問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望)   作:CARUR

91 / 142
第八十一話「占領の開始」

 

パーパルディア皇国 皇都エスシラント  8月17日  午後14時00分

 

皇都にある神聖ミリシアルとムー専用の空港を大幅に改造し、連合軍の航空機が降り立つ場所となった。そこに大型武装旅客機である大喰が着陸する・・・。大喰の大きさに驚く皇国の役人や軍人たちである。もちろん連合軍の記者たちもその大きさに驚いていた。そして大喰から降りた人物は、皇国統治連合軍総司令部の司令官として任命されたモンタナが扉から現れ、そのままタラップをゆっくりと降りる。彼女は降り終えると記者に質問をされたのだ。彼女は3m以上の身長をしているため、遠くからでも目立つ存在であった。

 

「今回モンタナさんは皇国をしばらく統治する連合軍総司令官として任命されましたが、このことについて一言お願いします!」

 

モンタナ「・・・・そうですね。皇国はこれから私たち連合軍の統治下にあります。まずは裁判ですね。そこでどのような判決が下されるかはまだ分かりません・・・。ですが必ずや公正なる裁きが行われると信じています。今回の件で多くの罪なき民たちが苦しみ、悲しみの涙を流す結果となりました。そんな悲劇は二度と起こしてはならないのです。私は軍人でありながら平和主義者です。二度とこのような戦争をしない世界を作り上げるために、私は全力を尽くしたいと思っています。そのためにも皆様民間人がいかに軍人をコントロールするかが重要な鍵となるでしょう。どうかご協力をお願いします。」

 

そう言って深々と頭を下げるモンタナに、記者たちは慌てて彼女に近づき、握手を求めるのであった。その後記者を連れながら、彼女は皇宮のあるパラディス城に向かうのだが、皇国民は3mもある彼女を見て怯える者もいたり、中には「連合軍はあんなに大きい女性がいる!と、いう事はあれぐらい裕福と言う事に違いない!!だから我が国は負けたのだ!!」と、思い込んでいる物もいるくらいであった。歩いている中モンタナは皇国人の子供たちと触れ合おうとする。

 

モンタナ「ぼく君?お父さんやお母さんはどこにいるのかな?」

 

「お家で寝ているよ・・・。連合軍の鉄の竜がさんざん皆を苦しめたからね・・・。」

モンタナ「そうかぁ・・・。ごめんねぇ・・・。でも私たち連合軍の兵隊さんはね・・・本当はあんなことしたくなかったの・・・でも仕方がなかったんだ・・・。」

 

子供は彼女の言葉を聞いて首を傾げる。

 

「そうなの?」

モンタナ「うん。だって命令だったから・・・。」

 

そう言うと、彼女は子供の頭を撫でてやる。そして子供を肩車すると、歩き始める。その様子を見ていた他の子供たちも、彼女に近づいてきて、一緒に歩こうとする。こうしてモンタナは子供を連れて歩くことで、国民の心を掴もうとしたのだ。

そして子供たちと別れると、連合軍の兵士が皇国民に食料や菓子を分けている光景を目にした。兵士たちは皇国の人間たちにお菓子を配っている。さながら終戦時の日本のギブミーチョコレートのようであった・・・・。

 

「ほらほら!みんな慌てないで!お菓子はまだまだあるぞ~!」

 

連合軍兵士の一人がそう叫ぶと、皇国人々の子供は走り出し、お菓子を貰おうとする・・・。記者たち・・・・特に第二・第一文明圏の記者は不思議そうに思った。なぜ敵国であった皇国を甘やかすのか理解できなかったからだ。記者はそのことをモンタナに尋ねる。

 

「モンタナさん、どうして負けた敵国に食料を支援なさるのですか?普通ならあのような蛮族のようなことをした敵には与えませんよね。」

モンタナ「確かにその通りですね。ですが戦争を終わった以上、まずは飢えを解消しない限りは、次のステップに進むことはできないと考えています。まぁこれは宣撫活動のようなものですよ。とにかく今は一般人の不満を取り除くことが重要だと考えています。」

 

「なるほど・・・。」

 

 記者は納得する。だが、まだ疑問があった。それは連合軍が負けた皇国軍に対し、早々に軍の解体ではなく皇国軍の近代化・・・。ざっと近代的な小銃や航空機などを無償供与したり、戦術や近代的な軍法の整備などを行ったことだ。記者はその点をモンタナに聞くと、彼女は答える。

 

モンタナ「かつて駐屯地・・・・まぁ転移国家なのはご存じだと思いますが・・・。日本はかつて徹底的に負かされた後、愛国心だけではなく軍すら破壊されました・・・。その結果過剰なまでの軍隊アレルギーになり、かつて敵だったキュルギュル率いるマグマ帝国に侵攻された際に、対応が後手に回ったのです。一応皇国軍の名称はいずれ変更する予定ですが、さすがに軍の解体までは考えていません。もちろん完全に武装解除させるつもりもないです。」

「つまりどういった形にするつもりなのでしょうか?」

 

 モンタナ「そうですね・・・。まずは皇国軍を皇帝の軍から、国民の軍にすることですね。そして同時に皇国を民主主義の国にする必要があります。現在皇国は帝政ですが、これを立憲君主制の国にしなければなりません。ですがその前に国民が現状を理解しなければなりません。」

「国民が現状を理解するとはどういう意味ですか?」

 

モンタナ「今現在の皇国が列強諸国から見放され、そしてかつて属領だった国々は賠償金を求めています・・・。もう他国を上下決める時代ではないのです。ですが、まずは国民の不安を取り除き、そして国力を回復させねばなりません。そのためにはまずは教育が必要でしょう。皇国の教育機関は遅れすぎているので、それを整備するのが先決でしょう。」

 

 記者は彼女の言葉にうなづく。その後もいろいろ話していくととうとう皇宮にたどり着く。彼女は大喰に乗り込み、そのまま宮殿に入る。そして会議室に入り、今回の戦争についての報告を行う。報告を聞いたルディアスは、モンタナに礼を言う。

 

ルディアス「モンタナ殿・・・・。敵国であった我が国のためにそこまでご慈悲をくださりありがとうございます。」

モンタナ「いえ・・・。これは私たちの司令官である白良司令官の命令に従ったまでの事。私はそれに従っているだけです。それはそうと、早速軍の近代化の案を受け入れてくださりありがとうございます。」

ルディアス「いえ・・・。正直に言えば私もあの時の判断は間違っていたと思っています。何より我々も敗戦国の民として、これからは皇国の発展に協力したいと考えております。」

モンタナ「そう言ってくれると助かります・・・。」

 

ルディアス「・・・。明日は裁判の日でしたね・・・。」

モンタナ「はい、私の総司令官でもある白良司令官や、貴国のレミール殿はなどの高官や軍人は裁判で裁かれる予定になっています。

 

 彼女はあることを考える・・・。白良の行いは本当に正しかったのかと・・・。彼は何とか戦争を終結させようとしたが、家族や親しい者を無くした者に復讐させることを認可してしまったのだ。そのせいで罪もない皇国人が大量に死んだ。だが、彼女もわかっていた。白良がやったことは仕方がないことだと・・・。

(私がもしあの立場なら、やはり同じことをしていたかもしれない・・・。でも、だからと言って許されるわけではない・・・。)

 

 モンタナは考える・・・。白良の行動が正しいのかと・・・。確かに彼は戦争を終わらせようとした。その結果多くの者が死んでしまったが、それでも彼の行動は間違いではなかったはずだ。ただ、無暗に降伏した春日井も裁判に裁かれてしまう。そのことを彼女は気にかけていた・・・。

 

モンタナ「では、私はこれで失礼します。」

ルディアス「わかりました・・・。」

 

そう言うと、モンタナは退室し、ある場所に向かう・・・。その場所はサンレアやサディスの収容されていた、収容所に向かう。そこは今現在囚人はいないがとある人物が収監されていた・・・。その人物はレミールであった・・・。

 

モンタナ「お久しぶりですね・・・。レミールさん・・・。」

レミール「・・・。」

 

 彼女は黙ったまま何も答えない・・・。無理もなかった。彼女は皇帝に好かれるために様々な悪行を行って来たからだ。駐屯地と戦争する前から、外交官を派遣しているうちに侵略し、魔信を使い見せしめで他国の民を殺し、そして威圧して他国を属領にしていった・・・。それが彼女の今までしてきたことだ。だが、そんな彼女にモンタナはある質問をする・・・。

 

モンタナ「どうして貴方はあのようなことをしたのですか?どうしてあんなにも人を殺したのです?どうしてそこまで人を殺せたのです?どうしてそこまで残酷になれたのです?どうしてそこまで平然と嘘をつけるのです?教えてください!お願いです!」

彼女は必死に問い詰める。だが、レミールは・・・・・。

 

レミール「うるさい!!!蛮族がぁぁぁ!!!卑怯だぞ・・・!お前はずるいじゃないかぁぁ!!」

モンタナ「えっ!?」

レミールの言葉にモンタナは驚く。まさか罵倒されるとは思わなかったのだ。

 

レミール「私は国のことを思ってやったんだ!!なのになぜ私を責め立てるんだ!!!私は皇帝陛下のためにやっただけなんだ!!皇帝陛下のためにやったのになんでみんな私を悪者扱いにするのだあああああぁぁ!!!」

モンタナ「・・・。」

レミール「もういい!!もうたくさんだ!!もう二度と来るなぁ!!」

モンタナ「・・・。」

 

 彼女は涙を流しながら叫ぶ・・・。そしてモンタナは何も言わずにその場を立ち去る。




次回予告

とうとう皇都エスシラントで軍事裁判が始まる。だがその裁判は人類史上最も醜い裁判となった・・・。


次回第八十二話「裁判の開始」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。