パーパルディア皇国皇都エスシラント 皇国軍ワイバーン基地

 

 ここでは空爆され瓦礫の山と化した基地の建物にてある女性が目を覚ました・・・。それは通信兵のパイであった彼女は目を覚ますと、自分の状況を理解しなんとか瓦礫の隙間から這い出ることに成功する。移動するたびに服がこすれて破けてしまうが、今はそんなことを気にしている場合ではなかった。彼女は急いで瓦礫の山から脱出しようと動く。なんとか瓦礫の山を抜け出した彼女は周囲を見渡すと空には空を支配する魔王の様に飛行し続けるB-52の姿があった。

 

パイ「あんな高いところを・・・・・あはは・・・もうおしまいだ・・・」

 

 彼女は空を見て力なく笑うしかなかった。空は煙幕で覆い尽くされていた。あの悪魔のような物体は一体どこへ行こうとしているのか。そして彼女は自分の家に向かい帰っていった。この日が皇国の落日となったのだ。そして沖縄の騒音作戦が終戦まで続くのであった。

 

 

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パーパルディア皇国 皇都エスシラント

 

 

 ここでは混乱が生じていた。それは連合軍によって伝単が配布されているからである。その内容は以下の様なものであった。

 

『我々は貴国に強力な爆弾を投下する準備をしている。我々に逆らうものは容赦無く殺す。これは警告ではない。宣戦布告である。その爆弾の落とす場所は皇都の隣町であるボルジエとラアスだ。その町の住民は全て避難させろ。さもなくば、その都市に地獄が訪れるであろう。爆弾を落とすのはこの紙が投下されてから15日までである。それを過ぎても従わない場合はそこに強力な爆弾を落とす。その爆弾は直径380kmを地獄に陥れるだろう。』

 

 この文章が書かれていた。内容は脅しではあるが、実際にそれをされたら大惨事になることは明らかだった。この手紙を受け取った市民たちはパニックを起こし、逃げ惑った。だが伝単ビラはこれだけではない・・・。中には降伏は苦ではないことをアピールするため、連合国の料理の写真・・それも香料をつけ心理的に抵抗感を減らすように作られた伝単まであった。子供向けにはこのようにフランクな感じで書かれていた。

 

『君たちのお父さんとお母さんと一緒にハンバーガーを食べよう!ハンバーガーはパンを二枚使って厚い柔らかい肉を挟んだ食べ物なんだ!美味しいよ!!早く降伏してこの紙を渡せばただで食べれるよ!!今なら家族にお持ち帰りのポテトもつけちゃいます!(*^o^)/\\(^-^*)』

 

『早く降伏すれば連合国の同い年の子供の生活を体験できるよ!

~連合国の子供たちの暮らし~

朝は美味しいごはんをみんなで一緒に食べるんだ♪ そして学校ではみんなが楽しく勉強をするんだ。

休み時間にはドッジボールをしたり、本を読んだりして遊ぶんだよ。

そして夕方になったらテレビっていう映像付き魔写の機械から騎士ジョッキーっていう舞台劇の様な物語を見るんだ!騎士ジョッキーは女性の戦士が悪と戦う面白い話だよ! そして夜は寝る前に絵本を読んでもらうんだ。だから早く降伏しよう!(^_-)-☆』

 

 と、写真付きで楽しそうな連合国の子供たちの生活が紹介されていた。

また、降伏を促すような内容だけでなく、子供でも理解できるような絵や、大人でも興味を持つような内容のものまで様々な種類のチラシや伝単が作られていた。そして識字率の低そうな農村部では簡易的な小型ラジオを配布した。ラジオからはこのような内容の放送が流される。

 

『みなさんこんにちわ。私は今日はあなたたちに戦争をやめるように説得するためにやってきました。私の話を良く聞いてください。私たちの国は、列強諸国と対等に戦うために、列強諸国が恐れている兵器をたくさん開発しました。ですが、そのせいで私たちは列強諸国の一つである貴国を過剰なまでに攻撃してしまいました。その結果罪のない多くの人々の命が失われてしまいました。本当に申し訳ありません。しかし、あなた方の住むパーパルディア皇国が早く降伏すれば、これ以上血が流れることはなくなります。どうか、平和を愛する皆さん。降伏してくれませんか?』

『降伏は恥ではありません。我が国は皆様の降伏を歓迎します。もし、降伏しないというのであれば、私達連合軍は貴国に対して大規模な殲滅作戦を実施しなければなりません。それは避けたいのです。お願いいたします。』

 

『我が国は貴国を支配しません。ただちょっとお勉強するだけです。貴方方農村部の文字の読めない方々でも、文字を読んだり、計算ができたりする生活を手に入れることができます。そのために必要な知識を学ぶ場所と時間を提供します。降伏した方は、必ず幸せになります。我々はあなたの味方です。』

 

 と、降伏を呼びかけ、最後には『我々はあなたの味方だ!』と何度も繰り返し放送するのであった。

 

 

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ロデニウス大陸 クワ・トイネ共和国 駐屯地

 

 白良率いる駐屯地ではカイオスとアルデが送り込んだパーパルディア人部隊による、反レミール部隊の訓練が行われていた。初期はプライドが高いものが多かったが今では教官のいう事をよく聞くようになり、反抗心などはほとんど見られなかった。訓練内容は基本的な体力作りから始まり、走り込み、腕立て伏せ、スクワットなどの筋トレから銃剣を使った剣術の稽古等を行い、射撃訓練を行う。また、彼らには戦後パーパルディア皇国を復興させるための人材として教育を施していた。そんなある日のこと・・・

 

「ああ・・・我が国が・・・。しかし我が皇国は余りにも殺して来すぎた。これくらいの報いがあっても仕方がないのかもしれないな・・・」

 

「よかった・・・。何とか俺の家族の家は狙われてないみたいだ。それにもし皇国が降伏せず大規模殲滅戦が始まっても亡命の権利があるから逃げれるな。」

 

 と、捕虜たちの間で駐屯地内の新聞を見て連合軍による大規模空襲により、皇国が多大な被害を受けたと知る一方、自分たちの身の安全が保障されていることを喜ぶ物もいた。そしてしばらくして休憩が終わり、再び彼らは地獄の訓練へと戻っていった。

 

 

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パーパルディア皇国 皇都エスシラント

 

 

 ここでは沖縄の騒音作戦を実施している連合国軍の低空飛行が続いており、連日のように低空で爆音を発しながら飛び去っていく。市民たちは連合軍の爆弾がいつ落ちてくるのか不安でいっぱいだった。そんな中、この日も伝単ビラが配布された。内容は以下のようなものであった。

 

『警告する!このビラが投下されてから15日まで降伏しなければ、強力な爆弾を落とす!この爆弾は直径380kmの広範囲を焼き尽くす!また、この爆弾は着弾してから爆発するまで30秒ほどかかるため避難は不可能だ!そのため、降伏することを勧告する!』

『まだ降伏しないのか?いい加減にしないと本気で落とすぞ! 我々の要求はただ一つ。

無条件降伏しろ。』

 

 と、書かれていた。もちろん以前と同じ比較的温めの言葉で書かれていた宣伝ビラもあるが、前日に比べられたら温い言葉のビラは少なくなり、脅迫じみた内容のビラが多かった。しかしそれでも食品の香料を付着させた宣伝ビラも前日同様にばら撒かれており、人々はパニックに陥っていた。そして、その日も早朝から低空飛行が行われ、多くのビラが撒かれた後、正午前には飛び去っていった。そして夕方になると今度は高度を200mから170mから下げ始め、低空飛行を行った。そして、その日の夜市街地に爆弾が4発落とされた。それだけではなく照明弾と思われる光球が上空から落とされ、その光が街中に降り注いだ。その光を見た人々はパニックを起こし、大騒ぎとなった。

 そして次の日の早朝には今までよりも強い調子でビラが撒かれると、その日の午後には3発の爆弾が市街地に落ち、その日はそれ以降爆撃は行われなかった。だが徐々に飛行高度を下げ、しまいにはガラスや雨戸を震わせるほどの轟音を響かせながら飛んでいった。そして翌日、ついに爆弾が市街に落ちることはなく、代わりにある物が投下された。それは大量のビラとラジオ放送用の機材だった。ビラは相変わらず温かな言葉で書かれているが、その内容はこれまでのものと比べると厳しいものだった。

 

『昨夜、低空飛行をしてしまい申し訳ありません。しかしこれは貴方方の傲慢さを治すための手段です。どうかご理解ください。さて、これから話すことは貴方方が降伏するための最後のチャンスとなります。どうかよく聞いてください。まず、我々は貴国の国民に対して何の危害も加えていません。我々の目的は貴国を支配することです。しかし、支配といっても奴隷にするわけではありません。今までの罪を反省し、二度と同じ過ちを行わないというのであれば、貴国は独立した国家として存続できます。しかし、そうでない場合、貴国を徹底的に破壊します。』

 

『また、貴国がもし早く降伏するのならもしかしたら、ムーや神聖ミリシアルを超える強国に返り咲けるかもしれません。貴方方はもう十分苦しみました。これ以上苦しむ必要はないのです。今すぐ降伏すれば、貴方方の家族には手を出さないと約束いたします。ですので、一日でも早い決断をお願いいたします。』

 

 。ビラがばらまかれた後はラジオが流され、放送が始まった。

 

『皆さんこんにちわ。私は今日はあなたたちに戦争をやめるように説得するためにやってきました。私の話を良く聞いてください。私たちの駐屯地の司令官とその兵士たちは、小国を守る為、その国を支援し列強に負けない程の力をつける為に戦いました。その結果、あなた方の国・・・パーパルディア皇国を過剰なまでに攻撃しました。本当に申し訳ありませんでした。しかし、あなた方も悪いのです。自分たちより弱い者に対し、高圧的な態度をとり、力で押さえつけようとしたからこのような結果を招いたのです。しかし、私たちは違います。あなた方を再び世界に復帰させるために、全力をつくそうと思います。ですので、一刻も早く降伏することをお勧めします。』

 

 

 これに関しては当然のことながら市民の反感を買うだけだった。

 

「ふざけるな!あいつらは俺の家族を殺したんだ!俺は絶対に降伏なんかしない!」

「そうだ!あの蛮族どもに頭を下げるくらいなら死んだほうがマシだ!」

「あいつらが攻めてきたせいで、うちの亭主は帰ってこなかったのよ!許さないわ!!」

 

 などと怒りの声が上がる一方、一部の市民の中には冷静なものもいた。彼らは宣伝ビラで連合軍の実力について知っていたのだ。だが、この放送を聞いた一部の市民たちは、「連合軍はこの皇都まで来るのか?もし来たらどうなる?」と考え、不安を募らせた。そして、彼らはこの放送を聞いて、夜な夜な逃げ出す準備を始め、深夜に皇都から逃げ出そうとする者が続出することになった。

 

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「おかあさん・・・こわいよぉ・・・」

「大丈夫だよ。お母さんがついていてあげるからね。」

と、ある親子は皇都の夜道を歩いていた。母親は子供に優しく声をかけ、安心させようとする。

「でも、どうしてぼくたちだけ逃げるの?みんなで逃げた方がいいんじゃないの?」

「うーん。確かにそうしたいんだけど、あんまり大勢の人が逃げちゃうと攻撃されるかもしれないの。だから、わたしとあなただけでいいの。それに、あなたはまだ小さいからお父さんやお母さんと一緒にいるべきだと思うの。」

「そうなの?じゃぁ、しょうがないね!わかった!一緒にいこう!そしたら怖くなくなるよね!?」

「えぇ!きっと大丈夫よ!さ、行きましょうか。」

 

 少年の家族は暗い夜道の中を歩き始めたのだが、突如としてクワ・トイネ軍所属のP-02Bが低高度で彼らの上を飛行した。だが幸運にもただ煽っただけだったため殺されずにすんだが、それでも夜間での低空飛行というのは心臓に悪かった。そして、その飛行に驚いた子供が泣き始める。その音を聞き、母親が子供を抱きしめて慰めるが、恐怖心からなかなか泣き止まなかった。その後も連合軍の航空機による低空飛行が続き、夜が明けるまでその状態が続いたのであった。




次回予告

空襲の後御前会議を行うパーパルディア皇国の面々・・・。会議を行うがなかなか解決方法は編み出せずにいた・・・。そして悪夢に蝕まれるレミール・・・。

次回第七十六話「堕ち行く皇国」
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