ギリギリ間に合った!
祝一周年記念だぁぁぁぁ!
今から一年前ーーー。
『うぅぅぅ』
『泣かないでよ、別に一生会えないわけじゃないんだしさ』
首都東京にある空港で鈴と一夏とその友人達が旅立つ鈴の見送りをしていた。
凰鈴音が日本に来たのは数年前のことだ。鈴の父親が日本に憧れ、本場中国で学んだ自分の中華料理を多くの人に食べてもらいたいと両親と共に日本に引っ越してきて、一夏と同じクラスに転校生としてきた。
その時の鈴は見知らぬ土地でまだ慣れない日本語に苦戦していて、漢字を間違ったり、言葉を間違ったりして、周りから馬鹿にされていた。
ある日のこと、一夏とその友人である五反田 弾と公園に遊びに行ったときである。
鈴がクラスメイト達と上級生達に囲まれ、イジメられていた。鈴は悔しそうに俯いていた。
そのことに我慢できなくなった一夏と弾はそのイジメを止まるために口論になり、喧嘩となった。しかし、相手は上級生とクラスメイト達、数も体格的にも不利だった。
一夏と弾は勝てるはずもなく、上級生とクラスメイト達に一方的に殴られていた。そして、一人の上級生が鈴に殴りかかろうとしたときである。
ドゴォ!!
という音が公園内に鳴り響き、鈴を殴ろうとした上級生が宙に舞い、数メートル先にあるゴミ箱に文字通りにボッシュートされた。
『ーーー!!』
そして、鈴は中国語で何かを叫び、一夏達を殴っていた上級生とクラスメイト達に殴りかかり、一方的に相手を殴った。
・・・・数分後、そこにはジャングルジムや噴水、ゴミ箱に頭から突っ込み、犬神家状態の上級生とクラスメイト達の姿があった。
後から聞いたのだが、鈴の父親の父ようは鈴の祖父は武術家である流派の師範らしく、鈴の父親も鈴自身もその流派を習い、父親は受け継ぐ気はないらしいが鈴は受け継ぐ気があり、父親より多くを学んでいたため、そこらの子供相手なら一方的に勝てるらしい。
なら、何故今まで反撃しなかったかというと師範の祖父から素人相手に力を振るうなと言われていたため、イジメてくる相手でもずっと我慢していたらしい。しかし、今回一夏と弾が自分を助けようとし、数の暴力で一方的に殴られるのも気に食わないし、何よりも今までの理不尽のイジメについに堪忍袋の緒が切れ、イジメっ子であるクラスメイトと上級生達を殴った。
もちろん、このことは互いの保護者にバレたが相手側、イジメっ子側の親がクズでしかも近所では有名な暴走族とヤクザで鈴や一夏達が一方的に悪いと言い切り、鈴の父親の店や弾の祖父母の店を営業妨害したため、たまたま来日していた鈴の祖父に折檻された。
その報復として百人に近い、武装した暴走族とヤクザが現れたが人間を片足スキップで辞めている鈴の祖父に勝てるはずもなく、誰一人として鈴の祖父に傷をつけることなく、全員病院送りになった。当たり前だが、警察沙汰になったが元々問題を多くを起こしていた暴走族とヤクザが全員病院送りになり、営業妨害などとして起訴、逮捕できるとあって、鈴の祖父は厳重注意だけで済んだ。
この一件以来、鈴と一夏達との交友が始まり、鈴と一夏達は友人となった。
そして、今から一年前に鈴の両親が離婚、母親は鈴を引き取らず、父親が引き取ることになったが祖父の意向で中国に帰り、祖父の道場で修行することになった。
鈴もそのことには賛同し、いつか日本に戻ってくると言った。
『日本に戻るって、どうやるの?鈴姉』
鈴のことを鈴姉と呼び、慕うのは五反田弾の妹である【五反田 蘭】だ。
鈴から反撃され、完膚なきまでボコボコにされたのに一切反省をしていない一部の上級生達が鈴に復讐するために鈴の友人の弾を狙おうとしたが、狙いにいった上級生達が運悪く、そのことが鈴にバレ、また鈴に負けた。
それを知った阿保上級生達の残党は弾がダメならと弾の妹である蘭を狙ったがそんな見え透いた考えなど、鈴はわかっており、むしろ蘭を囮にして、残党を全員噴水で犬神家状態にした。その時の上級生を一方的に倒すに鈴に蘭は大層憧れ、懐き慕うようになった・・・・ちなみに妹の危機、友人の妹の危機とあり、一夏と弾は鈴と共に戦ったが一ミリも戦力にならなかった。
その時、鈴は言った。
『やっぱ、マグロを食ってるような奴はダメだな』
それは、少し前に見た映画のセリフだった。
だが、一夏と弾の男のプライドを打ち砕くのには充分だったと言えよう。
『IS学園よ、IS学園』
『何でIS学園なんだ?』
『世界唯一のIS専門の学校に行きたいと言えば行かせてくれるわよ』
『父さんが認めるかなー?』
『大丈夫よ、父さん・・・・お爺ちゃんがダメ!って言ったら』
『言ったら?』
『大嫌い!て言うから』
『やめて!』
以前、とある事情で鈴が祖父に向かって『大嫌い』というと自殺未遂をしそうになったり、三日も何も喉が通らなくなったり、人類消滅を願ったり実行しようとしたりと大騒ぎだった。
そう、鈴の祖父は超がつくほどの【孫バカ】である。
ちなみに父親も父親で【親バカ】である。
『ま、そういうわけだから』
『いや、どいうわけだよ!?』
『つか、千冬姉来るの遅いよなー』
『お前、今それ言う!?』
『弾兄、アイス買ってきて全員分』
『鬼だな、お前!?』
『ちくわ大明神』
『誰だ、お前!?』
といつも通りの会話をしていると飛行機の発進時間が刻々と近付いている。そろそろ、乗り込まないといけないので鈴は一夏達に暫しの別れを告げる。
『じゃ、一年後!』
『おう、待ってるぜ!』
『頑張れよー!』
『鈴姉~頑張って~!』
鈴は笑顔で皆に見送られ、鈴も笑顔で別れる。だが、途中で立ち止まり、振り返った。
『一夏~!』
『ん、なんだ~』
『あたしさ、帰って来たらーーー』
「死ねよやー!!」
「ハッ!?」
懐かしい記憶をまるで走馬灯のように見た一夏が次に見たのは飛び蹴りを繰り出してくる鈴だった。
「のぉぉぉぉ!?」
ボゴォ!!と何かが砕ける音がした一夏は恐る恐る自分がいた位置を見ると鈴の飛び蹴りにより、先程まで自分がいた部分の床にクレーターができていた。
ちなみにだが、IS学園の壁や床などに使われているコンクリートは特殊な素材で出来ており、小銃や歩兵用のロケットランチャーにも耐えれる使用となっている。
それが幼馴染とも言えなくもない友人の少女の蹴り一撃で粉砕したのだ、もう一度言おう粉砕したのだ。
「ちぃぃぃ、外したか!」
「ちょ、ま、まって」
「死にさらせぇぇぇ!」
「あ」
予測可能回避不可。
鈴の殺意ある拳が一夏に迫る、それは最早回避不可だ。
あぁ、死ぬのか・・・・と一夏は嘆いた。
「はい、ストップ」
「にゃあ!?」
鈴が一夏を殴ろうとしたときである、コウが鈴の服の襟首を引っ張り、その一撃を止めた。
鈴は襟首を引っ張った犯人コウに振り返り、睨んだ。
「そんな阿保でも必要な人材だから、やめような」
「離しなさいよ!」
「離したら殺す?」
「うん!」
清々しいまでに即答である。
「あのさ、一応そいつ世界で二人しかいない、ISの男性パイロットだし」
「何よりも日本初の男性パイロットだから、殺したら色々ヤバイぞ」
「うぐぅ!?」
コウに正論を言われ、ぐうの音も出なくなった鈴は不貞腐れながら、力を抜いた。それを確認したコウは警戒をしながらも襟首を離す。
鈴が仕方なく自分の教室に戻ろうとしたときである、一夏に振り向き言った。
「・・・・月夜ばかりと思うなよ」
「こえーよ!?」
「何をやってるんだ、貴様らは」
「「「あ」」」
怒りで顔が引きつった織斑千冬教官がいつの間にかにいた。
「何で俺まで・・・・」
「なんか、ごめん」
あの後、一限目をフルに使い、織斑先生は愚弟の一夏と抵抗はしなかった凰と何でと嘆くコウの三人に織斑先生に説教をした。
「で」
「?」
「凰に殺されかける理由は?」
「思いつかん」
即答してきた一夏にコウは少しは悩むなり考えるなりしろよと呆れ、頭が痛くなるのを感じた。
「あたしが一夏を狙う理由?」
「そうだ」
放課後になり、コウは一応クラス代表戦に備えてISの調整をしようと整備棟に向かう途中で丁度、整備棟に向かう鈴に偶然出会った。
挨拶もそこそこにし、鈴から巻き込んだことに対する謝罪をもらいながら、コウは今回の騒ぎの原因について聞いてみた。
鈴は少し唸りながら、頭を捻りながら悩んでいた。すると何かを思いついたらしく、「お!」と声をあげた。
「こうしましょ、次のクラス代表戦であんたが勝ったら教えてあげる」
「俺が負けたら?」
「あたしが聞きたいことがあるから、それに答えるというのは」
「ふむ」
別段にそこまで聞きたい話ではないが、特にクラス代表戦に目標がなかったので今回の原因について話を聞くことをコウは目標とした。
そして、何よりも鈴について気になることがある。
「了解だ、その条件を飲もう」
「契約成立ね、互いに頑張りましょう」
鈴は和かに不適に笑みを零しにながら、コウに手を差し伸べた。コウも和かにその手を握り、握手に応じた。
ある会社の会議室で数名の役員と数名の社員がある映像を見ていた。
それは新兵器のテスト映像だった。
「これが我らの新兵器です」
「ほう、これは!」
「す、素晴らしい!」
「あの暁の鷹がこんなにも簡単に殲滅するとは・・・・」
映像に映っているのは最近何者かにより、殲滅されたテロリストグループの【暁の鷹】の最後だった。
暁の鷹の兵器が次々に薙ぎ払われ破壊され、死人が続出する。すると暁の鷹は何処で入手したのかがわからないがISを繰り出した。パイロットはもちろん女性で砂漠に長くいるせいか日焼けをしていた。パイロットは自分を仲間を殺そうとするソレに激怒し、攻撃を仕掛ける・・・・がその攻撃はソレには通じず、徐々に勢いが削がれ、そして最後には地面に膝をつき、日焼けしていた肌は燃えかすのように黒ずんでいた。
そこで映像は消え、会議室は役員達の拍手喝采に包まれる。
「素晴らしい!素晴らしい!」
「まったくだ、アレがあればISなぞ!」
「内海くん、やはり君を対IS兵器開発顧問に任命して正解だった!」
「ありがとうございます」
数名いた社員の中から内海束がいつもの笑みを浮かべながら、役員達の前に出る。
「では、最終段階に移ります」
「あぁ、許可しよう!」
役員のその言葉に内海は満面の笑みを浮かべ、冷たく言い放った。
「ーーーでは、このMA【アッザム】でIS学園を襲撃します」