IS-蒼き鬼神ー リメイク版   作:種電

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長くなった!!

問題、風流よりも実益、外観よりも実質を重んじること。また、風流を解さない人を批判するときのことわざを答えよ。

神楽坂 幸の答え。
花より団子

教師のコメント。
さすがです。

篠ノ之 箒
○ンコより✳︎!

教師のコメント。
さすがです、あとで職員室に来なさい。

更識 簪
花より男○!

教師のコメント。
職員室に来なさい。

セシリア・オルコット
フラワーより団子

教師のコメント。
貴女はルー○柴ですか?

織斑 一夏
わかりません。

教師のコメント
勉強してください。





久々に書いたが酷いなこれ。


第二十話 中編

翌日の朝、コウは朝早くに起きていた。

日課のトレーニングにためである、これだけは一度目の人生からできる限り毎日欠かさずやっていることだった。と言っても、一年戦争後半からはそんな暇はなかったし、基本的に艦内にいることが多く、またムサイ級はそれほど大きくはないため、わざわざトレーニングルームを作るわけにはいかなく、自室か格納庫でやる以外はなかった。

後にザンジバル級になり、スペースに余裕ができ、念願のトレーニングルームを作ろうとしたらトレーニングルームよりも娯楽室が欲しいと部下達から強い要望があり、仕方なくトレーニングルームではなく、娯楽室を作ったことがあった。

他にも、色々とあり宇宙世紀の間は満足いくトレーニングが出来なかったことが悔やまれた。

 

だが、今は違う。

世界は平和で自分も軍人ではない、好きなことが好きなときにできる。

こればかりは平和という時間が嬉しいものだ。

さっそく、歯磨きや洗顔などを済ませ、トレーニング用の学校指定の白いジャージと腰につける小型のバックを装備し、最近買い換えたトレーニングシューズに着替えた。

時間を確認し、部屋を出ようとしたとき、ルームメイトで同じ男性ISパイロットの織斑一夏が眼を擦りながら、上半身だけを起こした。

 

「ん……コウ?」

 

「あぁ、起こしたか、すまんな」

 

「……いや、大丈夫」

 

一夏はまだ眠いのか、少しうつらうつらと船を漕いでいた。コウはそれを見て、少し笑った。

 

「どっか、行くのか?」

 

「あぁ、ランニングにな」

 

朝は決まってランニングをすると決めていた。興味がないのか、一夏らふーんとだけと言うとバタリと倒れて、コウが見るまでもなく再び眠りについた。

コウは二度寝した一夏が遅刻するような痴態を晒さないことを願いながら、ドアを開け、外に出た。

 

 

 

まだ四月の朝は肌寒く、また太陽も完全には上がっておらず、上がりゆく太陽の光を浴びながら、コウは軽いストレッチをした後に走り出した。コウはいつも時間が許す限り走っている、IS学園は広く、一周するのに時間も体力も使うが体力に関してはコウは心配していない。

自分の体力を勘違いするほど、馬鹿じゃない。

 

特に息が乱れることなく、一周目を終え、二週目の途中で何処かで見たことがある女子生徒がランニングの準備をしていた。

時間が時間でしかも女子生徒が準備をしていた場所が木の真下で木の影に姿が隠れ、気付こうとしなければ気付かないだろう。それ以前にニュータイプであるコウなら気づけるのだが、長年ニュータイプとして生きてきたコウはニュータイプ能力のオンオフが出来るようになっていた。

別に役に立つわけでもなく、ただ毎日のようにニュータイプ能力を使い、警戒し続けると心身共に疲労するのでそのために身につけたかもしれない能力だった。

コウは基本的にランニング中はニュータイプ能力をオフにしている、理由?何故か、昔からランニング中にニュータイプ能力をオンにしているとトラブルに巻き込まれるからだ。

以前なんて喋るフェレットや何故か頃したくなる耳が長い白い生物に出会ったりしたからだ。

しかも、白い生物は魔法少年になってよ!と巫山戯たことをぬかしたので、肥溜めに投げ入れたのはいい思い出だ。

フェレットは無視した、そのうち栗色のツインテールの少女が助けるだろう、多分。

 

まぁ、そんなこんなでランニング中はニュータイプ能力をオフにしている、面倒はごめんだ。

 

 

 

二週目も終え、時間的にラストの三週目の途中だった。

コウが走っていると道端に座り込んでいる金髪の女子生徒らしき影があった、多分生徒だろうが以前に似たような場面に出くわし、警戒せずに生徒だと思った女子生徒に話しかけたら、以前襲ってきた宗教団体の仲間でいきなりナイフで切りかかってきた。

おかげで少しジャージが切れ、相手の両腕足を折ることになってしまい、切られたジャージを縫うのが面倒だった。

 

それ以来、ランニング中の道端で誰かに会ったら、ニュータイプ能力をオンにし、こちらに明らかな敵意と殺意を持っていれば、先手必勝で隠し持っている警棒で殴り、気絶させ、両腕足を折るようにしている。

情けは無用だ、甘やかす必要はない。

そのおかげか、道端に座り込んでいる人間を見かけることは減ったし、あの宗教団体の連中が襲ってくることもなくなった。

 

とりあえず、ニュータイプ能力を使い、前方に座っている人間が敵意か殺意を持っているかを探ろうとするよりも先にコウは気付いた。

相手も気付いたのか、振り向く、その顔は知っている顔だった。

 

「おはよう、オルコット嬢」

 

「お、おはようございます、神楽坂さん」

 

セシリア・オルコットがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした?」

 

「あ、足を挫いてしまって……」

 

朝のランニングの途中で出くわしたのは、テロリストでもなく狂信者でもなく足を挫いたクラスメイトだった。

 

「……タオルかハンカチ、もっているか?」

 

「タオルなら……」

 

「なら、貸せ。濡らしてくる」

 

「は、はい」

 

近場にトイレか何かがあるはずだ、無かったら海でいいだろう、水は水だ、海水なぞ飲みたくないが。

足を挫いたときは早急に冷やすことが大事だ、本来ならアイスノンや熱冷ましシートなどいった物が有効だがない場合は濡らしたタオルなどでも有効だ。

 

運良く、近場に手洗い場があり、そこでオルコット嬢から預かったタオルを濡らし、常備しているテーピングなどをバックから取り出す。

すぐにオルコット嬢の元に戻り、挫いたと言った足を冷やし、テーピングで固定する。

捻挫や打撲のさいには、その部分を冷やし、固定し、安静にすることが重要だ。ちゃんと、応急手当てをすれば大事には至らない。

 

「鮮やかですわ」

 

「何処かの誰かさん達のせいで慣れたんだよ」

 

訓練生時代のガルマとか軍人時代のガルマとか箒とかがよく怪我をして、よく応急手当てをしたものだ。

そういや、訓練生時代までならシャアにも応急手当てをしていたな。

ネオ・ジオン頃になると撃たれても無視していたな、いい大人だから自力でやるだろうし。

 

「見た感じだと軽く捻った程度だろうが無理は禁物だ」

 

「でも、歩かなければ戻れませんわ」

 

「何のために私がいると思っている」

 

え?と首を傾げるオルコット嬢を気にせず、背中を見せる……他人に簡単に背中を見せるとか、平和ボケした証拠だな。

 

「ほれ、乗れ」

 

「え、でも……」

 

「そんな足で歩いて悪化したらどうする気だ?ISパイロットは身体が資本だぞ?」

 

ISパイロットのみならず、パイロットは基本的に身体が資本だ。

体調管理が必須で、乗る機体に合わせ、訓練をし、身体を引き締める。何よりも体調管理が大切だ、体調管理ができない奴はパイロットには不向きだ、パイロットは常に健康体でなければならない。

 

セシリアは少し考えた後、失礼しますとか細い声で言い、コウの背中に体を預けた。

コウはそれを確認し、セシリアを背負い、保健室を目指し歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けていただきありがとうございますわ」

 

「気にするな」

 

保健室には何事なく行け、朝早くからいた保健室の先生に事情を話し、見てもらうとコウの予想どうりに軽く軽く捻っただけで大事には至らないが今日明日は運動を控え、安静にはするようには言われた。

セシリアは先生から足にシップを貼ってもらい、今日明日の分のシップも貰っていた。

今は各々の部屋に戻るために廊下を歩いていた。

 

「あの時も本当に助かりましたわ」

 

「……別に困っている人間を助けるのは当たり前だ」

 

ただし、シャアは除く。

アレは人間ではない、シャアだ。

 

その後二人は会話をせずに廊下を歩き、互いの部屋に戻り、コウは着替えシャワーを浴び、まだ寝ている一夏を文字通りに叩き起こし、さっさと準備をさせ、食堂に向かった。

食堂では箒達が待っており、昨日と同じように食事を取っていた。

 

「神楽坂、聞いたぞ」

 

「あ?」

 

食事中、長門がコウに話しかけてきた。

 

「なんでも、クラス代表を決めるために決闘するらしいな」

 

「おい、箒、貴様が言ったな」

 

「何の躊躇もなく疑われた!?」

 

「貴様以外に戦闘狂(長門)に教える奴がいないからな」

 

長門勇は大の対戦好きの戦闘狂である。強い奴がいたら、とにかく勝負を挑もうとする頭のネジが足りない子である。

 

「フッ、私ではないかもしれんぞ?」

 

「む、教えたのはお前ではないか」

 

「なんで言っちゃうのぉぉぉぉ!?」

 

箒は「ながもんの馬鹿、馬鹿」と涙と鼻水を撒き散らしながらポカポカと長門を殴る。

だが、無視して鮭定食を黙々と食べる。ちなみにだが、ながもんとは長門の愛称であり、理由は長門は熊本県のご当地キャラのベアもんが好き、だから箒が送った愛称だったりする。

 

「長門さんと箒は仲がいいな」

 

「あぁ、ライバルだからな」

 

「竿姉妹だからな!」

 

「なら、神楽坂と織斑は」

 

「「穴兄弟♂」」

 

今日も今日とて、箒と更識妹の下ネタが炸裂する。

そして、そんな二人には頭の上から熱々のお茶をかけてあげるコウだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を食べ終え、真っ直ぐに教室に向かった一行が見たのは今日も廊下に溢れるぐらいの女子生徒達がいた。だが、今日は女子生徒達はある一点、ある人物……見覚えのある人物に女子生徒達は集まっていた。

 

「あのお名前は!?」

 

「な、名前か、マシュマー・セロだが」

 

「ご趣味は?」

 

「え、趣味か、趣味は生花だ」

 

「どんな物が好きですか?」

 

「ハマ……薔薇だ」

 

「ちくわ大明神」

 

「誰だ、今の!?」

 

「ファミチキください!!」

 

「うるさーい!!」

 

(ファミチキください)

 

(こいつ、直接脳内に!?)

 

(しかも、脳波コントロールできる!)

 

「なん……だと……」

 

何故かマシュマーがいた。

 

 

 

 

 

 

 

「で、何で来たんだ?」

 

相手にするのも面倒だったので、マシュマーは放課後まで放置し、放課後に女子生徒に囲まれたマシュマーを回収し、今は自室のソファーにマシュマーを座らせながら、コーヒーの準備をする。

ちなみに一夏は運悪く長門に以前剣道をしていたことが箒によってバラされ、さらに一夏はむちゃくちゃ強いと嘘までつかれていた……可哀想に。一夏の身体は確かに鍛えているが、それはスポーツや剣道といった鍛え方ではなく、どちらかというと体力をつけるための鍛え方だった。

え、なんで一夏の身体の作りを知ってるかって?

あの姉弟は風呂に入ったあと、しばらく全裸で歩く癖があるからだ、やめてくれよ、箒じゃあるまいし。

 

「あぁ、お師匠様!?コーヒーは自分が淹れます!」

 

「いいよ、コーヒーぐらいは淹れさせろ」

 

客にコーヒーを淹れさせるのは好きではない、もちろんシャアでもだ……あいつ、コーヒー淹れんの下手だからな。

インスタントだが、淹れたてのコーヒーをマシュマーに渡し、自分の分には角砂糖やミルクを入れる。

マシュマーは何も入れずにブラックで飲んでいる、羨ましい。

ブラックは飲めない、いや、正確には”もう飲めなくなった”が正しい。

 

お互いにコーヒーを飲みながら、軽く世間話や近状を報告し合う。

そんな中でコウは忘れかけていたことを思い出した。

 

「そーいや、マシュマー、お前は何をしに来たんだ?」

 

「ケンプファーの装備を渡しに来ました」

 

「装備?」

 

「えぇ、以前のお師匠様が使っていた装備を中心に開発した物です」

 

以前、ようはネオジオン軍時代のことだろうか?

しかし、それだとビームバズーカや多目的ミサイルランチャーなどがあるな、他には追加装甲とか……しかし、今のケンプファーでは出力不足になるんじゃ……だとしたら、ジオン軍時代の装備になるのか?

 

「新しい装備はこれです」

 

マシュマーが差し出してきたタブレット端末には、複数の武器などが書かれていた。

やはり、その武器などはジオン軍時代の物ばかりだった。

どれも自分が最後にいた時代では旧式の装備だったが、たかが連邦程度なら充分な装備だ。一年戦争後から、優秀なパイロットや指揮官が次々に除隊したり、死刑にされたり、ティターンズに吸収されたりと連邦の質は確実に地に落ちていった。何よりも優秀なパイロットや指揮官を死刑にしたときはこいつら、アホじゃね?と思った。

彼らが生きていたら、その後のネオジオンの脅威になったろうに……。

 

「やはり、ビーム兵器はないな」

 

「ケンプファーの出力では合わないのもありますし、何よりもビーム兵器の小型化はアナハイムが特許を取ってますから」

 

「ふーん」

 

ぶっちゃけ、ビーム兵器はあまり好きではないから、無くても別に構わない。確かにビーム兵器は強力だがアムロクラスじゃなくてもエースクラスの敵になれば、ビームサーベルなどの近接武装でビームを弾くのが当たり前になるから、ビーム兵器よりも実弾兵器の方が有効だ。

バズーカやミサイルなら斬っても爆風で相手の視界を奪えるし、マシンガンならその連射力で圧倒できる……アムロクラスには無意味だが。

 

「まぁ、ビーム兵器は弾かれるから別に必要ないな」

 

「いや、その理屈はおかしいです」

 

「ん、何でだ?ビーム兵器なんて、弾けれるだろ、普通に」

 

「そう、思ってるのはお師匠様ぐらいですよ……」

 

普通だろ、弾くなんて。

昔、五機の量産型キュベレイのファンネルの波状攻撃を凌いだときはファンネルやビームガンは弾いて、ビームキャノンは避けながら、全機撃破したことがあるから、普通だろ、普通。ファンネルなんて、慣れれば軌道が読めるからそこから攻撃位置、攻撃順などを予測して弾いてはファンネルを潰し、最後に本体も潰すのが定石だ。

ファンネルって残ってたら、時々、他人が使うことあるしね。

 

「しかし、色々あるなー」

 

コウはタブレット端末を操作しながら、新しく届く装備を簡単に見ていた。そこには見たこともない武装からあの忌々しいガンダムが使っていた武装など、たくさんあった。

その数はゆうに百を超えるだろう。

 

「多すぎだろ、これ」

 

「お師匠様なら」

 

百も超える武器扱うとか、何処の慢心王だ。

 

「まぁ、さすがに無理でしょうから、我が社が関わっているISのパイロットになら武装を渡して良いとハマーン様がおっしゃってました」

 

「ジオニックに関わっているISねぇ……」

 

いや、そのISと今度戦うんだけど。

 

「あ、そういえば」

 

「あ?」

 

「キャラが結婚しましたよ」

 

キャラか懐かしいな……うん?

 

「……は?」

 

え、なにそれこわい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーアナハイム日本支社 第六課ー

 

「内海、貴様!!」

 

「おや、徳川専務」

 

場所は変わり、アナハイム日本支社の第六課の部屋で、内海は上司である徳川 菊蔵専務に胸倉を掴まれていた。

 

「おや、ではない!貴様、どういうか」

 

「あまり、怒ると血糖値があがりますよー」

 

「誰のせいだ、誰の!!」

 

「ボクちゃん、Death☆」

 

きゃは☆と可愛らしい笑顔を浮かべる内海だったが徳川専務にはまったくの逆効果で余計に怒りをかった。

額には青筋が浮かび上がっていた。

 

「キィーサァマー!!」

 

「あははは、めんごめんご」

 

ケラケラと内海は笑い、その謝りにはまったく誠意が感じない。

むしろ感じた方が異常な謝り方だった。

相変わらず、他人を小馬鹿にする内海の言動に殺意を抱かずにいられない徳川専務は内海を乱暴に離し、話を続けた。

 

「内海……貴様、先月にトリントン基地を襲撃したな」

 

「しましたよ〜」

 

先月、公にはなっていないがオーストラリアのアナハイム社が所有するトリントン基地が十月にあったIS博覧会の事件に現れた蒼い機体BDに襲撃された。

防衛に出た戦車約二十車両、戦闘ヘリ約十五機が大破または撃破され、近場のオーストラリア軍のIS三機も出撃するも仕留めきれず、”たまたま”新型試作機の稼働テストに来ていたアメリカ軍のIS部隊が戦闘に参加。

ようやく、BDを撃破することに成功した。

 

「……その時、開発中だった”福音”に何かしたか?」

 

「何も〜」

 

その時、内海と徳川専務もいたが襲撃の際、内海は行方不明になり、襲撃後に探すとアナハイム社の新型試作機の近くにいたのだ。

その時は徳川専務は何故内海がそこにいたのかは聞かなかったが、後に内海が出した【対IS兵器】の資料を見た時、初めてBDの存在を知った。

 

「まぁいい、調べればわかる」

 

「うふふ」

 

相変わらず内海はニヤニヤと笑っている徳川専務はこの内海という人間がまったくわからない。

アナハイム社に務め、ビジネスマンとして生きて、三十年以上生きてきて、様々な人間を見てきた徳川専務だったが、どうしても内海 束というこの女だけはまったくどういう人間でどういった扱いをすればいいのかまったくわからなかった。

 

ただ薄気味悪い。

 

それがビジネスマン歴三十年以上の玄人の徳川菊蔵が内海束に抱く感情だった。

 

「そうだ、専務」

 

「なんだ?」

 

「今度はIS学園を襲撃しますね☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、IS学園のコウと一夏の自室。来ていたマシュマーは爆弾発言をするだけして、さっさと帰ってしまい、今この部屋にいるのはコウと一夏だった物がいるだけだった。

一夏は可哀想なことに長門の真剣勝負、防具なし全力剣道で面、胴、小手を全部モロにくらい、身体中が腫れていた。

 

「しかし、キャラが結婚ねぇ〜」

 

そんな一夏なぞ、目に入れることなく、コウはかつての部下が結婚したことに驚いていた。

何せ、彼女の印象が露出狂のショタコンしかないからだ。

あと、以外と部下思い。

 

「……まさかねぇ」

 

まさか、結婚相手があのハゲ、エギーユ・デラーズとは思わなかった。

マシュマーに渡された結婚式の写真にはデラーズにお姫様抱っこされている幸せそうなキャラの姿があった。

 

「結婚か……」

 

かつて、辿り着いた幸せ。

奪われた幸せ。

殺された幸せ。

 

「寝よ」

 

コウは考えるのをやめ、一夏の顔に白いハンカチを置いて、明日に控えて、自分の布団に入った。

 

それからは特に何かあるわけではなく、箒の下ネタに付き合わせられたり、長門に勝負を挑まれたり、一夏に勉強教えたり、セシリアとの決闘に向けて身体や機体の調整をしながら、決闘の日まで過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして、決闘当日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年一組の教師含め生徒全員が第二アリーナに来ていた。

皆、コウとセシリアの決闘を見るためである、また一年一組以外にも三年生や二年生、生徒会のメンバーも来ていた。

皆々、始まる決闘を楽しみにしていた。

 

 

 

セシリアは深呼吸をしていた。

この三日間、ずっとこの日のために調整をし、コウに対しての対策も練ってきた、準備は万全だ。

だが、やはり……。

 

(勝てるのでしょうか……)

 

セシリアはコウの対策として、公表されている映像から非公式でジオニック社にしか扱われてない映像も含め、全てに目を通した。

それらからを見て、驚愕した。

 

ーーー本当に同じ年齢なのか、かと。

 

反応速度、命中率、回避能力などが全てがセシリアを超越していた。

セシリアは代表候補に選ばれるぐらいに能力は高い、故に一般の同学年の生徒よりも能力は高い、もちろん他の代表候補達もだ。

そんな今年の代表候補達より遥かに高い能力をコウを有していた。

 

そして、何よりも他の代表候補達が持っていない自分だけだったはずの力【ニュータイプ能力】は自分がオールドタイプではないかと錯覚するぐらいの高すぎるニュータイプ能力もコウは持っていた。自分がコウに勝っているのは機体性能だけだ、しかもその機体性能の内、加速性能などいった速度関係だけはコウの機体、ケンプファーに負けていた。

というより、ケンプファーが速度に関して異常なのだ。装甲を削れるだけ削り、全て速度に費やしたと言っても間違いの無い機体なのだ、ケンプファーは。

 

(勝てないかもしれない……だけど、わたくしは)

 

あの日、あの瞬間、自分にもっと力があれば。

あの日に彼がいなければ、自分達は……。

 

あの日から、弱いのは嫌だ。

もう負けるわけにはいかない。

自分は勝たなければいけないと言い続けてきた、だから。

 

「勝ちますわ、絶対」

 

セシリアは静かにIS【ブルー・ティアーズ】を身に纏い、カタパルトに乗った。

 

 

 

 

 

 

 

「ブルー・ティアーズ、蒼い雫」

 

コウはストレッチをしながら、対戦相手の機体ブルー・ティアーズのデータを軽く見ていた。

 

「へぇ、自律機動兵器……ビットか」

 

ビットなんて、なんて懐かしい。

しかし、自分が知っているビットとはかなりサイズが違う。

 

「いや、まぁ、あのサイズはあのサイズで嫌なんだけど」

 

もし、あのサイズのビットが襲ってきたら、問答無用でセシリアを速攻で撃墜する。

 

「さて、行きますか」

 

コウもIS【ケンプファー】を身に纏い、カタパルトに乗る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セシリア・オルコット!」

 

「神楽坂 幸!」

 

「ブルー・ティアーズ」

 

「ケンプファー」

 

「出撃いたしますわ!」

 

出撃()る!!」

 

二機のISがアリーナに飛び出た。

 

 

 

その瞬間、アリーナに歓声が上がる。その歓声の中にはもちろん一夏や箒、のほほん達の声もあった。

二人は周りの歓声など気にせず、睨み合い、そして合図を待った。

 

「これより、一年一組クラス代表を決める決闘を開始する!」

 

担任の織斑千冬の声が響き渡る。

 

「この決闘に勝った方がクラス代表になることには異存はないか!」

 

「はい!」

 

「応!」

 

「では……試合開始!!」

 

千冬の開始の合図と共に二人は動いた。

 

「舞いなさい、わたくしのワルツで!」

 

「さぁ、行こうか、相棒!!」

 

決闘が始まる。




皆様、お久です。
また来月。

誤字報告ありがとうございます。
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