問題児だらけの駐屯地が召喚されたようです(絶望) 作:CARUR
パーパルディア帝国(旧パーパルディア皇国) デュロ 中央歴1641年9月2日
ここでは駐屯地率いる連合軍からの支援を受け復興を始めている。ここデュロは連合軍の攻撃により荒廃した場所である。戦渦によって倒壊した一部は将来的に広島の原爆ドームの様に、負の世界遺産として残すためにあえて残しつつ、鉄骨などで崩れないよう補強する工事が始まっている。そして新たに工業地帯に空軍基地が建設されている。これは連合軍との戦いで制空権を奪われた際に、二度と大空襲に見舞われないようにするための備えである。また、この工場は主に新たなるパーパルディアの主産業になるべく最新鋭の光造形3Dプリンターが約300台が送り込まれている。これらの工場は連合軍との戦いで破壊された町の復興のためにあると言っても過言ではない。なお、この工場はロウリア合衆国からやってきた技術者により管理される予定だ。そして早速できた工場・・・。と、言っても事務所であったがそれはパーパルディア人にとっては見慣れぬものばかりであった。
「こ・・・これは何という機械ですか!?」
「これはコンピューターと呼ばれる機械ですな。これで設計図を紙ではなく機械の中に記憶させておけば、これから使う3Dプリンターにつなげて色んなものを作る事ができますぞ!それだけではなく数字を計算したり、図面を描くこともできます!」
「なんと素晴らしい機械なんだ!!そりゃ我が国は負けますわぁ!!」
そう新たに社長に任命されたパーパルディア人の中年は笑いながら言った。そして次に見たのは新しく社員の身に纏う制服だった。その服には社名が書かれていた・・・。その社名はパーパルディアの言葉で未来を表す単語【トールス】という意味があった。その社員服を見た社長は動きやすそうなデザインだと感じた。
「これが新しい作業服ですか・・・いやはや・・・!たしか動植物の繊維を使わず、化学物質だけで作るとか・・・!」
「えぇ、この生地はとても軽く、丈夫なのです。それに汚れても洗えばすぐに落ちますしね。しかも通気性もいいのですよ。ま!しいて言えば欠点は燃やしたら有毒な煙が出るところと自然に分解すると有害なのが・・。一応重大な汚染は防ぐよう努力してますがね」
その後の質問攻めに教育係のロウリア人男性は疲れてきたが、彼らの熱意に答えようと懸命に応えた。なお今現在パーパルディアでは軍事研究をしばらく禁止する代わりに技術供与が行われていた。これは技術力の差を埋め合わせるためであり、また新たに生み出した技術をすぐさま民間に回すか軍事に回すかを考える力を養わせるためである。
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皇都エスシラントにある学校
ここでは今までパーパルディアになかった学校・・・身分関係なく子供たちを集め勉強させる場が作られつつあった。しかしまだ教師不足であり、貴族の家庭教師を集めたものの初日から不祥事・・・女子生徒や女性教師に対する淫行や、給料や給食のピンハネが横行していた。これを知った連合国の教師組合は「しばらくは連合国から教師を派遣させるべきでは??」という意見が出始めた。これに対し新たにパーパルディア帝国国家警察省はパーパルディア人の犯罪率が急激に上昇していることを危惧し、「まだ連合軍の教師は来るべきではない!感謝するが・・・。むしろ駐屯地の様に兵士を教師替わりにしてくれないか?」という返答が来た。この発言に対し駐屯地は「ロウリア合衆国と掛け合ってみる」と回答した。そしてロウリア合衆国の陸軍兵士がやってきたが・・・。
「まじかよ・・・。学級崩壊起こってんじゃねえか」
「あーあ、ありゃダメだな。教師も金もらってその金で風俗通いじゃねぇのか?ありゃ」
「おいお前ら!ここは学校なんだ!教師替わりがそんな下品なこと言うな!」
「「はっ!すいません軍曹殿!!」」
そうロウリア合衆国陸軍の軍曹に叱られた兵士たちは謝った。そしてロウリア軍は早速授業を始めた・・・。のだが、貴族や貧困層などの階級の子供をひとまとめにして教室に入れたため、まず第一に学力の差と行儀のよさで対立が起こった。そして第二に貴族が学校方針に優位を持ってるため、貧困層の子供にも教育させようにも貴族たちが邪魔をする。
「貧困層は教育を受けなくてもいいのだ!なぜなら生きる価値もないゴミだからな!」
「貴様らのような下層民には読み書きすら必要ない!我々の高貴な血を汚す気か!」
「そうだ!貴様らは我々のために働いていればよい!」
この発言にロウリア軍の兵士達は連合軍本部に対して「まず貴族層の通う学校と、中間層と貧困層の通う学校に分けるべきだ・・・。あと平民の中でも富裕層と貧困層に分けろ。それから・・・」と進言した。そして連合軍本部は要求通りに貴族層、中間層、貧困層に分けてそれぞれの学校に生徒を分けたことにより多少は改善されたのだ。だが問題は生徒のやる気である・・・。貧困層や中間層ほど、豊かな暮らしを目指そうと頑張るが、一方で上流階級の生徒達は、今まで蛮族とののしった文明圏外国の教師役の兵士に対し、傲慢な態度を取り続けたり、さらには暴力を振るう者まで現れた。
「先生、どうして私たちの授業はこんな野蛮な国から来た連中に任せるんですか!?私たちはもっと高度な知識を学ぶ必要があると思うのですが!!」
「先生!私、この国の人たちの事が嫌いです!!だって我が国を破壊したんですよ!?そんな人と同じ空気を吸っていると考えるだけで吐き気がします!!」
「先生!私はこの者たちの事を信用できません!!どうせ、この者たちは何か企んでいます!!」
このように一部の生徒は連合軍や教師たちを激しく非難した。これに対して親たちのほとんどはいかに自分たちがろくな教育・・・いや、教育を行っていなかったかを自覚し、ボーイズスカウトに無理やりいれたり、教会に通わせたりした。その結果比較的諦めがつき、素直に勉強する生徒たちが出てきた。こうして徐々にパーパルディア人の教育は改善されていった。
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皇都エスシラント 発電所 建設地
ここでは現在、新しく設立された発電施設の建設が進められていた。それは主に工場などに使用される電力を賄えるほどの規模であった。現在、建設現場ではパーパルディア人がせっせと働いていた。発電所はクリーン火力発電所であり、連合軍の調査により発覚したパーパルディアに存在した膨大な石炭を使うのである。ちなみにどのくらいクリーンな火力発電かと言うと、もし日本にあったら余裕で京都議定書を平気でクリアしつつ、石炭を使えるため他国が嫉妬するレベルの物だった。
作業員は全員、ロウリア人によって教えられた技術を用いて働いている。パーパルディア人は電気と言う便利なものを帝国中に広めることに使命を持って働いていた。
「(いずれテレビと言う動く魔写を見るために俺達が発電所を作らないとな)」
「あいつよく働いているよな。」
「ああ・・・あいつ、休憩室にあるコイン式テレビでやっている騎士ジョッキーD3とかいう、女戦士が戦う物語に夢中でいずれ自分のうちで見たいから、一刻も発電所を作って、給料でテレビを買うんだとよ。」
「まじかよ・・・でも気持ちは分かるぜ。あの番組面白いもんなぁ・・・。」
「それでも皇国人の誇りはあんのかよ。男は黙って深夜ドラマの『娼婦探偵マネ』(チィシン帝国の作った深夜探偵ドラマ。結構モロな性描写が多い)だろ?」
「一番下品言われてる作品じゃねぇか。誇りってなんだよ。」
そういいながら作業しつつお互いテレビの話をしていた。そして仕事が終わると彼らは宿舎で代り代わりコインタイマー式テレビでそれぞれ好きな番組を見て楽しむのであった。そして風呂も日本式の如く裸の付き合いと言わんばかり同性で入っていたため。ほぼアメリカ式の生活をしていたロウリア人は「よく裸同士で入れるな・・・。家族ならまだしも・・・」と意外と同じ人種だからかと思いきや、日本人みたく入浴していたため若干驚いていた。一方のロウリア人はバッテリー式のポータブルテレビを持ち込んで、英気を養っていたのだ。
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パーパルディア帝国 海軍基地。
ここでは新たにパーパルディア海軍に納入された艦艇役5隻と、ロウリア合衆国から輸出された対空駆潜艇8隻が停泊していた。そして今、その内の1隻の駆逐艦の進水式が行われていた。パーパルディアに納入された艦艇は、それぞれ駆逐艦、巡洋艦、空母、ポケット戦艦(ほぼミサイルキャリアーに近い役割を持つ艦種)となっていた。そのいずれもが高性能レーダーや、光学兵器を搭載していた。また搭載されている兵装や性能はどれも列強諸国の最新鋭のものと同等の性能を誇っていた。それを貰った新しい女性海軍司令官であるメッサリーナ・レ・バンナ少将は、スペックを見て「これが負けた国に贈与するものなのですか!?普通は旧式を押し付けるべきなのに!」と驚いた。しかし、これ以外にパーパルディアには戦力がないのもまた事実なのだ。
「仕方ありませんわね。今はとりあえずロウリアを見習いましょう。海軍もパーパルディアの誇りを見せるときが来たようです。」
彼女はロウリアの海軍を参考にして、まずは海軍の軍備を増強することにした。そのためパーパルディアはロウリアの海軍力を超えるべく、海軍の近代化を推し進めた。同様に空軍にも、戦闘機に飛雀、PJ-01のようなジェット機、爆撃機に零一式中型爆撃機、そのほかは零一式早期警戒機と言った航空機が入り、新たに任命されたパ帝国空軍司令官ドーベ・スレイマン大将は、これらの機体に驚きを隠せなかった。だが陸軍は悲しいかな・・・・。一番虐殺を引き起こしやすい軍のためか、あからさまに弱い97式中戦車ベースの零一式中戦車チイと、九七式軽装甲車を元にした零一式装甲車ソイばかりであった。
アルデ「さすがにそうなるな・・・。零一式主力戦車Ⅱ型はすぐにはくれないか・・・。いや・・・。そもそもクワ・トイネですら、新しい戦車のⅣ型を配備する予定で、古い型はほぼフェン王国に重点的に輸出されるのを考えてたら、旧敵国の我が国にはそんな高性能な物は来ないか・・・。」
ここで零一式主力戦車シュイⅣ型の説明をする。この戦車はエンジン出力が従来型の2倍となり、最高速度時速80km/h以上を誇るうえに105㎜滑空砲を装備。副砲は20㎜機関銃に変更し、従来の57mm副砲を撤去。これにより中途半端な口径の弾薬を廃止することによって財源の確保に成功した。さらに装甲も強化プラスチックを極力減らし、金属3Dプリンターで生産された鋼鉄に変わっているため、防御力が上がっている。また、車内の居住スペースも広くなり、無線機などの電子機器の更新により索敵能力の強化に成功し、電子戦車両としても運用できるなど、様々な面で進化している。C4Iシステムも搭載し、コンピュータの性能としては10式戦車に匹敵するのではと言われている。
また、初期タイプと違い、いろいろな改造をしやすくした点である。装輪式に変更出来たり、ブルドーザーとして改造できたりと、用途に応じた改修が出来る。また、エンジンもより高出力の物に換装可能であり、場合によっては車体ごと交換することさえ可能である。このように汎用性が高いため、あらゆる状況に対応できる戦車となっている。
アルデ「うむ・・・。だが兵器をくれるだけありがたいか・・・。」
「そうですな・・・。でも銃に関しては自衛隊と同じ89式小銃を貰ったのですから、ありがたいですよ。」
そうアルデと部下の男は話すと、彼らはそれぞれの仕事に戻る。
次回予告
とうとう駐屯地は駐屯地娘と武器娘の存在を明かし始める・・・。そしてその一方ではその情報公開を聞き、模倣した兵器を作ろうとする国がいた・・・。そして外交官の雷亞がとある事を皇国に公開し新たなる火種となった・・・。
次回、第八十八話「情報公開」